tk33220さんの映画レビュー・感想・評価

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「女の小箱」より 夫が見た(1964年製作の映画)

4.2

屋内の不自然なまでの白い光がロマンポルノのそれにしか見えない。川崎敬三の浮気がバレたあとの開き直り方には笑えるが、あそこまで仕事のために行動する不可解さが魅力的。登場人物の視線がぼんやりして一体何を考>>続きを読む

19世紀ジョージアの記録(1979年製作の映画)

4.7

ニコと三悪人が森の中で繰り広げる逃走劇の不自然な繋ぎから醸し出されるサスペンスが異様で、のちにブレッソン映画に出てきそうな娘を三悪人が追跡するシークエンスでの窓枠の使い方(他のシーンでも出てくる窓がグ>>続きを読む

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

2.9

設定がアレコレ複雑でエイリアンが出てくるまでが長いし、アンドロイドと人間の古臭く感じられる差異で物語を引っ張ろうとしてサスペンスが感じられなかった。単純に尺が長い。

きみの色(2024年製作の映画)

3.7

大した軋轢や葛藤が無くてもカットとカットを丁寧に繋いでいったらしっかりとした映画になるという気概が感じられて好感。画面上部に絵の具のように塗られた青色にオーバーラップするように海が繋げられたり、しろね>>続きを読む

潮騒(1975年製作の映画)

2.5

山口百恵が祈りを捧げる場面などは流石に荷が重すぎる。田中春男が画面に登場すると途端に胡散臭さが巻き起こるのが堪らない。

お姐ちゃんお手やわらかに(1975年製作の映画)

2.5

和田アキ子が怪物のような役回りで、ド頭のパトカーが交番を突き破って、車内から警官もフロントガラスを突き破る感覚は笑えるけど、若干滑り気味の連鎖するギャグがくどいし、流石に和田アキ子の扱われ方は失礼じゃ>>続きを読む

青い目のロバ/マグダナのロバ(1956年製作の映画)

3.3

気が遠くなるほど広大な地平線を捕らえたロケーションが凄まじい。このロケーションを活かす移動の映画。屋根の上で踊りを踊った次の子供たち三人が夕焼けをバックに鼻歌を歌うショットの現実が超越して作り物に見え>>続きを読む

至福のレストラン/三つ星トロワグロ(2023年製作の映画)

3.5

三ツ星店に訪れる客に無茶苦茶な人がいるはずもなく、一貫して白熱した議論が展開されるわけでもないので、ワイズマンの他作と比べると大人しい印象を受ける。中盤以降特にシェフのミシェルがフィーチャーされるが、>>続きを読む

サユリ(2024年製作の映画)

3.5

脚本が安里麻里と白石晃士という両者のアクの強さが良い具合に交わって、起源に迫るきらいはあるものの強引に感動させる作品になっている。白石晃士の恐怖演出は堂に入ってる。あの三階吹き抜けの独特な間取りを長回>>続きを読む

ラストマイル(2024年製作の映画)

2.5

いかにも今から爆発しますよといった感じで宅配された荷物が爆発するからサスペンスが掻き立てられないし、3つ目の爆発が起こってようやく警察本部が登場するような全編通じた運動感の無さが辛い。クライマックスに>>続きを読む

ブルーピリオド(2024年製作の映画)

3.0

眞栄田郷敦以外のキャラクターがいてもいなくても変わらないというか、作劇上必要な時に思い出したかのように登場する。板垣李光人と心を通わす描写も深掘りがないのでグッと来ない。

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!(2024年製作の映画)

2.8

記者としての取材がダイジェストのようにさらっと流されて運動感が全くないのが微妙。

ツイスターズ(2024年製作の映画)

3.0

モーラ・ティアニー演じる母親の使い方がイマイチなのと、デイジー・エドガー・ジョーンズがグレン・パウエルの車に初めて乗る際のはしゃぎ方が妙なのとか、演出が微妙な印象を受けた。

墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

2.9

何ら映画的な工夫を入れずにただ閉じ込められた洞窟に赤い糸が垂れているってだけでは感動は想起されない。

あのコはだぁれ?(2024年製作の映画)

2.5

生徒の自宅で怪奇現象に合うシークエンス(時刻は夜であるのにも関わらず、奥の部屋で横たわる祖母の部屋が白昼の様相を呈しているのがやたら不気味)での渋谷凪咲の棒立ち具合が悲惨で何をみせられてるのかわからな>>続きを読む

幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.0

大胆な落下の描写や、光を捉えたり音から物語を紡いでいく感覚などが素晴らしい。鳥のような視点から始まる空撮に、大きな翼の音が挿入されてそれがヘリコプターだとわかる展開などもサスペンスフル。

ザ・デッド/「ダブリン市民」より(1987年製作の映画)

4.0

アンジェリカ・ヒューストンが偶然歌を聴いてしまうことで記憶が呼び起こされる展開が素晴らしい。シンプルな室内劇だけど何か不穏な視点でカメラが移動し続ける。酔っぱらいが上ってきたり、思い出したくない過去を>>続きを読む

光あれ(1946年製作の映画)

3.0

演出は一切していないと言う割にどのシーンもめちゃくちゃ演出してるのが単に図々しいだけなのか、誇張をしていないという意味での演出を指してるのかがよくわからない内に映画が終わった。

ゴングなき戦い(1972年製作の映画)

3.3

ステイシー・キーチが夜間にバスに乗り労働をするシークエンスでの何気ない会話に哀愁が漂っていて面白い。ラストの「もう少し話をしよう」と帰ろうとするジェフ・ブリッジスを引き止めておきながら特に話を振ろうと>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

3.0

悪くはないと思うけど仕事映画にしては真面目すぎるというか飛躍がなさすぎるのが何とも言えない。

メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

3.0

脚本がお利口すぎるし、ここにカメラをこう置けばこう捉えてもらえるでしょみたいな魂胆が垣間見えてイマイチ乗れず。

フェラーリ(2023年製作の映画)

4.0

シャイリーン・ウッドリー宅をアダム・ドライバーがあとにする冒頭の車を前進させる緩やかな運動に、どこか視点の定まらなく危なっかしさすら覚える運転の様子などから既に演出が冴え渡っている。エンツォ・フェラー>>続きを読む

ルックバック(2024年製作の映画)

2.9

二人が一緒にいる時間の大抵が省略されているのでこの尺でエモーショナルに描くっていうのは難しい気がした。

クワイエット・プレイス:DAY 1(2024年製作の映画)

3.0

カメラが被写体に寄り過ぎるからサスペンスが心理的になってしまうのが弱い。地下鉄の暗がりの雰囲気や水浸しの線路を越えていかないといけない展開は面白い。

WALK UP(2022年製作の映画)

2.8

娘がコンビニに買い物を行く下り坂のショットから、次に大家が店先に顔を出すショットで説明なくシークエンスが移行し観客の混乱を煽るところが作品内でただのネタとしか利用されないのが辛い。

Chime(2024年製作の映画)

3.7

小日向星一が首元に包丁を突き刺し騒動となるシークエンスで教室内には他にも生徒がいるにも関わらず、まるでこの世界には吉岡睦雄と小日向二人きりしかいないようにフレーミングされている所や、リビングの奥にもう>>続きを読む

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.5

ポール・ジアマッティも勿論凄いが、この複雑な役柄を高水準で演じ切っているドミニク・セッサがかなり凄い。良い役者とアレクサンダー・ペインの演出力が合わされば良い映画になるのは承知の上で、もう少し画面で笑>>続きを読む

ザ・ウォッチャーズ(2024年製作の映画)

2.5

過去のトラウマに囚われた女性の心理劇で、起源に迫ったり説得を試みたり動きが感じられず退屈。

HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

3.3

課せられたタスクを粛々とこなし目的を達成させる様子を淡々と描いてくれるのが良いけれど、各キャラクターの過去も巧妙に提示してくるため所々のサスペンスが阻害されるのは残念。

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

2.0

ゼンデイヤが初登場する場面からして酷いけれど、決定的なショットが撮れないから音楽とそれっぽいフォトジェニックな画角での誤魔化しが全編続くからしんどい。画面が連続することで生まれる何かをはなから信じてな>>続きを読む

蛇の道(2024年製作の映画)

3.4

3ヶ月前というテロップが出てくるのであんなに回想形式に対する意見を持っていたのに大胆なことをするなと画面を見ていると、病院の廊下をカメラが前進し診察室の看板を説明的に収め、室内から会話の声が漏れるなか>>続きを読む