JIZEさんの映画レビュー・感想・評価 - 37ページ目

くるみ割り人形と秘密の王国(2018年製作の映画)

3.4

ヴィクトリア朝時代ロンドンの12月24日を舞台に亡き母が用意した贈り物をきっかけに宮殿に張り巡らされた不思議な糸を辿って別世界"秘密の王国"へ迷い込んだ少女が4つの国から連なる王国同士の存亡を巡る反乱>>続きを読む

ハムナプトラ 失われた砂漠の都(1999年製作の映画)

3.3

エジプトの豪勢なハロウィンパーティのようだ。古代ならではの景色や男女間のロマンス要素も今観れば風化し概に劣化した代物だが愛着すら感じさせる。巨大顔面砂漠のサービス精神旺盛な描写にユーモアを感じ古代の砂>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

1.5

古めかしい陰惨なホラー映画のフレームワークで何もかもが終始しており過去のB級作品にあったような展開をジワジワ弱火で2時間蒸されても既視感しかなく心に響くものがない。家系の因果応報ものとしてもイマイチ起>>続きを読む

クリスマス・クロニクル(2018年製作の映画)

3.3

賛:カート・ラッセル演じる間抜けで気が効いたモジャモジャ長身サンタの実在感が後にも先にも最大の美点だった。またステレオタイプの閉鎖的な無垢の時代に反して信念や繋がりという道徳心でプロデューサーを務める>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

4.0

アメリカ魔法省に囚われていた闇の魔法使い"グリンデルバルド"が欧州護送の際に逃亡した事を受け人間界を転覆させようと目論む野望を阻止すべく再び魔法動物たちとパリの魔法界へ向かうニュートのスペクタクルな冒>>続きを読む

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.6

視点の豊富さがよい。障害を持つハンデもの特有のお涙頂戴な定番映画かと思いきや家族のそれぞれの主観と客観を揺れ動くような機微で織り込みながら優しさが包み込む。この構成が特別良い。繊細な視線を絶やさずそれ>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.0

肉体を失った男の死の先の壮絶な物語。おもに自然光の澄み切る恍惚とした空気感や死んでもシーツ姿の無機質な幽霊(魂)として夢遊病的にウロウロ妻を見守り続けるスピリチュアルな側面が画面を包み込んでいる。一種>>続きを読む

ダークサイド(2018年製作の映画)

3.5

賛:新たな土地でやり直すため田舎の無人モーテルでの経営を始めた子を亡くした夫妻に降り掛かる驚愕のスリラー映画。平穏な町を騒がす猟奇事件とモーテルの端の部屋に隠された疑問がやがて交わる禍々しい二重構成は>>続きを読む

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

4.1

アメリカとメキシコの国境地帯を舞台に麻薬戦争の悲惨な現実をえぐり出すシリーズ新章の第2弾‼︎まずエミリー・ブラントがこの続編に参加してない事実に衝撃が走ったが本編を観るとそれ以上の容赦無さで繰り広げら>>続きを読む

パラノーマン ブライス・ホローの謎(2012年製作の映画)

3.1

賛:人間の見えない本質を描写している。すなわち異質=異常ではない事の教えを訴えかける作品なのではないか。見た目の表面的なヤバさより過激な発言をしたり見た目だけで判断する思想の根幹をホラー映画好きの少年>>続きを読む

コララインとボタンの魔女(2009年製作の映画)

3.4

賛:パラレルのボヤけた設定が夢の具現化をシニカルに象徴していて面白い。質感はゴシック調でダークファンタジーの世界観。大人向けホラー映画の感触である。退屈でつまらない現実ともう一つの明るくて楽しい真反対>>続きを読む

ボックストロール(2014年製作の映画)

3.6

チーズブリッジの平穏な街並みを舞台に駆除業者につかまった家族を取り戻すため不気味で心優しい少年が大冒険に繰り出す様を描いたスタジオライカ作品‼︎おもにストップモーションで勇姿や家族間の愛情など温かみの>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.4

監督ソフィア・コッポラ作品特有の密封された女集団の中で織り込まれる静寂な空気感が永遠に続くのかと思いきや雄の匂いが大量の欲望を放出させ皮肉と恐怖が同居する。特に後半は学園に蔓延る決壊寸前な閉塞感が陰湿>>続きを読む

マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2018年製作の映画)

2.0

残された男の気が狂った復讐系血みどろゴア描写しか映画の印象はのこらず欠伸が出るほどつまらない駄作だった。いわゆる愛妻を殺害された男が復讐に繰り出す単調さや神話描写っぽい主要キャラたちの赤で統一されたデ>>続きを読む

スクービー・ドゥー(2002年製作の映画)

3.0

一度解散したミステリー社の面々が再集結するシーンから始まる構成はいきなり魅せ場の連打で"スクービードゥー"の麻薬的なコミカルに掛け合う世界観が飛び出して来た。まずそれぞれの主要キャラが最初から立ってて>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

4.0

70年代から80年代にかけてヒット曲を連発してきた英国出身の伝説的ロックバンド"Queen"の黄金時代を描いた伝記ミュージカル映画‼ 名曲「Don’t Stop Me Now」︎がかかるある場面で不覚>>続きを読む

ゲーム・ナイト(2018年製作の映画)

2.7

のれそうで要の設定にのれない突き詰めれば駄作に感じました。ただレイチェル・マクアダムスの有頂天で気が狂った感じは終始最高だ。一言で云えば予告編詐欺か。いわゆる仕掛けに次ぐ仕掛けみたいな本編のジャンルが>>続きを読む

デス・ライブ(2017年製作の映画)

3.5

凄惨な殺人事件が相次ぎ発生するリンウッド地区を舞台に部屋中に仕掛けられた小型カメラで犯行を全世界に生中継する謎多き猟奇事件の全貌を描いたワンシチュエーションものホラー映画‼︎主演ベラ・ソーンの恐怖映え>>続きを読む

ハロウィン(1978年製作の映画)

3.1

ハロウィンの真夜中にイリノイ州の平穏な小さな村ハドソンフィールドを襲撃するブギーメンの恐怖が描かれる。割とクライマックス手前までは波風立たずにバタバタ人が無惨に死んでくのでアナログタイプのアプローチを>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.9

意思を宿した無数の凶悪な"シンビオート(液体型地球外生命体)"との接触で肉体を蝕まれたジャーナリストの男が異種生物間の融合を経て悪鬼ヴェノムと化す様を描いたアンチヒーロー映画‼︎本来のヴィランが超ヴィ>>続きを読む

レザーフェイス―悪魔のいけにえ(2017年製作の映画)

3.8

5歳の誕プレに鋭利なチェーンソーを授かった少年が母親から殺しの英才教育を受けて伝説の殺人鬼に目覚めていく誕生譚を描いた悪魔のいけにえのスピンオフ映画‼︎前半の犯罪者が病棟を脱走するくだりは『スーサイド>>続きを読む

ザ・ミッドナイトマン(2017年製作の映画)

3.3

屋根裏部屋の古びた箱の中にしまわれたミッドナイトゲームと呼ばれる不思議な遊び道具を説明書に沿って遊び始めた事から悪夢を現実に移し変える怪人"ミッドナイトマン"を呼び出してしまった若者たちの恐怖を描く絶>>続きを読む

ドリームキャッチャー(2003年製作の映画)

3.2

雪原地帯の寒色な雰囲気が寓話的なSF性を織り込みホラー映画のアナログな色彩を放っていた。元は巨匠S・キングの有名な同名小説を映画化した代物で原題の「Dream Catcher」は不運や悪霊を掴みとる比>>続きを読む

search/サーチ(2018年製作の映画)

4.0

母親を癌で失い父親と娘の心の距離が疎遠状態にあるほぼ情報だけで繋がりあう家族の希薄な関係性をモチーフにある日を境に連絡が途絶え行方不明となった愛娘の安否を案じる父親の独自捜査を描いた新鋭スリラー映画‼>>続きを読む

スパイダーマン3(2007年製作の映画)

4.2

賛:無印の最終章で敵陣ヴェノム,サンドマン,ニューゴブリンなどシナリオのゴタゴタ感はあるも多いにスパイディ本来の持ち味を存分に楽しませてもらえる。2体の凶悪なヴィラン同士が協力してスパイダーマンを追い>>続きを読む

友罪(2017年製作の映画)

3.5

少年Aは今?…という架空の延長線上で娯楽用に書き換えられず全部のトーンが留まっている印象を受けた。いわゆる日本全土を震撼させた神戸児童殺人事件を下敷きに瑛太演じる少年Aのその後が実直に描かれる。自分の>>続きを読む

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)

3.4

犯罪発生率が急増する米シカゴを舞台に外科医の夫が留守中に家族を強盗に襲撃され愛妻を失った事から自衛に目覚め街に蔓延る悪を葬り復讐に転じる様を描いた本格アクション映画‼︎まずあの強面の主演ブルース・ウィ>>続きを読む

ハンニバル(2001年製作の映画)

2.5

残虐非道な作風の荒々しさやシリアルキラー的な犯罪者を追うサスペンスの部分は面白かったが客観的にとれば狂気を楽しむ作品でストーリー性は特に感じるものがなかった。肝心のハイライトも人間の身体の一部を食べる>>続きを読む

ピッチ・パーフェクト ラストステージ(2017年製作の映画)

3.9

大学のアカペラ部"バーデン・ベラーズ"が世界制覇を果たしバーデン大学を卒業したその後を舞台にそれぞれが理想と現実を痛感しながらも社会人アカペラ部として再結成する様を描いたシリーズ第3弾の青春ミュージカ>>続きを読む

バッド・バディ! 私とカレの暗殺デート(2015年製作の映画)

2.6

女優アナ・ケンドリックの拗れた悪女役の芝居を堪能する見方では軽妙なコメディの会話劇とも併さりまずまず面白かった。が,失恋した拗らせ女と最強の殺し屋の男が出逢うという噛み合わせが悪い設定にのれるかのれな>>続きを読む

ルイスと不思議の時計(2018年製作の映画)

2.7

両親を亡くし孤児となった10歳の少年が不思議な力を使える二流ポンコツ魔法使いの叔父が暮らす古い屋敷で世界を破滅に導く邪悪な力を持った時計を探し奮闘する様を描いた子供向けファミリー映画‼︎渋々2D吹替で>>続きを読む

キャビン・フィーバー(2016年製作の映画)

3.4

謎の病原菌に感染した一服の休暇を楽しむ若者たちの恐るべき結末に迫ったイーライ・ロス脚本のリメイク版。血に飢えたゾンビやその地に棲息する怪物,レザーフェイス級の殺人鬼が出てこない伝染病によって仲間たちが>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.7

有名な著名人たちが集う米ロサンゼルス東部の貯水池や住宅街が建ち並んだ街シルバーレイクを舞台にオタク青年が失踪した近所の美女を探索する中で街の裏側に潜む巨大な陰謀に巻き込まれる様を描いたサスペンス映画‼>>続きを読む

スパイダーマン2(2004年製作の映画)

3.6

賛:今回は敵陣ドクター・オクトパスの殺傷を厭わない無機質で狂気的なフォルムが良い。ピーターが大学に進学した事で対象年齢が引き上げられた設定も入り込めた。背景でオズボーンとの確執が膨れ上がる機微も丁寧に>>続きを読む

チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛(2017年製作の映画)

3.6

チューリップバブルの時代アムステルダムを舞台に豪商の既婚女性と恋に落ちる肖像画家との物語を紡いだ古典ロマンス映画‼︎陰性が濃い俳優デイン・デハーンの最新作という名目で遥か前から期待してたが何度も延期に>>続きを読む

死の谷間(2015年製作の映画)

3.4

核汚染の影響で滅亡の危機に瀕した世界を舞台に岩壁に囲まれた谷間で暮らす女性,放射線防護服に身を包んだ黒人の男,そして白人の男の過酷な地で繰り広げられる人間模様を映し出した終末系ヒューマン映画‼︎冒頭で>>続きを読む