穂苅太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

穂苅太郎

穂苅太郎

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ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.7

北欧系でもなくドイツでもなくポーランドっていうところが、なんか全体的な作風を決定づけてるような気がするのはステレオタイプにすぎるのだろうか。いろいろ引き裂かれたり、間に入って困ったり。歴史的にどうして>>続きを読む

フレンチ・ラン(2015年製作の映画)

3.8

イドリス・エルバのNorman Cook(ファットボーイスリム!)と組んだラストの主題歌がかなりかっこいい。元々声はいいとは思っていたけど歌の感じがすごくいい。曲もやさぐれててイメージにぴったりだわ。>>続きを読む

デビル(2010年製作の映画)

3.2

ミステリーなんかい、ホラーなんかい、やっぱミステリーなんかい、やっぱどっちでもないんかい!ということでおそらくこれはたまらんシャマランLINEで、辻褄とかを理解できないということを理解するという見方が>>続きを読む

神と共に 第一章:罪と罰(2018年製作の映画)

3.8

おふざけ部分も多分にあるが、発明とも言えるストーリー構成が秀逸すぎて、その上で語られる韓国映画らしい、家族問題、貧困問題、徴兵問題をちりばめるあたりうなって感心してしまう。VFXも豪華絢爛。それに加え>>続きを読む

神と共に 第二章:因と縁(2018年製作の映画)

3.9

まあ基本的に閻魔大王が感情で、生前の罪の軽重を左右されては亡者もたまったもんじゃないとは思うけどね。そもそも正義や義理や良い嘘悪い嘘のそれぞれのジレンマとか、結局カントとかヘーゲル、現代思想のいろいろ>>続きを読む

ケルベロス 紅の狼(2018年製作の映画)

3.0

いやこれ最近のダークヒーローもののダークぶりは徹底してるんじゃないか。とにかくめちゃくちゃだわ。賄賂を受け取っているやつは殺す。賄賂送ったやつも殺す。邪魔するやつは殺す。仲間の警官はさすがにボコボコに>>続きを読む

インソムニア(2002年製作の映画)

3.5

アル・パチーノとロビン・ウィリアムスの演技というか顔芸対決が本当に惚れ惚れする。目力対ニヤつき怖顔。おっさんになってからのアル・パチーノなんぞ目の下の袋にギャラ払ってるようなもんだ。オープニングからラ>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

神格化、深さ、重さ、不気味さ、不可解さ、オリジナリティでは確かに「シン・ゴジラ」にかなわないものだから、とにかく分かりやすくエンターテインメントに徹するとした山崎貴の、それはなかなかに気骨があると思わ>>続きを読む

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

3.4

前情報を何もいれずに見てしまったため、途中までコメディかと思っていたら、あれ、あれ?なんか様子がおかしいぞ。かなりシリアスでリアルになって相当重苦しさが上回ってきた。最初の演奏シーンのへたくそ加減とか>>続きを読む

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.2

フエええええ面白い‼さすがタランティーノが推すだけのことはある。
モノクロだけど色がついているかのようだし、一つ一つのカットの画角がすごく計算されている。音楽はどうしてもこの時代盛り込みすぎになってし
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七人の秘書 THE MOVIE(2022年製作の映画)

1.9

「ミステリと言う勿れ」の劇場版がかなりの良い出来だったので、一旦は決意したテレビ局制作映画の絶望ラインを甘くしてい、油断しているとこんな目に遭う。これはひどいな。やっぱり絶望。

人物の形成特に新顔の
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スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜(2011年製作の映画)

3.6

イジリー岡田や変なおじさんが現実にシリアスに存在するとしたらこういう感じなのかもしれん。好きな子をいじめたくなるのも中二病がそのまま大人になった感じ。映画的にはもっと変質的にしたり、サイコパス要素を入>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

4.0

ドラマシリーズも特番も原作も全部何だか好きなんだよね。てか大好き。トリックとか構成とか数多あるミステリー要素のサンプリングに過ぎないのだけど、そのこともメタ的にセリフで扱われ、そもそもタイトルがそれを>>続きを読む

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

3.9

公開当時封切りを待ちわびて劇場で興奮しながら見たものだ。どうしても「荒野の7人」と「七人の侍」との比較検証が鑑賞中頭の中に先行してしまって、本編をじっくりと楽しみながら見てはいなかったと改めて反省しき>>続きを読む

シューテム・アップ(2007年製作の映画)

3.8

人参からの赤ん坊そして母乳。大半を占めるガンアクション大喜利。出産ガンアクション、性交ガンアクション、子守りガンアクション、3度にわたるローションガンアクション、スカイダイビングガンアクション。はては>>続きを読む

噛む女(1988年製作の映画)

2.8

桃井かおりと余貴美子と戸川純。このアンサンブルを味わうという意味では楽しめたな。永島敏行と平田満、竹中直人は、まあいつもの平常運転というところか。

でもやっぱり2000年以前の邦画は日活物でなくとも
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探偵なふたり:リターンズ(2018年製作の映画)

3.5

なんか世間で言われてるところのコメディーよりの探偵バディものの、こうしたら美味しいっていう具材をスーパーで安い時に買って、いい加減に料理してそれがちょっと冷めちゃいましたみたいなシリーズ。

今回はソ
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探偵なふたり(2015年製作の映画)

3.3

コメディーをベースとしたバディ探偵もの。ここでもやはり韓国映画はこの単純な構造に止めるのを許さない。今回大きくモチーフとして盛り込んだのが子育て、からの家族関係だ。ミステリーとしてここがファクターにな>>続きを読む

ザ・マザー: 母という名の暗殺者(2023年製作の映画)

3.3

なんか前半1時間で話が終わってしまって、この先どうするのかなと思ったらジェニロペの毒親とも言えるスパルタ教育(今時こんな言葉使わねえよ)のシーケンスが始まってちょっと笑ってしまった。護身術に詳しいわけ>>続きを読む

レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)

3.6

癖のある監督だわ。どんなシーンでもあたかもホラーのような不協和音がずっと鳴ってんだよね。奥さんとイチャイチャしてるシーンですら鳴っていてて。何か起こるかと思うのだが何も起こらない。これが何回も繰り返さ>>続きを読む

スマホを落としただけなのに(2022年製作の映画)

3.5

韓国サスペンスで慢性的なストレスになるのは、家族特に親子関係における信愛表現の異常なまでの偏重だ。パニックもので医者や警察が優先的に家族を助けたり、ともすれば家族のために他人を殺めたりする。どうしても>>続きを読む

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.4

ここ数年何度か日本映画を見るのはもうやめようと思ったことがある。「大怪獣のあとしまつ」とか。邦画絶望系とでも言うべき作品群を見た後だ。それでも10本に1本はすごく頑張っている作品もあって、完全に見捨て>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.1

3作の中では一番地味とも言えるのだが、1作目の前半40分にわたる静かな平穏なマッコールを大事にしたかったのだろうな。その分第2作よりもデンゼル・ワシントン印の世界一の笑顔がマシマシになっている。こちら>>続きを読む

バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート(2015年製作の映画)

2.5

主演両方とも好きなんだけどどうもこの手のが苦手だな。なんでだ。バカなことを真面目にやっているのは好きなんだけどおバカなことをふざけてやってるのが嫌いなんだな、きっと。アダム・サンドラーの夫婦ものがあっ>>続きを読む

ポイントブランク 標的にされた男(2014年製作の映画)

3.8

序盤これは久々の正統派韓国ノアールものだなと思いながら見ていたがそれは実はミスリードで、なかなかのナーメテーターものだった。

リュ・スンリョンは相変わらずコメディリリーフのような顔つきと強靭の肉体と
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

日本に殺し屋というのがいたとすれば本当にこういう生活なのかもしれないどうやら養成所みたいなのがあって人間教育もしっかりやっているというのが日本らしいなあと。

セリフのワードセンスがいちいち笑えて、バ
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YUMMY ヤミー(2019年製作の映画)

3.8

シノプシスやテーマそのものは、まさにB級のそれなのだが、なんなんだこの無駄に優れた脚本や演出や撮影は。特に事件が起こってからの手持ちのカメラとか芸が細かい。今まで画角や色彩を子細にこだわった固定カメラ>>続きを読む

バレリーナ(2023年製作の映画)

4.0

大好物のめちゃくちゃ強い女エージェント韓国版。セリフで余計な説明は入れないもののイメージシーンなんかで背景がすごくよくわかってなかなかの手だれではあるが、韓国サスペンスにありがちな緻密な脚本など全く無>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

4.2

もうこれはあかんて。トムハンクスに年相応の役与えてこれやられたらもうあかん。さりげなくてちっちゃい話だけど、「フォレスト・ガンプ」に並ぶぐらいの素晴らしさ。

コピーの“町一番の嫌われ者”って端から嘘
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ザ・トリップ(2021年製作の映画)

4.0

B級サスペンスだろうと思ってお気楽になめきってみてみたら、これはかなりの大傑作だ。基本はおバカでお笑い。やってることはB級なのだが、ノルウェーの大自然のあまりにも美しいロケーションとのギャップが最高に>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.8

前作があまりにもあまりにも大傑作だったため、見劣りしてしまうのはしょうがない。マイケル・B・ジョーダンも初代に習って監督をやりたかったんだろうな。俳優の人生と映画がシンクロするのは「ロッキー」1作目か>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.5

うへーこれもう最高だ!今年度ベストはもう決まりだ!チャプター1しか見ていないくせに、いいな私も行きたい奥さんを1と2と3をちゃんと見てからじゃないとやっぱりわけわかんないから一人で行ってくる、とかなぐ>>続きを読む

タチャ ワン・アイド・ジャック(2019年製作の映画)

3.8

シリーズを追うごとにストーリーはもちろん特にキャスティングに光るものがあるな。これ以降あらゆるところでメインを貼ってるメンツじゃないか。お話の構造的には同じようなものだけど、ファムファタルの立ち位置が>>続きを読む

タチャ 神の手(2014年製作の映画)

3.7

だまし騙されふりふられ各陣営のそれぞれの上下関係が入れ替わり立ち代わりでこれは前作よりも見応えがあった。独立しているけれどもサブキャラクターがしっかりしていてこれは前作から継承している。韓国三大いい顔>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

4.0

なんだよ今敏って評判ほどでもないじゃん・・・・と「パーフェクトブルー」を見た後に鼻で笑っていたのだが、ごめんなさい、これは確かにアニメならではだし、原作のモチーフを用いつつもそれにビビットに色付けをし>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.0

公開当時ならいざ知らず、今となってはストーリーも人物描写もとてもありきたりで、セリフ回しなどはこの当時でもかなり古臭かったんじゃないか。いや同じ時代の実写ものではもう少し突っ込んだ掘り下げ方すらあるの>>続きを読む