ベンジャミンサムナーさんの映画レビュー・感想・評価

ベンジャミンサムナー

ベンジャミンサムナー

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

 まさにフランス版『羅城門』

 最後までヒロインが善人なのか悪人なのか分からない緊張感。

 夫婦で脚本を書いてるからか、中盤の夫婦喧嘩の生々しさが凄い。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

 ただでさえ3時間ある上、ノーランお得意の時系列を入れ替えた構成だから一度の鑑賞で100%要素を咀嚼できてはいない。
 『メメント』みたいにモノクロパートとカラーパートで2つの時間軸だけならまだしも、
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.0

 だから『アクロス・ザ・スパイダーバース』とかの話が途中で終わる映画はレビューが書きづらいって!

 頭上に浮いてる″母艦″が、震災やらコロナやらで現代人が抱えている将来に対する漠然とした不安感のメタ
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

 今年暫定一位!

 原作が中国の小説だからか、中国や韓国のノワール映画っぽい雰囲気。
 それに、沖縄が舞台というのもあって『ソナチネ』っぽい感じもある。
 
 途中に挿まれる東昇(岡田将生)のイメー
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FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

3.5

 イルミネーションには、過去に『ペット』という『トイ・ストーリー』の二番煎じ作品があったので本作も『ファインディング・ニモ』の二番煎じなのかな?と思ってたけど、飛翔シーンのダイナミズムとグウェンの可愛>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.0

 前作を観た時は「クライマックスがタイマンのチャンバラって地味じゃね?まあ本番は次回からか…」と思ってたけど、結局今回もチャンバラで〆かい!

 原作がそうだからと言われればそれまでだが、だったらそも
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春に散る(2023年製作の映画)

3.5

 とにかく横浜流星が凄い。

 この人は清廉なイケメンよりもこういう汚れててギラギラしてる役柄が似合う。

 ただ、その横浜流星演じる翔吾と広岡(佐藤浩市)はお互いに不公平な判定で負けた経緯があるのに
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ほかげ(2023年製作の映画)

3.0

 前半はずっと居酒屋内で話が展開していくから、「戦後の日本をワンシチュエーションで描くのは新しいな」と思ってたら、後半からは普通に外の世界を見せるのはどっちつかずに感じた。

 その後半に描かれる「戦
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.0

 『インセプション』×『AKIRA』みたいな感じ?

 ノーランが150分くらいかけて描きそうな内容を93分でサクッとまとめてるのは良い。

 「これは幻術か!?」「なんのッ!幻術返し!」「いや、これ
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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

2.5

 東映のオールスター大作だけど、本作よりずっと低予算の『ベイビーわるきゅーれ』の方がよっぽど凝ったアクションやってるよ。

 アクションの見せ方が単調だし、リアル系でもなければジョン・ウー映画のような
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.0

 頭空っぽにして観るポップコーンムービーなのは良いんだけど、話が無駄に二転三転していって、それに連れ説明パートも長くなって行くので冗長に感じた。

 説明パートに尺を割かれてマシュー・ヴォーン十八番の
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HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS(2023年製作の映画)

3.0

 自分が一番接種している娯楽は映画だけど、人生で一番影響を受けた″創作物″は中学生の時に出会ったゲームの『メタルギアソリッド』である。

 その生みの親である小島秀夫監督のドキュメンタリーがまさかのD
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犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.0

 前作に比べるとだいぶあっさりしてるな。

 青木崇高は中ボス程度の格だし、國村隼とは対峙しないままほったらかし。

 今後再登場する予定があるのかな?

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

4.0

 本作は『鬼滅の刃 無限列車編』のように原作ストーリーの一部を切り取って劇場アニメとして描いてる作品だけど、研磨が黒尾、猫又監督、日向らと出会う場面を回想シーンで見せてくれるから「研磨がバレーボールの>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.5

 本作に比べたら『ヘレディタリー』や『ミッドサマー』は″水割り″だったんだな…。

 というかデヴィッド・リンチ味が増してきている。

 それは良いとしても、3時間もやる必要があったのか。

 僕は必
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

 三宅唱監督ってシネフィル向けの作品を撮ってるイメージだったけど、本作は作風をそのままに若者受けのいいキャスティングで間口を拡げてきた。(現に、劇場には松村北斗目当てと思われる若い女性が多くいた)>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

2.5

 父親の葬式に向かう途中でサービスエリアに放置されたアラフォーでコミュ障の女性が頑張ってヒッチハイクしながら式場を目指す話だけど、車乗せてもらう前にスマホ借りたら済む話じゃね?

ヒンターラント(2021年製作の映画)

3.5

 ハリウッドほどのバジェットもない欧州映画で全編ブルーバック撮影ってどうなるんだ?って気になってた。
 明らかに背景のパースを歪ませたりして表現主義的に帰還兵である主人公の心の歪みや戦後復興社会の欺瞞
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ブルービートル(2023年製作の映画)

3.0

 ブルービートル自体は背中からアームが伸びてくる感じとかまんまアイアンスパイダーで既視感しかないけど、ヒーローになった主人公を家族皆で支える流れは新しい。

 でも、そもそもこの家族が大変な目にあって
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.0

 人ならざる者の視点から人間社会を見つめ、その矛盾や不条理をあぶり出していくのは去年公開された『バービー』と同じ。

 だが、登場する男たちは最初からマチズモ全開で、『バービー』の「女性に『ゴッドファ
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

3.5

 自分は『ガンダムSEED』ドンピシャの世代。
 初めてリアルタイムで観たガンダムだし、学生の頃はゲームの「連合VSザフト2」をやりまくってた。
 
 初めて買ったガンプラはアカツキだった。

 20
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(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

 見世物として消化しないために殺害現場を直接見せないのは良いとして、だったら前半でもっと障害者と接する場面を描くべきでは?

 洋子(宮沢りえ)が仕事として障害者に何かを施す描写はサラッと流す程度だし
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.5

 ″実写化″としてはこの上ないが、″映画″にはなってない。

 ソリのアクションの後にようやく杉元が金塊を求める理由を話して「俺たちの戦いはこれからだ」ENDで、序盤のヤマ場とも言えないところで終わる
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.0

 原作は21年の「このマンガがすごい!」にランクインしたタイミングで読んだことがあった。

 単行本一冊で完結してるし(後で続編出たけど)、漫画では表現できない「紅」の歌唱を聴けるから映画向きだと思っ
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ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

3.5

 内容に関するレビューはオリジナル版に書いたのでこちらでは割愛。
 
 冒頭で普通の東宝のロゴが出た時は「そこはモノクロじゃねえの!?」と思ったけど、その直後にちゃんと昔のバージョンのロゴも出してくれ
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アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.0

 3D吹き替えにて鑑賞。

 DCEUの中では『アクアマン』が一番好きだから続編である本作も期待してたけど…

 な〜んかイマイチ…。

 本作はソーとロキよろしくアーサーとオームの兄弟バディものとし
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南極料理人(2009年製作の映画)

3.5

 「ご飯で元気になる」系の話は普通押し売り臭くなるけど、南極という極限環境だからご飯の大切さの説得力がある。

 野外活動から帰ってきておにぎりと豚汁かき込む場面が特に印象的。

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

3.5

 実在の女死刑囚を描いた作品だが、どんどん社会から孤立して鬱屈とした感情を手記にしたためたり、ドライバーの仕事をしてるところから否が応でも『タクシー・ドライバー』を彷彿とさせる。

 ただ、ラストのオ
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

2.5

 「常に自分が主導権を握ってるつもりでイキってるけど、実際は女に依存してるだけの男」の話をしたいのは分かるけど、流石に中年オヤジが10代の少女に執着してる様は「ダメ男だけど憎めない」の範疇を越えてる。>>続きを読む

エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

2.0

 このシリーズの醍醐味は″キャスティングの豪華さ″。

 ほぼその一点なのに、本作は″ステイサムとその多大勢″という図式の凡作。

 やはり、2作目でスタローン&ブルース・ウィリス&シュワちゃんの3シ
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

-

 今年の映画初めはクローネンバーグ!(都会では去年から上映されてたけど)

 クローネンバーグの作品は粗方鑑賞し、本作も含めて毎回「肉体の変容、拡張、進化」についての話をしているのは分かるんだけど…
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イビルアイ(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

 序盤に提示されたまどろっこしい昔話をなぞるだけで、終盤で祖母が母に成り変わるのは手前の描写で見え見えだし、最初から最後まで展開が予定調和。

 襲われて「ギャー!」ってなったら夢だった。
…っていう
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パラドクス(2014年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 タイムループからの脱出をはかる映画は他にもあるけど、「同じ空間に閉じ込められたまま35年経ったらどうなるか?」を見せてくれるのが面白い。

 35年経過した後の暮らしっぷりをほとんど台詞なしで描いた
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.0

 寡黙なのに若い女性から好意を持たれたり、通ってる場末のスナックのママが石川さゆりだったり…。
 ″何気ない日常″というより「オッサンの妄想じゃねえか!」って思ってしまう。

 役所広司の乗る車がダイ
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

2.5

 原作は最初の数話、TVアニメは最初の1クールぐらいまで観てる状態で鑑賞。

 なんか変に『クレヨンしんちゃん』意識してない?

 そもそもマイクロフィルムをチョコの中に仕込む意味ってなに?
 
 タ
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.0

 光石研は良かったけど、台詞が聴き取れないと面白いつまらない以前の問題。

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