NaoMaruさんの映画レビュー・感想・評価

NaoMaru

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ラストマイル(2024年製作の映画)

3.8

監督 塚原あゆ子
脚本 野木亜希子

サスペンスをベースにした社会風刺とそこから生まれる人間愛をすくい上げる野木マジックが炸裂。ぼくが好きな野木亜希子脚本のドラマ、アンナチュラルとMIU404の出演者
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ルックバック(2024年製作の映画)

3.9

監督 押山清高

絵が上手な藤野/声:河合優美は、4コマ漫画を学生新聞に採用される才能の持ち主である。その藤野を超える画力をもち、引きこもり生活を長年つづける京本。彼女は藤野が憧れの人で、直接会ったと
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雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

3.6

監督 新海 誠

新海作品は『君の名は。』がブレークした結果、以後もそれに呼応して注目されている。本作は新海作品がメジャーになる以前、その源流とも言える推しの作品である。思春期、初恋、友情、人工/自然
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オーダー(2024年製作の映画)

3.7

監督 ジャスティン・カーゼル

ミシシッピー・バーニングのあとに本作オーダーをみると、白人至上主義はより先鋭化し、テロ化している事実に驚く。過激組織オーダーは武力化、組織化が進んで連邦政府をターゲット
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ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)

3.9

監督 アラン・パーカー

その昔ビデオで観賞した時の印象は人種差別が宗教と結びつき、地域に根ざして人権を大きく侵害していることに驚愕。映画を通して社会問題を明け透けに表現できる精神には大いに感銘した。
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仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

3.8

原作 池波正太郎
監督 河毛俊作

本作は「仕掛人・藤枝梅安」の続編である。彦次郎とのバディー関係はより強化され、阿吽の呼吸で対応していく。舞台は江戸から京都へ移る。途中で彦次郎はその昔、妻を死に追い
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仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

3.8

原作 池波正太郎
監督 河毛俊作

金を貰って殺人を請け負う針医者の藤枝梅安/豊川悦司と楊枝職人の彦次郎/片岡愛之助。中盤以降はふたりによる最高のバディーものに仕上がっている。ふたりが鍋などを囲む飲食
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ソウルの春(2023年製作の映画)

3.9

韓国は民主政権に至るまで軍事政権が続いた。1979年、パク・チョンヒ(朴正煕)大統領の暗殺事件をきっかけに陸軍の内部抗争が起こる。首謀者はチョン・ドゥファン(全斗煥)を中心としたハナ会。ソウル市街戦が>>続きを読む

国葬の日(2023年製作の映画)

3.6

大島 新 監督作品

2022年9月27日、
安倍晋三元首相の国葬の日。東京は朝から晴れていた。世論を二分する中で当日を迎え、各地の様子を追うドキュメンタリー映画。本作は後年になってもっと歴史的意味が
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i-新聞記者ドキュメント-(2019年製作の映画)

3.7

森達也監督作品

エネルギーにあふれた東京新聞記者、望月衣塑子/モチヅキイソコ。権力にしつこく迫り、ほうぼうで叩かれても全然めげない。空気を読まない人とも言われている。彼女が追いかける様々な取材に密着
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.9

成島 出 監督作品

一人は亡くなり、二人がそれを乗り越えて生きてゆく。命のバトンが渡されたとも言える。貧困や差別から若年介護、育児放棄など、社会の中で生きにくさを抱える人たち。守る側が逆にエゴ剥き出
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

クリストファー・ノーラン
監督作品

マンハッタン計画を主導し、原爆投下を推進したオッペンハイマーは米国において本当の英雄だったのかーー。世界情勢からみたら、ナチスドイツが原子爆弾を開発するという可能
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.8

アントワーン・フークア監督作品

今回の中核になる舞台はイタリアのナポリ。マッコールが終の住処に考えていたところで、地元の知り合いがマフィアの暴力により瀕死の状態に負わされる。警察権力すらマイフィアに
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イコライザー2(2018年製作の映画)

3.8

アントワーン・フークア監督作品

冒頭、トルコへ向かう列車の食堂内で殺傷を繰り出す復讐劇が展開されて、思わず覚醒した。D・ワシントン扮するマッコールが強きをくじき弱きを助ける。今回の職業は前回のホーム
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.8

アントワーン・フークア監督作品

悪人にはまったくもって容赦なしのロバート・マッコール扮するデンゼル・ワシントン。元DIA特殊工作員で、ある工作中に死んだと思われていたのが、生き伸びて余生を静かに送っ
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.0

成島 出 監督作品

純粋なこころの塊がこころの中に入り込んだとき、オロオロしチクチクし、震えている自分を発見した。宮澤賢治(菅田将暉)とともに生きたやさしい家族の物語。頭の中の淀みを清流がきれいに流
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未知との遭遇 ファイナル・カット版(2002年製作の映画)

3.8

ファイナル・カット版
S・スティルバーグ監督作品

宇宙船や宇宙人との遭遇を通し、彼らと共生できるはずという本作の肯定論は、とうじ大いに感銘した。しかしながら、その後のSF映画の大半は彼らが人類に恐怖
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.6

藤井道人 監督作品

上映当初、ここまで政界の暗部を抉ってくれた、という好意的な意見が結構あったような記憶がある。安倍政権の問題とも重なる内容。邦画という世界ではセンセーショナルな内容でありながら、日
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ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.0

クロエ・ジャオ監督作品

米国中部の大地でたくましく生きる人間や馬・牛たち。ここに限らず育てられる動物(家畜)は明確な目的があり、目的がかなわない場合にはいのちをまっとうできない。人間のみが目的を終え
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

-

春本雄二郎 監督作品

リアリズムを極めた作品。エンタメを削いでゆくとドキュメンタリーに近づき、俳優は市井の人間となり、物語性がいい意味で薄まる。主役はドキュメンタリーのディレクター、木下由宇子役を演
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

沖田修一監督作品

朝ドラ「あまちゃん」で鮮烈なデビュー(2013年)を果たした能年玲奈。本作は彼女が「のん」と改名(2016年)して6年ぶりに主演した作品(2022年)。前事務所との確執で女優活動を
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.9

デヴィッド・フィンチャー監督作品

映画の舞台はスウェーデンの凍てつく冬の孤島。40年前、財閥ヴァンゲル一族の娘、ハリエットが孤島で失踪した。当主ヘンリックは真相究明を求めて、調査報道のプロであるミカ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.7

山崎 貴 監督作品

舞台は戦中の大戸島と戦後の東京。ゴジラはビキニ環礁の核実験が影響し、巨大化・強暴化して東京へ上陸した。銀座の街を圧倒的な力で破壊し尽くしてゆく。電車が宙を飛び、ビルが粉々に潰され
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ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)

4.0

フランシス・F・コッポラ監督作品

パート3はシリーズ最終章で副題に『マイケル・コルレオーネの最期』とある。最期とは意味深長にとらえたい。そもそも本シリーズは“マイケルの生涯“と言い替えてもおかしくな
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.0

フランシス・F・コッポラ監督作品

パート2では、2代目のマイケルが裏切りを乗り越え、盤石の権力基盤を築き上げるまでをえがく。並行して1代目のビトーがシチリアの少年時代からアメリカへと移住し、成り上が
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.0

フランシス・F・コッポラ監督作品

イタリア系マフィアは、その恐ろしさがきわ立つイメージがある。賭博、売春、飲酒などダークな生業をベースとして、暴力と恐怖で支配を拡大したコルレオーネファミリー。いっぽ
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怪物(2023年製作の映画)

3.9

是枝裕和 監督
坂元裕二 脚本

母親、教師、子供(生徒)による3つの各視点で、時空間を行きつ戻りつしながら、“いじめ”という同じ現実(事件)を構成し描いてゆく。どの現実もその時点では納得がゆくものの
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.8

オリビア・ニューマン監督作品

父と娘は街から離れた湿地で暮らしていた。娘の名はカイア。偏屈で暴力をふるう父のせいで、母とふたりの姉、兄はすでに家を飛び出していた。やがて娘をおいて父も消えた。カイアは
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.7

庵野秀明 監督作品

庵野監督のこだわりが随所に散りばめられた作品。シンプルなヒーローものでないことは言うまでもない。さまざまなバットマンシリーズが“アメカジ”から進化を遂げたように、昭和の少年少女が
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バグダッド・カフェ 完全版(1987年製作の映画)

4.0

◎NHKBSで録画視聴
ニュー・ディレクターズ・カット版
パーシー・アドロン監督作品

物憂げで透明感のある主題歌が物語を誘なう。♬ラスベガスからどこかへ行く砂漠の道 ♬今までよりもマシなどこかへ ♬
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

井上雄彦 原作・脚本・監督

今まで当作品のマンガ、アニメを見ることなく、ほとんど知識のないまま初見で観賞。高校バスケットの話、スポ根モノぐらいは知っていた。けれども昭和のスポ根モノと違い、リアルさを
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.6

◎レビュー100本目
新海 誠 監督作品

地震はどうして、どのように起こるのだろう。日本の民話をアレンジし、地震を鎮める仕組みをふくめ、新海流ファンタジーとして描かれた。東日本大震災の体験・記憶が重
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

タイカ・ワイティティ監督作品

「ハイル・ヒットラー!」と連呼する少年ジョジョ。彼はヒットラー・ユーゲントの特別合宿に参加。コメディ要素強めの流れで進むが、上官からウサギの首をへし折れと言われ、出来な
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エール!(2014年製作の映画)

3.9

エリック・ラルティゴ監督作品

4人家族は微笑ましい。母親が大らかで周りを幸せオーラで包んでくれるから。酪農をいとなむ父母と弟が聾(ろう)者の中、主役の姉・ポーラは聴者として育ち、歌うのが大好き。高校
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.3

第94回アカデミー賞作品賞
シアン・ヘダー監督作品

《予告編を見たとき泣きそうな気がしたので、本編は冷静に見ようと心掛けた》映画は漁師4人一家に起こる葛藤と成長の物語。両親と兄は聾(ろう)者で、妹ル
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心の旅(1991年製作の映画)

3.5

◎NHKBSで視聴
マイク・ニコルズ監督作品

家庭を顧みずバリバリ働いていた弁護士のヘンリー。ある日、強盗事件に巻き込まれ重傷を負うと、仕事ほかの記憶を喪失。家族に支えられ、リハビリの試練を克服して
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