岡田拓朗さんの映画レビュー・感想・評価

岡田拓朗

岡田拓朗

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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.6

ドライブ・マイ・カー

この運命から、目を逸らさない。

第74回カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した濱口竜介監督の待望の最新作。

まごうことなき大傑作だった。

こんなにも丁寧に奥深く、幅広いアプロー
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.2

君は永遠にそいつらより若い

その言葉でじゅうぶんだと思う。

手が届いて欲しいところにちゃんと届いていく、とても丁寧で繊細な映画だった。

テーマとして語られることから、踏み間違えると危うい作品にな
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アジアの天使(2021年製作の映画)

4.0

アジアの天使

傷だらけの人生。でも、自由だ。

直近では『生きちゃった』『茜色に焼かれる』が公開され、それ以外にも『町田くんの世界』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』など、さまざまな傑作を生み出して
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

4.4

猿楽町で会いましょう

その嘘は、本当ですか?

想像を絶するほどによかった。
『寝ても覚めても』『愛がなんだ』『花束みたいな恋をした』辺りを彷彿とさせる徐々に思い起こされる共感性や感受性を軸にした人
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Arc アーク(2021年製作の映画)

4.1

Ark アーク

私は世界に触れる。

人間はいつか老いていき、死を迎える。
それは決して抗うことのできない現実であり、自分たちはその揺るぐことのない現実の中で生きている。

そのため、不老不死になる
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.8

逃げた女

ひとりになって、見えてきたもの。

愛する人同士は離れずにずっと一緒にいるのが当たり前だと思っていた女性が、自分とは異なる境遇の3名の女性との会話や不意に起こる出来事に触れて、どう心境が変
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.4

茜色に焼かれる

ルールにがんじがらめになって、ストレスや苛立ちを抱えてるであろう人たちが、それを別の場所で晴らすかのように、容赦なく別の誰かに当たっていき、世の中にあるさまざまなルールをしっかりと守
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

JUNK HEAD

未来は、≪ガラクタ≫に託された。

海外の映画祭で世界に絶賛された、長編SFストップモーション・アニメーション映画が、満を持して日本に逆輸入!
エンドロールに流れる名前が、ほとん
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.1

ファーザー(The Father)

第93回アカデミー賞と第74回英国アカデミー賞の主演男優賞と脚色賞を受賞した作品。

認知症が支える側ではなく、当事者の視点から描かれている。
認知症は言葉では聞
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.1

まともじゃないのは君も一緒

コミカルな会話劇をベースに、「まとも」や「普通」の概念とそれらが取り巻く環境下での生き方について、直接的に色々と考えさせられる秀作。

ただただ脚本がおもしろいだけでなく
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.3

サマーフィルムにのって

私たちの青春は、傑作だ。

ここに映し出されている青春は、紛れもない傑作だった。
こんなに沁みるラブストーリーや青春群像劇が待ち受けてるとは思わなかったし、こんなに涙が溢れる
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.5

BLUE/ブルー

現時点では2021年ベスト!

誠実さから築き上げられるそれぞれの互いを認め合う関係性と徹底したリアリティ溢れる描写からなる物語が素晴らしく、じんわりと感動が押し寄せてくる(大人向
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.0

騙し絵の牙

『桐島、部活やめるってよ』『パーマネント野ばら』『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』など、原作のある作品の映像化で傑作を生み続ける吉田大八監督の最新作。
加えて豪華俳優陣が揃い踏みで、公開
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ブレイブ 群青戦記(2021年製作の映画)

3.7

ブレイブー群青戦記ー

次の対戦相手、織田信長って、マジ?

まずキャッチコピーの軽さと作品の重さが全然釣り合ってなくて驚いた!
想像していた以上のバイオレンス描写のえぐみとズッシリ
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街の上で(2019年製作の映画)

4.2

街の上で

誰も見ることはないけど、確かにここに存在してる。

とにかく温かくて優しい。
何気ない日常の延長で築き上げられるちょっと特別で理想的な日常が積み重ねられていく物語。

日常の中に起こりそう
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.1

ノマドランド(Nomadland)

ノマドとノマドランドがドキュメンタリーっぽく描かれている本作は、それらを前提とした「生きる」と比較した自らの過去を思い返しながら今、そしてこれからの「生きる」を考
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.4

あのこは貴族

映画を観ていると、日常の中で考えてることや感じてることの答え合わせをしてるような感覚になることがある。
『あのこは貴族』は、自分にとってそんな映画だった気がした。

同じ空の下で生きて
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

3.7

哀愁しんでれら

超絶劇薬映画。
まるで『ミッドサマー』を観ているような受け入れ難く、胸がざわざわする感覚が押し寄せてくる。
和製ミッドサマーと言っても遜色ないんじゃないでしょうか
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砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

3.5

砕け散るところを見せてあげる

オンライン試写会で鑑賞させていただきました。
また公開前に更新するかもです。

前半と後半で作品の雰囲気や印象がガラッと変わる。
それでもその根底にあるものは揺るがなく
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.5

すばらしき世界

この世界は生きづらく、あたたかい。

2021年最も公開を心待ちにしていた西川美和監督の最新作。
同監督作でとても好きな傑作である『ゆれる』『永い言い訳』に並ぶ、もしくはそ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.3

花束みたいな恋をした

物凄くよかった。語りたいことが溢れすぎた。

これはなんと表現したらよいのか…まさに坂元裕二さんが描いた恋愛って感じだった。

作品全体の節々に共感できるポイントを入れ込みなが
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.3

ヤクザと家族 The Family

最近全然Filmarksに投稿できてませんでした。
基本的にインスタ(https://www.instagram.com/taku_cinema/)で挙げている感
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

3.8

オンライン試写にて鑑賞させていただきました。
公開前に再度投稿し直すかもです!

無自覚と無責任から起こす行動により、見切りをつけられる現実がまざまざと描かれ、直視するのがきつかった。
失っては向き合
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.1

ミッドナイトスワン

最期の冬、母になりたいと思った。

凪沙と一果だったからこそ辿り着けた崇高で唯一無二な愛の境地。
孤独であると感じていたからこそ愛に触れたとき、その人にしか見せない表情
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.1

TENET テネット

過去から今に進んでいく順行と未来から今に進んでいく逆行が、現実で入り乱れながら徐々に繋がっていく。

同じ世界を入口と出口から見る感覚。
全てが地球で起こるこ
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.0

mid90s ミッドナインティーズ

君と出会って、僕は僕になった。

少年スティーヴィーのヒリヒリとした憧れに対しての背伸びが軸になっている青春映画。
ただしこれは、若気の至りみたいな言
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僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46(2020年製作の映画)

4.5

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46

2020年ベスト級かもしれない。年間ベスト10には確実に入ってきそう。
でもこれは作品に対してというよりも、欅坂46という唯一無二な世界観を
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

4.0

窮鼠はチーズの夢を見る

好きで、好きで、苦しくて、幸せ。

設定としての同性愛というテーマ性を考えさせるような作品ではなく、あくまで人間の奥底に踏み込んで、恋愛と好きになることについて、
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.2

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(Booksmart)

最高な私たちを、まだ誰も知らない。

誰もを否定せずに、色んな個性を持つ人たちが同じ目線で共存しながら、青春の
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.8

ドロステのはてで僕ら

2分先の未来がわかるという設定だからこその、未来が見える希望と未来に囚われる現在をどちらも描くことができる。
まさに発想の大勝利と言うべき作品。

未来の全てが見えるわけではな
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.3

生々しすぎてトラウマ級にきつかった。
もう二度と観たくはないし、これを見せられたとして何なんだと思ってしまった。

もっとドキュメンタリーっぽく色々掘り下げられる映画かなと思ってたのが間違い…。

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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.0

宇宙でいちばんあかるい屋根

私はどんな屋根の下で生まれたんだろう。

この世界の片隅に広がっていそうな少女の成長物語が、綺麗で幻想的な演出により、かけがえのない壮大な物語として昇華
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青くて痛くて脆い(2020年製作の映画)

3.9

青くて痛くて脆い

彼女は死んだ。僕は忘れない。

物凄く痛かった。
本当に「青くて痛くて脆い」だった。

途中までよい意味でミスリードされてたから、宣伝と作品の見せ方がとてもよかったと思う。
そのミ
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思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

4.1

思い、思われ、ふり、ふられ

恋、それぞれの結末へ。

想像を二回りくらい上回ってくる物凄く純度が高い傑作。
予告やタイトルで想像していたのとはよい意味で違っていて、それが自分の好きな感じにハマってい
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君が世界のはじまり(2020年製作の映画)

4.3

君が世界のはじまり

希望と絶望、爆発の3秒前。

これは間違いなく自分好みの映画であると言えるとともに、過去を振り返りながら思い当たる節のある自分にとって、じわじわと刺さってくる映画で
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ソワレ(2020年製作の映画)

4.2

ソワレ

それは、ひそやかな永遠。

オンライン試写会で一足早く鑑賞させていただきました。

役者を目指して上京した岩松翔太(村上虹郎)は、その裏である犯罪に手を染めながら日々を食い繋いでいた。
演劇
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