tdswordsworksさんの映画レビュー・感想・評価

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.6

めっさおもれー!!!

この脚本の巧妙さは、話の展開ではなく登場人物の不安定で不可逆的な関係性の変化の描写にある。ザンドラと、夫、息子、旧知の仲の弁護士、学生とのそれぞれの関係性に対するザンドラの言動
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.4

周囲からは見えにくい生きづらさを抱える人たちをやさしく活写する映画として鮮烈な印象を残した「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」が大学生版だったとすれば、本作は若手会社員版である。そう遠くないうちにこの>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

痛快!
男性優位の社会をむしゃむしゃ食い荒らすベラがだんだんカッコよく見える。
バクスター先生を見てると、育った環境って大事だよなと思う。

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.6

心霊スリラーというジャンルにあまり興味がないので、降霊会でみんなワチャワチャ騒ぐのはよく理解できなかったけど、妄想が現実に影響を及ぼすやり口がおもしろくて楽しめた。

最もA24っぽいキャラはダニエル
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

5.0

青春と恋愛と音楽とファッション。映画的な要素が詰め込まれた娯楽作であるけれど、ストーリーはなかなかずしりと重い。
高校を卒業したイーニド。社会に出てつまんないヤツになっていく周囲をバカにしながらニート
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

1.4

劇場公開する価値のない駄作。東野圭吾原作で重岡大毅主演、主人公がアウトサイダーということなら絶対主人公にウラがあると思うじゃん?なんにもなくて逆にサプライズだわ。

アンダーグラウンド 4K デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

4.2

オープニングからホーン隊の演奏に乗せた馬鹿騒ぎ。陽気に行こうぜ!という熱量は、2度の戦争をつなぐ。個人的には叙事詩的な大掴みの脚本は合わなくて、特に本作の前半は状況がわけわかんなすぎてずーっとウトウト>>続きを読む

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

2.8

前提として、おもしろいんだよね。潜入がバレるバレないのハラハラドキドキの展開は。だけど、やっぱ僕は香港映画とまったくウマが合わん…。必要以上にセンチメンタルなセリフ打たれて冷めるし、いちいち表情が仰々>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.2

昔は、北野監督のバイオレンス系映画はただ血しぶきで遊んでるだけのように思ってしまって肩透かしを喰らわされた印象があったけど、僕が大人になったのかな、それとも本作の絶妙な演出がよかったのかな、めっちゃお>>続きを読む

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.4

くだらない笑いで声上げて笑うよね。一応さ、実在する休戦中の2カ国の国境警備の話なんだけどさ、緊迫感なさすぎてよき。来年も平和でよい年になりますように。

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

2.8

大阪の最終兵器に、埼玉県出身の僕が全く知らなかった埼玉の最終兵器で対抗するのまじ笑った

前作は「あるある」ネタと「意外性」のある展開の絶妙なブレンドがとてもハマったと思うんだけど、本作の展開は至って
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.8

女性の自立と冒険モノの系譜にあるが、とにかくほどよく現代的コメディでなかなかよき。

冬眠さえできれば(2023年製作の映画)

4.0

ウランバートル郊外の広大で厳しい自然と暮らしの美しさが画面いっぱいに溢れていた。主人公ウルジくんの聡明さと稚拙さが同居するキャラクターが全編にやさしさと緊張感をもたらしていた。学業をとるか家庭をとるか>>続きを読む

ミマン(2023年製作の映画)

4.0

数年前のできごとをふとしたきっかけで思い出すときの記憶の鮮明さと曖昧さ。

うってつけの日(2023年製作の映画)

4.4

日常の中の大きくも小さくもない変化の訪れ。やや短い上映時間の中に印象に残るシーンが多くて見ごたえがあった。特に空港へ向かう車内の会話の解きほぐれていく感じが好き。整音へのこだわりが、自主製作映画によく>>続きを読む

耳をかたむけて(2023年製作の映画)

3.4

ストーリーテリングをテーマにした物語だけど、言葉に頼り切らずカメラワークや照明・演者の表情など「言葉にならなかったもの」で多くを語ろうとする演出が渋くて良い。『鵞鳥湖の夜』がとても好きなので本作主演の>>続きを読む

秋日和(1960年製作の映画)

4.4

ガハハおっさん三人衆が亡き友人の残した妻子の結婚を世話してやろうとノリで物事進めて騒ぎを招くという、現代の感覚からすると虫唾が走るような話なんだけど、それに対する批評的視点も感じられ、ある家族の喪失と>>続きを読む

メイ(2023年製作の映画)

3.8

観る前後で同じものに対する印象が大きく変わるのはいい映画の要件。声も態度もデカくて口も悪い中国人のババァなんて全く関わりたくないけど、そんな人をもちょっぴり愛おしく感じさせる、きっと自分の周囲の苦手な>>続きを読む

犯罪者たち(2023年製作の映画)

4.0

思ってた話とだいぶ違った。オーシャンズ11みたいな銀行強盗犯グループのドタバタだろうと思ってた。それと、これは僕が悪いんだけど勝手にイタリア映画だと思ってて、イタリア語ってこんなにスペイン語に似てたっ>>続きを読む

レッドライフ(2023年製作の映画)

3.0

考えうる最悪の選択肢を採り続けるトゥーがDQNすぎて怖い…。アイツさえ居なければみんなそこそこしあわせなんじゃないか?演じる男の子は顔がいいのできっと現地でアイドル的に売り出されているんだろうね、だか>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.2

幸福が訪れたことで調子が狂っていく様が怖い…。「不安は魂を食いつくす」なんていいタイトルだ。
衣装やセットが鮮やかで、フレームインフレームも多用され、寓話的に演出されていることで、哲学的なセリフの印象
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ペルシアン・バージョン(2023年製作の映画)

3.4

グレタ・ガーウィグ的な「強い」若手女性映画監督が撮る自伝的な映画、というジャンルがきっとあって、それにカテゴライズされるものだと思うんだけど、やっぱ女性の人生って一筋縄ではいかないもんよね。
誰しも多
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家探し(2023年製作の映画)

3.6

東京国際映画祭、今年最初の鑑賞はこちら!欧州〜中東の若手監督らしい、観やすくて時々心揺さぶる場面が訪れるヒューマンドラマ。若いカップル2人を掘り下げ方が少し物足りなかったけど、しあわせな気持ちになった>>続きを読む

ザ・ドライバー 4K レストア版(1978年製作の映画)

4.0

棒立ち演技には笑っちゃうけど、ミニマルで最高にカッコいい!この映画を大スクリーンで観させてくれるシネマート新宿あっぱれ!
僕の好きな『ドライブ』や『ベイビー・ドライバー』がこの映画の影響をモロに受けて
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.6

撮影当時の時代背景や文脈がわからないので軽薄な理解に留まっているんだろうなという認識がものすごく強い。登場人物が女性のみという点が象徴的。いずれも舞台芸術が古くから女性に演じさせてきたようなキャラクタ>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.4

ドッカーンで始まりドッカーンで…

ザ・ヒーロー映画。経済的な成功を達成しながらも全ては愛する夫のためと歌舞いてみせる女の痛快さと虚しさ。

まなみ100%(2023年製作の映画)

3.6

絶対に友達にも彼氏にもしたくないいい加減な男なのに妙に魅力がある「ボク」の説得力。プロットには興味ない映画だったけど青木柚くんに期待して観て正解だった。
全然100%じゃないけどそれはそれでいいよ。

はだかのゆめ(2022年製作の映画)

2.0

Bialystocksが大好きなので観てみたけど全然ハマらなかった

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.4

舞台演劇のようなセットのため画に現実感が乏しかったのが救い。ちゃんとしたセットだったらしんどくて観ていられなかったかもしれない。
ヨルゴス・ランティモスの『聖なる鹿殺し』を思い出した。あちらも主演女優
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

「見ているだけで何もしない」は、ジャニーズ性加害疑惑に対する過去のマスメディアのスタンスであったり、マスメディアの抱える病理のメタファーか。ジャーナリズムの良心を信じる熱いメッセージも感じた。
自分の
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.2

僕は僕と関わる人のことを知ろうとしていないなぁ。人は人、自分は自分という考えが強いから、人と強い関係性を築くことは少ない。でもまず人のことを知ることから始めないと、誰かの役に立つなんてできないよなぁ。

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

2.4

男の子たち攻撃的過ぎない?そこで思考が引っ掛かってしまって対話の内容が頭に入らず、ぐっすり眠ってしまった。

バービー(2023年製作の映画)

4.0

掘り下げが浅い印象は拭えないけれど、この映画の基本コンセプトはピーヒャラピーヒャラパッパパラパなミュージカルなわけでさ、主張はいたってシンプルにフェミニズム一本なんだよね。そうしてフェミニズムから帰結>>続きを読む

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