このレビューはネタバレを含みます
ファミリー映画にしては毒がある一方で、暴力シーンを「見せない」演出がレーティング意識なのか?と勘繰って観ていました。
前半は全方面に中途半端でどう受け止めたら良いのか戸惑うし、このまま毒にも薬にもな>>続きを読む
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シリーズのイメージを塗り替え続けたダニエル・クレイグ版ボンドらしい幕引きだと思います。最も「人間らしい」ボンドがやってのけた、ある意味禁断の一手。これはダニエル・クレイグ版ボンドだからこそ成立したもの>>続きを読む
これまでの2作に比べるといわゆる「ジャンプスケア」も少なく薄味な印象。面白いシーンもウォーターベッドのところぐらいで、あとはほとんど印象に残っていません。
やはり「死霊館シリーズ」(死霊館ユニバース>>続きを読む
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一般人がスパイとして雇われるスリル、ソ連の情報屋と育む友情、家庭の不和、命懸けの任務などなど、見どころ満載の展開を次々と見せていくテンポの良さに驚きました。無駄がない脚本と手際の良い演出は目を見張るも>>続きを読む
ロケ地がセルビアとモンネテグロになったことで、作り手が実現したかった風景とは違うものになってしまったことは残念だと思います。
だだっ広い景観に、エキストラの数も明らかに足りておらず寂しい。
しかし>>続きを読む
物語は凝っているものの、会話シーンばかりで画的なバリエーションに欠けるのは残念。
ただSF大作の皮を被った、ノワールというかハードボイルドというか、とても歪な作品として妙な魅力を放っているのも確かで>>続きを読む
アイダの味わう苦悩と恐怖をしっかりと見なければいけません。隣人を見捨てることの呵責を、自力ではどうにもならない歯痒さを、全てを背負わされた彼女の眼差しを。
ナチスドイツによる恐るべき暴虐をも思わせる>>続きを読む
冒頭のド派手な退場ショーが美しい!!!この思い切りのおかげでスクワッドの「生き残りレース」を巡る緊張感が高まります。
バイオレンスの過激さも予想以上で、口をあんぐり開けながらも、思わず頬が緩んでいく>>続きを読む
片や命を軽んじる冷酷な暗殺者、片や命の重みに押し潰された主人公。そして両者を平等に追い詰める自然の脅威。空が赤く燃えているような山火事の光景はまるで地獄のようでした。極限状況だからこそ、生と死の対比が>>続きを読む
鬱々として不穏で、胸がざわざわするような居心地の悪い空気。映画が持つ表現力の豊かさに改めて感心させられました。
統合失調症を主観からリアルに描いたことで注目を浴びた作品ですが、だからといって「普通じ>>続きを読む
道を前進し続ける車と不可逆な人生の機微とが奇妙にシンクロしながら熱を帯びていき、やがて過去にとらわれた2人の魂を解放する旅路が形成されていく。
演技と言語と、嘘と本音と、過去と現在と。さまざまなコミ>>続きを読む
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ケビン・コスナーとダイアン・レインの演技が素晴らしい。西部劇でありロードムービーであり、何より深い愛情の物語でもある本作で、夫婦の絆に説得力をもたせたのは2人の円熟した演技だと思います。
2人のあい>>続きを読む
拡張し続けるユニバースと対極にあるような、素朴で平凡な主人公の親子の物語で飛び込んできた新星。
MCU作品の超人的な派手さを思えば、序盤のバス内でのアクションなんて異質と言っても過言ではありません。>>続きを読む
まず前作に比べてどうかというあたり。僕は前作の湿っぽさがどうも気に入らなかったので、そこがかなり抑制されていて良かった。
また物騒さが前作とは別の方向に突き抜けていて、もはやヤクザ映画というよりはサ>>続きを読む
「ヒーローに生まれるのではない、ヒーローになるのだ」ではないですが、哲学的なテーマをエンターテインメントに落とし込んだ、愉快で刺激的な映画でした。
同じ日を繰り返す設定、または人工知能との交流を描く>>続きを読む
シャマランが優れているところは、キャッチーな設定にあると思います。今作は珍しくオリジナル作品ではありませんが、そのキャッチーな内容はこれまでのシャマラン作品に通じるものがあると思います。
「人生は短>>続きを読む
観客(ファン)が観たかった魑魅魍魎の格闘、バイオレンス、そしてフェイタリティ!
ひたすらそれだけを突き詰めたバランスは異様です。しかし、あまりの見せ場の連続にこちらはランナーズハイのように気持ちよく>>続きを読む
「なんでもあり」がルーニー・テューンズの面白さですが、試合の得点方式まで変えてしまうのはやりすぎだったと思います。
スタイルポイントという独自ルールのせいで、点数の価値がバスケとは大きく異なるので、>>続きを読む
パニック映画+ミッション・イン・ポッシブルとでも言えば良いのか、凄まじいてんこ盛り具合です。
目の前で高層ビルが崩落したり、橋の上で津波が押し寄せてきたり、ディザスタームービー的な見どころはもちろん>>続きを読む
アルコール依存についての説教臭い話かと思いきや、全然違いました。
飲まなきゃやってられない程の苦痛や不安、無限に広がる虚無に潰されそうになりながら、それでも生きていかなければならない、という等身大の>>続きを読む
前作の最低最悪な”あの件”に対して、一体どう折り合いをつけて展開するのかと興味を持って観ていたのですが、やはり”あの件”が強烈すぎたせいで狙ったような「いい話」として受け取るのはなかなか簡単じゃなかっ>>続きを読む
ラティーノの人々を中心に据えた、紛れもなく現代のアメリカを描いた作品でした。歌とダンスのエネルギーがみなぎり、思わず身体を動かしたくなるのを抑えながら観ていました。
これはお行儀よく座って鑑賞するよ>>続きを読む
お馴染みの歌って踊る「ボリウッド映画」とは一線を画する衝撃的な映画。
画面全体にみなぎるパワーは「ボリウッド映画」に通ずるものがあるとも言えますが、本作はエンターテインメントというよりも寓意を含んだ>>続きを読む
過度にドラマチックな見せ方を避け、あくまでも淡々と事実のみを語っていくようなヒリヒリとした雰囲気が漂います。
収容者たちの胸の内に、反撃の衝動がポツポツと立ち現れながらも消えていく様子は本当に痛まし>>続きを読む
600万人の虐殺への報復として600万人の命を奪うという計画について、利いた風な口ぶりで「復讐はいけない」と言えるだろうか。
ホロコーストのおぞましい光景を知識として知っていることと、それが実際に眼>>続きを読む
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認知症の恐怖を象徴的に描いたホラー。『ファーザー』が当事者の徹底的な主観からその恐怖を描いたのに対し、こちらは当事者が味わう痛み、苦しみ、混乱がメタファーとして周囲の人間の前に表出していくような作品で>>続きを読む
どこを歩いても誰かに首輪を付けられているような、自由に生きることが難しい世の中において、欲望のままに全力の主人公ムーンドッグの姿は尊く映ります。
この映画を観てからというもの、他者からの見えない抑圧>>続きを読む
モンスター界の2大スターそれぞれに華をもたせておいて、いざ最終決戦へ……という展開は当然と言えば当然ですが、双方に忖度した誰もが納得できる形に上手くおさめたと思います。
大迫力のバトルシーンや、キン>>続きを読む
2人の少女が中絶手術を受けるためにNYへと向かう——。
たった1行の物語のなかに到底説明し切れない葛藤、孤独、不安、さまざまな感情が渦巻くとても豊かな映画。
彼女たちが心の中で何を思っているのか、>>続きを読む
いかにも皮肉めいたタイトルが、徐々に文字通りの意味として、変化と多様性を受け入れてより良いユートピアを迎えようというメッセージであることが示されると、思わず涙が出てしまいました。
分断が広がる社会を>>続きを読む
シンプルな映画。舞台のシンプルさだけでなく、物語も寓意的な部分やメッセージ性も含めて素朴で、笑って泣いて戦ってのスペクタクルを期待すると物足りないかもしれません。
一方でこのスケール感だからこそ、イ>>続きを読む
世紀末感が弱く、緊張感もない。アクションも普通であっと驚くようなSF的要素もホラー要素もない。
モンスターは凶暴で良いんですが、とても地球外生命体と思えず、「地球人が考えた生物」という感じが否めませ>>続きを読む
子ども兵士、強制避妊、性差別などなど、生々しく凄惨で重いテーマを扱いながらも、実に軽やかな映画。こんなにもカラッとしていて良いのだろうか…と思うほど気持ちがいい。
これにはなんといってもフローレンス>>続きを読む
これは珍作!今回のニコラス刑事は”寡黙な男”の役ですが、寡黙どころかセリフがありません。しかし、ダッサイダッサイ踊りと顔芸を見せてくれます!最高か!
戦う相手は、寂れたテーマパーク内の呪われた殺人マ>>続きを読む
リーアム・ニーソンといえば、”あの演技派がアクション映画に⁉︎”と世界を驚かせた『96時間』から13年。
『96時間』フォロワーが量産される中、彼自身もジャウム・コレット=セラとのタッグを中心にアク>>続きを読む
表現主義的、ベルイマン的な画づくりや1.19:1の画角が醸し出す雰囲気は、一見現代のものとは思えません。
美術や神話、史実からの膨大な引用によって組み上げられた物語は、そびえ立つ灯台そのままにおどろ>>続きを読む