抹茶マラカスさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

山河の子(2018年製作の映画)

4.0

中国の辺境の学校と彼らの家庭に密着したドキュメンタリー。そうか、PFFでドキュメンタリーってパターンもあるのか。
撮影や編集にすごく秀でてる部分がある訳ではないが、あるがままを映し、中国語話者だから与
>>続きを読む

モラトリアム・カットアップ(2015年製作の映画)

3.1

地上波放送がデジタルに完全移行する。
アナログがデジタルに切り替わる中で、まだ時代に取り残された、「あの頃と変わらない」んじゃなくて変われない男の話。単純に懐かしくなる
タイトル通りカットアップを使い
>>続きを読む

ぼくらのよあけ(2022年製作の映画)

4.1

こんなに『雨を告げる漂流団地』とピンポイントでかぶらなくても…と思ってしまうが、全く違う味のする、これもこれで非常に美味しいジュブナイルでした。
E.T.といっていいでしょう。宇宙人と交流しながら小学
>>続きを読む

静かな雨(2020年製作の映画)

3.6

仲野太賀が実に仲野太賀している作品であった。
たい焼き屋の店主と大学で研究している男の恋愛ものだが、店主が事故で記憶の上積みが出来なくなる。
毎日日記をつけていたが、60年分燃やしてしまった男の寓話が
>>続きを読む

アシュカル(2022年製作の映画)

3.1

チュニジア版CUREと聞いていたのですが、期待以下でした。
 自然発火としか思えない焼死体が見つかり、それが連続する。チュニジアの宗教関係上、自殺っていうのは基本的にはあり得ないし、あと衣服を脱いでい
>>続きを読む

山女(2022年製作の映画)

3.6

18世紀の東北地方。前作『アイヌモシリ』でもアイヌという伝統と現代社会の間でどっちに針を向けるべきか悩む少年が主人公だったが、本作も村社会の伝統と山での生活という2つの世界を知った少女の物語。普通の作>>続きを読む

第三次世界大戦(2022年製作の映画)

3.8

映画撮影での設営のその日仕事が流れでエキストラになり、エキストラからヒトラーを演じることになったホームレスの男。監督!その抜擢は流石に無理があるのではないでしょうか!
だが、ここでひとつ大嘘をかました
>>続きを読む

世界が引き裂かれる時/クロンダイク(2022年製作の映画)

3.6

ウクライナ、ドンバス地方。マレーシア航空機撃墜事件のタイミング。
ドネツクの田舎に住む夫婦は、妻が臨月を迎えているがそんな中誤射によって家の壁を破壊されてしまう。
親露派の村人が車を勝手に使い、その場
>>続きを読む

シークレット ウインドウ(2004年製作の映画)

3.5

俺の小説をパクったな!と小説家に突如つけられた因縁。そのトラブルだけなら良かったが、小説家の周りで不審な出来事が起きていく。
日本でもそういうきっかけで大事件が起きているし、主人公はどうやら盗作の過去
>>続きを読む

マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

3.2

お母さん死んじゃったよ、から始まる知られざる母の顔。彼女がしていた密かな浮気の記録を読み進める子ども2人。
母には母の顔でいてほしいという息子のマザコンというか、家父長感に嫌気はさすが、それは彼が変化
>>続きを読む

傷だらけの悪魔(2017年製作の映画)

3.5

もっと超越したところへ。がめちゃんこ面白かったので監督の過去作を。
東京から栃木に転校になってバッドバイブスな足立梨花。転校先には東京でいじめていた(どうやら手は下してないようだが)相手がおり、それを
>>続きを読む

ターミネーター4(2009年製作の映画)

3.1

溶鉱炉、アイルビーバック!みたいなターミネーター先達たちへのオマージュは捧げつつも、これってターミネーター…?と思ってしまったのが正直なところ。
機械と人間の戦いを描くならば、こうなるのもわかるし、今
>>続きを読む

その女諜報員 アレックス(2015年製作の映画)

3.3

ルメートルの『その女アレックス』の映画化だと思ってたけど、関係ないやんけ!オルガ・キュリレンコ大好き映画やんけ!オルガ・キュリレンコは綺麗だったけども!
全部手のひらの上だったのだサスペンスアクション
>>続きを読む

THE WAVE ザ・ウェイブ(2015年製作の映画)

4.2

雑なディザスタームービーかなーと思ってたけど、ちゃんと見せ場てんこ盛りで家族離散からの集合で盛り上げてくれる、勘所を押さえた非常に優秀な80点映画。フィヨルドに岩盤崩落が起きると津波になる、という学び>>続きを読む

グーニーズ(1985年製作の映画)

3.5

宝の地図をみつけました!借金返済の為にお宝ゲットだぜ、と悪者一家が絡むひと夏の冒険譚。
行き当たりばったりとメカの感じがホームアローンだなーと思ったらクリス・コロンバス脚本だった。
子どもの時に見たら
>>続きを読む

ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

3.8

死体が消えました!
殺したはずの妻の遺体が安置所から消え、誰かから脅されている。まさか、まだ死んでない…?
遺体安置所からあまり動かないタイプの話なのだが、よく出来てはいる。こうかな?こうかな?と思っ
>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.9

遠藤周作の原作を軸にヘンテコ日本が排除され、キリスト教弾圧下での宣教師、そして神を糺す。いわゆる神の沈黙を扱った作品ではあるのだが、序盤は割と白人が未開の地に乗り込んで啓蒙してみた!みたいなノリで進ん>>続きを読む

コンビニエンスストア(2022年製作の映画)

4.0

モスクワのコンビニ(とは言っても、なんか果物とか売ってるしスーパーとかドラッグストアみたいな規模感)で働くウズベキスタン人女性の話。
まずはほぼ30分コンビニからカメラが出ない、狭いぞ、というカメラの
>>続きを読む

河童のクゥと夏休み(2007年製作の映画)

3.2

江戸時代の地震で地層に囚われた河童が現代に蘇る。ドラえもんと恐竜的なアプローチで一家に河童のいる夏休みを描くのだが、ほんわかした家族ストーリーではなく、人間の他者に対する害悪さばかりが目立つ。白熱する>>続きを読む

ラブレス(2017年製作の映画)

4.0

この夫婦は既に崩壊している。互いに不倫相手がおり、離婚に向けて協議を進めている。だが、問題が一つ。親権だ。
互いに息子を失敗の象徴として捉えており押し付け合っているのだ。
そんな折にその子は失踪してし
>>続きを読む

わが命つきるとも(1966年製作の映画)

3.9

トマス・モアの伝記映画。歴史オタ(なお世界史は弱い)の私が常に憂鬱な気分になるのがイギリスの歴史なのだが、またしてもこのブリカスが!と思わざるを得ない。ほんとクロムウェルとロベスピエールはな…
国王の
>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.6

冒頭のダンスシーンの鮮やかさ、そしてそこから提示される様々な家族の形がSFとしていろんなパターンを内包していることを示唆し、それを受容できる演出と撮影がそれを完成させる。特にお気に入りは車内の撮影。>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

4.2

「俺の豚を返せ」
トリュフ採集の豚を盗まれたニコラス・ケイジ何故か森の奥で暮らす彼が豚を取り戻す話なのだが、登場人物の各々が本当にやりたいこと、親との確執、喪失、いろんなものを隠して抱えている。そうし
>>続きを読む

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇(2019年製作の映画)

4.1

田舎に引っ越してきてアルパカを飼ってる一家。
だがある晩庭に降ってきた隕石、そこから全てが狂う。
どんどん異形のものが出てくるが、イメージとしては遊星に近いクリーチャー。色の気持ち悪さを含めて、不気味
>>続きを読む

バッドガイズ(2022年製作の映画)

3.5

オオカミ、ヘビ、タランチュラ、サメ、ピラニアの強盗団のケイパーもの。アクションのコミック感も含めて、とても面白く愉快な王道の出来に。何だけど、王道で色んなものへの敬意を払っていたら、この作品のオリジナ>>続きを読む

わたしだけのお子さまランチ(2022年製作の映画)

3.0

前見た時はミラクルリープとして長編内にコラボがあったのだが、最近のプリキュアは同時併映の短編にコラボは押し込まれてるのか。レストランシアターという仕組みにぶち込むのは上手いが、登場は強引でございました>>続きを読む

映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!(2022年製作の映画)

4.0

コメコメ、パムパム、メンメンがいる食事がテーマのプリキュア。炭水化物こそパワー。
ハーメルンの笛吹き男とかクレしんの劇場版みたいな雰囲気のある子どもしか入れない食をテーマにしたパークとお子さまランチを
>>続きを読む

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.2

中身はサマータイムマシン・ブルースなんだけど、それを四畳半神話大系と悪魔的融合。最初からこのキャラクターたちのためだけに書かれた作品のようにすら思える世界の拡張が完璧すぎる。シンプルなエンタメとして面>>続きを読む

ROOM237(2012年製作の映画)

3.5

スタンリー・キューブリックの名作、『シャイニング』に一体どういう風に込められた意味があるのだろう?
ナチス、先住民、アポロ11号の月面着陸偽装、ミノタウロス…。トンデモですらある感想を次々歴戦の猛者た
>>続きを読む

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.9

とにかく清原果耶が優勝しました。何に?とかそういう話をしているのではありません。優勝です。何かしらに優勝したのです。素晴らしかった。
水墨画を題材にした今回の小泉監督は、またも題材と俳優陣の瞬間を切り
>>続きを読む

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

4.6

解像度の高いクズ男4人及びカップルをあまりにも高解像度のクズがクズすぎてたまらない恋愛コメディになっていて爆笑しかない。菊池風磨はずるい。上裸なだけで笑ってしまう。
さて、時間を動かしたりしながら訪れ
>>続きを読む

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.1

冒頭、道に迷ったダイアナが皇族とは思えない自由度を見せ、自身のドライブで屋敷に向かう。一方屋敷では、部下たちによる整然とした準備が息苦しさを覚えるレベルで進められ、ここで王室とダイアナの合致しなさを見>>続きを読む

タイヨウのうた(2006年製作の映画)

3.5

紫外線がダメなので夜しか出歩けない、という女の子の難病×歌映画。忠実なまでに基本に添いつつ、病に対して今を生きる決意、聞かせずとっておいた曲を最後にドーン!とやってみせるのは嫌いじゃ無いよ。
主演がや
>>続きを読む

僕が愛したすべての君へ(2022年製作の映画)

3.1

こっちは平行世界移動がカジュアルに起こりうる世界として、そこでの暦くんの一生を追う形に。ヒロインは蒔田彩珠から橋本愛に。橋本愛の方がまだ演技に強弱があって良いし、何より橋本愛が好きなので問題無い。とは>>続きを読む

君を愛したひとりの僕へ(2022年製作の映画)

3.2

幼い頃に出会った子を、違う平行世界で幽霊となったあの子のことを救うために人生を捧げた男の話。アニメーションとしては足りてないなぁが多いんだけど、線路とか泡とかを使った演出は嫌いになれないストレートさ、>>続きを読む

GOAL! ゴール!(2005年製作の映画)

3.5

アメリカの不法移民の息子がなんかひょんなことからプレミアリーグのニューカッスルに加入。リザーブリーグから終盤にはプレミアの舞台に!という夢物語。いやー夢がある。夢しかない。現実はない。アメリカにマグパ>>続きを読む