shuripaさんの映画レビュー・感想・評価

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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.7

いままで観たウェス・アンダーソンの作品の中でも最も完璧に構築されている。表現主義の極地。
豪華すぎる俳優たちですら、時に、画面上最適な座標・色彩で配置される美術のひとつと化す。
平面を全体像から細部ま
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

3.4

目頭を熱くしながら観たものの、鑑賞後の賢者タイムに思った感想は、ウェルメイドであざとい「感動作」。この手のアメリカ映画でよくある親権問題。

グーニーズ(1985年製作の映画)

2.8

はじめて見たけど、さすがに今ではなく子どもの頃に見たかった。夏休みのテレビ放送で。

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

2.9

日本映画で観たことのないレベルの格闘アクションはgoodだけど、「ダリぃ〜また殺しちゃった」というマンガ的な、タランティーノ的なノリが受け入れられず、少し恥ずかしかった(タランティーノは好きだが)。

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.0

観た人の誰もが自分語りしたくなるような映画。面白かった。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.3

父と娘、ひと夏の出来事、儚さ、瑞々しさ、ノスタルジー。
そういった鑑賞前イメージから、超ぶっ刺さりそう、と期待Max。
だからこそ逆にちょっと期待に沿わないだけでガッカリしてしまうかも、と変に心配な気
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.7

映画って馬ですよね。
雄大な自然の中を馬で駆けるシーンは、映画としてのプリミティヴな気持ちよさがあった。焦らされる前半・ストレスのある中盤を経た後なのでカタルシス増し。

現代の馬がバイク。金田感。
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.7

世代的に、スポーツブランド王者はNIKEのイメージしかないから斬新に映る。
言われてみればRUN D.M.C.の時代はadidasなのか(ただし『My Addidas』はこの映画の舞台の2年後だった)
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.2

想像以上に良かった…!

1917年頃の塹壕戦としては、サム・メンデスの『1917』が記憶に新しいけど、動的・連続的なカメラワークの同作とは対照的に、これは静的・断続的。

シンメトリーや鳥瞰のキメた
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ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.3

めちゃくちゃだ。
コレとアレを集めたら世界を支配できるとか、後付けで出てきた弟と戦うとか、もうドラゴンボールだ。

斜に構えて見るつもりは勿論ないけど、バカさ加減に100%ノれるわけでもない。前作まで
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.7

前評判で「リアルタイムに試合が進行する演出」とか聞いた気がして、その期待感で臨んだから、まずは、回想の頻度と尺がちょっと多いな、って感想になってしまった。
でも、そりゃリアルタイムに試合が進むだけだっ
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.8

前作より楽しかった!
脇のキャラたちの描き方が前作より丁寧で魅力的だった。
謎の箱が届いて舞台が紹介されるまでワクワクした。ホグワーツ向かうときみたいなね。
ブノワ・ブランってこんなユーモアのあるキャ
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ちひろさん(2023年製作の映画)

2.6

ほっこりする嘘松コピペのような安っぽさと胡散臭さを感じた。そんなベタベタなBGMで感動なんてしない。
今泉力哉監督作品に期待する感じではなかった。
Netflixの企画に呼ばれて適当に撮ったんだろうか
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.6

愛がなんだかは難しいけど、煮込みうどんにドロップする生卵はせめてもの愛。
若葉竜也が良かった。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

長年の友が奇妙なケンカをするだけの話だけど、ロケ地・アラン島の絶景がどこまでも目を楽しませてくれるのと、「対岸の火事」なアイルランド本島の内戦のアナロジーなんだと気付いて見ると引き込まれる。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.9

「"これぞ映画"という映画を観てる」と、幸せな気分になった。冒頭の長回しからそう感じたし、フィルム撮影の質感しかり、何度かあるエモーショナルな疾走シーンしかり。

タイトルもお洒落。元になったレコード
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.4

これこれ、こういうのが観たかった!
子どもの頃にスターウォーズを観て感じたワクワク、いや、それ以上の興奮を味わえた。
(いくら『マンダロリアン』が面白くたって、)近年や今後のSWからはもう決して得られ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.7

家族からの愛の形が三者三様。
正直に一番必要としてくれる母。心配をかけまいと一番強くある兄。一番理解しようとしてくれる父。

クライマックスにコンサートの演奏を聴かせて感動させるのが音楽映画の定石だけ
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街の上で(2019年製作の映画)

3.6

右肩上がり手書きタイトル邦画を集める暇つぶしをしてたら、いっぱい入ってきた今泉力哉監督。まぁそもそも多作なんだな。

例えばカフェで客たちが順番に文化の話をするシーンは演技・演出がわざとらしくもあり、
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.8

アクションがキレキレ!特にプラハでの戦闘はタイトかつド派手で素晴らしかった。
スパイものだけど黒幕や裏切りみたいな要素は少なく、頭を使わず楽しめる。でも明らかにシリーズ化しそうだから、ストーリーは一応
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オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)

3.5

Wikipediaに「カンヌではスタンディングオベーションとブーイングが入り混じる賛否両論」って、『ネオン・デーモン』と全く同じことが書いてあった。分かる。わりと「賛」側だけど「何だこれ」という感もあ>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.8

あー怖かった...
『ミッドサマー』をベストに挙げておぎながら、(だからこそ大事にとっておいたのもあるけど)ビビりすぎてずっと観れてなかった。

『ミッドサマー』とモチーフ、プロット、ショットが似てい
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スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

3.4

観る前は「ひどい邦題付けてやるなよ」と思ったけど、間違ってはなかった。下ネタだらけ。

ジョナ・ヒルとエマ・ストーンが若い。
セス・ローゲンと相方の警官コンビが最低すぎて笑える。でもティーンエイジャー
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.2

前半は、武器の嫉妬ネタなどなどたくさん笑ったし、キラキラな空想都市やクリヘムのデカすぎる筋肉(広背筋…!)を見ていて楽しかった。
後半は、下手にウェットにもなるし、CGでモノクロの画はつまらないし、点
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.5

サム・ライミの仰々しいホラー演出が前面に出てて楽しかった。
サイケデリック映像は好きだけど、前作やノーウィイホームでのそれには見劣りした。

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.7

- MCUにマンネリを感じていたので、この作品は映像的にも物語的にもフレッシュで良かった。

- クロエ・ジャオの、雄大な自然を広く撮るショットは美しかった。

- キャストやキャラクターは確かに多様
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

3.5

子どもの頃に観たのかどうか記憶が曖昧。
とりあえずすっかりヒロシ側になった。

導入おしゃれ。実写映画的なカメラアングルが良い。2000GTカッコいい。スナックでのコント笑った。

CMとか数分の映像
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スパイダーヘッド(2022年製作の映画)

3.7

話題の『トップガン マーヴェリック』の監督。
人気も評価も低いみたいだけど、面白かった。

SF短篇原作らしく小さく閉じた物語だけど、この手のSF映像作品と比べたら圧倒的に画がリッチで、それだけで十分
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.7

続編といってもサブジャンルが変わって、ゾンビ×マッドマックスだ!
荒廃しきったディストピアでのカーアクションバトルが楽しかった。
ゾンビも展開も速い早い。
良くも悪くもかなりCGめいていたけど、超暗い
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ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年製作の映画)

3.4

そういや、これの予告編を観たとき初めてワイスピに興味持ったんだった。
スゴいことになってんな…マッドマックスの砂漠に対してこっちは氷河か、って思った記憶。

人間ドラマがむちゃくちゃなのは覚悟してたか
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映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021年製作の映画)

3.3

「謎メキ!花の天カス学園」って発語したくなりますね。
ミスリードもあってちゃんと謎メキしてからの、ダイニングメッセージのくだらなさが流石で良い。 

アホアホ風間くんウケる。ンーコプッポ!
みんなキャ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.8

キャストが銀河系軍団。

とことん現代アメリカの皮肉で面白かった。
タイトルは#WhiteLivesMatterみたいな訳分かんないカウンタータグだったのか。
良識は巨大資本と分断化社会に飲み込まれた
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とんかつDJアゲ太郎(2020年製作の映画)

3.6

二宮監督作の中で、最も作家性控えめのこれが正直いちばん面白かったかも。ウォーターボーイズ式の安定したプロットがあって。

コメディだからフロアDJのリアリティがなくてもいいけど、ダンスやラップがあって
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真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)

3.1

話のスジとオチは知りながらアレの日本版リメイクを楽しむつもりで観た。あと、二宮監督のファンでもある。

それでも中々辛かった。行動動機や背景の説明が全然足りないまま、抽象的でクサいナレーションと会話が
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(1963年製作の映画)

4.1

ただただ鳥に襲われるのかと思ったけど、導入の会話の駆け引きや謎からして惹きこまれた。それからずっと面白かった。

誰が何で狙われているのか、人間に対する罰なのか、ついつい答えを求めてしまう。
人間の心
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

2.7

うだつの上がらない中年男性の妄想みたいな話。
人気みたいだし、ボブ・オデンカークのファンなので見たけど、監督が『ハードコア』の人だった。かなり苦手だ…。

ベタな曲をBGMにスローモーションで主人公が
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