いずみたつやさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

いずみたつや

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Shoot them again! Their soul's still dancing!

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エリザのために(2016年製作の映画)

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背景、台詞、役者の選び方すべてが象徴的で、"余白"の部分で雄弁に語る映画でした。

1989年のチャウシェスク大統領処刑以後、ルーマニアは現在もこんなにどん詰まりな空気感が漂っているのかと衝撃を受けま
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LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門(2017年製作の映画)

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一味の中で最も人間離れした存在ともいえる五エ門と、常軌を逸した巨漢との死闘は、もはや神話のような神々しさ。しかも、それが"仏の眼前"で繰り広げられるという奇天烈な光景には鳥肌が立ちました。

今回ばか
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アラビアの女王 愛と宿命の日々(2014年製作の映画)

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"イラク建国の母"ガートルード・ベルの人生を描く伝記モノというよりは、ある女性が知性と美貌をもって、しなやかに生きる姿が魅力的な作品でした。男性も皆、彼女に敬意を表する紳士として描かれるのも印象的。>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

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たまらなく魅力的なキャラクター達が"街と共に生きている"感じがハンパじゃない!淡々としているようでパワフルだし、感傷的ではないけどエモーショナル。

全編iPhone 5sで撮影した(もちろん上質のア
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

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宗教にすがる他ない状態というのは気の毒で仕方ないですが、信仰によって目も当てられないような迫害を受けることは、なんて不条理なんだと怒りが湧いてきます。現在そのような差別的な運動が盛り上がってきているこ>>続きを読む

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

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これでもか!と張り巡らされた伏線を、まるで主人公のキャラクターのように几帳面に隅から隅まで回収してくれるんですが、台詞と回想で長々と説明するのは手際が良いとは言えないのでは…。

昼は会計士、夜は凄腕
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スケア・キャンペーン(2016年製作の映画)

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アイデアは良さげな感じなんですが、ディテールに粗が目立ち過ぎてなかなか乗りづらい作品でした。

裏の裏の裏を…といったドンデン返しの狙いが行き過ぎた結果、登場人物たちがまるでピタゴラスイッチの仕掛けに
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ぼくとアールと彼女のさよなら(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

主人公・グレッグが作る映画のパロディはどれも可愛らしいものばかりですが、映画が進むに連れて、実はそれは「自分と向き合うことを避けている」ことの表れなのではないかという問いが浮かび上がってきます。

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トッド・ソロンズの子犬物語(2015年製作の映画)

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誰もが目を背けたい人間の闇を皮肉たっぷりに…と書くのは簡単ですが、そういう容易い"理解"に落とし込めない掴みどころの無さがやはりトッド・ソロンズ監督の魅力です。

最初のエピソードから無垢な子どもの心
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マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション(2015年製作の映画)

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最高死ぬ!!!!マジで何回観ても「最高死ぬ!!!」という感想以外に浮かびません。

白黒映像になったことで、特に砦や群衆の様子は『イントレランス』や『メトロポリス』といったクラシック名画の一場面かと思
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ホワイト・バレット(2016年製作の映画)

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サスペンスを盛り上げる細かな設定・演出の積み重ねが見事な前半。張りつめた緊張が爆発し、外連味たっぷりのアクションが炸裂する後半。

どこを取ってもジョニー・トーといった感じの犯罪アクションでした!
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ダーティ・グランパ(2015年製作の映画)

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またデニーロがぬるいコメディに出てしまったのか…と死んだ目で観に行っただけに(それでもデニーロ新作は劇場で観たいのです)、予想を上回る下品で毒のあるギャグには正直ビックリしました!

後で知ったんです
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NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム(2016年製作の映画)

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シェア文化を戯画化した世界観や、目の付け所は面白いなあと思ったんですが、ゲームの詳細や主人公の細かい行動原理などに雑な処理が目立って、いまひとつ乗れませんでした。

エマ・ロバーツはなんかちんちくりん
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

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極彩色の映像と美女が画面を埋め尽くす光景に息を呑みました。

モデル業界の深い闇を描くという、いつになくキャッチーな題材ですが、"血と暴力がはびこる世界"という意味ではいかにもレフンらしい作品のように
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アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(2015年製作の映画)

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いかなる手でも付くし、圧力糞食らえ精神剥き出しのフリッツ・バウアーがかっこいい!!ブルクハルト・クラウスナーの鬼気迫る演技からは目が離せませんでした。

全編緊張感が漂っており、サスペンスとして一級品
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THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)

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毒気を薄めて、主張をよりストレートに押し出した、一見キム・ギドクらしくない作品。

押しつけの善意がどれほど醜いことかを辛辣に描くのはいいんですが、ショッキングな描写は控えめで分かりやすいゆえに、説教
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アメリカン・レポーター(2016年製作の映画)

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戦争映画のような社会的・政治的メッセージは薄く、そういったものを期待すると味気なく感じるかもしれませんが、堅苦しくないドラマとして十分楽しめる作品です。

同じような場面でもまったく違った意味があった
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エスコバル 楽園の掟(2014年製作の映画)

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エスコバルは「正義」と「悪」が表裏一体であることを体現するような存在です。庶民から英雄視された犯罪者ボニー&クライドの車を所有していたという話も非常に分かりやすいなあ、という感じです。

この映画はそ
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ピートと秘密の友達(2016年製作の映画)

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スピルバーグ作品のような、どこか懐かしい雰囲気が漂う良作ファンタジーでした。

"懐かしい雰囲気"はニューシネマ風で渋い『セインツ -約束の果て-』で70年代のテキサスを情感たっぷりに描いたデヴィット
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バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年製作の映画)

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緩急の"緩"が完全に抜け落ちた、急斜面急降下映画です。

その結果、派手さのインフレが発生してしまっており、騒がしい割には記憶に残るような場面の無い、印象の薄い作品になってしまいました。

ジェットコ
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妹の体温(2015年製作の映画)

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三宅隆太監督が絶賛しているので鑑賞してみました。
一見、満ち足りた人生を送っているように見える人にも心の闇があることを再確認させられました。切なくも生きる力が湧いてくる映画です。

また、幸せとは何か
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

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絵のタッチや主人公のキャラクターもあり、雰囲気はほんわかしていますが、次から次へと場面が変わる怒濤の展開に驚かされました。

おためごかし的な派手な展開・演出に終始することもなく、重層的な意味を持つ場
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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015年製作の映画)

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想像するだに恐ろしい状況に右往左往する要人たちの姿に思わず笑ってしまいますが、現実に十分あり得ることだと考えると、本当に暗澹たる気持ちになります…。

この作品はアリアというパン売りの少女の命を取るか
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聖杯たちの騎士(2015年製作の映画)

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テレンス・マリックは大好きですし、今回も私的で詩的な独自世界の味わいはたっぷりあります。

ナタリー・ポートマンとイモージェン・プーツ(芋嬢)とフリーダ・ピントという3人の美女が一度に観られるという、
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シークレット・オブ・モンスター(2015年製作の映画)

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スコット・ウォーカーの音楽がただごとではないほどに強烈!
この大変な序曲が作品の"品格"を格段に押し上げていることは確かではないでしょうか。

何をしでかすか分からない子供の不気味な演技。ダークな美術
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

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まず始めに、僕は『ハリポタ』シリーズも『アズカバンの囚人』くらいまでしか観てないような人間で、どう考えてもこの映画にとっていい客ではありません(正直な話、TOHOフリーパス発動中なので観ました)。>>続きを読む

ガール・オン・ザ・トレイン(2016年製作の映画)

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信用できない語り手(酒癖×)が主人公のため、どの場面が真実なのか分からないという謎で引っ張る系の作品で最後まで興味を惹く構成になっています。

その一方で、誰の頭の中か曖昧な映像だったり、ミスリードの
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

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前半がちょっと退屈なのが玉に瑕ですが、終盤にかけて尻上がりにどんどん面白くなっていきます。

"希望"のリレーは涙無くしては観れません。希望はその他大勢の屍の上ではなく、平等に価値ある1人1人の命の上
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変態だ(2015年製作の映画)

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話としては面白いんですが、映画的な見せ場がないのはちょっと苦しかったです。展開力も弱いため、そもそも長尺向きではないのかもと思いました。

AV風の濡れ場やクライマックスは奇妙でよかったし、安斎さんは
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

2つを愛せない不器用な男の愚かさが沁みる映画でした。

ドン底で浴びる喝采。
一方では満たされ、一方ではすべてを失うという、両極が同時に映るラストシーンは胸が張り裂けそうでした。

ただ、回想はまだし
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

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序盤の緊迫感は尋常じゃなく、手に汗握りっぱなしでした。
ホラー映画はまず最初に作り手が"優位に立つ"ことが重要というか基本だと思うのですが、今作はベタではありますが犬を使った演出で観客を怖じ気づかせる
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ジムノペディに乱れる(2016年製作の映画)

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ロマンポルノらしさが滲む切ない余韻はとても好きです。

ただ、オフビートな笑いを狙ったのは分かりますが、どうも人間ドラマなのかコメディなのか、どっちつかずで振り切れなかった印象が残りました。

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

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ストーリーが無ければ、取って付けたような葛藤などもゼロ。

しかし…最高の日々をそのまんま切り取ったものが楽しくないわけがない!とにかく"楽しいこと"だけを凝縮したような作品で、この多幸感は何度でも味
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誰のせいでもない(2015年製作の映画)

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3Dの効果はざっくり言ってしまえば「飛び出す映像」「奥行き表現」などがありますが、どれも実際に目に見えるものを迫力満載に、臨場感あふれるものにするために用いられることがほとんどでした。

が、この作品
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ホドロフスキーの虹泥棒(1990年製作の映画)

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ほとんんどサイレント映画のような演技・演出で、誰が観ても分かる物語になっているので、ホドロフスキー作品の入門としても良さそうです。

しかし、その裏には皮肉が満載で、監督の思想が垣間見えるところが面白
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無垢の祈り(2015年製作の映画)

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サイバーパンク的な都市の一角、非日常の光景が日常と化した凄惨な日々。

無垢な魂がひたすらに求めるものが、"よりマシな地獄"ということが居たたまれませんでした。

主人公・フミを演じた福田美姫の鬼気迫
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