寝台列車の客室で乗り合わせた二人。最悪の出会いから次第に変わって行く関係に引き込まれた。特にリョーハの天真爛漫さが大きな魅力。雪深く寂寥とした景色も良かった。
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そりが合わない二人の俳優を競わせる天才監督ローラの意地の悪さをP・クルスが熱演。リハーサルだけで進む物語は斬新で、険悪なムードの行き着く先は衝撃的。ラストの先が見たくなった。
親友とそれ以上の線引きはどこなのか?2人の少年同士の視線をずっと追ってしまう。2人の抱く想いの違いがもたらす先が残酷。どちらが悪いとは言えない分余計に胸が痛んだ。
血生臭く暗い北欧神話の世界が、主な舞台となるアイスランドの荒涼とした景色に似合う。アムルートはオルガと恋に落ちながらも復讐という運命に囚われ続ける。豪華キャストの共演&ファンタジック描写に引き込まれた>>続きを読む
下北沢という街だけで日常が完結している主人公を通して、街に暮らす人々の生活を掬い取って行く感じがイイ。人と人との交流は些細だが大切なものであることを改めて感じた。若葉竜也も上手い。
先住民族の人権を認めない白人の差別意識が恐ろしい。叔父に言われるままに行動してしまうアーネストにネリーへの愛情はあったのか考えてしまった。オセージ族の悲劇を知る上でも観て良かった。
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AIと人間の戦いというより、AIを滅ぼそうとする人々と共存する人々との戦い。後者の方が寛容で人間味溢れているように感じた。戦いの大義名分の曖昧さは、米国のかつての戦争を思い起こさせる。終盤、兵器ノマド>>続きを読む
高級クラブでピアノを弾いていた主人公を通して垣間見るバブル期の銀座が興味深い。クライマックスの演奏シーンは良かったが、大胆なアレンジで映画的面白さを狙うあまり話の見通しが悪くなった印象。原作が面白いだ>>続きを読む
バーナデットと周囲との不協和音の理由が、彼女の置かれた状況が分かるにつれて推測出来て、そこから俄然面白くなった。生かすべき才能を封印したことで起きる歪みを表現するC・ブランシェットが見事。エンドロール>>続きを読む
生き別れた息子を捜す主婦と彼女を取材するジャーナリスト。信仰に篤く真っ直ぐだが決して堅物ではない…なんて役もジュディ・デンチが演じると本当に自然。まるで違う二人が道中に交わす会話も深い。 途中から物語>>続きを読む
辛い境遇や過去を抱えた三人が出会い、希望を見出すまでの容易でない道のり。達夫と千夏、そして千夏の弟拓児の関係こそ光輝くものなのだろう。ラストシーンは奇跡的に美しい。
実のところ犯人が誰かよりヒュー・ジャックマンがどこまで暴走してしまうのかハラハラし続ける二時間半だった。ポール・ダノの上手さもジェイク・ギレンホールの活躍もあいまって極上のサスペンスになっている。
楽しかった!人を惹きつける魅力に溢れた伝説のコンシェルジュ、グスタヴに釘付け。ベルボーイのゼロが忠誠を誓うのも頷ける。グロい描写も漫画チックなドタバタ劇の良いスパイスになっているね。過去作では計算され>>続きを読む
人生をもう一回やり直せたら…誰もが一度は抱く夢を上手く描いているよね。見た目は二十歳だけど中身は間違いなくおばあちゃんなところが徹底していて可笑しい。オ・ドゥリの歌、泣かせるクライマックス等見所満載。
マダム・プルーストと出会い失われた記憶を取り戻して行くポール。とにかくこの作品世界に魅了された。作り込まれた細部と抜群にセンスの良い音楽も楽しめる。ファンタジックな物語ながら苦味もある所が好み。
画面から溢れ出すフランシスの有り余るパワーに釘付け。親友ソフィーへの子どもっぽい想いも愛おしい。マイペース過ぎて痛々しい所もあるけれど、その不器用さこそ魅力。ラストがめちゃ洒落てる!
久しぶりにキュートなレイチェル・マクアダムスを堪能。タイムトラベルネタも楽しいが、愛する人々と過ごす毎日の大切さが語られていて心に響いた。個人的にはビル・ナイ演じる父親と伯父さんもツボだった。
メタボなニック・フロストが恋する女性の為に過去のトラウマを克服しようと努力する姿が健気。サルサ教室の友人もイイね。恋のライバルのクリス・オダウドにも笑わされる。厳しくも温かい指導をする恩師の存在も◎
魔人の孤独に焦点をあてているのが面白い。魔人が語る物語はもちろんのこと、満ち足りた生活でも孤独を感じている学者アリシアとの出会いが起こす化学反応に引き込まれた。
ゲーマーからプロのレーサーが生まれるという夢物語が実話と聞いて驚く。夢を追いかける主人公ヤンのひたむきさが良い。厳しいが優しさも併せ持ったコーチの存在がヤンを成長させて行く様に打たれた。
R・ゴズリング & M・ロビー目当てで鑑賞したが、思いもよらず深い物語だった。女性が自由に生き、なりたいものになれる世界へのハードルはまだ高いと感じた。バービーランドが女性の救いとなるのはそのためだろ>>続きを読む
普遍的なラブストーリーが、これほど新鮮に感じられるのはまさにアニメーションの力。エレメント達の造型や動きに終始惹きつけられた。知り合うことで世界が広がり自分の本心に気づく過程や、親を思う娘の葛藤に深く>>続きを読む
このシリーズのアクションには毎回驚かされる。名作へのオマージュと思しきシーンも楽しい。トムはもちろんのこと、今回は女性陣も魅力的だった。PART TWOも楽しみ。
本格的なSFかつ感動作だった!物理に疎い私でも楽しめた(何となくの理解だが…) 目の前の家族を思いつつも、人類の未来のために危険な任務に赴く人々に打たれる。クライマックスのあっと驚く展開も妙に納得。
この映画めちゃツボだった!一流のジャズシンガー目指して果敢に挑戦して行くモニカは逞しい。したたかで身勝手な彼女だが決して諦めない強さを持っている。60年代のジャズシーンの再現も魅力。 スウェーデン語で>>続きを読む
音楽の楽しさをここまで伝える映画はなかなかないかも。ニューヨークの街中でのレコーディングなんてカッコ良すぎる!夢や愛を失いドン底にあっても音楽の力でまた這い上がれる。自分の音楽を大切にするグレタが素敵>>続きを読む
亡くなった人々の歴史をたどれば、どんな人物にもドラマがあることを思い知る。見送ってくれる人がいようがいまいがその人の価値は変わらない。ラストにはそんな意味が込められているように思った。
SNSを物語に上手く利用していて面白かった。。父親の一番輝く姿を見るのは家族にとっても喜び。フードトラックを始めて思い出した料理人としての原点。キューバサンドイッチも奥が深い。
素晴らしかった。ナチスの暗号解読に関わった天才数学者の悲劇の人生。カンバチさんハマりすぎ。キーラ・ナイトレイもこういう役をやらせたらピカイチ。暗号解読後も続く苦悩や当時の理不尽な差別に涙。
偏見や差別に負けず戦い続けるLGSMのメンバー。虐げられた者達だからこそ炭鉱労働者達に共感出来る。ウェールズの炭鉱町の人々との厚い友情がグッと来る。行動することの大切さを教えてくれる映画。
(イタリア映画祭2023)オンライン鑑賞。共感からは程遠い主人公だが、P・ファヴィーノの吸引力もあり物語に引き込まれた。彼女と付き合ううちに自らの傲慢さに気づき変わって行くジャンニを、最後は応援したく>>続きを読む
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(イタリア映画祭2023)オンライン鑑賞。故郷に郷愁を抱けるのは離れていたせいで、留まり続けた者は現実を生きている。過去の過ちを無かったことに出来ると思った主人公の辿る運命。郷愁とは厄介なものでもある>>続きを読む
全てを賭け失ったかつての栄光を取り戻そうとする男の葛藤。バードマンの声は悲痛な心の叫びなのだろう。共演者達の思惑も絡め舞台のプレビューは進む。役者達のセルフパロディに笑い、虚実織り交ぜた映像に感嘆。
葛飾北斎の娘お栄を主人公に絵師達の日常が淡々と描かれるが、内容は深い。特に妹のお猶との心温まるシーンや北斎の絵師としての業が伝わって来るシーンが印象的。江戸情緒漂う世界に浸った。
悲劇に見舞われた主人公が取った行動の先に待ち受けるものが衝撃的。巧みなストーリー展開に深い人間描写が加わり、最後まで緊張感が続く。デンマークの風景もドラマに深みを与えていた。
極限の状況でどう行動するかに着目し、物語をここまで膨らませたのが凄い。仲の良い家族の絆が脆くも崩れて行く様が怖かった。世の男性達が期待されている役割というのは結構ハードだなと思った。