安堵霊タラコフスキーさんの映画レビュー・感想・評価 - 38ページ目

安堵霊タラコフスキー

安堵霊タラコフスキー

ブリューゲルの動く絵(2011年製作の映画)

4.2

ルドガー・ハウアー追悼。

本当に絵画の中の世界を表現した映像美でありながら、人物が一斉に静止する画面が一番印象に残るってのが面白い。

全体が緩慢としているから多少眠くもなるけど、構図的に絵画らしい
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007/ゴールドフィンガー(1964年製作の映画)

3.8

007が黒人女性になるというニュースを目にしたこともあり、シリーズのスタイルを確立させたらしい今作を見たくなった。

ルパン三世が色々オマージュしてそうな冒頭の潜入シーンやファムファタールとの関係、確
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事の次第(1987年製作の映画)

4.2

スケールが大きめな、早すぎたピタゴラスイッチ。(そうとしか言えないけど面白い)

オクラホマ!(1955年製作の映画)

2.9

フレッド・ジンネマン初のカラー作品にして(おそらく)唯一のミュージカルという点では貴重だが、基本的には普通の歌って踊るミュージカル映画でしかないし無駄に長いから、満足度は決して高くならない。

という
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ポワカッツィ(1988年製作の映画)

3.8

どうせコヤニスカッツィみたいな意識高い系ドキュメンタリーなんだろうと思ったら、意外とスローモーションの多用とか以前と趣を異にした演出がされていて、予想より面白かった。

過酷な労働現場とか、被写体とし
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マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985年製作の映画)

3.8

嫌いじゃないけどそんなに好きでもない、ラッセ・ハルストレムの出世作。

村の暮らしはやかまし村に通じるものがあって良かったけど、主人公等のキャラがあまり好きになれなかったから愛着が湧かなかった。(叔父
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楢山節考(1958年製作の映画)

4.1

美術とか音楽を舞台的にして、深沢七郎の小説を映画化した実験的作品で、役者の演技やクローズアップをあまり用いない撮影等のおかげもあって、映画を見ているはずなのに演劇を見ているような感覚に陥るのが面白い。>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.4

君の名は。の社会現象的大ヒットの後に二匹目の泥鰌を狙うかの如く多数のアニメ映画が公開されたけど、やはりそれらの後続作品とは一味違う質が色んな意味で感じられる。

東京の天気を描くこととジュブナイル感に
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映画 けいおん!(2011年製作の映画)

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京アニを偲んで改めて見ようかと思ったけど冒頭から色んな感情湧いて具合悪くなるから当分平常心で鑑賞できねえわこれ……

LOUISE (TAKE2)(1998年製作の映画)

3.9

変わった人間ばかり出て来るし演出も全体的に変わっているから変な映画という印象しか殆ど抱けなかったけど、カラックスっぽいシーンが多めだったからか苦手な感じはしなかった。(これでもっとお洒落だったらウォン>>続きを読む

バルスーズ(1973年製作の映画)

4.2

なんだろう、終始奇天烈だし下品な場面もあるけど、軽さが良い具合だったから楽しめたし景色も結構良い箇所も多かったから楽しめてしまった。

正しい方向(1981年製作の映画)

4.0

自然におけるパンダ?とネズミ?。(でも前の短編とは別個体らしい)

話としては前作よりわかりやすいものとなっているけど、それでもよく考えたら理解し難いものとなっていた点は色んな意味で流石。

あとこの
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知りすぎていた男(1956年製作の映画)

4.3

今更ながらドリス・デイの追悼の意味も込めて。

暗殺者の家のリメイク作品だが舞台や家族構成が変わっていたりして結構別物というイメージが強い。

そして冒頭のオーケストラが示すように今作は音楽が重要なフ
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カメレオンマン(1983年製作の映画)

4.8

ウディ・アレンの撮った異色で奇抜なフェイクドキュメンタリーだが、出来が非常に高くて見る度に唸る。

この作品はカメレオンのように容姿を変化させられる男をドキュメンタリー的に取り上げた映画となっているけ
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ゆずれない事(1981年製作の映画)

3.9

以前からパッケージの着ぐるみで興味があったこの作品をようやく鑑賞。

おそらくは声を後付けし易いというのが一番の理由だろうが、パンダ?とネズミ?の着ぐるみと突飛で気怠い展開のおかげで超現実的な趣があっ
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.7

3でトイストーリーとして描くべきものは描き切ったと考えていた身として、他に何を描くんだろうと思いつつ見に行ったわけだけど、テーマはそこまで悪くないと思いつつも複雑な気分にさせられた。

詳しくはネタバ
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ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間(1970年製作の映画)

4.2

そういえば今年で開催から50年経つんだな。

映画としてはたまにある分割映像くらいしか面白くないけど、ロック全盛の時期に行われた伝説のロックフェスを映像に遺したというだけで価値はある。

パフォーマン
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長江哀歌(ちょうこうエレジー)(2006年製作の映画)

3.3

好きなタイプの映画なのに、何故か何度見ても心に響かない映画。

というか長江の風景は見応えあるはずなのにまるで情緒が感じられず味気なく思えたし、撮り方も結構良いけど全然琴線に触れず、何が悪いかはよくわ
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クリシャ(2015年製作の映画)

3.9

キューブリックとテレンス・マリックを足したようなカメラワークの斬れ味が良い。

気づけば配信終了間際だったからざっくりとしか見れなかったけど、今度機会があればもっとじっくり拝みたい。

楢山節考(1983年製作の映画)

4.2

木下惠介が監督した舞台っぽい同原作の映画化に対して、自然味溢れる描写が特徴的な今作は、自然の中の人間が強調されていて印象深かったが、その割に演技がわざとらしいところもあったのには違和感を覚えた。(緒形>>続きを読む

リリア 4-ever(2002年製作の映画)

3.4

ケン・ローチみたいな映像は嫌いだし若者が搾取され虐げられる描写も腹立たしいものがあったけれど(後者はその理不尽がテーマだからむしろ良い点か)、終盤には結構グッと来るシーンが多くて最終的な印象としては悪>>続きを読む

アリスの恋(1974年製作の映画)

4.0

子持ちの中年女性についてのアメリカンニューシネマで、スコセッシっぽくないかと思いきや痴話喧嘩とかの暴力性にはぽさがあり面白かった。

あとこの作品にローラ・ダーンみたいな女優がいると思ったら母親のダイ
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白い馬(1952年製作の映画)

4.6

思った以上にドキュメンタリー的撮り方が多く、その自然さが非常に良かった。

それでいて白い馬と少年に関するシーンは幻想的な描写が多くなっていて、その対比も効果的だった。

ナレーションは無くても良かっ
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Two(原題)(1965年製作の映画)

4.6

アカデミー賞公式が何故かYouTubeで配信している、サタジット・レイの短編。

結構露骨なところはあるけど、遊び半分で富裕層が貧民へ敵対行動を取り搾取する残酷さと虚しさを、二人のカーストが違うであろ
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ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

4.1

簡単に言うと吸血鬼ノスフェラトゥをクソ真面目に撮ったリメイク映画。

でもヘルツォークが堅実に不気味な映画を撮るとこうなるという貴重な例になっていたと思うし、純粋に美しい場面もあったのが好印象。(堅実
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Islands(英題)(2017年製作の映画)

1.9

いつもmubiで配信される映画はギリギリになって見ることが多いから、反省して今回は配信されてすぐ見ることにしたが、ある意味早めに消化したのは正解だったかもしれない。

というか全体的に無駄なエロ(全然
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search/サーチ(2018年製作の映画)

4.3

パソコン画面っぽい映像のみで構成された作品とのことで、あえて家で拝めるときを待って鑑賞したのだけれど、案の定の面白さがあった。

家庭においても撮影というのが日常的になったこと等に目をつけたサスペンス
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うなぎ(1997年製作の映画)

4.0

色々よくわからん映画だったけど、ポン・ジュノが師事するだけあって演出や映像にキレが感じられ、それでいて仮出所中の役所広司を取り巻く環境の味わいがしっかり出ていたのが良い。

作中特に印象に残る場面にあ
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スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

4.0

深刻過ぎないキャラのおかげでバスター・キートン的な魅力すら感じられるCGアクションとかガチでバードマンみたいな敵になったマイケル・キートンとか、全体として存外面白い内容になっていたけれど、一番映像的に>>続きを読む

すずめの唄(2008年製作の映画)

3.6

同じ監督の有名な運動靴と赤い金魚もそうだけど、キアロスタミらの作品より人間に血が通ってて家族仲も良さ気なのは結構ながら(キアロスタミ作品なら娘の補聴器の為に奔走する父親とか絶対あり得ない)、それ故に登>>続きを読む

ジャッカル(1997年製作の映画)

3.5

髪を生やしたブルース・ウィリスの悪役っぷりが拝める、ほぼその一点に面白さが凝縮されたかのような娯楽映画だが、彼がジャック・ブラックを殺す場面は確かに残虐で面白かったからそれだけで十分にも思えた。(金色>>続きを読む

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

3.8

ナディーヌ・ラバキーのキャラメルを鑑賞して思い出したこのペドロ・アルモドバルの代表作だけど、よくこんな女性らを瑞々しく描写した映画を男の監督が撮れたものだとつくづく感服する。

イヴの総ての原題みたい
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東京兄妹(1995年製作の映画)

4.6

実は5年も前からDVDがレンタルできるようになっていたとようやく知って久々に見たくなった、今は亡き市川準の代表作。

緒形直人演じる妹への愛が強い兄貴がメインでちょっと気持ち悪い場面もあったけど、エル
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歌行燈(1943年製作の映画)

4.4

知り合いから成瀬が苦手な自分でも楽しめるかもと勧められた今作、なんとWOWOWで放送されたのでこの機会を逃すまいと鑑賞。

そして蓋を開けてみれば、序盤の舞の場面から良い具合の淡白さがあり、同時代のド
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キャラメル(2007年製作の映画)

3.6

近々カンヌ受賞作が公開されるってことでナディーヌ・ラバキーの過去作を試しに見てみたけど、こんなペドロ・アルモドバル的な作風になっていたのは意外だった。

でもよく考えるとペドロ・アルモドバルって監督は
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.6

男娼って設定はともかくナルコレプシーって設定は主役にとってだけでなく映画にとっても邪魔だったように思えるくらい持て余していた感が強かった。(というかナルコレプシーなら普通一人で行動できないだろ)

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