tbpolkadotsさんの映画レビュー・感想・評価

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2度目のはなればなれ(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

バーナードがノルマンディに向かったのは、彼なりに過去に区切りをつけたかったからだろうが、レネとの間に深い愛情があったからこそ行動出来たのではと思える。戦争の傷跡は勝者敗者ともに存在すると静かに訴えるエ>>続きを読む

花嫁はどこへ?(2024年製作の映画)

5.0

花嫁取り違えが引き起こす騒動は、インドでいかに女性達が抑圧されているかを炙り出す。自らの意志で人生を歩もうとするジャヤや逆境を経て逞しくなったプールに現在の女性達に繋がる力強さを感じた。

DOG DAYS 君といつまでも(2024年製作の映画)

4.0

「破墓 パミョ」に続きユ・ヘジン目当てで鑑賞。犬が結び付ける人の縁。様々な境遇の人々を笑顔にしてしまうワンちゃんの魅力がいっぱい。個人的には建築家ミンソと配達員ジヌのエピソードが沁みた。

アイミタガイ(2024年製作の映画)

5.0

この映画のように善き思いが巡り、人と人とを繋ぐのなら、世界はもっと良くなるに違いない。黒木華始め登場人物達が全て良い人なのは出来過ぎかもしれないが、心温まるストーリーだった。

破墓/パミョ(2022年製作の映画)

4.0

このジャンルは苦手だが、ユ・ヘジン目当てで鑑賞。お祓いの為墓を掘り起こした後の仰天展開に脱帽。韓国が経て来た歴史を考えれば、この映画がヒットしたのも頷ける。巫堂によるお祓いの様子や風水師の位置付けなど>>続きを読む

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.0

スタンダードナンバーが流れ、ジョーカーとリーが歌い踊るミュージカル風な物語。哀しいのはリーが愛したのはジョーカーでありアーサーではなかったこと。「悪のカリスマ」として持ち上げられた男の悲劇と受け止めた>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

5.0

今の米国の分断の深さを考えれば、フィクションで片付けられない怖さがこの映画にはある。何でも起こり得る内戦の恐怖がダイレクトに伝わって来た。戦場カメラマンのリーとジェシーのドラマとしても優れていた。

サウンド・オブ・フリーダム(2023年製作の映画)

5.0

南米での人身売買の実態に戦慄。そこから目を背けず国境を超えて子供達の救出に向かうティムの志の高さに感動した。彼の熱意が協力者を得て犯罪者達の逮捕に繋がる場面は痛快。このような犯罪を明るみにし、決して許>>続きを読む

憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

登場人物達の度を越した行動は、どれも異常でありながらあり得ないことと片付けられない怖さがある。全てを失うより強者に服従することで安心を得る男(1章)、夫への愛情の証に文字通り自らを差し出す妻(2章)、>>続きを読む

ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

5.0

どんな時にも息子を信頼し続けるろう者の両親の懐の深さに胸が熱くなる。東京で知り合ったろう者達の本音が主人公の視野を広げていくくだりがとても良かった。同時に私達も彼等を特別扱いしているのではないかと考え>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

5.0

タイムスリップ後の捻りのある展開が良かった。現代に順応しながら生きようとする主人公が、どう過去と折り合いをつけるのかが、映画内映画の撮影と並行して描かれ物語を盛り上げる。丁寧な作りに監督の深い映画愛を>>続きを読む

Shirley シャーリイ(2019年製作の映画)

5.0

良い作品を作るために何でも利用する作家の業と言うべきか。教授である夫との奇妙な夫婦関係も普通ではない。シャーリーに取り込まれていくローズが一番の被害者かもしれない。E・モスの怪演とO・ヤングの変化に引>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

5.0

クリスマス休暇を一緒に過ごすことになった3人の間に生まれる絆。繊細な描写や会話の妙は流石。弱者を温かく見守り応援する視線に勇気づけられる。アンガス役のD・セッサが多感な高校生を上手く演じていて好感。

ある一生(2023年製作の映画)

4.0

過酷な人生を生き切った男の物語。苦難の連続ながら妻を心から愛し続ける姿が感動的。そしてアルプスの美しい光景も彼の支えとなったのだろう。演じる3人の俳優も巧みで違和感がない。劇伴も良かった。

愛に乱暴(2024年製作の映画)

5.0

原作未読。物語の行方を暗示するようなタイトルバックが上手い。ペアカップ、SNS、猫等が桃子の心中を映し出し、江口のりこの演技と相まって観客を捉えて離さない。
女性の哀しさが、主要登場人物達から滲み出て
>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

5.0

12.12軍事クーデターの起こった背景や、どのような経緯をたどり韓国の歴史を変えたのかをわかりやすく描き、まるでその場に立ち会っているかのような臨場感があった。負の歴史を伝えたいという監督の熱い思いと>>続きを読む

ツイスターズ(2024年製作の映画)

4.0

このような竜巻が起これば人間はひとたまりもないと思わせる迫力。G・パウエル目当ての鑑賞だったが、D・エドガージョーンズの美しさも眼福。竜巻を消滅させる事なんて出来るのか疑問は残るけど…。

フォールガイ(2024年製作の映画)

5.0

アクションてんこ盛りの上に、ロマンス、笑いどころ(映画ネタ多し)を詰め込んだサービス満点作。観終わった後、全てのスタントマンに感謝したくなる。R・ゴズリングやE・ブラントのファンなら大満足かも。

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

5.0

新しい感情達の登場が複雑な思春期を描き出す。様々な感情に振り回されるライリーに思春期の混乱を思い出して共感する。ライリーのように時に間違ったりしながら、次第にありのままの自分を肯定出来るようになるのか>>続きを読む

お隣さんはヒトラー?(2022年製作の映画)

5.0

予想を良い意味で裏切る良作。ナチスに迫害されたユダヤ人なら、もし隣人がヒトラーだとしたらポルスキーの様に行動するのも頷ける。意外な事実が判明した後の展開にはグッときた。ユダヤ人のみがヒトラーの犠牲者で>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

5.0

当時のNASAの置かれた状況がアポロ計画のPRに繋がる流れが良く出来ている。注目を集める為なら嘘もOKなケリーと真面目なコールが、反発しながらも惹かれて行くのが見ていて楽しい。月面着陸を巡るうわさを膨>>続きを読む

ルボ(2023年製作の映画)

5.0

イタリア映画祭2024オンライン鑑賞。イエニシェという異動型民族についても、第二次大戦下のスイスで起こった優生思想に基づく迫害についても知らなかったので驚いた。ルボの幸せを奪ったこんな差別は決して許し>>続きを読む

YOLO 百元の恋(2024年製作の映画)

5.0

引きこもりで人生受け身の主人公が、どん底まで落ちてから這い上がる姿が感動的。50kgもの減量だけでも凄いが、笑いをたっぷり盛り込んだ物語を作り上げた主演&監督ジャー・リンの多才ぶりに脱帽。

人生の最初の日(2023年製作の映画)

5.0

イタリア映画祭2024オンライン鑑賞。どん底に思えても、視点を変えれば希望が見えるのかも知れない。自分のいない1週間を知ることで登場人物達がどうなるのか興味深かった。特に一筋縄ではいかないV・マスタン>>続きを読む

そう言ったでしょ(2023年製作の映画)

4.0

イタリア映画祭2024オンライン鑑賞。異常気象のローマを舞台に描かれる問題を抱えた人々の人間模様。暑さが抑えていた感情や本音を噴き出させているようにも思えた。豪華キャストの演技は見応え有り。

フェラーリ(2023年製作の映画)

4.0

エンツォを中心とした物語なので見えにくいが、彼は自己中心的で酷い男。P・クルス演じる妻が可哀想。レースシーンはチームの描き分け(車の色が同じ)に難ありで残念。ただ、役者の演技が良く引き込まれた。

ゾンビ(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

イタリア映画祭2024オンライン上映で鑑賞。全く無駄がない13分だった。ハロウィンの夜の「計画」は、母親にとっては哀しい決意の表明であり、無邪気な娘には残酷なものだった。一瞬だけの母娘のラストショット>>続きを読む

九十歳。何がめでたい(2024年製作の映画)

4.0

原作未読。作家が再び書くことで活力を取り戻すように、誰でも何かに熱中したり興味を持って過ごせば、年老いても気持ちを前向きに持ち続けられるのかも知れない。九十歳とは思えない草笛さんに元気をもらった。チョ>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.0

「デス・ロード」に繋がる物語は、独特の世界観とアクションの見せ方の上手さで前作同様の吸引力。眼光鋭いアニャは復讐に燃えるフュリオサにピッタリ。クリヘムも憎たらしくも滑稽さがあり良かった。

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

5.0

日本が戦争をしていた時代に、トモエ学園のような学校が存在していたことに驚く。個性を大切にしながら、分け隔てなく生徒に接する小林校長先生が素晴らしかった。丁寧に作られたアニメ。

関心領域(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

アウシュビッツの隣で暮らす所長の家族。大量虐殺の上に成り立っている贅沢を享受する両親。事実に気づいている子どももおり、幼子も不穏な何かを感じ取っている。自らの利益の為に残虐行為を容認する恐ろしさを描い>>続きを読む

ありふれた教室(2023年製作の映画)

5.0

学校で起こった盗難事件。学校の対応もまずいが、新任教師のある行動はNG。ここからの展開が怖かった。事態を収拾しようとしても平行線で、埋めようもない溝が広がって行く。生徒思いの新任教師が追い詰められてい>>続きを読む

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

4.0

ロマコメあるあるが満載ながら、2人のかけ合いが観ていて楽しい。オーストラリアの景観や華やかな衣裳も魅力的で、物語に花を添えている。露出率高めなのはご愛嬌。

悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

題名は「人間は生来は善である」という意味?会社の命令でグランピング設営計画を進める2人と、自然を活かし生計を立てる巧の距離感が上手い。外からの侵入者を警戒しつつ寛容さも見せる巧の終盤の行動は、「善人も>>続きを読む

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

4.0

更に進化した猿達の動きや表情変化に引き込まれた。猿達にも人間社会のような格差が生まれていて興味深い。ただ、対する人間の状況が今ひとつ説明不足な気もした。人間と猿の関係が今後どうなっていくのか気になる。

異人たち(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。主人公を同性愛者にしたことで、彼が亡き両親と話す内容に深みが増し、ずっと抱いてきたわだかまりが消えて行く様子が自然に感じられた。彼が前向きに生きられるようになったのは良かったが、ハッピーエン>>続きを読む