katsuさんの映画レビュー・感想・評価

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重力ピエロ(2009年製作の映画)

3.7

加瀬亮さんと岡田将生さんの兄弟としての距離感が絶妙。そこに小日向文世さん演じる父の温かさと鈴木京香さん演じる母の明るさが加わり本当に"最強の家族"のようだった。このワードが子供じみているのだが、それ故>>続きを読む

ストロベリーショートケイクス(2006年製作の映画)

3.8

退廃的で生々しく残酷。それでも生きていく彼女たちに時折訪れる光のようなもの。この時代の温度感と空気感が好き。

要所要所の演出にセンスを感じる。池脇千鶴さんの独特な間合いに惹き込まれる。

涙は流した
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

3.7

浅野忠信さんと深津絵里さんの演技力の高さにより、ファンタジーな展開もリアリティを持って観ることができる。

浅野さんの朴訥とした芝居はやはり味があって素晴らしい。それと対照的に、深津絵里さん演じる可愛
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.1

不可解なシーンが散りばめられており、一つ一つ考えさせられる。多くを語らず観客に気の悪さだけを植え付ける。

高部を演じる役所広司さんも間宮を演じる萩原聖人さんも、人間の心の揺れを表現するのが非常に上手
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

小津映画に通底している人生の儚さ、取り残される者の侘しさが存分に描かれている。今作は小津監督の遺作でありそれ故「老い」というテーマが色濃く見える。

酒の席のシーンがいくつも出てくるがどれも印象的。老
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.8

よくある青春インディーズ邦画かと思ったら違った。SFや時代劇の要素を程よく混ぜ、でもしっかりと青春の瑞々しさと恋愛の苦しさを描いている。新しいバランス感覚の映画だと思った。

3人がとても魅力的で高校
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晩春(1949年製作の映画)

4.1

娘と父のお互いを思う気持ちがすれ違う様は見ていて辛かった。

原節子さんの豊かな表情が見事。父を思うが故に自分の将来を案じている父の言葉が深く刺さってしまう。

また笠智衆さんのラストシーンの哀愁が堪
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東京物語(1953年製作の映画)

4.2

戦後の日本特有の進展と停滞。
伝統的な家族の在り方の崩壊。
哀愁が漂う日本映画史に残る名画。

1953年の映画だがその完成度の高さに驚かされる。脚本も構図も素晴らしい。その上かの有名な小津調により、
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ファーストカットから惹き込まれた。撮り方と構図の美しさが要所要所に目立つ。

交通整理のシーンで着ている作業着のライトをアップで映したのはとても効果的だと思う。彼女の心臓の鼓動に見えた。

日常に潜む
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ピンクとグレー(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

途中でそれまでが全て劇中劇だったとされる革新的な展開だが、それによりそれまで観客が育てられた登場人物たちへの愛情が裏切られてしまった感覚に陥った。

映画のかなりの時間をその劇中劇に割いているため、現
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.1

音楽がかかる瞬間が常に最高。
イントロが流れて登場人物たちが走り出す。あの高揚感が堪らない。

ここまで展開が読めない映画は珍しいと思った。青春時代の全く予期せぬことが矢継ぎ早に起こる感じがよく表現さ
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キネマの神様(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

昭和感の強い夫婦像は嫌いではないがあまりにも淑子が報われないと思った。

かつて惚れた映画好きの男はギャンブルとアルコール依存性になり、それでも支えていくもののラストはゴウが映画館でその一生を終える。
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恋人たち(2015年製作の映画)

4.0

映像から強烈な生活臭がする。
恐ろしく生臭い映画。

華美な表現を使わず、人間の苛立ち、憤り、喜び、絶望、諦め、救いを日常の本当に小さなひと欠片で伝えてくる。

無名のキャストを多用したことにより出来
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バグダッド・カフェ 完全版(1987年製作の映画)

3.8

不思議な世界観だが気づいたらその世界の住人になっていた。個性的なキャラクターたちがどんどん魅力的に見えてくる。

前半は話の筋が見えないが、ようやく後半に分かるような構造。終わり方も最高。

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.1

木村多江さんの泣きのシーンが素晴らしい。あのシーンを長回しで撮って最後にアドリブで鼻を舐めるリリーフランキーさんのメンタルは凄まじい。

夫婦ってなんだろう、なんで一緒にいられるんだろうって、それは色
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サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)

3.9

青山真治監督の北九州サーガの最終作ということで映画館で観れるこの機会に鑑賞。

「Helpless」で浅野忠信さんが演じた健次のその後が描かれている。あの頃よりも素直というか何をするか分からない危なさ
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.1

登場人物それぞれが抱える心の闇を優しく丁寧に映し出している。脚本、役者共に素晴らしい。特にイ・ジウンさんの強さの中に弱さを感じさせる演技には圧倒された。

今作にも擬似家族というテーマがあり、特に洗車
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ゴーストスープ(1992年製作の映画)

3.5

演技のお遊戯感が目立つ。
随所に時代を感じる作品。

夏至物語(1992年製作の映画)

4.0

「夏至物語」
その場でアドリブで撮ったらしい。主人公の一つ一つの仕草や行動が汚くていやらしくてでもそこに人間的な魅力がある。

夏の切り取り方と映像美と白石美樹さんの美しさが合わさり、日本の夏の異質な
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少年たちは花火を横から見たかった(1999年製作の映画)

3.7

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の制作秘話。

プールのシーンがその日その場で生み出されていたとは驚き。名作とはやはり奇跡的な化学反応のような側面もある。

ニューヨーク、アイラブユー(2008年製作の映画)

3.7

ニューヨークを舞台に愛をテーマにした短編が連なる作品。

ひとつの街で起こっている様々なドラマを少しずつ垣間見ているようで飽きない。短いからこそ伝えられる、そして多くを語りすぎない作品が多くあった。

BATON バトン(2009年製作の映画)

3.0

岩井俊二監督プロデュースということで鑑賞。ロトスコープを用いたアニメーションは変にリアルで奇妙な動きをし、絵のタッチと相まって不気味さを醸し出していた。

ストーリーに深みはあまり感じられなかったが、
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チィファの手紙(2018年製作の映画)

4.1

手紙というものを通して、主人公だけでなく登場人物たちの様々な人間模様が描かれているのが素晴らしい。

手紙には色んな種類がある。文通の手段や好きな人に渡すラブレター、残された遺族に向けて書かれた遺書。
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Jam Films (ジャム フィルムズ)(2002年製作の映画)

3.8

様々な監督の2000年初期の作品が次々に流れ、飽きずに観る事が出来る。

特に印象的だったのはJUSTICE。ポツダム宣言の英語朗読をバックにブルマの色をカウントするという演出が既にイカれてて好き。彼
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Helpless(1996年製作の映画)

3.9

青山真治監督の劇場用映画監督デビュー作品。北九州サーガの第一作で次にEUREKAが続く。

こんなにも抽象的で断片の映画があってもいいんだと気付かされた。とにかく暴力的。閉塞的な環境での若者のやり場の
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ハッシュ!(2001年製作の映画)

4.1

長回しのシーンが圧巻。今まで観てきた映画の中で一番リアルな修羅場だった。それほどまでに全員の演技力が高く、一瞬一瞬に引き込まれた。

この映画のテーマは「寄り添って生きること」だと思った。人間は1人で
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千年女優(2001年製作の映画)

4.0

まず設定が秀逸であり、彼女の追憶を彼女が出演した映画のシーンの再構築で表現するというアイデアが素晴らしい。そして現実とリンクして物語が展開していく様が見事。

唯一無二の世界観で不気味だが芯が通ってい
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市川崑物語(2006年製作の映画)

3.9

岩井俊二監督の市川崑監督への愛が詰まっていた。

激動の時代を生き抜き夫婦で映画を撮ってきた監督だったなんて知らなかった。

おじいちゃんになっても現場でタバコ吸いながらカメラ覗き込んでる姿がカッコよ
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犬神家の一族(1976年製作の映画)

3.8

導入から一気に引き込まれる。

複雑な殺人事件だが、それを前情報なしでも分かりやすく視聴者に伝え、だれることなくしっかり伏線を回収しどんでん返しも盛り込むという手腕は流石日本映画の金字塔と言われる所以
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ヴァンパイア(2011年製作の映画)

4.2

映画とはこんなにも抽象的でアーティスティックで良かったんだと思い出させてくれた作品。

観終わった後、複数枚の絵画の連作を眺めていたような感覚。

誰かの、限りなく空想に近い現実か、あるいは限りなく現
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四月物語(1998年製作の映画)

3.8

ライティングが非常に美しく、どこか夢の中にいるような印象を与える柔らかい光。

松たか子さん演じる卯月のいなたさ、純朴さが見ていて心地よい。展開はそんなに大きくないのだが、卯月の目的が途中で判明する構
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PicNic(1996年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

日本の街中でこんなにファンタジーで残酷なものを撮れるのは岩井俊二監督しかいないと思う。ファーストカットからロマンチックな画で始まるが、ストーリーは捨てられた若者たちが何かを求め彷徨う話。

塀の上しか
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undo(1994年製作の映画)

3.9

岩井俊二監督の映画初期作。

他の監督では撮れないような緻密で繊細な美しさがやはりある。

2人は縛られていたのか、解けていたのか。それを視覚的に魅せる画や構図のセンスが素晴らしい。

どんなに由紀夫
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打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

4.2

小学生が、世間一般が思う小学生のように話し生きているのでは無く、彼らの世界で生きているということを思い出させてくれる映画。誰もが持っているであろうあの夏休みの美しくも儚い一瞬の記憶に寄り添ってくれる。>>続きを読む

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

役者の熱量が凄まじい。決定会議の際の全員の熱量、そして単に敵を倒して終わりではなく相手には相手の正義があり、それにより展開が二転三転していく脚本の秀逸さ。ここ最近で観た商業映画の中で断トツの迫力と面白>>続きを読む

夜を走る(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

予告の雰囲気と音楽がタイプだったため期待しすぎた感は否めない。

序盤の鬱屈とした日常と少しずつ歪みが生まれる様子、自分の中に鉄くずを1つずつ積み上げるように溜まっていく憤りはよく描写されていて良かっ
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