ミヤザキタケルさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ミヤザキタケル

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うつろいの時をまとう(2022年製作の映画)

3.5

日本の美意識をコンセプトに、独自のスタイルを発表するファッションブランド「matohu(まとふ)」のドキュメンタリー映画。matohuのデザイナーである堀畑裕之さんと関口真希子さんのクリエイティブの現>>続きを読む

ホーリー・トイレット(2021年製作の映画)

3.8

目が覚めると仮設トイレの中におり、右腕に鉄筋が突き刺さって身動きが取れない上、爆発まで34分という絶望的な状況に陥った男のワンシチュエーションスリラー。「片腕固定」&「身動きが取れない」という設定は、>>続きを読む

コンペティション(2021年製作の映画)

4.1

海外における映画製作(制作)、監督と俳優の間で交わされるやり取りの実態は分からないが、創造と想像の現場で巻き起こる皮肉とユーモアたっぷりな人間模様、名優たちの熟練したパフォーマンスにガシっと心を掴まれ>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.1

社会問題となったファイル共有ソフトをめぐる事件、その実話を、エンタメへ昇華させるのではなく、都合良く歪曲させるわけでもなく、ありのまま、適切な形で世に届けようという気概と覚悟を感じさせてくれる力作。実>>続きを読む

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

2.3

SMAPを見て育ってきた世代としては、スマスマ亡き今、木村拓哉さんを148分拝んでいられるのは至福の時間。キャストも豪華だし、信長という役に全身全霊で挑んでいる木村拓哉さんの熱気みたいなものはヒシヒシ>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.0

生まれつき食人衝動を抱えて生きる少女と青年の逃避行。ともすれば、ファンタジー度合いが強まってしまう奇異な設定ながらも、人それぞれに抱く理解を得難い欲望と等価値に描き出し、二人を現実の延長線上にいる存在>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.2

スティーヴン・スピルバーグがどのように映画と出逢い、どのように映画制作の道を歩み出したのか…。その軌跡を辿っていく過程で、彼に強い影響をもたらした両親との複雑な関係性、映画が捉え得る真実や、映画が現実>>続きを読む

トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.3

そこに確かにある(いる)はずなのに、見えない、見ようとしていない現実や弱者へと光を当て続けてきたダルデンヌ兄弟。その気高き姿勢は今回も変わらない。理不尽で抗いようのない状況に追い込まれながらも、リスク>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.7

人種対立や失業問題で揺れ動く1980年代初頭のイギリス。海辺に佇む映画館「エンパイア劇場」で共に働くことになった二人の男女。孤独に生きる中年女性と、夢破れた青年の出会いを通し、羽ばたくために羽を休める>>続きを読む

ファミリア(2023年製作の映画)

2.0

親子関係、在日ブラジル人、半グレ、テロなど、要素詰め込み過ぎな上、どれも中途半端且つ雑にしか描かれていないから引き込まれない。これを観るために1900円払うくらいなら、レンタルや配信で『グラン・トリノ>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

4.2

日頃報じられる悲惨な事件や事故。僕たちに届くのはその“情報”だけで、当事者が抱え得る“苦悩”や“葛藤”に関しては知る由もない。銃乱射事件によって息子を亡くした被害者家族と加害者家族の4名が、ほぼ全編に>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.2

まるで「HUNTER×HUNTER」における“制約と誓約”のような、「花さか天使テンテンくん」のサイダネを授からなかったヒデユキくんのような、「家庭教師ヒットマンREBORN!」の白蘭の能力のような、>>続きを読む

すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

3.9

脚本家エマニュエル・ベルンエイムの自伝的小説を基に描く父娘の物語。その関係性や胸に抱く想いは人それぞれに異なれど、誰にも等しく訪れることになる親との別れ。安楽死を望む父親を巡るそれぞれの葛藤が、劇的な>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.2

かつて繁栄を極めし古代都市バビロンが如く、映画の一時代を築いたサイレント映画。その絶頂期に身を置き躍進するも、押し寄せてくる時代の変化、トーキー化の波に抗えず淘汰されていく者たちの儚くも美しき物語。何>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.5

経年劣化も甚だしい地上600メートルのTV塔登頂に臨む女性2人のシチュエーションスリラー。これでもか!というくらい分かりやすくあからさまな展開が多いため、激しく胸揺さぶられるまでには正直達しない。が、>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.2

#MeToo運動が広がる原動力となった記事が発表されるまでの、険しく悍ましい道のりを描いた実話。その中心にいた2人の女性記者の弛まぬ努力、被害女性たちとの勇気の連帯によって成し遂げられた偉業に胸が震え>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.2

些細なことで誤解し合い、ようやく分かり合えたかと思えば怖くなったり、思いがけず歩み寄ることもできたりetc…。寝台列車の一室に乗り合わせた男女の旅路、その心の揺らめきを通して垣間見えてくるもの。それは>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

最高だった!

声優交代による賛否両論などありましたが、かつて「SLAM DUNK」に心揺さぶられたことがある人なら、きっとまた心揺さぶられることになるはず。

世代によっては「SLAM DUNK」を
>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.1

警察と被疑者。本来相入れることのない両者が惹かれ合うという異色の設定ながらも、紛うことなき恋愛模様がそこには描かれていた。驚愕。それを可能にしていたのは、独特の空気を生み出し唯一無二の世界観を確立させ>>続きを読む

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

3.6

片田舎で育てた競走馬がイギリス最高峰のレースに挑んだ実話を基に、人生への情熱を取り戻していく人々の姿を描いた人間ドラマ。王道展開ながらも、実話である重みが相まって強く響いてくるものがある。今ある日常を>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.6

ユダヤ人根絶のために集ったナチス高官らの会議を延々と傍観させられる112分。只々胸クソが悪いが、戒められもする。彼らを非難するのは容易いが、生まれた国や時代が違えば立場も変わる。場合によってはこの会議>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

4.1

飛行機の中で起こったバイオテロ。刻一刻と感染リスクが高まり混乱していく機内の人間模様と、事態解決に奔走する地上の人間模様の二段構え。空にはイ・ビョンホン、地上にはソン・ガンホと抜かりなし。この手の題材>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.9

北欧神話やヴァイキング伝説などを背景に、父を叔父に殺され“復讐”の火を胸に灯した王子が辿ることになる末路を、137分たっぷりねっとりじっくりと描く骨太復讐劇。ストーリー展開は極めて王道ながらも、一つひ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.2

共に崇高な精神と類稀なる肉体を併せ持ち、心通わせ友情を育みながらも、それぞれに抱く目的・果たすべき使命のために相容れず、道が違えていってしまう二人の男。極めてシンプルな王道展開ながらも、一つひとつのド>>続きを読む

離ればなれになっても(2020年製作の映画)

4.2

10代の頃に出会った男女4人が織りなす40年の歳月、人生の軌跡を辿る人間ドラマ。今この瞬間は悔いたり許せずとも、長い人生の中で捉えれば一瞬の出来事で、積み重ねた時間や経験が解決してくれることもある。そ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

闘い続けるには理由がいる。その理由が明確であればある程に、切実であればある程に、向き合う姿勢に勢いや鋭さが帯びていく。が、人の心は揺れ動き変化するもの。同じ理由が機能し続けるとは限らず、新たな理由が必>>続きを読む

ブラックアダム(2022年製作の映画)

3.6

序盤が要素詰め詰め且つ見せ方も上手くないのでタルく感じられるが、次第に登場人物たちへの愛着も湧いていき、気付けば夢中になって観ている自分がいた。パッとしないと思っていたはずのJSAのヒーローたちさえも>>続きを読む

チーム・ジンバブエのソムリエたち(2021年製作の映画)

3.6

絶望的な状況にある祖国・ジンバブエ共和国を離れ南アフリカへと渡り、ワインの奥深さに魅了された男たち。そんな彼らが「チーム・ジンバブエ」としてブラインド・テイスティング大会に挑む姿を追ったドキュメンタリ>>続きを読む

恋人はアンバー(2020年製作の映画)

3.8

自分の「普通」が世間の定める「普通」と異なる場合、選択を迫られる。ネットやSNSで誰とでも繋がれて、容易に仲間を見つけられる現代とは異なり、閉鎖的で村八分にされかねない時代。自分たちのセクシュアリティ>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

4.4

映し出される人間模様、その繊細な心の機微や揺らぎに只々引き込まれ、胸打たれる120分。作り物の世界ではあるけれど、そこに流れる空気や人間の営みは、現実のそれと遜色なく、そんな世界を構築した監督・俳優・>>続きを読む

柳川(2021年製作の映画)

4.3

疎遠だった兄を誘い、かつて兄弟が愛した女性と同じ名を持つ日本の「柳川」へと足を運ぶ余命幾許もない男。静寂漂う柳川の地で女性と再会し、絡み合っていく人間模様。時の流れがもたらすもの、いつまでも変わらぬも>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

4.0

中絶が違法であった時代のフランスで、予期せぬ妊娠により決断を迫られる大学生。頼れる者もなく、選択肢も与えられず、あるのはリスクと不安とタイムリミットだけ。今ある常識や価値観を過信することなく、万人に等>>続きを読む

いつか、いつも……いつまでも。(2022年製作の映画)

1.0

今年一番の地雷邦画。
ツッコミどころを挙げればキリがない。
監督と脚本家が夫婦だから、誰も口出しできなかったのだろうか。どうしてコレでOKが出てしまうのだろうか。1900円払う客の身にもなって欲しい。

耳をすませば(2020年製作の映画)

2.0

二人が過ごしてきた10年の歳月、その重みを感じさせてくれないから響かない。そもそも俳優陣が25歳にも見えない。思っていたほど地雷ではなかったけれど、可もなく不可もなし。いや、不可はあるか。二人の恋愛模>>続きを読む

カラダ探し(2022年製作の映画)

1.8

旬の若手俳優が揃っており、エグい描写も見応えがあるのに、設定の見せ方やストーリ展開がお粗末過ぎて本当に勿体無い。脚本にもっともっと力を注いでいれば、いくらでも面白くなったと思う。脚本家を悪く言いたいわ>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.9

選ばれし者だけが訪れることのできる高級レストランで振る舞われる狂気のフルコース。さながらホラーや地獄のデスゲームを見せられているようだと感じたのも束の間、その実態は、本来あるべき対等な関係性を、果たす>>続きを読む