タキさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

RRR(2022年製作の映画)

3.9

ハリウッドの描く白人の救世主のような作品(抑圧された集団を抑圧側の少数の白人が助けるようなストーリー)を思い浮かべるとインド側から見るイギリスの植民地支配の悪らつさはこう描かれるのかとニヤリとしながら>>続きを読む

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

3.8

映画だからといって大きな事件が起こるわけでもなくテレビ版何食べのテイストのままに2人の暮らしの小さなエピソードの積み重ねが映画になっている。ちょっとしたすれ違いもおおごとにならずふたりで笑ってすべて解>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

3.8

いまや古典の能楽や狂言もちろん歌舞伎もそうだがその始まりは流行りのポップスターを我々が見るのとおんなじ感覚だったと思うと親しみが湧く。琵琶を奏で歌う友一は今で言うロックミュージシャン、大掛かりな舞台装>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.3

前回のおさらいをせずに見に行ったけど冒頭にちょっとだけこれまでのジョン・ウィックのあらすじもありストーリーも人物相関もそう複雑じゃないし充分ついていけるほどの内容でホッとした。分からないままの3時間は>>続きを読む

やがて海へと届く(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

東日本大震災に遭ったのはなにも地元の人ばかりではなかったというのは意外な盲点だなと思った。観光や仕事であの日あの場所にたまたまいた人もいて、その人たちの家族、親しい人々はその日をリアルに体験していない>>続きを読む

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

最近見たスーシェ版のハロウィーン・パーティとはだいぶ違っていた(スーシェ版は細かな設定が違うところもあるが概ね原作小説通りとのこと)ケネス・ブラナー版ではそもそも遺産がらみの殺人ではなく、小さな子ども>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

4.3

若い頃に見た時にはピンと来なかった隣人トラブルや妊婦ライフのいかにもありそうなイヤーな感じ、これが現実なのかマタニティーブルー的な妄想なのかあやふやなままで引っ張ってからのラストの衝撃、よくできてるな>>続きを読む

オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.9

知識なしで見るとヒゲのオジサン大渋滞でちょっと難しいかも。公式サイトの町山×内田対談で当時のヨーロッパでのフランスの立ち位置がわかって理解の助けになる。視聴前、もちろん後でもぜひ!↓
ポランスキー過去
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

産院での赤ん坊の取り違えから母性について掘り下げるメロドラマ的なストーリーかと思ったら全く違う着地点で消化するのにちょっと時間がかかっている。ジャニスが娘セシリアと血縁関係にないと知っても誰にも言わな>>続きを読む

ザ・エージェント(1996年製作の映画)

3.6

レネー・セルヴィガーぐらい普通の女感を出すのが上手い女優はなかなかいない。しかもトムクルーズの漏れ出る発光に負けないオーラがあるのがスゴイ。
お仕事ドラマとしては面白かったけど、恋愛パートがやや消化不
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キャンディマン(2021年製作の映画)

3.9

スラッシャーホラーと定義づけていいのか迷うほどメッセージ性が強い。ホラーだと思って見ない方がいいかもしれない。名付けるなら社会派ホラーとでもいうべきか、人種差別問題に深く絡んだ物語だった。かといって黒>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

WOWOWのW座で小山薫堂さんが溺愛していた子羊(ラム)を夫婦が食べる話かと思ってたと言ってて私もペートゥルあたりが焼肉にして知らずに夫婦も食すとか予想してたクチなのであのラストには心底たまげた。アダ>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

4.2

土着の宗教の禍々しさを煮染めたような儀式の数々、ホンモノのようなリアリティがあるけれど監督の創作がずいぶん入っているとのことで、ミッドサマーのような詳細な設定の作り込みをするオタク気質を感じる。ネット>>続きを読む

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

「ロミオとジュリエット」と「十二夜」をモチーフに作者であるシェイクスピアを主役に据えたラブロマンスという面白い仕立て。当時イギリスでは男性しか舞台に立てない決まりがあって女性の役は男性が女装して行うこ>>続きを読む

最後まで行く(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品を原作にして、中国版、フランス版、日本版が作られたということで元ネタは黒幕みたいな人物はおらずシンプルな作り。2時間ほどのクライムサスペンスとしては無駄なくよくできている。主人公の刑事が車では>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.2

エンタメに全振りしない限りなく誠実な作りの作品。しかしドキュメンタリーに近いかといえばそっちに振り切ってるわけでもなくワインスタインの性加害を追う2人の記者の日常や被害者の今を上手い編集でみせていく。>>続きを読む

ミラクル・ニール!(2015年製作の映画)

3.8

不真面目な男が不真面目さ全開で自分の欲望の限りを尽くし、恋敵グラントに欲望の限りを尽くされるのはまずフツーの展開なんだけど、真面目なお願いをすると言葉足らずのせいでドンドンひどい有様になっていくのが意>>続きを読む

エルム街の悪夢(1984年製作の映画)

3.8

1980年公開の「13日の金曜日」はジェイソンの造詣等のちに熟成していくのに比べたら「エルム街の悪夢」は1作目からすでに完成形。夢で殺されると現実世界でも殺されるという不可解な異様さをどこからどこまで>>続きを読む

ポルターガイスト(1982年製作の映画)

3.7

監督は違うけどスピルバーグらしさ全開の映像の数々(ETの撮影と重なってたらしくて契約上の問題もあり製作側にまわったとのこと)最後に祭りの終盤の花火みたいに全部盛りのポルターガイスト、あっちもガイコツこ>>続きを読む

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

3.4

新作は信が王騎の所で修行する話かと思ってたら違ってた。荒くれ者の溜まる地域を自力で治めるとかいうプレ修行に行かされたくだりはすでに終わっており、次は王騎の元での本修行という段取り。
前半は嬴政が昔、闇
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

駅馬車に5人、ミニーの店に5人いて合計10人。2人多い。御者のOBとジョディ・ドミングレはたぶん数に入ってない。2人はヘイトを吐いていない。今まで見た映画で1番ニガーという言葉を聞いたし、黒人がこれほ>>続きを読む

13日の金曜日(1980年製作の映画)

3.0

あのジェイソンをイメージしてたらまったく違っててビックリ。いつの間にかキレイに上書きされてた。キャンプに行ってイチャついて盛り上がった末にセックスしてるとジェイソン(一作目は違うけど)に殺されますよっ>>続きを読む

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

3.8

戦後30年ものあいだ、フィリピンのジャングルで生活し辛いことも山ほどあったろうに根本のところで小野田さんはなんだかんだ言って常に楽しそうなのだった。忠誠心や猜疑心の強さもあっただろうけど本当のところは>>続きを読む

インフェルノ(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

一作目の「ダ・ヴィンチコード」ではレオナルド・ダ・ヴィンチ、二作目の「天使と悪魔」ではガリレオ・ガリレイ、三作目の本作「インフェルノ」ではダンテの『神曲』が謎解きに使われている。そもそも殺人ウィルスを>>続きを読む

クライマーズ・ハイ(2008年製作の映画)

3.8

専門用語に説明なしのスパルタ仕様。原田作品の大問題、セリフがストレスを感じるレベルで聞き取りにくいのも手伝って早々に諦めて字幕。かと言って字幕にすれば字数が多くてそればっかり見てしまうというジレンマ…>>続きを読む

野球部に花束を(2022年製作の映画)

1.0

これが決して強豪校でもない野球部の日常だと思うといったいこのシゴキの意味とは、と疑問がわく。新たに女子部員が入ることでなにか変わるのかと思ったらそうでもなく、シゴキは伝統芸として受け継がれていくのだっ>>続きを読む

オブリビオン(2013年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

レビューを見るとみなさん思われてるように設定、ストーリーともに面白いのにもったいない感がスゴイ。
60年前に地球はエイリアンに侵略され、人類は勝ったものの放射能汚染された地球が残ってしまうという世界観
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ア・フュー・グッドメン(1992年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

何が正しくて何が正しくないのかクルクルと入れ替わり何度も脳がバグる。殺人を犯した(殺すシーンが冒頭にあるので冤罪の類ではない)海兵隊員を弁護するとはどういうことなのか。平和な世の中ではちょっと意味がわ>>続きを読む

ダ・ヴィンチ・コード エクステンデッド・エディション(2006年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

劇場版は見たことあるのでエクステンデッド版を初視聴。
殺されたルーブル美術館の館長の孫娘暗号解読の専門家ソフィーに協力を求められハーバード大学の宗教象徴学者ラングドン教授が館長の死の真相、その裏に隠さ
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

戦争で夫を亡くしたイギリス人の家政婦のおばちゃんが一生懸命お金を貯めて憧れのディオールのドレスを買うためにパリを訪れおばちゃんパワーで周囲の人々を巻き込みながら最終的に1番欲しいと思っていたドレスを手>>続きを読む

JSA(2000年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

物語は現場に居合わせた人物がそれぞれ異なった供述をし、真相がわからなくなってしまう「羅生門スタイル」で描かれる。南北ともに事件をあやふやなまま終わらせたがっており、真相に近づきつつあるスイス軍将校ソフ>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

まじりっけなしの純度100%の「好き」はこんなにも人を幸せにするのかとさかなクンを見るたびに思う。さかなクンもとても幸せそうだし、見てるこちらも幸せな気分になる。そんなさかなクンの自伝を元に作られた「>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.9

トレーラーハウスで妻カーラと暮らす元溶接工の中年男モス(ジョシュ・ブローリン)がテキサスの荒野で狩猟中、銃撃戦があったとおぼしきいくつもの死体が転がった現場に出くわす。麻薬取引でのいざこざが原因のよう>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

私にとっては「オールドボーイ」視聴後の疲労困憊を思うとパク・チャヌク作品はけっこうハードルが高い、とずっと思っていた。久々にチャレンジしてみたらミステリとしてもかなり面白いし、禁断の恋もこういう描き方>>続きを読む

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

クリスティばりに登場人物みんな怪しいところから二転三転、そうくるかと思う犯人像ではあったが、もうちょっと犯人の激情を誘うエピソードをプラスしないと動機付けとして弱いかなぁと思う。
湯川が蓮沼は警察の自
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.3

いやー3時間の長尺をものともせずノンストップでブチ上がった!砂漠の銃撃戦、アラブの巨大空港で追っかけっこ、ベネチアの狭い路地でのカーチェイス、果ては暴走列車に飛び乗るためにパラシュートを背負ってバイク>>続きを読む