ミヤザキタケルさんの映画レビュー・感想・評価

ミヤザキタケル

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

このタイトルを目にした時、あなたは何を思うだろう。「その通りだ」と言葉のままに受け取るのか、「いや、悪は存在する」と否定するのか。無論、考え方や受け止め方は人それぞれに異なるものだが、これほどまでに作>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

4.0

スランプ中の作家が訪れた異国のリゾート地。そこではどんな犯罪を起こしても、金さえ積めば自身のクローンを作成し身代わりにすることで罪を免れることができる。そうして目の前で自分と遜色ない存在が死刑となり生>>続きを読む

ミッシング(2024年製作の映画)

4.1

娘が失踪してしまった夫婦と、彼女たちを取り巻く人間模様を描く𠮷田恵輔監督作。

世の中で起きるありとあらゆる悲しい出来事や惨たらしい出来事の数々。それらを前に胸を痛めたり怒りが込み上げる瞬間はあっても
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関心領域(2023年製作の映画)

4.1

何て嫌らしい作品なんだろう(褒め言葉)。

アウシュビッツ収容所の隣に建つ邸宅で悠々自適に暮らす裕福な一家。焼却された人々の煙が空に立ち込め、絶えず怒号とも悲鳴とも取れる声や強制労働などにより生じてい
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PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~(2024年製作の映画)

3.4

熱を注げるものに巡り逢えること。その熱を分かち合い高め合える相手がいること。それらの熱を胸に一喜一憂していく中で得られるものがあること。

eスポーツを題材にした10代の青春物語を通して、打ち込めるこ
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.0

ある夜、車の荷台にたくさんの犬を乗せた負傷している女装姿の男が警察に捕えられる。精神科医との対話の中で語られていく彼の過去。その生い立ちから現在に至るまでの道筋を辿っていく構成になっているのだけど、映>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.3

プロレスにおいて対戦相手の顔を手で鷲掴みにする攻撃「アイアンクロー」の生みの親であり、かつてアントニオ猪木やジャイアント馬場とも激闘を繰り広げたレスラー、フリッツ・フォン・エリック。その息子であり、父>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.8

オピニオンコメントを寄稿。
https://klockworx-asia.com/soulmatejp/comment.html

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

※これは『ボーはおそれている』を鑑賞した人向けのネタバレを交えたもになっているので、作品未見の方は読むのをお控えください。そして、「よく分からなかった」と戸惑ってしまっている人のために、一つの解釈や可>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.6

近年アメリカで再び揺れ動いている人工妊娠中絶問題。本作で描かれるのは、まだ中絶が憲法で認められた女性の権利ではなかった1960年代アメリカ。望むぬ妊娠に直面した人々を、違法ながらも救おうと活動していた>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.5

その丸太のような剛腕ひとつで何もかもをねじ伏せていくスタイルや爽快感、合間合間でのコメディ描写、各回毎の目を引く強敵の存在など、シリーズものとしてのフォーマットが確立されたように感じられる『犯罪都市』>>続きを読む

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

3.0

色々思うことはあれど、最終的にはこうして無事劇場公開へと至ってくれたことで許せてしまう。

さらば、SEED。

異人たち(2023年製作の映画)

3.9

過去に交通事故で他界した両親と再会するという、ともすれば非現実のファンタジーや、その謎を解き明かしたくなるミステリーなどの類いになりかねない題材であるものの、そういった方向へと舵を切ることはなく、終始>>続きを読む

カラーパープル(2023年製作の映画)

3.8

スピルバーグ監督版の映画公開から30年以上もの時が流れてもなお、アリス・ウォーカーを原作とするこの物語が求められ、人々の胸を打つということは、裏を返せば劇中で描かれているような理不尽な出来事が今もこの>>続きを読む

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

3.8

外敵のいない住み慣れた池に留まり、一度も外の世界へ飛び出したことのないカモの一家。そんな家族が一念発起して3000キロ先のジャマイカ目指して旅立ち、道中さまざまな出会いやトラブルを繰り返しながらも歩み>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.1

詰まるところ、人は自分の知りたいことしか知らないし、見たいものしか見ないし、信じたいものしか信じない。事実がひとつであろうと、人の数だけ真実があり、また、その真実も些細なことで揺れ動く。

夫の転落死
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WILL(2024年製作の映画)

3.8

彼が選んだ生き方が是であるとか、自分もあんな風に在りたいとかまでは正直思っちゃいないし、(自分も含めて)都会に毒されてしまっている人ほど自然を追い求める傾向があるのではないかと考えてしまう。けれど、東>>続きを読む

12日の殺人(2022年製作の映画)

3.9

分かりやすく事件解決へと向かって進んでいくタイプの作品ではないし、登場人物たちの内面に焦点を当てて描いているため、万人受けはしないのかもしれない(目にする側の汲み取る力が求められるため)。

だが、題
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.2

自然と頬が緩んで、笑みがこぼれて、涙が流れて、心洗われる時間だった。

忙しない日々の中で疲れてしまっている大人に、小さなお子様がいる方にはお子様とご一緒に、是非ご覧になっていただきたい。

観てよか
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

4.0

突如世界を襲った大災害によって、大地が割れ建造物が崩壊していく中、奇跡的に崩壊を免れたひとつのアパート(劇中では「アパート」と言っているが、イメージ的には「マンション」の方が分かりやすいかと)。極寒の>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.6

ろうそくに火を灯し、霊とコンタクトできる手のオブジェと手を繋いで「Talk to me(話したまえ)」と唱えると、霊が身体に憑依する。90秒以内に手を離してろうそくを消すと、霊が身体から出ていく。「嘘>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.8

11/23公開『ロスト・フライト』
落雷によって機器類が故障し不時着した航空機。通信もできず、自分たちがどこに着陸したのかも分からない。しかも、乗客の中には移送中の殺人犯もおり、同行していた警官は着陸
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

12/22公開
『PERFECT DAYS』、本当に素晴らしかった。

『パリ、テキサス』、『ベルリン・天使の詩』などで知られる名匠ヴィム・ヴェンダース監督作品にして、今年のカンヌ国際映画祭で役所広司
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

3.9

僕のようにお酒に疎くても、主人公の一人である編集者・光太郎も同じ状態からのスタートであるため、そんな彼に寄り添いながらウイスキーについて知っていくことができるある意味ハウツー的な要素もあり、安心して物>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.8

これまでとは一味違ったギャスパー・ノエ。認知症の妻、心臓を患う夫、離れて暮らす息子。親の立場として、子の立場として、誰もが直面し得るであろう苦悩や葛藤を2画面分割映像を用いてこれでもかと突き付けてくる>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.3

10月は石井裕也監督作品が2作も公開!
『月』も凄まじかったが、『愛にイナズマ』もまた凄まじかった。

〜あらすじ〜
悲願の映画監督デビュー目前で、すべての夢を奪われた花子は、空気は読めないがやたら魅
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(2023年製作の映画)

4.4

実際に起きた障がい者殺人事件をモチーフにした芥川賞受賞作家・辺見庸の同名小説を、『川の底からこんにちは』『舟を編む』『茜色に焼かれる』などで知られる石井裕也監督が映画化。

監督が石井裕也さん、宮沢り
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

「シス」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、『スター・ウォーズ』シリーズにおける悪の存在であるが、本作におけるそれはフィンランドに古くから伝わる言葉のこと。その意味は明確に翻訳できるものではないらしく、す>>続きを読む

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.8

注目を浴びたい、認められたい、必要とされたい、自分自身を肯定したい。程度の差はあれど、誰もが抱く承認欲求。地道な努力によってその欲求を満たしていく者もいれば、即席の付け焼き刃のような手段を用いて満たし>>続きを読む

まなみ100%(2023年製作の映画)

4.0

オピニオンコメントを寄稿。
https://x.com/100manami100/status/1705862020573323380?s=46&t=u2_pun92kVN6LQ7GHMSxhQ

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.1

デンゼル・ワシントン主演の人気シリーズ第3作。

ロバート・マッコール、通称“イコライザー”。ある時はホームセンターの従業員として働き、またある時はタクシー運転手として街を駆け巡る。しかしてその実体は
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花腐し(2023年製作の映画)

4.3

芥川賞受賞作である松浦寿輝の同名小説を、『火口のふたり』の荒井晴彦監督が映画化。

ひょんなことから出会ったピンク映画監督の男と、脚本家志望だった男。そんな2人が、雨に降られ、酒を飲み、煙草を吸い、一
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はこぶね(2022年製作の映画)

4.2

オピニオンコメントを寄稿。
https://twitter.com/hakobune_theark/status/1700349559279587483?s=46&t=u2_pun92kVN6LQ7G
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.0

一見突飛な設定に感じられるかもしれないが(ゲームやアニメ好きにはありきたりな設定に感じられるかもしれないが)、そこで行われている人々の生活の営みや、登場人物一人ひとりの感情の揺らめきを信じることができ>>続きを読む

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

4.0

名優モーガン・フリーマンが製作総指揮を務め、無実の黒人男性であるケネス・チェンバレンの身に起きた悲劇の実話を映画化。

誤って通報装置を作動させてしまった黒人の老人と、通報を受けて駆けつけた警察官たち
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