眼鏡が本体さんの映画レビュー・感想・評価

眼鏡が本体

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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.8

物語のオチ自体はありがちなミステリーといった感じで今見てしまうと驚きは少ないけど、過去と未来のシーンを少しずつ並行して見せる編集で、1つに繋がった時の気持ちよさがある。

もしノーラン映画と知らずに観
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

IMAXレーザーGTとドルビーシネマで2回鑑賞。

キリアン・マーフィーの青い目と低い声とニュアンスのある表情が全部活かされていて、大きな画面で顔のアップと彼の頭の中に浮かぶ主観イメージを非常に圧の高
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.6

ラブストーリーが苦手な理由のひとつに、自分の中にある幼いままの精神性を突かれるのが痛いからというのがある。
突いてきました。男ってやつは…なのか?
リアルな分、映画的な面白さはあまり感じ取れなかったけ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

原作1巻目の触りだけ読み始めたタイミングで劇場公開を知り、あえて続きは読み切らずに先に映画を観た。

あのちゃんがハマり役で、このキャラでストーリーをグイグイ引っ張っていく感じがとてもエモい。
後半の
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.2

公開時に触手が動かず未見だった前作は直前にサブスクで鑑賞したものの、引の絵で魅せる映像美は自宅では魅力半減。ストーリーの起伏が少ないこともあって眠くなってしまった。
やはり映画館で観ないと意味がないと
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

全然解釈が追いつかないけど、悪夢のトゥルーマン・ショーだった。

だいぶ胸糞クレイジーな展開満載だけど、もっともっと滅茶苦茶でもいいぞと思ってしまった。

ラストの海上裁判のシーンだけがボーの妄想で(
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ミステリー調の予告編のイメージとは確かに違うけど、予告編にも出てくるやりとりがこの映画の主題のようだった。

「待って、私は殺していない」
「そこは重要じゃない」

殺人か自殺か事故かを謎解きで解明す
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.8

後半になるにつれ緊迫感が増して時間を忘れた。
色々ツッコミどころはあっても、しっかり世界観が作り込まれているので嘘っぽさを感じないのが韓国映画の凄いところ。

暗闇のシーンが多いので、映画館で観ること
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

感動するシーンでもないところで、気がつくと涙が溢れていた。
どこを刺激されたのか説明できない。

感動を煽ることも悲壮感を誘うこともなく、ほどよい距離感で見守るカメラと、後半になりにつれ画面内に充満し
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.5

「Here」がとても良かったので同時公開されている前作も鑑賞。
こちらも眼差しが優しい。
夜の街の切り取り方、時間の経過の見せ方が好み過ぎる。
車に乗せてくれた店員の女性と家族の名前は伝えあったけど互
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Here(2023年製作の映画)

4.5

登場人物が皆穏やかな話し方で、ちょっとした気遣いがあって、悪人も、声を荒げる人も登場しない。

移民をテーマにした映画にはあまり見られない穏やかで静かな時間が流れる。
「厳しい現実」のようなものは直接
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.5

バリー・コーガンのサイコパスっぷりはいつも通りだし、胸糞映画には免疫あると思ってたけど、この映画はただキモいだけって思ってしまった。
屋敷に住む一家が皆無防備過ぎるし、誰にも感情移入できなかったからか
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

ファンタジー要素が強く、全編にわたってベラ本人の意思が強く感じられるので、同じくR18だった過去作『籠の中の乙女」のような不穏さや不快さを感じることもなく、後味サッパリで清々しい。

癖が強すぎて単純
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

-

ゴジラシーンだけでも劇場で観ておこうと思い、期待2割不安8割くらいで劇場へ。
その時点で期待値が低いのだが、結果、馬鹿にされたような気分で劇場を後にした。
良かった点が見つからないくらい自分には全く合
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

主人公のミアは亡くなった母親から「ミー」と呼ばれていた。
結末を知ると、タイトルの「トーク・トゥ・ミー」のダブルミーニングに気づくことができる洒落た現代的なホラー。
このジャンルによく見られるキリスト
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

2024年1本目。
ケリー・ライカート監督作は初鑑賞。
映画の中に流れるゆったりとした時間と優しいトーンの会話、暗い森の中のシーンが多いこともあって眠気を誘う。
少しだけアピチャッポンの作品と近い雰囲
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市子(2023年製作の映画)

4.0

真夏に見たかった。
杉咲花のイメージがガラッと変わった。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

英語には「木漏れ日」を指す単語が無い。

木漏れ日の光と影の揺らぎのような、ドラマチックでもない日常の中のちょっとした喜びと哀しみに満ちた完璧な日々。
腐らずに日々を送るための強さを持っている。

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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

人を家に招くためにはまずお皿とカトラリーから買い揃える必要がある。
そして食後の皿は洗うのを一瞬ためらい、カトラリーごと捨ててしまう。

孤独だけど不思議と悲壮感はない。

ラストのウィンク、2人と1
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正欲(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

わずかな社会性を頼りにかろうじて普通の人に擬態しながらも、多くの人ができることが自分にはできないことに辛さを感じる。

目の死んだ新垣結衣演じる夏月の言葉に佳道が「自分が話してるのかと思った」と返す会
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.8

自分の感情や想いを正確に言語化できる能力を持ちたいと思うけど、人の言葉の中から最もニュアンスの近い言葉を探して当てはめてみることが精一杯だ。
「僕は大丈夫じゃない!」と叫び合えることが羨ましい。

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.2

つい最近サブスクで1作目から見始めて、最初は全然ピンと来なかったけど、このシリーズはアクションシーケンスを美しく見せることに特化した真面目なアクションコメディだと思うに至った。

中学生のときにブルー
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.5

殺し屋以外は背景でしかない世界。
一般市民には流れ弾も当たらない平和な世界、パラレルワールドだ。
違和感を飲み込んで、この世界観の全てを受け入れなければいけない。
たぶん最後までノリ切れないと思うけど
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ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.5

出会い頭に殺していい相手を瞬時に見分けることができるジョン。
絶対に頭を撃たれないジョン。
腕時計を手首の内側につけるジョン。
意外と走り方がダサいジョン。
常に憂いのあるジョン。
厨二心をくすぐり続
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.8

王道のサクセスストーリーなのでドラマとしては定型パターンの展開で面白味はないけど、レースシーンの演出が凄い。
ヤンが集中モードに入った時の、マシンのパーツのクローズアップや音、素早いカット割りのリズム
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.2

ワンカット撮影にすることで、引くに引けなくなった彼女たちの道連れとなり最後まで観続けざるを得ない。
かなり不快にはなるけど、観客に安心感を与えたくないという監督の意図はしっかりと伝わった。

おとなのけんか(2011年製作の映画)

4.2

ここまで曝け出して本当に腹を割ったら、親同士も最終的には仲良くなれるんじゃないかな。
語らずとも伝わるオープニングとエンディングの構成も見事。
ほとんど観たことないポランスキー監督の勝手なイメージとは
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

観終わってから2人が交わした言葉を思い出すだけで切ない。 
でも、あくまで父娘2人の愛情が疑いようのないものであったことが濃密に描かれているので、とても暖かい気持ちが余韻として残る不思議な映画。

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