324さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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女はコワイです/恋する男(1962年製作の映画)

4.7

ガチ恋冷める推しの子。オタクに恋は難しい。マイムと無表情のすっとんきょうで幸福な笑い。視覚的な豊かさに満ちる。最高のラストショット。確かにタチやキートンの影響感じる。リビング、街角、公園、サーカスと完>>続きを読む

時の支配者(1982年製作の映画)

4.3

完璧。輪郭線と色彩に宿る心の匂い。いかにも少年に焦点が当たりそうなところを大人側に時間を費やす違和感。その鮮やかな解消。電子音楽が素敵。

扉の陰の秘密(1948年製作の映画)

4.0

屋敷系ホラーのきれいな一系統。建築物そのものと家人との密接で陰険な秘密が新参者により明かされる。取り囲む気味の悪い親族と周辺者。女の支配からの解放と、その真逆のような閉塞されな殺人部屋の再現趣味。饒舌>>続きを読む

月世界の女(1929年製作の映画)

4.3

ゆったりしたベロシティ、惹きつける魅力の重力。前半のノアール的設え。人物の在不在により展開を開く扉の開閉。後半の完成されたフォーマット。理屈ではなく最早観念的なラスト。縛り付けの機内にて、ベッドから必>>続きを読む

スピオーネ(1928年製作の映画)

4.0

冗長な全体よりも部分が良い。恐怖の質が変わり、光が差そうとした瞬間再び暗霧の闇が広がる幕引きはお見事です。ローアングルバイク疾走から電波発信とモンタージュの序盤テンポ勢い。車内から外を見るため吊り人形>>続きを読む

最後の晩餐(1973年製作の映画)

4.2

黒パンティ眼帯のマストロヤンニたるや。口と消化器と排出口の存在でしかない中空のワーム、その内は是れ即ち空なりと虚ろで満ちる。ユートピアあるいはインフェルノ、原初あるいは終末。食欲減退する色味のスイーツ>>続きを読む

ニーベルンゲン/クリームヒルトの復讐(1924年製作の映画)

4.3

気持ち的には地球規模の復讐。愛ではなく憎しみで分かりあう関係。嫁ぎ先で私怨大噴出。破壊の物量。籠城のroyalty. 前編に比べて在りすぎる一貫性。セット美術は変わらず神掛かっている。土壁、鷲翼冠、鎖>>続きを読む

ニーベルンゲン/ジークフリート(1924年製作の映画)

4.3

魂の伝説浪漫譚と宮廷痴話喧嘩。道中に装備を揃えていく英雄譚の王道にワクワクが走る。強い女ブリュンヒルデを王妃に迎えるための3本勝負を透明化でサポートするあたりまでは牧歌的な幻想譚としてほのぼの観ていら>>続きを読む

ドクトル・マブゼ(1922年製作の映画)

4.0

賭博黙示録インフェルノ。人心無くした悪魔の眼力・カリスマ性とその肖像。愛や幸福は無く、全てはidle gameという虚無。あるのは欲望と力への意志。死者の幻影。あらゆる罪を犯す冒頭の流麗な列車強盗連携>>続きを読む

Four Around the Woman(英題)(1921年製作の映画)

3.7

心の闘い、自己犠牲。古き恋と現在の忠誠。利他と利己。女の周りでクルクル回る男たち。焦点化のアイリスイン、近景と遠景で同時多発的に物事が進むクライマックスのショット良い。女ともだちと女子会恋バナしている>>続きを読む

巨人ゴーレム(1920年製作の映画)

4.0

悲しきJewishモンスター。妖しい死兆星の輝き、哀しい六芒星の呪印。視認できる呪言。お買い物もできる生まれたてのえらい子を大人が私欲私怨に利用。愛じゃなくても恋じゃなくても無垢な花一輪を。部屋の土螺>>続きを読む

蛇の卵(1977年製作の映画)

3.7

リヴ・ウルマンの窓越し顔アップを観てベルイマンの映画だと強く思う。充満する不安、地獄の朝焼け。科学と時代の犠牲。ユダヤ、共産主義者、蜂起、インフレ。

ベルイマン監督の 恥(1966年製作の映画)

4.0

シネソニック。小さな種から伸びる疑心、花咲く恥。世界・マクロな荒廃によるミニマムな関係性の破局。超マクロな大海の空虚を漂流。夫婦の普通の会話に漂う不穏な緊張感。急なトラックインで閉塞する夫婦のショット>>続きを読む

十誡(1923年製作の映画)

4.0

神のfear,punishment. 劇中で兄弟の母が言うように、神の愛や奇跡よりも畏怖による教示。壁の亀裂、荒波、稲妻、火柱。飛び出すモクモクフォントの十戒かわいい。役満で十戒破る乱痴気の民と現代>>続きを読む

愚なる妻(1921年製作の映画)

3.7

Did you like it?と愛の詐称。好いた好かれたが生死に直結。オープニングで内幕紹介したくなるほどの物量よりも、海風や爪を噛んだり鍵穴覗いたりする方がエモくて好きです。無理があるフィンガーボ>>続きを読む

死神の谷/死滅の谷(1921年製作の映画)

4.3

宿命。夜の闇、死を指し示す時計の針や蝋燭。オリエンタル・レザレクション。現代消費される物語が古臭いことがよく分かる。扉の無い壁。蝋燭様シルエットの階段、イスラムの細長階段、文字通り祝祭なカーニバル階段>>続きを読む

さまよえる絵(1920年製作の映画)

4.0

心を縛る誓約・執着。風雅な自然や宗教的モチーフの中でひどく世俗的な痴話喧嘩。ストーキングからの逃走山越え。こじらせ引きこもりとストーカーとの三角関係。山、崖、霧、ロケーション良すぎる。死の鐘、ダイナマ>>続きを読む

ハラキリ(1919年製作の映画)

4.5

もっと有名であっていい。メインキャストのおそらく全員ドイツ人がカツラや着物を纏い日本人を演じている混沌。エキストラにアジア人は普通に居るし。HARAKIRI、直接は描かず。花咲く桃の木、花の歓待。夫の>>続きを読む

蜘蛛 第二部「ダイヤの船」(1920年製作の映画)

3.8

今回はオリエンタルなロマン。冒険譚というより闇のjourney. 冗長で詰め込みな宝石箱。悪夢のような地下都市チャイナタウンが最高過ぎる。宝島の秘宝。迫る壁、落とし階段のギミック。この時代特有のあっ>>続きを読む

蜘蛛 第一部「黄金の湖」(1919年製作の映画)

4.4

まっすぐな冒険。イノセントなロマン。古代文明の謎と秘密結社の脅威。秘密の地下室や気球、聖なる松明などギミックがちゃんと物語を推進させる。脚本やセットの規模感・ディテールが良い。スーツの悪役女 リオ・シ>>続きを読む

みかへりの塔(1941年製作の映画)

4.2

個の問題から共同体の問題へ。共同体の問題解決によって個の問題もなんとなく良い方向へ運行される。目的と規則と連帯を学ぶ作業。外界との隔たりとアクセスとしての列車。「おっかさん来たぞー」や「◯◯が逃げたぞ>>続きを読む