-「閉じた世界」が生み出すフェミサイド『聖地には蜘蛛が巣を張る』(22年)-
2001年から2002年にかけてイスラム教シーア派の聖地マシュハドで起きた娼婦連続殺人事件(通称:スパイダーキラー事>>続きを読む
-ジリジリと観客を追い詰める底意地の悪いブラック・コメディ『逆転のトライアングル』(22年)-
『フレンチアルプスで起きたこと』(14年)や『ザ・スクエア 思いやりの領域』(17年)など、底意地>>続きを読む
-熱意や創意工夫を欠いた、ただひたすらに退屈な映画『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.2』(22年)-
成仏できない幽霊たちをあの世に送り返す特殊組織「R.I.P.D」の活躍を描いたアクシ>>続きを読む
-ちょうどいい湯加減のお気楽B級映画『47RONIN-ザ・ブレイド-』(22年)-
キアヌ・リーヴスが主演を務め、約2300万ドル(!?)という大赤字を叩き出した問題作『47RONIN』(13年>>続きを読む
-エイハブはモビー・ディックを赦せるか?『ザ・ホエール』(22年)-
タイトルにある「ホエール(鯨)」とは、作家ハーマン・メルヴィルの長編小説『白鯨』(1851年)に登場する白く巨大なマッコウク>>続きを読む
-ぶつかり合う、女と男の「大人のエロス」『キル・ボクスン』(23年)-
主演を務めたチョン・ドヨンの、齢50にしてますます磨きがかかる圧倒的な美貌には驚かされるばかりだ。最強の殺し屋ギル・ボクス>>続きを読む
-ダリオ・アルジェントが辿り着いた意外な新境地?『ダークグラス』(21年)-
イタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェントの10年ぶりの復帰作!───と聞くと「果たして今度はどんな恐怖のつるべ打ち>>続きを読む
-ポール・シュレイダーが描き続ける「救済」なき「煉獄」『ノーセインツ 報復の果て』(22年)-
煮詰まった男の姿を描かせたら、ポール・シュレイダーの右に出る者はいない。彼の作品の主人公はいつも同>>続きを読む
-「異端者」を踏みにじる「社会」への眼差し『Winny』(23年)-
本作の主人公 金子勇(東出昌大)は、ことあるごとに空を見上げる。飛行機や星に思いを馳せるその姿は、まるで無邪気な少年のようだ>>続きを読む
-今という時代にこそ、こういう「娯楽映画」が必要なのだ!『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(23年)-
1974年に発売された世界初のテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴン>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
-まさかの落涙!怒れるモンスターの痛切な悲恋『エスター ファースト・キル』(22年)-
前作で主人公エスター(イザベル・ファーマン)の正体がすでに明かされていることは、本作においてはプラスに働い>>続きを読む
-余計な一捻りは必要だったのか?『マッシブ・タレント』(22年)-
ジャンルを問わず多種多様な作品に出演し、そのたびに(良くも悪くも)鮮烈な演技を披露し続け、多くのファンを獲得してきた怪優ニコラ>>続きを読む
-ドパルデューの貫禄と哀愁に惚れ惚れ『メグレと若い女の死』(22年)-
ベルギーの作家ジョルジュ・シムノンによるベストセラー『メグレ警視』は、全100タイトルを越えるご長寿シリーズ。その中でもと>>続きを読む
-「不健全さ」を笑う、どこまでも「健全」な態度の表明『劇場版 センキョナンデス』(23年)-
ドキュメンタリー映画と劇映画の境界には無限のグラデーションがあり、その差異を明確に定義することは難し>>続きを読む
-作り手が望む'画作り'と'展開'に、'ドラマ'が全く追いついていない!『シン・仮面ライダー』(23年)-
『シン・ゴジラ』(16年)や『シン・ウルトラマン』(22年)は、今という時代に日本を代>>続きを読む
-無邪気な子供たちが体現する、アラン・ムーアの「ヒーロー論」『シャザム!~神々の怒り~』(23年)-
かつてコミック界の巨匠アラン・ムーアは「ヒーロー」という概念について、「スーパーパワーがある>>続きを読む
-全てを台無しにするポストクレジットに唖然!『BLUE GIANT』(23年)-
ジャズに理解のある人物しか登場しない点や、社会的抑圧がほとんど描かれていない点など、食い足りなさを感じる箇所も少>>続きを読む
-現実と空想が交わる地平にスピルバーグは立ち続ける『フェイブルマンズ』(22年)-
60年代後期、スティーヴン・スピルバーグは「カウンター・カルチャー」にどっぷりと浸かっていたわけではなかったが>>続きを読む
-「物語」が色褪せた世界を彩る 『アラビアンナイト 三千年の願い』(22年)-
「世界」は驚異に満ちている。にも拘わらず、まるでこの「世界」が色褪せているかのような感覚に日々囚われてしまうのは、>>続きを読む
-全てが'曖昧'な世界でこそ、ヴァーホーヴェンの「スーパーヒロイン」は光り輝く『ベネデッタ』(21年)-
白黒つけることのできない'曖昧さ'は、ポール・ヴァーホーヴェン監督作品の大きな特徴の1つ>>続きを読む
-これはパク・チャヌク版『ファイト・クラブ』だ!『別れる決心』(22年)-
生真面目で優秀な刑事ヘジュン(パク・ヘイル)が、事件をきっかけに美しき容疑者ソレ(タン・ウェイ)と惹かれあっていく。あ>>続きを読む
-物語は感動的だが、映画としてはいかがなものか・・・『トゥルー・スピリット』(23年)-
単独・無支援・無寄港でのヨット世界一周を齢16歳で達成し、最年少記録を打ち立てたジェシカ・ワトソンの著書>>続きを読む
-これ見よがしの白々しい描写の数々に辟易『バビロン』(22年)-
豪華絢爛で、エネルギッシュで、お粗末で、そして軽薄な作品である。1920年代のハリウッドの実態を描いた作品であり、その過激さを「>>続きを読む
-'逃避'がもたらす映画的躍動『そして僕は途方に暮れる』(22年)-
'逃げる'という行為は、それ自体が物語に躍動(アクション)をもたらす映画的なモチーフの1つであり、西部劇やアメリカン・ニュー>>続きを読む
-どこまでも優しい夢物語『銀平町シネマブルース』(22年)-
『エンドロールのつづき』(21年)『バビロン』(22年)『フェイブルマンズ』(22年)『エンパイア・オブ・ライト』(22年)などなど>>続きを読む
-良くも悪くも手堅いワンシチュエーション・スリラー『FALL/フォール』(22年)-
限定空間でのワンシチュエーション・スリラーが重宝されるのは、予算が抑えられるのは当然として、同時に「いつ死ん>>続きを読む
-観客に「現実」を叩きつける一級品の地獄ライド『母の聖戦/市民』(21年)-
『闇の列車、光の旅』(09年)『悪の法則』(13年)『囚われた少女たち』(15年)(15年)『ボーダーライン』シリー>>続きを読む
-「泥臭さ」が放つ輝き『終末の探偵』(22年)-
いわゆる「ハードボイルドもの」の主人公は、世に蔓延る悪徳や不正を前に、ちっぽけな個人がいかに無力な存在であるかをよく理解している。何度も修羅場を>>続きを読む
マペットに命を宿すことに命を懸けるヘンリー・セリックの執念と狂気は、遂に前人未踏の境地に突入した。生と死、リアルとフィクション。アニメーションの魔力が、あらゆる境界を軽々と超越する様には感嘆とさせられ>>続きを読む
-雰囲気で誤魔化すだけの浅薄な作品『マイ・ブロークン・マリコ』(22年)-
第24回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門新人賞を受賞した『マイ・ブロークン・マリコ』(19年)の実写化作品。監督は『月>>続きを読む
-岡田准一のモテモテハーレム、美しくも切ないドライなBL映画『ヘルドッグス』(22年)-
同じ潜入捜査官ものでも、『白熱』(49年)『ハートブルー』(91年)『フェイク』(97年)『インファナル>>続きを読む
-「意味」を求めずにはいられない人間の弱さを浮き彫りにする怪作『LAMB/ラム』(21年)-
宗教的なモチーフが随所に散りばめられているが、実のところ本作『LAMB/ラム』(21年)は、全く宗教>>続きを読む
-怒れ、真の個人であるために!『激怒』(22年)-
大変パワフルな作品である。低予算のインディーズ映画ではあるものの、制作陣の「こういう映画がつくりたい!」という情熱がスクリーンを越えてヒシヒシ>>続きを読む
-生真面目さが導き出す「映画」の醍醐味『NOPE/ノープ』(22年)-
生真面目かつ意欲的なクリエイターたちは、必ずといっていいほど物事の本質について表現しようと試みるものだ。真摯かつ誠実に物事>>続きを読む
-スタローンがいる限り、この世界はまだ大丈夫だ 『ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ』(21年)-
『ロッキー』シリーズ(76~06年)はアメリカン・ドリームを成し遂げた男の物語ではあるものの、>>続きを読む
-リリー・コリンズは早くパリから帰ってこい!『運命のイタズラ』(22年)-
映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』(18年)は、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の「ハリウッド・ヒルズに立ち並ぶ>>続きを読む