クーリエ・ジャポンの記事で知ったのだけど、『MERU』と『フリーソロ』で見るものの度肝を抜いたエリザベス・チャイ・バサルへリィとジミー・チン監督夫妻の最新作、と聞いただけで、「絶対見なくちゃ!」と思っ>>続きを読む
2015年11月13日に発生したパリ同時多発テロ事件の舞台の1つとなったパリ11区のバタクラン劇場。テロリストの襲撃で89名が惨殺されたライヴ会場にいた妻エレーヌは、夫アントワーヌと幼い息子メルヴィル>>続きを読む
白人入植者に居住地を追われ、流れ流れてオクラホマ州オーセージ郡の居留地に辿り着いたオーセージ族に降ってわいた天の恵み、いや大地の恵み(石油)は、彼らの懐を大いに潤し、オーセージ族を全米でも有数の富裕層>>続きを読む
おまえはモト冬樹か。
『ザ・ロック』や『コン・エアー』、『フェイス/オフ』などの大作に名を連ねたかつての栄光は見る影もなく、多額の借金を抱え、返済のために毎年何本ものB級映画に出演し続けたおかげ(?>>続きを読む
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ナチスに捕まり一時収容所に強制収容されたユダヤ人のジルは、移動中の車中で偶然手に入れたペルシャ語の本(タイトルは「ペルシャ神話」)の持ち主のペルシャ人〈レザ〉になりすますことで、あやうく一命を取り留め>>続きを読む
なにこれ、おもろ〜!「デビュー作には作者のすべてが詰まってる」とよく言われるが、ガイ・リッチー監督にはこの言葉が完璧に当てはまりそう。
いくつかのグループが別々の目的で動いてると思わせといて、実は同>>続きを読む
ロボットたちのコミカルな動きは「第9地区」を、シミュラントの造形は「エクス・マキナ」を、最終兵器アルフィーがもつナゾの力は「アキラ」のナンバーズの念動力を、天から降り注ぐノマドの恐ろしさは、「天空の城>>続きを読む
エトワールを目前にしながら舞台の本番で足を痛め、クラシックバレエの夢を諦めざるを得なくなったダンサー、エリーズの挫折と再生の物語。パリ・オペラ座バレエの現役プルミエール・ダンスーズ、マリオン・バルボー>>続きを読む
借金苦で乗っ取りをかけられ、倒産寸前の貧乏子どもミュージカルスクールが、ひょんなことから、いかにもインチキくさいビジネスVロガー(ユーチューバーみたいなもん)の息子トロイの手に委ねられた。資金調達のた>>続きを読む
「チャプター4」について、チャド・スタエルスキ監督が事前に予告していたこの発言がすべてを物語っている。
「彼はどこにも行くところがないんだ。正直言って、今あなたに逆質問します。どう終わらせたいんだ?>>続きを読む
パラペラムはラテン語で「戦争の準備」のこと。ウィンストンがつぶやいた「Si vis pacem, para bellum(汝平和を欲さば、戦への備えをせよ)」はよく知られたラテン語の警句らしい。
ア>>続きを読む
「言っておくぞ、あの男についての話は、どれもが、控えめに語られている」
ブギーマン(Boogeyman)は、言うことを聞かない子どもに「ブギーマンが来て、さらわれるぞ」と脅すネタとして世界中に伝わる>>続きを読む
新作のたびに見返してる気がするが、見るたびにどんどん好きになっていくのだから仕方ない。「Chapter 4」を見る前の復習として。
Hurry fall asleep or The Boogeyma>>続きを読む
『フォードvsフェラーリ』もそうだったけど、モータースポーツものって、どうしてこうも人を興奮させるんだろうか? 自分は車にはまったく興味がなくて、もう20年以上もペーパードライバーだし、運転は全部奥さ>>続きを読む
ホワイト・ウィドウで強烈なオーラを放っていたヴァネッサ・カービーつながりで、見よう見ようと思いながら、どうしても踏ん切りがつかなかったこちらを鑑賞。
失敗してもいくらでもやり直せる(から、どんどんチ>>続きを読む
警告:飛行中のヘリコプターにヘリコプターで体当たりをかけてはいけません。
盗まれた3つのプルトニウムを使って核爆発を狙うシンジケートの残党たち。それはいいのだけど、なぜ仲介役のホワイト・ウィドウは残>>続きを読む
警告:離陸する飛行機にぶら下がってはいけません。
劇場で「デッドレコニング PART ONE」見た勢いで、イルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)初登場回まで遡って見てみた。ストーリーはすっかり>>続きを読む
記憶から消してしまいたい黒歴史につきまとわれるクリード。だが、逃げれば逃げるほど、過去はねっとりと絡みついてきて、いつしか心の大部分を占拠され、それ以外のことが見えなくなってしまう。覚悟を決めて向き合>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
平和主義を標榜し、現代に至るまで伝統的な生活様式と厳格なルールを頑なに守る閉鎖的なキリスト教系コミュニティというと、『刑事ジョン・ブック 目撃者』のアーミッシュを思い出すが、一風変わった風俗と信仰の持>>続きを読む
ジャンプ的世界観がとにかく苦手で、ドラゴンボールもドラゴンクエストも全然見てない自分には響くものがなかった。たぶん絆とか仲間とかをやたらに強調する人たちに特有の、ホモソーシャルな雰囲気というか同調圧力>>続きを読む
自我を持つ(!?)ほどの超強力なAIが、スタンドアローンの小さな筐体に格納されてるっていう設定自体、はるか昔、50年以上も前に制作された『2001年宇宙の旅』(1968年)のHALと変わらず、どれだけ>>続きを読む
同じ職業を選び、同じ土俵で勝負するライバルになってしまった父親と息子。父は子の才能に嫉妬し、子はそんな父の存在を疎ましく感じていた……という物語かな?と思ったら、もうひとひねり加えてあった。
たしか>>続きを読む
安易な感想を拒む重い映画だ。「フランスに最も愛された政治家」というゆるいサブタイトルが吹っ飛んでしまうほどの強度を持つ。この重さ・強さの原因は、彼女の人生を決定づけ、PTSD的な症状を引き起こし、生涯>>続きを読む
「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」
本人がこうコメントしてるのだから、無理にわかってあげる必要は、たぶんないんだと思う。おれは好きなように作った、>>続きを読む
戦後ソ連にスパイ容疑で戦犯とされ、シベリア抑留中に収容所内で死亡した元ハルビン特務機関兵・山本幡男と、ロシア語通訳担当でもあった山本に生きる希望を与えられ、絶望の淵からかろうじて生還した帰還兵たちをめ>>続きを読む
19世紀末〜20世紀初頭にパリの世論を二分した、ユダヤ人砲兵大尉アルフレド・ドレフュスがスパイ容疑で禁固刑の判決を受け、島流しにあった冤罪事件「ドレフュス事件」を、病に倒れた諜報部長の後任者として調べ>>続きを読む
オリバー・ストーン監督の『天と地』を見て、米兵GIに翻弄されるベトナム人女性の悲劇といえば、この作品を忘れるわけにはいかないというわけで、もう何度目の鑑賞になるかはわからないけど、いつものようにキムと>>続きを読む
オリバー・ストーン監督「ベトナム戦争三部作」のラストを飾るのは、南北ベトナムとアメリカのはざまにあって数奇な運命をたどらざるを得なかったベトナム人女性レ・リーの視点から「あの戦争は何だったか」を問う年>>続きを読む
1947年7月4日(アメリカの独立記念日)にウィスコンシン州で生まれたロン・コーヴィックは高校を卒業するとすぐに海兵隊に入隊してベトナム戦争に従軍する。それが愛国心にあふれた彼にとっての当たり前だった>>続きを読む
原題「Platoon」の表記はいまなら「プラトゥーン」になる気がするけど「小隊」のこと。本作でいうと、主人公のクリスが配属されたUSアーミー第25歩兵師団第2中隊(アルファ、ブラボー、チャーリーのフォ>>続きを読む
家族を守るのは父親の役目という自覚が強ければ強いほど、ジェイク・サリーは家族の中で孤立する。全部自分がやらなきゃという責任感がプレッシャーとなってジェイクを縛り、親子関係がギクシャクしてしまう。本来な>>続きを読む
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三部構成で三者三様の見方を明かす手法は黒澤明『羅生門』以来の伝統で、入り組んだ構成の物語を2時間程度の脚本に落とし込むときの「奥の手」ともいえそうで、リドリー・スコットの『最後の決闘裁判』でも採用され>>続きを読む
ダルメシアンの毛皮を剥いでコートを作るという、およそ現代の(ディズニーの?)あらゆるコードに引っかかりそうな、みずから「悪魔(ド・ヴィルはde Vil)」と名乗る希代のファッションデザイナー、クルエラ>>続きを読む
忙しすぎてどうしても時間が合わずに見に行けなかったんだけど、アマプラで見られることに気づいて(遅すぎ!)、やっと見た。USA版「プロジェクトX」みたいな作品だった。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる式に、>>続きを読む
ポール・トーマス・アンダーソン監督が自分の生まれ故郷の、半径数キロメートルの範囲内ですべて完結するほどの小さな街を舞台に、思いっきりノスタルジーに浸って撮った地元密着、地元大好きのジモティ礼賛映画。>>続きを読む
名門ベルリンフィルはじまって以来の女性首席指揮者であり、作曲家としてもEGOT(エミー、グラミー、オスカー、トニー)の4冠を達成し、名声をほしいままにしていた現代音楽の騎手リディア・ター。指揮者として>>続きを読む