TnTさんの映画レビュー・感想・評価

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ライトスタッフ(1983年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

 3時間という尺を、如何に集中力を切らさないようにするかに尽力した作品。休む暇を与えないような後半の怒涛の展開にぐったりさせられた。休むスキなど与えなければ逆に3時間でもなんでもいける。「トップガン >>続きを読む

吐きだめの悪魔(1986年製作の映画)

3.9

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 原題「street trash」。表紙を飾るドロドロに溶ける酒というホラー要素は本筋じゃない。これはアメリカの掃き溜めに生きる人々の群像劇なのだ!あらゆるアンチな描写はかえって今現在社会が掲げる多様>>続きを読む

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

4.3

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 今作含む2000年代以降パルムドール受賞作をざっと見ていたが、どこかお涙頂戴すぎる節がある。もちろん今作も、トリアーにしては涙を誘う作品で、ハナからカンヌ向けに作られた映画というのが世の中にはあると>>続きを読む

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)

3.5

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 冒頭、少女をカメラはなめるようにワンカットで追尾する。その後、原題「My Little Princess」の文字が映し出されるのだが、それだけでこの映画が少女へのフェティシズムの視線と、母の異常な愛>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.9

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 ウルトラマンにそもそも詳しいわけでもなく足を運びたくさせる庵野のネームバリューよ(「私の好きな名前です」)。また「シン・仮面ライダー」の映像もタイミング良く公開され、ここ最近はみんなが庵野漬けにされ>>続きを読む

テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

3.9

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 ここ最近のギリアム作品は、本当にプロットというプロットが”ゼロ”だったので、劇場公開されるも見送ってしまった。しかし今回観てみると、その実結構楽しめた。「8 1/2」が好きなので、今作の「ドン・キホ>>続きを読む

風花 kaza-hana(2000年製作の映画)

3.6

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 なんとも鬱々とした物語だ。これが相米慎二の遺作なのか。普通すぎる人々のありきたりな物語。そこに映画的奇跡がなかなか起きず、ラストの相米マジックが起きるまでは中々キツイ映画だった。ラストカットのバッサ>>続きを読む

荒野の処刑(1975年製作の映画)

3.7

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 「カットスロート・ナイン」(1972)のような残虐ウエスタン。従来の西部劇の情という情を裏切る非情。映画の通常の枠組みから予想だにしない展開の数々。寓意か?演出か?いいえ、ルチオ・フルチです。B級ホ>>続きを読む

ZAPPA(2020年製作の映画)

3.9

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 昨年、急遽自分の中で起きたザッパ熱は、遺品で譲り受けたCDがきっかけだった。そして今年、まさかのザッパのドキュメンタリーという、個人史の中でかなりタイミング良い上映だった。そして、芸術家としての偉大>>続きを読む

ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 カット一つ一つの鮮烈さは、説明的な情報を辛うじて読ませるに止まり、ほぼ一枚画として完璧であり、ふとすると見とれてしまいそうだった(美と情報との拮抗!)。「マグノリア」とトム・ヨークのMVでチラッとし>>続きを読む

街の上で(2019年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

 これは壮大なネタである。130分を掛けた壮大なネタなのだ。と、言い聞かせないと納得がいかない。作られた会話で成り立つ壮大な前フリ。調べれば元は芸人を目指していたそうだ、今作の監督は。そうなるとなんと>>続きを読む

エディット・ピアフ愛の讃歌(2007年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 映画的な人生を歩んだピアフの映画は、かえって映画的すぎて真実味が希薄になった。都度劇的な出来事が起きるも、それらはその劇的な瞬間として並べられただけで、悲劇の詰め合わせ感は否めない。劇的すぎる人生を>>続きを読む

浮草物語(1934年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 とんでもないどんずまりというのは小津映画には待っている。今作も鮮やかにその方向へと邁進し、だんだんハラハラしていくわけで。ほろ苦い。今作は後に小津本人がリメイクしてカラーで撮っている。未見だから楽し>>続きを読む

ゴッドファーザー(最終章):マイケル・コルレオーネの最期(1990年製作の映画)

4.5

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 このシリーズは、かくして終わりを迎えた。しかも相応しい形で。全て余すことなく満足して劇場を出るに至った。前作から16年越しということで、演者は年を取ったし、同窓会的な親しみの眼差しと、揺るぎない演出>>続きを読む

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 「大人の見る繪本」と銘打ってあるだけあって、大人にとってはなかなかにほろ苦い話になっている。子供と大人の対比と、そこから炙り出される大人の人間関係の苦渋、そして息子たちからの残酷な質問が集中砲火され>>続きを読む

出来ごころ(1933年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

 安定すぎる。そのコメディ描写、ちょっとした日常の風景、戦前のサイレント期からほぼ変わらない小津作品に驚き。「寅さん」の原型を見て取れたが、今作はそれ以上に悲劇性がある。おっさんという生き物の悲哀を、>>続きを読む

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.6

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 前作が構成、内容共にシャープでマッチョなマフィアモノであるのに対し、今作は母の死や堕胎などがあり、また生まれた現在とその過去という対比という構成が女性的というか、女性性のようなものを含んでいた。前作>>続きを読む

スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 スプリング・ブレイカーズは永遠に…虚しさもずっと本編中に漂い永遠を感じる…。アメリカン・パーティー・ピープルのイケイケぶりなんて見るに耐えないんだけど、じゃあ今作が完全パリピ向けに作られてるかという>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 長い。ちょうど「ゴッドファーザー」を見た後に鑑賞し、ほぼ同じ時間の作品にも関わらずその間とか時間感覚の使い方に違いを感じた。比較するにはあまりに対照的。ただ好対照だと思うので比較してみる。

 「ゴ
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 「マイケルは神になったとです」。
 そんな台詞は劇中無い、勝手にラストにそっと付け加えさせていただく。あのラストの締め出される演出の切れ味の良さの前にはもうお手上げである。。ヴィトーの台詞「I’m
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アポロンの地獄(1967年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

 パゾリーニの詩情溢れる映像作品。エディプスコンプレックスとして今じゃ有名なオイディプス物語を、こうして映像として見るとかなり残酷で過酷な話だなと思った。パゾリーニ関連で言うと「カビリアの夜(脚本)」>>続きを読む

いつかギラギラする日(1992年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

 ロックとはという命題を多角的に捉えようとしたが、霧を掴むようにそれは逃げていく。それはかつてロックだった者にあるのか、それとも若者にあるのか、あげくロック音楽そのものまで取り上げて、カーアクションを>>続きを読む

The Hearts of Age(原題)(1934年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 映画に死神として降臨する。それは今作の役だけでなく、映画史にである。まず彼のフィルモグラフィ、見たのは「市民ケーン」と「偉大なるアンバーソン家の人々」ぐらいだが、どちらも人が徹底的に落ちぶれる。それ>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

 後輩に、「レザボア・ドッグス・チャレンジ」と題し1日1回、1ヶ月欠かさず「レザボア・ドッグス」を見る事を自らに課した男がいた。それ程惹きつける何かを自分も感じるので、彼はごく自然な反応をこの映画に対>>続きを読む

クランスマン(1974年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 この時代にしてこの攻めた内容。KKKの恐怖だけでない、生々しい同じ人種間での駆け引きや揉め事などの細部までも(黒人女性を”チョコ”と揶揄するなど)。脚本にサミュエル・フラーという字、納得の出来。監督>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 ぬとっとした黒の色味が終始不気味。また音響も耳障りで恐怖を煽る。聞いた事ない音を発する幽霊たちは、本当に生理的な嫌悪が付いて回る。それにしては劇伴は少ししつこさを感じたが(霊感を打ち消す大仰さ)。ま>>続きを読む

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

 実話ものというわけで、題材の出来事それ自体なかなか奇妙で面白かった。にしても、ゴヤの絵の中でもゴヤ感がかなり薄い絵だったなぁ。ちなみに劇中でも扱われているが、007で出てくる敵がこの絵を盗んだ程で出>>続きを読む

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 「タル・ベーラ 伝説前夜」にて観賞。確かに伝説前夜として、その長回しはまだどこかタイミングもぎこちなく、気がつくと静止して画が固まってしまっている(音楽はサイコー!)。また形式とテーマに乖離があり、>>続きを読む

遊び(1971年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 ピュアすぎん?彼らの青春は破滅しなければハナから成り立たないではないか。その切迫した状況、戦後。原作は野坂昭如の「心中弁天島」、焼跡闇市派文学と自ら名乗る野坂による、戦後の影の重くのしかかる内容であ>>続きを読む

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

 嫌な映画だった。それは殺人鬼というタブーにイマヘイの持つ人間臭さが付与され、彼もまた一個の人、それも生き物であることを直視せざるを得ないからだ。また殺人には"ただならぬ動機"という魅力が付いて回り、>>続きを読む

猿蟹合戰(1927年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 続続・村田安司アニメーション。やはり初期へと辿っていっても確固たる描写力がある。奥行きある表現と平面ぽい演出が同居していて、不意にゲームっぽく見える。猿蟹合戰ゲームである。

 こちらの擬人化はちゃ
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動物オリムピック大会(1928年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 続・村田安司アニメーション。非常に和気藹々とした物語で楽しく、さらにてんやわんやのあげく大会の優勝トロフィーがおじゃんになり、結局そのてんやわんやが良かったよねみたいな理想郷的な話で幸せ。結局特性は>>続きを読む

漫画 二つの世界(1929年製作の映画)

3.7

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 蟻とキリギリスの童話のアニメ化。にしては、この描写力の完成度の高さよ。単なる描画的なものだけでなく、そのキャラクターたちの形態を見事捉えたアニメーション力がすごい。ちょっと内容が説教くさくてそれだけ>>続きを読む

Anger Sees Red(原題)(2004年製作の映画)

3.2

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 マッチョを追うアンガーの視線。タイトルロゴこそThe Residentsみたいな不気味さがあったが、常に車のノイズに囲まれ、マッチョが「I’m red」と言う以外も台詞もなく、この世からアンガーのす>>続きを読む

Mouse Heaven(原題)(2004年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 子供の頃ディズニーランドに行って、誰しも一つや二つ怖さや違和感を抱いたはず。そういえばかつて、プーさんのハニーハントとホーンテッド・マンションがかなりトラウマだった。前者はあまりにもサイケデリックな>>続きを読む

野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 少し前、角川春樹が監督した「愛情物語」を見たがタルすぎて途中で断念してしまった。アメリカン被れなバブリーさの大衆臭さと、妙なMV表現とが鼻についてしゃーないという。とはいえ、角川映画といえばひと時代>>続きを読む

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