Moominさんの映画レビュー・感想・評価

Moomin

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アナとオットー(1998年製作の映画)

4.5

久方ぶりの純愛物語

アナに一目惚れしたオットー
オットーに父の面影を見たアナ
ふたりが成長すると共にその関係性は複雑化する

ふたりのそれぞれの目線で物語は紡がれるが、それぞれが思い描いているストー
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奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(2014年製作の映画)

4.6

歴史の授業は自分にとって
国語とか数学と違って、自分の人格形成に大きく影響を及ぼしたことを思い出す

問題児クラスを担当することになった教師歴20年の女性
彼女が行った授業の内容はアウシュビッツ等の収
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市子(2023年製作の映画)

4.8

こんな場面でどんな顔をしてどんな言葉が搾り出されるのか 混沌の中での杉咲花はじめとした役者陣の演技が光る

プロポーズ後に突如姿を消した謎多き市子
過去と共に彼女と家族の隠された真実に迫る

数回レベ
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

世界一のジャズ演奏者に

地方から上京したジャズを愛する主人公
前途多難の中、様々な出会いのおかげでなんとか東京でも自分の居場所を見つけ始める

音楽の知識が何もないから分からないのだけども、主人公の
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.6

『ハングオーバー』シリーズ並の衝撃再び

妻との結婚生活もままならず鬱憤とした日々を過ごすお肉屋さん
そこに襲撃した今話題の環境活動家
なんやかんやあってふいな事故から人肉を売るお肉屋さんに変貌する
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ソラニン(2010年製作の映画)

4.2

20代半ばが抱える鬱憤さ

軽音サークルで出会った者たちの卒業後の進路
自分の人生 やりたいことと、現実と
そんな思いを抱えたそれぞれの人生
そして、近くにいる人の存在について

挟まれる実景が優しい
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辻占恋慕(2020年製作の映画)

3.5

伝えたいセリフのオンパレード

とあるライブで相方に裏切られた主人公はたまたま居合わせた女性にヘルプしてもらい、彼女の歌に惚れ込む
彼女の歌を世に出そうとマネージャーの道へ

個人的にどうしても監督の
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フジヤマコットントン(2023年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

「希望の花、咲かせていい?」
「みんな色々あるんだよね」

甲府盆地のど真ん中に位置する
「みらいファーム」障害福祉サービス
そこに通う人々の日常や仕事を丁寧に追う

紡がれる言葉は少なく
テロップと
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さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

4.6

愛の様々な形

人間より寿命の長い民族と
人間との愛の交わり
それも思っていた愛とは違うとっても愛おしい愛で

これをもっと成熟した自分が観ていたらと思うと、ちょっと悔しくもなる

アニメーションって
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わたしの季節(2004年製作の映画)

4.8

小林茂監督の和光大学退任上映会にて
この作品を通して重症心身障害者の方と向き合えることが自分の人生においてとても大切な時間だったと

滋賀県野洲市 第二びわこ学園
重い障害児に対して専門的な西日本で最
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愛なのに(2021年製作の映画)

4.7

愛なのにという言葉が何回も反芻する

古本屋さんの店主 多田
多田が一途に追いかけてまだ好きだけど結婚を控える 一花
多田に求婚する高校生 岬
複雑に恋愛模様が交わる

今泉さんは入り方がいつも上手い
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

亡くなった友人の為にできること

幼馴染のマリコを自死によって失くしてしまうシイナ
小さい頃からマリコの家庭環境を知っているシイナは、彼女の手で弔ってあげることを決意する

永野芽郁の叫ぶ演技を初めて
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無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語(2024年製作の映画)

5.0

根室の文化を作った男の物語

映画館鑑賞後のこの胸高鳴る感動と心の温かさは久しぶり
この映画に出会えて本当によかった
もっと沢山の人にこの作品を観て欲しい

新根室プロレス
サムソン宮本会長が立ち上げ
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私の頭の中の消しゴム(2004年製作の映画)

4.8

もしも一番大切な記憶が失われたら

出会うべくして出会った二人の男女
しかし女性は若年性のアルツハイマー病に

上手く表現できないが
人間の切なさ・苦しいと感じる感情が遊具のシーソーの様にあっちこっち
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最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

4.7

ロブ・ライナー監督作
自分が死ぬ日が決まったら、知りたいか

車整備士と病院経営者と
病室で隣り合った老人が仲を深め
棺桶リストを人生の最後に遂行する

名作なので5年前ぐらいにも観た
『最強のふたり
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君が生きた証(2014年製作の映画)

4.3

息子を亡くした父親の優しい歌声が響く

息子を銃の乱射事件にて亡くしてしまった
父親が息子の遺した音楽を継ぐ

登場人物の主なる人たちの歌声が本当に優しくて聞き心地が良かった
説明は必要最低限 大事な
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.9

年末年始インフルでこの映画のレビュー書けなくて辛かった
今年も映画たくさん観ます

カンヌ国際映画祭 最優秀男優賞
役所広司演じる平山さんの日常にカメラがこんにちは

東京都の公衆トイレを掃除する平山
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.8

衝撃作

母の残した遺言を元に姉弟が
未だ出会ったことのない父と兄を探す物語

現代のパートと母の過去のパートの交差する構成
頭が混乱しがち
シーンの移り方が『アモーレスペロス』にとても似ていた

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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.9

岩井俊二は本当にアイナの歌に惚れてくれたんだなあ…

うたを歌うキリエ(アイナ)
聞きに来てくれたイッコ(広瀬すず)
キリエを育てたなっちゃん(松村北斗)
いやこんな一言では説明不可能なそれぞれの過去
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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

4.9

とんでもなくカットの使い方が上手い

たったワンブロック程の地区の秩序を守っていたが、先立たれた妻を追い自死を決意するとてもとても頑固なおじさんの話

カットの使い方 編集のイン点アウト点
ずば抜けて
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

4.5

圧倒的な空気を纏う作品

地元を離れ上京し父の友人の銭湯で暮らすことに
新たな街で出会う人々 内気な澪は心を開けずにいた日々だが
身の周りからの言葉に徐々に表情も崩れ

ずっと澪を追いかけるカメラワー
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三人の女たち(2022年製作の映画)

4.3

山村の生活から垣間見えるウクライナの情勢や政治

冒頭からカメラを回すなと言う女性に
節足動物の研究に没頭する女性
郵便局のような場所で働き人々に年金を渡しに行く女性
三人の女性に焦点を当てる

三人
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小説家を見つけたら(2000年製作の映画)

4.8

2000年の名作

文武両道、文学の才能とバスケットボールの才能を併せ持つジャマール16歳が
家に山程の本を積み少々怖い奇妙な老人と出会い

数奇な出会いにどこか現実味を帯びない設定に、はじめは少々困
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ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

4.3

地元の自分と東京にいる自分と

東京で30歳にしてやり手CMディレクターの砂田 不倫にお酒に 自暴自棄にも見えるのその日々
祖母が元気になったという連絡を受け
不思議な友達と地元茨城へ帰省することに
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アナログ(2023年製作の映画)

4.8

お別れの挨拶がおやすみなさいって言うのがとても良かった

デザイン業種に働く模型の工作好きの悟
自分のデザインした喫茶店に訪れていた携帯を持たない美春さんと出会い
二人は毎週木曜日にまた。と日々を過ご
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シックス・センス(1999年製作の映画)

4.8

自分が生まれた年の映画

精神科医のマルコム
救うことのできなかった過去の患者と出会い、もう一度仕事に向き合う事を心に決める
そこで不思議な感覚を持つ少年と出会う
第六感どころの話ではない

精神科医
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

5.0

アメリカのロックフォードという街
身近の友人2人をカメラで追いかけ、いずれ監督までもが追われる 12年間の記録

ロックフォードに蔓延る社会問題
家庭内虐待
監督は自身の過去の経験 セルフも込めて友人
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.7

なぜ録音が好きなのか
平凡なものを不滅のものにするから

アメリカのNYやデトロイトで移民の子供たちにインタビューをするおじ
ひょんなことから甥っ子の面倒を見ることに
掴めない子供の独特の感性を前に…
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負け戦でも(2023年製作の映画)

3.8

山形国際ドキュメンタリー映画祭Day3

ミャンマーの実態

とても映画表現に長けていて
パッケージにもなっている逆光での静かなる演奏シーンが頭に残る

短編として
直接的な表現ではなく
いかにして伝
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鳥が飛び立つとき(2021年製作の映画)

3.8

山形国際ドキュメンタリー映画祭Day3

ミャンマーの実態を若者が描く

ミャンマー国内のクーデターを
若者目線で着目する

明るく陽気な作風だが
どこかで何かに縛られている雰囲気が続く
知識が無くて
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私はトンボ(2022年製作の映画)

4.0

山形国際ドキュメンタリー映画祭Day2

韓国の受験戦争に鬱憤とした
監督が友達に記録としてカメラを向ける

その視線がとても良かった
あくまで友達として。友達の目線で。
監督も同じく悩むその姿が非常
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訪問、秘密の庭(2022年製作の映画)

4.0

山形国際ドキュメンタリー映画祭Day2

芸術家であるおばの真相に迫るドキュメンタリー

おばが住む部屋の限られた空間で工夫するカメラ
物語前半は彼女を知る男、またお手伝いの女性から
彼女の外郭を浮か
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GAMA(2023年製作の映画)

3.5

山形国際ドキュメンタリー映画祭Day2

沖縄戦 洞窟で実際に起きた歴史を
語り部とある表現を使い鮮明にする

アンダーグラウンド
監督が言っていた
「洞窟には確かに歴史が残っていて(語り部含め)それ
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それはとにかくまぶしい(2023年製作の映画)

3.5

山形国際ドキュメンタリー映画祭Day2

拝啓、友達に宛てた手紙のナレーション
合わせて映し出される監督の日々の映像のインサート

写真家ということもありどの写真も美しく更に意図を持つ
その重ね合わせ
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平行世界(2022年製作の映画)

4.0

山形国際ドキュメンタリー映画祭Day1

アスペルガー症候群の娘を抱えた母
その二人が生きた日々と記録映画

娘の成長に、じっとカメラを据える
娘と母の対話 これが主軸となる
成長に対して対話の進歩が
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壊された囁き(2023年製作の映画)

3.8

山形国際ドキュメンタリー映画祭Day1

1つの戦争の描き方

絵を描かなくなったが今でも子供たちに絵を教える老人
街の戦争の瓦礫の中から楽器を見つけてるくる子供たち
老人が修理し、街に埋もれた伴奏家
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