140字プロレス鶴見辰吾ジラさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

140字プロレス鶴見辰吾ジラ

140字プロレス鶴見辰吾ジラ

映画(1274)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ラストレター(2020年製作の映画)

4.5

【リメンバーミー・アス】

拝啓で始まって「お元気ですか?」が頭の中にこだまするそんな映画から25年。「エンドゲーム」や「アイリッシュマン」のように岩井俊二は新たなフェイズを飾る女優とともに最後の手紙
>>続きを読む

Love Letter(1995年製作の映画)

4.2

【リメンバー・ミー】

岩井俊二が描く私たちが理想にしている日常は、少しばかり地に足のつかない浮遊感のある熱を帯びて非日常という映画の中で流れていく。“死“が引き寄せた奇妙な文通は、“忘れられない“そ
>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.2

【靴紐】
1200レビュー達成!

靴紐を結ばれる子どもとしての存在から靴紐を結んであげる大人へと、第2次大戦下のドイツにてユーモアと底冷えする戦争の陰を少年の視点から描いた物語。

10歳の少年とい
>>続きを読む

流転の地球/さまよえる地球(2019年製作の映画)

4.3

【アルマゲ丼】

冒頭から壮大な物語は「妖精ゴラス」によって省略され、テーマパークの如く「2012」から「2001年宇宙の旅」まで拝借した中国発の異常なレベルのSF映画へと加速する。推進エンジンはツッ
>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.4

【美学】

ル・マン24時の絶対王者フェラーリに挑んだフォードのクリエーターの物語。「フォードvsフェラーリ」というのは冠の闘いでしかない。これは本質を追い求める美学の物語であり、冒頭と最後に示される
>>続きを読む

マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)

4.2

【フリークス“能力“】

エドワード・ノートン監督&主演。私立探偵モノ。上映時間144分。これは長くないか?真相に迫るため私は劇場へ足を運んだ。

冒頭の15分は年間ベスト級の感覚を味わった。映画自体
>>続きを読む

カルト(2012年製作の映画)

3.7

【ネオ様】

“フェイクドキュメンタリーの魔術師“白石晃士が放つ奇想天外なホラーシリーズ。ヴィジュアル系霊能力者ネオ(仮面ライダーオーズのアンクやないかい!)が異形の取り憑いた家庭に突撃する。

安っ
>>続きを読む

オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.6

【ティルダ・スウィントン】

「スノーピアサー」で圧巻の怪演と、明るく楽しい居心地の悪さを演出したポン・ジュノ×ティルダ・スウィントンのコンビに拍手を!そしてとち狂ったジェイク・ギレンホールも。

>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.7

【コリアンビューティー】

比類なきスリルと衝撃!
先行上映に行って参りました。

TOHOシネマズ日比谷。
ここで見たことの価値。
劇場を出た後に見た光景。
私は突きつけられた…

「インセプション
>>続きを読む

失くした体(2019年製作の映画)

4.0

【失ったのは…】

冒頭を見れば主人公が切断された手であると宣言される奇妙な物語。回想シーンが挿入されミステリアスに、手が待ちを彷徨う様はスリリングに描かれる。印象的な音楽と何をしてもダメな回想シーン
>>続きを読む

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

3.6

【いい夢見れたぜマザーファッカー】

2020年劇場初鑑賞はこれ!

強く美しい女性に赦されるということは、すべてのブ男にとって永遠の願いなのではないだろうか?あくまで個人的意見なのだが、きっと私は赦
>>続きを読む

ルディ・レイ・ムーア(2019年製作の映画)

3.8

【名前】

ドールマイトが俺の名だ!

最初は「こち亀」かよ!というテイストかと思いきや、貧乏でアングラな黒人コメディアンが自分探しとして辿り着く本作のゴールが「俺はドールマイト!」という自分の演じ続
>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.2

【寄せては帰す】

皆様、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。2020年映画初めは、アルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」でございます。

冒頭の床に撒かれた水とそ
>>続きを読む

ANIMA(2019年製作の映画)

4.0

【つがい】

トム・ヨークとポール・トーマス・アンダーソン。15分弱の短編は光と影、そして画面のキレ味と彩るコンテンポラリーダンスで飾られた世界の物語。労働に疲弊した電車に揺れる人々がビートに合わせて
>>続きを読む

イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-(2019年製作の映画)

3.7

【神隠し】

たかだか丈の高い草むらが、そこに入ったら抜け出すことのできない地獄へと姿を変えていく発想はいやはや素晴らしい限りで、空間軸や時間軸も早い段階で破壊してしまう思い切りの良さも、そして謎めく
>>続きを読む

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

4.0

【サッカー】
~鶴見辰吾ジラのグッドシネマ・オブ・ザ・イヤー発表~

「リーダーになりたい者はリーダーにしてはいけない。」「リーダーになりたくない者がリーダーになるべき。」ニュースでヨハネ・パウロ教皇
>>続きを読む

6アンダーグラウンド(2019年製作の映画)

3.8

【この素晴らしき世界に祝福を!】
≪鶴見辰吾ジラの2019シネマランキングTOP50発表≫

クリスマスイヴ、俺は亡霊のように1人ぼっちだ。
俺はこの映画を見るためにNetflixに入ったぞ。
俺は何
>>続きを読む

屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

3.6

【日が沈んでから昇るまで】

浜辺美波ちゃんのために
俺はクリスマスイヴに
ひとりぼっちで
この映画を見たんだぞ!

前代未聞の…
密室殺人…
クローズドサークルに…
奇想天外…

平成26年だから2
>>続きを読む

ヒックとドラゴン 聖地への冒険(2019年製作の映画)

4.2

【正解と言い伝え】

待ちに待った「ヒックとドラゴン3」。冒頭の潜入作戦の格好良さと間抜けさの共存からドラゴン解放運動とトゥースレスとその彼女が出逢うこととなる確定運命と選択のとき。バーク島の人口問題
>>続きを読む

映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!(2019年製作の映画)

4.0

【トースト】

セリフのないストップモーションにて数々のSF映画のオマージュをぶち込むひつじのショーンの劇場版。無駄のない脚本と映画テンポから「E.T.」やら「未知との遭遇」やら「X-ファイル」、そし
>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.0

【I know…】

これは完結か?
それとも打ち切りか?

140分に詰め込まれた圧倒的な物量と溢れ出る思い出。否応なしにに恐怖を感じさせる禍々しい惑星のイメージと空を覆い尽くす巨大戦艦のイメージ。
>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.3

【YOU&Iそして自由の代償】

互いの長所朗読と幸せな家庭の回想シーンで既に心がざわつき締め付けられる。互いが互いの長所と短所を受け入れながら過ごした日常はスカーレット・ヨハンソンの仏頂面で切り裂か
>>続きを読む

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018年製作の映画)

4.0

【心がモッコリした】

2019年、令和の時代になっても心には“シティハンターの魂“を、そして遡った先の“荒野の魂“を。

冒頭の手術室のシーンから下品かつブラックな笑いとアクション。フランス流の立ち
>>続きを読む

On Your Mark(1995年製作の映画)

4.3

【願望】

CHAGE&ASKAの「On Your Mark」のPVアニメとして制作された宮崎駿の7分弱の短編アニメーション映画。

明らかにJ-POP性やCHAGE&ASKAのラブソングテイストを真
>>続きを読む

アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲(2017年製作の映画)

3.0

【オカルトおもちゃ箱】

月面にナチスの基地があり、地球は空洞で異星人が実は偉人や狂人に化けていて、おまけに宗教すらアプリに取りこむスティーブ・ジョブズ。一部の大声が届いてた続編は、それこそ大人がオカ
>>続きを読む

ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

4.0

【ザ・レスラー】

イギリスの田舎のプロレス家族からWWEの舞台へ駆け上がったペイジのサクセスストーリーに見えるが、レスリングウィズシャドウが見つめる中の夢を追える人間と夢と断絶してしまった者の映画で
>>続きを読む

LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘(2019年製作の映画)

3.6

【プラシーボ効果】

合理性の産物が非合理性に躍らされる様とまだ目覚めてない子どもが殺人マシーンから妖艶で強きな美女に守られながら逃げるという最高にフェティズム感じる作品。敵の殺人マシーンの非科学性が
>>続きを読む

ザ・バウンサー(2018年製作の映画)

3.8

【生きねば】

こんなヴァン・ダムが見たかったのか?こんなヴァン・ダムは見たくなかったのか?悲哀と疲労に満ちた顔が物語、日陰者の生存本能。成りを潜めた野獣と娘。ボディガードという日の目を見ない立場で娘
>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.5

【静謐と孤独と粒子】

ポスターアートのシーツを被った“お化け“なるものからは想像もつなかい衝撃的で、悲しく、そして美しく、希望のようで、恐怖にも似て、喪失の物語で、そして…そして…

語り尽くせない
>>続きを読む

フラグタイム(2019年製作の映画)

3.8

【フラッシュ】

コミュニケーション不良の少女の逃避の象徴としての時間停止空間。その中で下着を見てしまったことから始まる空間内の秘密の共有。俗に言う百合モノであり百合モノなのだが、秘密を共有することは
>>続きを読む

イメージの本(2018年製作の映画)

4.0

【脳内百景】

人生初のゴダールへの挑戦。本作で挑戦してしまっていいのか?あまりに抽象的でコラージュの沼に首までつからされる。何をやっているか皆目わからないのだが血の通った言葉だけが脳裏に語りかけてく
>>続きを読む

ジュリアン(2017年製作の映画)

4.0

【おっかねえ】

両親の離婚に翻弄される少年の苦悩を冒頭のオフィスシーンから始め、そして暗転してなる生活音、そしてシーン、暗転して生活音の連続で見せるスリラーである不穏な宣言。序盤の大人の話し合いに同
>>続きを読む

ひとよ(2019年製作の映画)

4.0

【それ】

白石和彌監督最新作。何としても上映終了前にと。今年は「麻雀放浪記」「凪待ち」に続き3作目。「凪待ち」があまりにヘビーな映画だったため立ち向かうつもりで足を運んだが、家族と疑似家族を白石監督
>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.0

【コールドケース】

Frozenの2作目。エルサの覚醒だった前作からエルサの謎を追い王国を救うアクションアドベンチャーへと進化している。そこにアナとクリストフの心すれ違いとその顛末、オラフの成長によ
>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

4.3

【青春から墓場まで】

MCUシリーズをテーマパークだ!と揶揄したマーティン・スコセッシの新作は、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル、そしてアル・パチーノを集結させ、「エンドゲー
>>続きを読む

ムカデ人間(2009年製作の映画)

3.0

【予測上回る下品】

「ムカデ人間」?

「人間を繋げる。」?

下品な設定自体を映画の華とする作品は数あれど、人間を3体連結させて生きながらえさせるという設定は、これまでの人生の悲哀を疑うレベル。
>>続きを読む