tipsy806さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

3.4

この感じこそ韓国映画だよと言いたくなるようなイ・チャンドン監督の映画の流れよ。音楽を一切使わないで最後までいくとか凄いな。
シークレット・サンシャインは宗教、今回は詩によって救いを求めているが結局現
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

3.1

束縛を疎む青年と人妻による愛憎がメロメロのメロです。まだ豪華な装飾やドレスはありませんが、彼らの破滅へ向かう気持ちを描くあたりがやはりヴィスコンティらしい映画だとも思いました。

家族の肖像(1974年製作の映画)

3.3

好きなものに囲まれ知的に一人暮らしを楽しむ老教授のところに、やりたい放題の住人達があらわれ出会いと別れが繰り広げられる。突然現れた鬱陶しい家族たちに呆れながらも、この訳の分からない人たちに好奇心が芽生>>続きを読む

夏の嵐(1954年製作の映画)

3.5

格調高いメロドラマです。ヴィスコンティ監督ならではの室内の調度品、装飾、ゴージャスな数々のドレス、これが日常の服ってすごいなと唸る私。
裕福な貴族階級の夫を持つ伯爵夫人が、外見が良い色男に引っかかって
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イノセント(1975年製作の映画)

3.6

衣装や美術に庭園が美しく視覚的に堪能したのだが、貴族の気高さや傲慢さまでもに本物を感じさせてくれるさすがのルキノ・ヴィスコンティ監督。
主人公は妻を持ちながら未亡人と不倫。どうしたらいいんだ、彼女を愛
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白夜(1957年製作の映画)

3.3

ドストエフスキーの短編を映画化とゆうことで鑑賞。

男は女と話し慣れてないみたいなこといってたけど、ガンガン攻めてるし、一方女も泣いていたと思ったら次の瞬間もう笑っているという涙と笑顔が同居しているよ
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バイス(2018年製作の映画)

3.2

まだご存命にもかかわらず映画化してあんなこともこんなことも公開しちゃうってすごくないですか。
嫁に尻を叩かれながら政界で裏方としてどんどん力をつけていくし、最終的に副大統領にまでいくことに驚く。

恋におちて(1984年製作の映画)

3.1

いい年の男女が高校生のような恋愛で不倫をしている、まあいわゆる不倫映画ですが、きっとそこは論点ではなく二人の相手を思う純粋さというところがメインかな。
二人が望んだことでもあるけど不倫というものは少し
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ニンゲン合格(1999年製作の映画)

3.4

西島秀俊演じる豊は10年眠っていて14歳から時が止まっている。見た目が大人でもすごく幼く感じたのはそのせい。
目を覚まし、壊れてしまった家族を再生しようとするけど、結局のところ無くしたものを実感してい
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.5

よくある人種ものかと思っていたもので、個々のアイデンティティーの話で少し驚いた。
なるほど。 家族と言えど一人の人間。成功を子供に見せたいと夢みる父親と現実的な母親の考え方の違いを見ていると、どの国も
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Seventh Code(2013年製作の映画)

3.0

黒沢清監督×前田敦子。
出だしから妙な設定だなとは思ったけども、そう来るかという流れでした。
どこにどう転ぶかわからなくて、都合よすぎる矛盾とかありえなさもあるけれど、まだまだ得体のしれない前田敦子を
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空白(2021年製作の映画)

4.0

とある女子生徒の事故死をきっかけとした群像劇。
皆どこかしら欠陥があり、決定的に責めたてたくなるような人がいない、あるいは誰を責めるべきか分からない中、娘を亡くし暴走する父親役の古田新太が本領発揮とい
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.4

東野圭吾のベストセラー小説、シリーズ第2弾。
「刑事が疑うことが仕事ならば、ホテルマンは信じることが仕事です」という言葉がより鮮明になった今回です。
お客さんたちも誰もが怪しくラストまで興味を引く王道
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耳をすませば(1995年製作の映画)

4.0

ジブリ作品の中でもトキメキ要素が多い印象。雫と聖司って名前からして100点。大昔に見たときはラストがすごく気恥ずかしかった記憶だったけど、歳を重ねて見返せば、聖司君の性格上、あんなことも言っちゃうんだ>>続きを読む

フリーソロ(2018年製作の映画)

3.7

命綱なしの肉体のみで断崖絶壁を登るだなんて信じられなさすぎる。
指先ひとつで命を支える神技は、もはや悟りの境地。この世界の足元に広がる死の影に怯え、終盤の登坂シーンは身震いする。
鑑賞後悲劇は起こって
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キル・ビル Vol.2(2004年製作の映画)

3.2

再鑑賞。
あの有り得ない脱出、思い出した!
前作が復讐劇とアクションを中心とした娯楽性ある内容だったのに対し、今回はビルとの愛憎にフォーカスしていく切なさもありつつのドラマチックな展開。単体だと盛り上
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キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.5

再鑑賞。かなり久々に見返したが、不思議な日本と日本語が気になってちょいちょい脱力してしまったものの、彼が脳内で作り上げた日本を映像に具現化している訳だし、思う存分楽しんで撮影しているのだろうなと見てい>>続きを読む

ジェームズ・ボンドとして(2021年製作の映画)

3.5

ダニエル・クレイグが007シリーズにもたらした深みを改めて感じた。ボンドのキャラクターを製作陣とともにどんどん進化させ自分のものにし、綺麗に引き際を演出したんだよなと思う。最高のボンドだった。何といっ>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.4

ああああああ!1年半越しの公開ってこともあって感無量だし、鑑賞後時間がたっているのにまだ余韻に浸れる。
カジノロワイヤルから始まった現代版は紆余曲折ありつつも、愛と苦しみという人間的な肉付けをしたのが
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007 スペクター(2015年製作の映画)

3.7

どんどんボンドに感情移入し楽しんでおります。スカイフォールは単体の作品みたいに感じたけれど、今作はやはりシリーズなんだと今までを思い返すような内容。とても派手にやっちゃってる割には、きちんとそこに品も>>続きを読む

007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.8

ハビエル・バルデム悪役で登場。このとろ目が怖い。
ジュディ・デンチのM引退作とあってボンドの絆を中心に描かれつつ、ボンドの生い立ちが明かされる。華麗なスパイ映画007というイメージプラス、生身の人間で
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007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.3

前作のラスト直後からいきなり始まります。ロマンスは抑え目の中、ボンドの押し殺した想いが切ない。なんてたってマティーニ7杯飲んでも酔えないんだからボンド辛そう…。前作もそうだけど、あまり笑わないだけに優>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.2

クリストファー・ノーランの弟の奥さんの作品。
人の記憶を辿りながら真実を暴くという流れで、難解な展開でくるのかと思いきや案外分かりやすい。特種な尋問装置で他人の記憶に入ることを仕事とする男がひとりの女
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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

3.8

「007ノータイムトゥーダイ」を見るために飛び飛びしか見ていなかった007ダニエル・クレイグバージョンを鑑賞。
ダニエルでは相応しくないとの声も相当あったようだが、硬派で素晴らしく格好良いボンドじゃん
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.8

アジアンなマーベル新鮮だった。
予想以上に中国拳法を美しくあしらったばりばりカンフー映画で、これは映画館で見て良かったヤツ。
父と子の確執がいまひとつピンとこなかったりもしましたが、印象的な打楽器音楽
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.4

時代劇好きな映画部女子が、時代劇を撮ろうと奮闘する映画。青春物語に不思議スパイスが入った感じかと思っていたらラストあたりでそれが揺らぐ。色々てんこ盛りで気になる点もあったのだが冷静に見すぎず、青春に飛>>続きを読む

さすらい(1975年製作の映画)

3.5

3時間のロードムービーは長くてぐだつく部分もあるけど、ところどころが光ってました。映画館を巡回して映写機を修理して回る男と、それについて回る男。人生上手くいってない2人が笑ったり怒ったりしてすすむ道は>>続きを読む

まわり道(1974年製作の映画)

3.0

ヴェンダース監督ロードムービー2作目。目の前に広がる風景から物語がはじまっていくような雰囲気。
無名の頃のナスターシャ・キンスキーがかわいい。

都会のアリス(1973年製作の映画)

3.4

ヴェンダース監督のロードムービー三部作と言われる映画のうちの一作。
写真家のおじさんと一緒に旅をする女の子アリスは、怖さには種類があるんだよみたいなことがもうわかっているし、子供らしい反応をあまりしな
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アメリカの友人(1977年製作の映画)

3.3

原作がパトリシア・ハイスミス。「キャロル」と同じ原作者だと初めて知った。

理解したかと言われればしてないんだけど…、、暗殺のハラハラ感を前半は味わっていたが、トータルで全体的にスクリーンに映える色が
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東京画(1985年製作の映画)

3.4

ヴェンダース監督が小津安二郎監督の「東京物語」に捧げたオマージュ。彼の世界を探しに1983年に東京へ来た。30年経っており、小津の世界はそこにはないのだが、日本パチンコ屋、ゴルフの打ちっぱなし、食べ物>>続きを読む

時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!(1993年製作の映画)

3.4

「ベルリン・天使の詩」の続編。前作では天使であったカシエルが人間となり、翻弄されていく様子を描く。
前作とは一見対照的で見終わった後複雑な気持ちにもなるが、この映画も結局は誰かを心から愛しく思う気持ち
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.6

ずっと見てみたかった映画をやっと鑑賞。「パリテキサス」でおなじみのヴィム・ヴェンダース監督。リアルとファンタジーを色で分けた天使が舞い降りてくる映画。
ちょっとロン毛のおじさんたちが天使という設定は、
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

3.6

グダグダの銀行強盗。緊張感が溶けたどこか抜けた状況の中、アル・パチーノ演じる犯人のてんてこまいぶりを見ていると応援すらしたくなっている不思議。共犯の口数の少ないジョン・カザールがいい味をだし、何かしで>>続きを読む

グラン・ブルー/オリジナル・バージョン(1988年製作の映画)

3.7

昔見た気もしてたけどたぶん初見ぽい。
実在の人物がモデルだがフィクションでよかった。
生も死も薄明かりの中にある海の世界。やっと言葉を覚えた子供みたいだろう?と言ったエンゾの言葉が全てか。
海とイルカ
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彼女の人生は間違いじゃない(2017年製作の映画)

3.0

東電の社員、市役所職員、補償金でパチンコ通いをしているかつての漁業や農業従事者。震災に人生を狂わされた人の叫びを福島出身の監督が描く。
心の隙間を埋めたくても、埋めるものを探せず隙間しか残ってないよう
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