東京映画祭プレミア上映にて。
この映画にどんな言葉が合うのか、見てからずっと考えていた。考えたけど全然見つかる気がしない。ので散文的に思ったことを書くしかない。
あと、上映後に三宅唱監督が登壇されて簡>>続きを読む
映画が始まった瞬間から良い。『出会ってしまったこと』が言葉もなく映像と音だけで一瞬でわからせてしまう力がある。その後タイトルが出るまでのシークエンスも一瞬の無駄もない。
何かが起こる時、まずカメラは>>続きを読む
心と身体のバランスが好きだった。例のことが起きるまでの時間の感覚とか本当にすごいと思う。凡百の映画なら抱え切れなくて欺瞞だらけになってしまいそうなテーマをそう感じさせないのは凄い。
ただ、自分の中で特>>続きを読む
最後の最後に、見る前にあった今作へのイメージと180度異なる光景が広がって素直に感動してしまった。言葉を取り払った先にある身体の躍動とレンズに反射する太陽の光。それを魅力的にカメラに収めることは簡単な>>続きを読む
まじでこれは自分の限界というか、視点の限界なのだけど、物語が面白いという感情しか生まれなかった。それはそれで大事なことだと思うけど、嫌な言い方をすれば映画として見る理由があまりないということにもなる。>>続きを読む
冒頭、中華料理屋から出たシイノの横顔を印象的にカメラが捉える。それ以降、横顔の映画だと思ってずっと見ていた。
隣を並んで歩く人の顔は片側しか見ることができない。その見えない方にあるものを人は見ようとし>>続きを読む
バースデーケーキの火を吹き消した途端に暗い部屋のベッドの上にカットが変わったり、同じ部屋だけど"違う時空"に繋がったり、走る一人の背中を追っている画角の中にそれを追うもう一人の背中が入ってきたり、まず>>続きを読む
「おじさん」や「おんなのこ」という属性からの解放をロマンポルノで描くという枠組みが良かった。実際に濡れ場のための濡れ場みたいなシーンはひとつもなくて、生活の中のひとつの時間として切り取られているように>>続きを読む
冒頭、ミー坊が目覚めた部屋に置いてある水槽が映り、次に朝方の窓を開けるカットに繋がる。次のカットでは魚が泳ぐ水槽と開いた窓がひとつの画角に収まっていて、めちゃくちゃ姿勢を正した。水槽の閉塞感と窓の開放>>続きを読む
決して綺麗じゃない物語を淡い映像美で見せるっていう姿勢をまさかこの座組の映画で見られるとは思っていなかったので結構びっくりした。
おれはこの映画を持って母親がどうとか人間がどうとか言いたくないし、そこ>>続きを読む
電話がとても印象的に残っている。ブリジェットがフランシスと初めて対面した時におもちゃの電話で話しかけたこと。または、事が起きてからのジェイスやアイザックとのメッセージのやり取り。そして入りきらない留守>>続きを読む
夜の魔法についての映画だった。もうその時点で好き。
振り返ると冒頭からそう。大きな行動を起こすのは決まって夜で、朝が来て次の日を迎えるとその結果が現実に返ってくる。そしてそれは悉く思うようにはいかない>>続きを読む
終盤、目の前に広がる光景に抱えたことのない感情でいっぱいになった。なんというか、もう馬とバイクが走ることの快感に尽きるような気がする。まずはこの気持ちに向き合わなきゃいけない。この快感は伏線回収やどん>>続きを読む
ただ座ってスクリーンを見ているだけのはずなのに317分経った後には、彼女たちのことが頭からこびりついて離れない。本当に1日の1/4を共にしたような気になる。なにかわかったような気になってしまう。でもそ>>続きを読む
テーマとしては『ヘレディタリー』や『哭声』が何歩も先を行ってるし、描写としても『呪詛』の方が新鮮味がある。
なによりフェイクドキュメンタリーである必然がなさすぎる。それはつまり本来あるべきカメラの意志>>続きを読む
単にプレデターの新作ってだけなら、はいはい。まだやってたのね。くらいでスルーしちゃうところだったけど、あの大傑作『10クローバーフィールド・レーン』を撮ったダン・トラクテンバーグの新作と知って飛び付い>>続きを読む
見ている間、脳が本能で喜んでる感覚になる。こんなん映画館で絶対見た方がいい。
個人的に面白いアクションの条件って、舞台が生かされていること、アクションシーンの間にストーリーが止まらないことで、今作には>>続きを読む
人に誘われて見たのだけど、想像以上に面白くて驚いた。完全になめてた。
日本の少年漫画とヒーローって結びつかないなぁと思っていたところに、その代表のようなドラゴンボールをぶつけてきたところから、テーマと>>続きを読む
これは自分の好みがアンチストーリー、アンチカタルシスに向いてるからかもしれないけれど、この映画からもそれを感じた。とても好き。受け手に簡単に溜飲を下げさせないというか、終わったことにさせないということ>>続きを読む
オープニングの伊藤蒼が走っていくところ、カメラの置き方からカット割までめちゃくちゃ良かった。テレビが消えるところとか、なんでおかゆの画面にアップするんだろうと不思議に思ってたら後半でしっかり回収された>>続きを読む
執拗に画面内を覆うオレンジが印象に残る。
ピンクの桜から映画が始まるのにあとはほとんどオレンジ。そのほとんどが窓から差す夕陽、もしくは作為的な照明、最後に(割れずに残る)風船の色と連鎖する。
けっこ>>続きを読む
7/24 秋葉原UDXシアター、8/10 横浜シネマリン、現状決まってるスケジュールはこれだけだと思うのでまじで見れる人、自分が見てほしい人には絶対見てほしい。
"ほっといたら忘れてしまうような時間>>続きを読む
今村夏子の原作を初めて読んだとき、とても映画的な小説だと思った。ひとつのシーンを引用する。
"小さな町に溢れるすべての音がまるで幻のように遠くで聞こえる夕方だった。見上げた屋根の上には高いところから>>続きを読む
何となくそうなっていくことはわかっていながらも、その見せ方と持って行き方でさすがに「やめてください」という気分になった。怖かったってことです。
個人的には中盤〜終盤の村と例の場所のシーンとかよりも、序>>続きを読む
驚くほどにStop Motion Pictureだった。映像として何の驚きもない。が故に展開にも全く乗れない。ひたすらに鈍重な編集でビートがないのだからオフビートも成立しない。ずっと死んだ目で見てた。>>続きを読む
頻発する映画に対するメタ的な言及にちょっとむず痒くなるけれど、恐怖と爆笑と恍惚の3つのフェーズへの揺さぶりが気持ち良くもある。
最初の殺人が起きた直後のあのシーン、赤いライトで一面照らされる画面があま>>続きを読む
どうして人が走る映画は眩暈がするほど美しいんだろう。走る理由がしょうもなければしょうもないほど、その瞬間は何にも代え難い。これは映画でしか成し得ない。
間違いを繰り返すからこそゴールになんて辿り着か>>続きを読む
自分語りだけの感想になりそうだったので、見た後の熱が落ちるまでちょっと待ってみたけど、やっぱりめちゃくちゃ好きだ。
ユリヤはとにかく動き続ける。街を歩いたり走ったり車に乗ったりとにかく画面に入ってき>>続きを読む
自分はテーマの面白さ以外を面白がることは出来なかったなあ。
言うまでもなく作り手も意識的だろうけど、台詞の書き方も人の立たせ方も漫画だなぁとしか思えなくて2時間近くがひたすら長く感じた。
メインの4>>続きを読む
実際何度も涙を流してしまうくらいに感情が動く場面が沢山あったのだけど、自分が何に感動してるのかはあんまりよくわかってない。エモーションの話ならいくらでもできるけど、それに終始してもちょっとなぁって気持>>続きを読む
画面に映っている人物たちに対して善い/悪いとか強い/弱いみたいな物差しを感じないのが良かった。誰にも等しく弱さがあって、狡さがあって、だからこそどうしようもない好きがある。しかしそれでも私たちは『大人>>続きを読む
アニメに関わらず、現場において発生するやりがい搾取とオーバーワーク、はたまたこれって誰が得してんの?みたいな広告とか行きすぎた商業主義の両方を描きつつ、明確にそれらを肯定はおろか否定もしていない。それ>>続きを読む
実際に飛行機を飛ばしたり、爆破してみたり、それをカメラに収めるなんて、こんな馬鹿げたことがいつしか見られなくなる日が来るかもしれない。もしかしたらそう遠くない未来でこんな古くさい映画があって、と言われ>>続きを読む
飛んでるものが平面のカメラに収まっているのはめちゃくちゃ気持ちいい。多分これをでかいスクリーンで見ることでしか得られない快感があるんだろうなぁってことはちっちゃいテレビで見てわかった。バイクとの並走も>>続きを読む
なんか物語についてはあんまり言及したくないな。自分の中では今作の何も言えない、言いたくないという状態は決してポジティブなことじゃない。
確かに"人は見たいようにしか見ない"のかもしれないけれど、少な>>続きを読む
二回目(5/21 WHITE CINEQUINT)
二度見てより好きになった。なんならジェシーとジョニーが初めて対面するシーンでもう涙ぐんでしまった。途中にある「なんで録音してるの?」に対する回答のと>>続きを読む