抹茶マラカスさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.1

あの頃、僕らには「佐々木」がいた。
すっかり上京したけどうまくいっていない俳優役の藤原季節。別れたけど萩原みのりと同棲続行中。うっかり高校の同級生に出会ったことで「佐々木」のことを思い出す。コールをさ
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劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(2023年製作の映画)

3.5

シビュラに相対する常守。シビュラの前では法は意味を持つのか、という問いは面白いが答え方が好みではなかった。3期の前日譚ということで緊張感もクソもないわけだし、なんとか3期の前にこっちをやって欲しかった>>続きを読む

PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR(2020年製作の映画)

3.0

PSYCHO-PASSが何をもってPSYCHO-PASSというシリーズなのか、色々考えざるを得なくなる。シビュラがそれなのか、常守朱なのか、狡噛なのか、それとも槙島なのか。
少なくとも、テレビシリーズ
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

3.1

イギリス、ノッティングヒルの旅行専門の書店を営む男性とハリウッド女優の恋物語。まあジュリア・ロバーツが魅了しまくる、以外には何もなかった。ラブコメとかロマコメに至らない王道だとどうして引っかからない私>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

2.9

とにかく圧倒的。圧倒的なケイト・ブランシェット。とにもかくにもケイト・ブランシェット。女性初のベルリンフィル主席指揮者となったリディア・ターの転落を描くが、いやほんとうに変な映画だ。彼女を肯定的に捉え>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

3.7

松本穂香、上京物語。
居候することになった光石研の営む銭湯、そしてその銭湯の息づく葛飾の街。彼女の故郷も含めて、移り行く時代の中での再開発の物語。気にしていないと場所は守れないし、街は変わっていく。だ
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蒲田前奏曲(2020年製作の映画)

3.4

1人の女優をテーマに4つのオムニバス短編の映画。
1本目、中川龍太郎監督作品はマチ子の紹介と弟にできた彼女に対する嫉妬、彼女と言う人間の底意地の悪さを炙り出す。
2本目、穐山茉由監督作品は大学の同期と
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.6

イタリア系移民であるマリオとルイージの兄弟。ブルックリンの配管工である彼らが街の地下の土管に吸い込まれると…。
よく考えたらなんで配管工のおっさんがコインを集めながらジャンプしたりしてんだよ、というツ
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ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

3.6

100本ごとに名監督、500本ごとに映画についての映画、という縛りの交差点がやってきました、2500mark。アルトマンをチョイスしました。

ハリウッドを皮肉った、脚本家もそりゃストライキするわ、な
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

これは面白かった!
人間狩りの話ではあるのだが、まずは誰が主人公なんだよ、というツイストで入り、途中からの無双っぷりはジャンルムービーとして極上。富裕層が低所得層を集めて人間狩り、既得権益側が仕掛ける
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

3.9

大好きな彼らとの別れは、エンドゲーム以来のちゃんとお別れさせてくれる作品だった。そもそもフランチャイズがきちんとお別れさせてくれる方が珍しいし、チャドウィックのこともある。ガーディアンズファミリーが揃>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.5

その大学のぬいぐるみサークルはぬいぐるみに話しかけるサークル。彼らは傷ついていることを誰かに話すのではなく、ぬいぐるみと共有する。
優しいってどういうことなのか。この現実は実に生きづらい。生きづらい中
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

3.5

凹んでるピーター・クイルにクリスマスプレゼントで地球の英雄ケビン・ベーコンをプレゼントしよう!という酔っ払って考えたとしか思えない企画だけど、最高である。グルートが可愛くて仕方ない。
いやぁ明日です。
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.3

『アマンダと僕』から続く優しさと寄り添いの目線を持って描かれるミカエル・アースの新作。家というものに誰かを受け入れることで縁が生まれてゆっくり喪失から抜け出していく。ただある家族の数年を映しただけ、に>>続きを読む

ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年製作の映画)

3.6

地上げ、再開発が進み取り残されたボロアパート。立ち退かない彼らに悪辣な地上げの手が迫るが、そこにやってきた宇宙人、とでもいうのだろうか、円盤生物の発するフィクサービームでやいのやいのなる話。
基本的な
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

3.4

ベルリンで金熊賞を取った作品。どうでもいいけど、ベルリンもベネチアもドキュメンタリーにあげたんですね。
舟形のデイケア施設であり、開放感がある中でサードプレイス的に機能することから、やってくる彼らがす
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HIDARI(2023年製作の映画)

5.0

パイロット版を映画館にて鑑賞。
名大工・左甚五郎が右腕を失うもその技術で義手にして復讐の旅に出る。パイロット版はその一場面だが、人形劇ストップモーションでありながら、見得がビシッと決まって最高の殺陣と
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こまねこ はじめのいっぽ(2003年製作の映画)

4.0

コマ撮りでストップモーションの映画を作ろうとするネコをストップモーションで表現する、という二重構造が面白い。今年のアカデミー短編アニメのダチョウの作品に印象は近いが、それをこれだけ昔にやってたのか、っ>>続きを読む

プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章(2023年製作の映画)

3.8

3章目にしてもうそのカードを切ってきたか。まだ先は長いぞ?
話としては王宮内でのパワーバランスとそれに伴う第一後継順位のメアリーへの詰め込み教育。メアリーの逃走で中盤のアクションを担保する剛腕。
でも
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朝が来る(2020年製作の映画)

3.8

特別養子縁組。
子どもができない夫婦が子どもを迎え、育てられない出産をした母親が子どもを他者に託す。この仕組みを託された側と託した側の二視点、割とビシッと分けてしまって描写する。子どもを返してください
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ソウ(2004年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

目が覚めると手錠に繋がれた部屋にふたり。目の前には死体。生を大切にしない奴に鉄槌を下すデスゲーム。誰が黒幕か、は正直死体が映るファーストカットで怪しい…と思ったので、そこのどんでん返しは得点にならず。>>続きを読む

レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.1

なーにがブロンクスの怒れる牡牛だよ、だった。
やはりもうどうしてもプロスポーツ化の進む現在視点で見ると、どうしてもこうした向き合いの足りないボクサーには苛立ちを感じてしまう。スコセッシが騙し騙され裏切
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.5

まだ私はコナンにミステリを期待しています。期待しているので、すっかりアカンミステリをやられてしまうとげんなりします。
ということで、潜水艦が出たあたりでこれマーク・ウォルバーグとかそういうジャンルのハ
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秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE 〜総統は二度死ぬ〜(2007年製作の映画)

3.4

鷹の爪団の危機は世界の危機!家賃が払えず夜逃げした先の宇宙で助けてもらったコロニーは地球征服を企む悪の本拠地!そこで邂逅したのは総統の息子…?
という大真面目なスペースオペラみたいなストーリーはあるが
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ゴール・オブ・ザ・デッド(2014年製作の映画)

3.6

フランスの田舎町に遠征に来たパリのサッカーチーム。引退間近のベテランはその街のチーム出身で…。
サッカーに殉じるゾンビエンタメ。前後半に分けるし、ちゃんとハーフタイムにはハイライトあるし。ヨーロッパサ
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.5

アリ・アッバシが選んだのは自身のルーツであるイランでの連続娼婦殺人事件。そこには確かにイランに対する国際的な基準からの遊離、女性蔑視が確かにある。ただ、それをエンタメにして訴えることをイラン映画はこれ>>続きを読む

ロッキー(1976年製作の映画)

3.5

ついにロッキーを見た。ロッキー・バルボア。スタローンを代表するキャラ。
でも正直言うほどじゃあなかった。話はかなりニューシネマな印象で、ランボー第1作にも近い。全くダメな男、アメリカでその存在を忘れら
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.1

どう終わるのかは大体わかっているのに、その歓喜の瞬間には一緒に盛り上がれる見事な手腕。ベンアフ監督は『アルゴ』でもそれを成し遂げており、もう間違いない監督。バスケやジョーダン、そしてスニーカーへの関心>>続きを読む

シュレック フォーエバー(2010年製作の映画)

3.7

前作でフィオナとの間の問題の解決が浮いてるなーと思ったらしっかひそこを突いてきたのでそこは見事。シュレックは3では父になることを理解してない。ドンキーが身近にいるのにも関わらず、だ。
ということで、早
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シュレック3(2007年製作の映画)

3.5

シュレックシリーズにあった革新性っていうのは少しずつ薄まっているように思える。
ただ休出を待つ姫たちへの風刺は見られたが、そもそもそのカウンターはもうやっている。
その上で、チャーミング王子がまたやっ
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狭霧の國(2020年製作の映画)

3.7

特撮と人形劇のクロスオーバー。
九州の田舎町に訪れた男。その土地に根差した神のような存在として霧の中に棲まう巨獣の特撮が存在感抜群で素晴らしい。

アンダー・ザ・ドッグ/ジャンブル(2018年製作の映画)

3.1

どうやら劇場上映時は実写とかのパートがあったようだが30分ほどのアニメーションがU-NEXTにあったのでそれです。
兵器アクションに怪物を混ぜて、女子高生に銃器持たせてアクションしたいです!という欲望
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囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather(2020年製作の映画)

3.6

フジのBLレーベル作品だが、思ったよりハード。BLと聞いて期待する爽やかさはほとんどなく、ヤクザの世界で幹部の公衆便所と呼ばれてしまうような男と、彼に惚れた機能不全の元警察官の関係を描く。
ヤクザの男
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散歩する植物(2019年製作の映画)

3.1

なんというか、不思議な映画だった。
植物になりたい女性が植物になりきってたら散歩している男の子と出会う。その子は根が生えてきて、植物になっていく。
友情を水やら栄養やらに比喩させるような形で彼が植物に
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劇場版 生徒会役員共2(2020年製作の映画)

3.3

通常営業も通常営業で1本の映画という観点からは全く合格点は与えられないが、これがこのシリーズなので仕方がない。
とはいえ、映画作りとラジオドラマ作り、似た話題を両方やるのは原作で余っててもちょっと考え
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ラスト・クルーズ(2021年製作の映画)

3.8

中国以外での初めての大規模感染となったダイヤモンドプリンス号。それ自体は日本にいた我々にとっては懐かしのニュースのようではあるが、世界的、特にHBO的に言えばアメリカ人にとっては東洋の端っこでよくわか>>続きを読む