Tallowさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

メメント(2000年製作の映画)

4.0

鑑賞2回目
単純な物語ですが、時間軸の捉え方が秀逸な作品です。
時間を「流れていくもの」というよりも記憶することによって「構築されていくもの」という高次的な目線を巧く描けています。冒頭のカットが終わり
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ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

3.4

※間違えてvol.2を先にマークしてしまいました。( ̄∇ ̄)

Amazonプライムにて発見。
オープニングのメタルの入りが絶妙。
ミセスMのヒステリックさと訥々と語るジョーの死んだ魚の様な目が印象的
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

3.8

ニンフォマニアック(色情狂)のジョーによる前後編合計4時間超のモノローグ。
依存「症」では無く色情「狂」と自負する辺り、筋金入りです。自分の倒錯したセクシャリティを成り立ちから丁寧に語ります。赤裸々で
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世界侵略:ロサンゼルス決戦(2011年製作の映画)

3.0

「空からエイリアンが攻めてくる」もはや王道中の王道。可もなく不可も無いのですが、2011年という時代を考えると「スカイライン〜征服」や「第9地区」などがリリースされており、行き詰まり感のあるプロットを>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

4.7

タイムトラベルモノなのに「人間の未来は全て白紙」なんて前提を台無しにしてしまいかねないエンディング、ジーンときてしまうのはマーティとドクの友情があってこそ。「なんで最後ドク戻ってこれたの?」なんて疑問>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

4.4

シリーズ一気見。
1989年当時の未来の世界(2015)が描かれています。作中ではジョーズ19はスピルバーグjrの監督となっていますが本人まだ現役なのがすごい!
シリーズ通して85ドクと55ドクの対比
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

5.0

あけましておめでとうございます。
元旦はこの映画から。今まで100回くらい観ていますかいつ見てもハラハラしますね。マーティとドクの友情がシリーズ通してブレないのが良いですね。どんな出会い方をしたのか興
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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.9

北欧版ダニエル・ブレイク。
カミナリオヤジが「世の中なんてバカしかいない。バカの面倒はもうこりごりだ」と死のうと思った時の訪問者が彼の理解者となり彼の人生を後押しする存在になっていきます。
頑固爺さん
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娼年(2018年製作の映画)

3.3

ま、女性の支持を集める過激なエロス描写だそうです。カラダを売る事になる動機や背景はわかりやすく感情移入しやすいのかなと思います。その代償として物語の美しさを保つためなのか、結局は「タブー」扱いなのが物>>続きを読む

累 かさね(2018年製作の映画)

3.4

原作未読。
顔入れ替わりといえば「フェイス・オフ」がパッと思い出しますが顔だけではなく、顔が変わった人間の精神の入れ替わりがどうなるのかを巧く描けています。
プロットを活かしてはありますが、プロット以
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深夜食堂(2015年製作の映画)

3.8

CSでテレビシリーズ10話と映画1作目を一気見。
物語を語り尽くすには若干足りない尺の短さがいいんですよねぇ…。基本的に観る人の経験に対して投げっぱなして各々が補完するスタイル。テレビでも映画でも変わ
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アナと雪の女王(2013年製作の映画)

3.2

ディズニー映画に対して肯定的でも否定的でもないつもりですが、これは馴染めませんでした。壮絶なる身勝手による姉妹喧嘩ですな。
有名なシーンもサラッとしていて物語の何を描いているのかハッキリしない印象です
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L change the WorLd(2008年製作の映画)

3.9

どんな天才でも一人で世界を変えられる訳ではない。
天才は孤独なのです。その孤独を受け入れてここまで生きてきたL。孤高の彼を持っても最後の23日間となると死に対して恐怖し、他者との心の繋がりの尊さを感じ
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

3.9

現実と妄想の境界線を滲ませて「狂気」を理解させる手法、不憫な境遇から抜け出そうと足掻いた結果の「罪」。
JOKERの後に観ると物語が立体的に見えますね。前日譚と捉えて観ると楽しげです。

「タクシード
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DEATH NOTE デスノート the Last name(2006年製作の映画)

3.7

何回も観ている作品です。
松山ケンイチくんの演技と記憶を戻す戸田恵梨香が素晴らしい。作中の様に記憶が無くせるのであれば何回も忘れてこの作品を見続けたいです。
一貫してクールな音楽が物語をスムーズに回し
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ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

3.8

ノーランバットマン完結。
ノーラン映画と役者魂の凄みを見せつけられました。脚本自体はそんなに凝っているわけではないし、似たようなストーリー展開の作品はあると思いますが撮影のクオリティ、役者の演技が秀逸
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.5

2019/10/13
傑作だったけど引きずる作品だなぁ。未だ消化不良気味でずっと考えている。「モダンタイムス」を眺めるアーサーの笑顔。あの純度に満ちた笑顔がこの作品の唯一の笑顔であり、あの笑顔以外、誰
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記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.9

劇場鑑賞ダブルヘッダー2本目。
三谷監督の作品を劇場で見るのは初めて。エンタメ性の高い邦画もたまには良いですね。中井貴一のハマり役具合もさることながら個人的には小池栄子の職人レベルの助演が光って見えま
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.6

劇場鑑賞ダブルヘッダー1本目。
もはや、1つのジャンルとして確立した感もある「宇宙独りぼっち」系SF。冒頭の宇宙エレベーターを始めとして「どーやって撮ったんだろ?」的な臨場感を感じます。CGで作られて
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64 ロクヨン 後編(2016年製作の映画)

3.6

伏線の回収となる訳ですが、それに奔走するだけではなく、一捻りがあります。どんでん返しと言うほどではありませんが、緩やかに捻られています。主人公三上を取り巻く事件がロクヨンになぞられた「誘拐」だけで良か>>続きを読む

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)

3.4

時効を一年後に迎える昭和64年の誘拐事件の捜査の物語。時効間近にキャンペーンのように行われるお偉方の視察、警察広報と報道の関係性etc.
まずは伏線を張る前編。これだけでは評価はつけにくいですが、感じ
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新宿スワンII(2016年製作の映画)

2.6

山田孝之と言うファンダジスタ役者に救われた1作目、彼を殺してからのその続編。
キャスト多過ぎ、長尺な上に敵対勢力と散々殴りあったあと「実は前から認めているのさ」的な顛末が多過ぎて結局誰と戦っているのか
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新宿スワン(2015年製作の映画)

3.2

新宿を舞台に街のオンナと店を繋ぐ「スカウト」業界の人間模様。縦社会を色濃く書いてありますが業界自体に「義」はありますが「仁」がありませんね。相手をタコ殴りにしても咎められないのに刃物沙汰になるや否や警>>続きを読む

マンダレイ(2005年製作の映画)

4.1

自由って一体なんだぁぁぁぁぃ?
どーすりゃ自由になるかぁぁぁぁぃ!?

黒人側から見たアメリカの歴史的な過ち、黒人差別の問題を「どうにかして解決しようと問題提起する」作品ではありません生々しさを振り切
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アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年(2018年製作の映画)

3.5

「あなたを食べたい」は偽りあり。
年齢的に「食べるほど愛する」事すらわからないでしょうね。恋愛未満のボーイミーツガールモノとして捉えてみた方がすわりが良いですね。傷だらけの顔を見る事が出来ない男の子に
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ザ・マミー(2017年製作の映画)

2.8

B級ホラー狙いのジャケ借り。冒頭から脈々と続くホラー要素は必要だったのかな?B級でもなければまさかのホラーでもないと言う実に困った作品。母娘愛とスティーブン・キング的な何かの融合。
いろんな映画のそれ
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十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

3.2

十代の頃を思えば「死にたい」なんて誰しも思うこと。そんな感情無かったよーって人は幸せなんだろうけど理解し合える気がしません。本作にはそんな刹那的な感情を考え抜いて覚悟にまで昇華させた子供達が12人登場>>続きを読む

パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.1

これは侮れない秀作。
インド映画らしさを残しつつ、現代社会にむけて前向きで力強い発信力、メッセージ性のある一本でした。インドの美人の虜です。音楽を丁寧に扱っていて良いです。

(以下ネタバレ&弁士的七
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.2

みんな大好きタランティーノ。
2大スター夢の共演。メンタル弱めの落ち目俳優とそのスタントマン兼付き人。冒頭から2人は親友と言うプロットをセリフの端々だけで納得させて行く「パルプフィクション」的な展開に
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THE QUAKE ザ・クエイク(2018年製作の映画)

2.7

なんとも残念なディザスター作品。
ノルウェーはヨーロッパの中でも有数の地震大国の様ですが、我々世界トップクラスの地震先進国からすると建築物脆く、専門家の言うことすら稚拙に映ります。ガスだの爆破だの語っ
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.3

無声映画、音楽無し、セリフ無し、演出無し(記録映画)、この世の中ではあらゆる物が「無し」として省かれている映画は数多くありますが、この作品は世にも珍しい「大道具無し」と言う奇妙な作品です。小道具、照明>>続きを読む

Z Bull ゼット・ブル(2018年製作の映画)

3.4

武器開発会社内で新商品のエナジードリンク飲んで社員が凶暴化するおはなしです。
ウイルスではなく、最初に飲まされた大勢は置いといて、騒動の中では凶暴化する、しないを選べるわけですが、逃げ惑う主人公グルー
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キューブ:ホワイト(2018年製作の映画)

2.6

勿論あの「CUBE」の正統続編とは思ってはいませんでしたが、ジャケの謳い文句に引かれレンタル。B級パチ物のニッチな面白さを期待していましたが、物語のプロットが何も膨らまず、オチもオトし切れていない残念>>続きを読む

シャザム!(2019年製作の映画)

4.0

七つの罪を封じた魔導士シャザムの力を受け継ぐのは何の資質もない普通の14歳の少年ビリー。青天の霹靂の様にヒーローになった彼は遊び半分で能力で遊び始めます。見せ場はそこなのかなぁと思って観ていましたが、>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.0

ほとんど映画で涙を流さない私を泣かそうと映画好きの知り合いから「これなら泣くであろう」と強くオススメされた作品。
国、宗教が憎しみ合っていても、それに習って人と人が憎しみあう必要はない。バジュランギの
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

3.8

娑婆≒監獄orDIE
祖国イギリスを離れ、タイで薬物に溺れ、収監されるキックボクサー。タイの監獄は狭い部屋に大人数雑魚寝です。ほとんどの受刑者が身体の半分以上タトゥー。顔や頭に入れている人も沢山居ます
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