tk33220さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

tk33220

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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.5

くだらない。『Beau』自体がそうだったけど題材があまりにも映画に向いてない。定期的に下品なショック描写を挟み込むことが演出だと思い込んでるからか、終盤の2人の女性との会話シーンの凡庸さがより際立つ。

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

2.5

サスペンスに興味がないから仕方がないのだろうけど、あまりにも事件が起こるのが遅すぎる。終盤唐突に心変わりをするリュ・ジュンヨルのトンチをきかせた提案もよくわからないし、下品なクローズアップに辟易させら>>続きを読む

サイン(2002年製作の映画)

3.9

事故にあった妻との最後の会話を、謎の生命体と相対しているサスペンスをぶった切ってまで挿入してくるトリッキーさと、その回想から惹き起こされるバットをフルスイングするという馬鹿馬鹿しいアクションにどうして>>続きを読む

ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

5.0

あってないような話を時には性急な場面展開やジャンプカットで繋ぎながら、唐突に画面から姿を消してしまうトゥアン・ジュンハオとカオ・ジエ2人の姿を否が応でも想起させられながら、スー・チーの記憶にある夕張の>>続きを読む

ストライキ(1925年製作の映画)

4.5

工場内で窓から射し込む恐らく自然光のようなものを利用したショットや、画面奥までソリッドに作り上げられた構図など隅々まで面白い。

サンライズ(1927年製作の映画)

5.0

マーガレット・リヴィングストン宅の食卓とライトが異様な角度で配置されていたり、田舎のセットや照明設計の諸々が所謂表現主義的に立ち込められていながら、対照的に都会の絢爛なセットで繰り広げられる夫婦の若い>>続きを読む

残菊物語(1939年製作の映画)

5.0

徹頭徹尾、森赫子の「覚悟」に関する映画で、あくまでも花柳章太郎はその「覚悟」に反応することしか許されないかのように振る舞っている。森赫子の「覚悟」によって花柳章太郎は突き動かされ、恐らく映画史上最も感>>続きを読む

噂の女(1954年製作の映画)

5.0

田中絹代が狂言の裏で中村雀右衛門と久我美子が一緒に東京行きについて会話しているところに遭遇し出て行きたい気持ちを抑える場面と、日本家屋にちょっと不釣り合いなドビュッシーのピアノの音に誘われるように田中>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

2.9

家まで送ってもらう車内での会話や、受付がいない間に病院内に忍び込む場面などコミカルにできそうなのに中途半端に鈍臭いのが良くない。『ブンミおじさんの森』と同様に電灯に犬を括り付けている紐がスルリとほどけ>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

3.5

過剰なまでに強調される環境音の差し引きが面白い。シュテファン・ゴタとリヨ・ゴン出会いの場となる中華料理屋では内側からの切り返しと店外からの引きのショットでさらっと演出しておき、後日リヨ・ゴンと再会する>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

上白石萌音は詫びの印や細やかな気遣いなどから同僚にお菓子を配り、彼女自身は母親を演じるりょうから頻繁に手厚い仕送りを受け取っている描写が見受けられる。このような日常で起こる有難迷惑な場面に松村北斗がズ>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.0

いよいよ目的の場所に辿り着き、探していた人物を俯瞰ショットから昼食時の切り返しによって予想外の再会シーンを演出する後半こそ楽しめるが、エリセその人の監督としての歩みを想起してようやくラストの映画上映が>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.4

拘留を解かれ庭師として生活するジョン・ローン(老けメイクが良い)が自転車を漕ぎ町を進んでいくとデモ隊と鉢合わせるところから、紫禁城に忍び込み少年と会話をするラストへ傾れ込む一連の流れが素晴らしい。自転>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.3

ゼメキスとドン・バージェスらしいトリック志向の技巧的画面作りが題材と上手く調和しているかは疑問。どちらかというとサスペンスの方がマッチしている気がする。

浮草(1959年製作の映画)

4.5

序盤に一座が港町に着き列を成して歩く様子を俯瞰で捉えたり、所々の照明を抑えた画面作りなどは宮川一夫らしさが見受けられる。田中春男ら一座の面々が砂浜で飛行機を見上げるショットから楽屋の京マチ子のショット>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

2.5

いくら画面内に視覚的な要素を散りばめてようが、肝心なアクションが全く撮れてないので知的なお遊戯にしか見えない。映画とはこういう頭で考えることでしか楽しみを享受できない陳腐なものだったのでしょうか。

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.8

「VS富める者たち」という構図を性急な画面捌きや軽快なセリフ劇で無駄なく描き切っている。コロナ禍の社会が舞台になっているため当たり前のようにマスクで顔を半分隠した役者が映されるがそれがハンデとすら感じ>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

3.5

驚異的なショット数やセリフの応酬からあくまでも低体温な青春映画を映し出している。

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.0

焼身自殺の場面における犬の鳴き声や叫び声のけたたましさに呼応するかのようにカット割りが性急になりパトカーと警察たちの切り返しなども挿入される流れが最高にサスペンスフル。

山椒大夫(1954年製作の映画)

5.0

溝口はワンシーンワンショットっていうレッテルが馬鹿馬鹿しく思えるくらいにはここぞというタイミングで割っている。御触れを出し屋敷へ取り締まりに向かうシークエンスで、身分が改まった花柳喜章と進藤英太郎が対>>続きを読む

ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

2.0

全て画面を見なくても説明がされるため、何ら映画とは関係がない。

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.3

スカしたオフビートに逃れることなく的確な画面の連鎖で笑わしてくれるところや、齋藤潤の声変わりによる逃避や部活の後輩との関係に関する描写などを過剰にならないよう抑制している感覚に好感を抱く。

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

2.6

クライマックスでの謝罪がバイト先で高い皿を割ってしまいましたという程度の「ごめんなさい」で笑いそうになる。

お遊さま(1951年製作の映画)

5.0

それが映画というメディアにおける規則であるかのように乙羽信子は画面上で抑制され、田中絹代が全面に押し出される。物語上そうだからというもっともらしさを超越している。かと言って乙羽信子の存在感が消されてい>>続きを読む

祇園の姉妹(1936年製作の映画)

4.3

山田五十鈴が車でさらわれる場面では深見泰三とテンポの良い切り返しでサスペンスが演出されるが、他の場面ではほぼ一つの場面を除けば会話で切り返しがなされていなかった。そのもう一つの場面が進藤英太郎に深見泰>>続きを読む

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.0

ホン・チャウが個展に鳩を持ってやってくるショットに笑ってしまう。特段何も起こらず、鳩が飛び立っていくことによって物語が終結する感覚に爽快感すら覚えるけど、ミシェル・ウィリアムズが翻弄される対象が人間の>>続きを読む

近松物語(1954年製作の映画)

5.0

琵琶湖で心中を試みる場面で、小舟がスーッと画面右から進んできてピタッと止まり、長谷川一夫が香川京子の脚にすがりながら慕情を吐露すると、香川京子が神妙な面持ちで立ち上がり、溝口的なもたれ掛かり倒れ込むア>>続きを読む

祇園囃子(1953年製作の映画)

5.0

迷路のように入り組んだ祇園の裏路地を抜群に決まった縦の構図で的確に繋いでいく中を、若尾文子がいきいきとした様子で進んでいくところからして面白い。溝口らしい移動撮影が二度反復されるが、二度目のショットに>>続きを読む

青春の夢いまいづこ(1932年製作の映画)

4.0

斎藤達雄が教科書を読みながら歩いていると岡持ちにぶつかり田中絹代との強烈な切り返しが入るところの移動撮影交えたリズムからして凄い。将棋を打っている場面など所々小津特有のズレた切り返しが見られるが、ラス>>続きを読む

ベートーベン(1992年製作の映画)

3.3

脚本がジョン・ヒューズで割と見ていられる。ラストショットの引き等、セリフに頼らず直球のコメディをやっているのに好感が持てる。

FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.5

後半の尻すぼみ感は否めないもののテレビ塔に登ってからの荒唐無稽ぶりが楽しい。

エレファント(2003年製作の映画)

3.7

「アクション」を回避しつつ極力「意味」のようなものを排除しているという点においてお手本のような出来。

ブラックハット(2015年製作の映画)

4.3

極限状態で選択を強いられ、その中での行動を映し出すという点がマイケル・マン的。ある意味ではクリス・ヘムズワースが事件に巻き込まれているという構造が『コラテラル』に近いと言えるか。

ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

2.8

冒頭の尾行シークエンスなどは無邪気にやっていて楽しそうだなと思うものの、殺しの場面でカメラが向こうの部屋の中に入ってしまう瞬間にどうしても観る気が失せてしまう。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.0

表現したいものを映すためなら平気で尺を犠牲にし、時間をとことんまで引き延ばす感覚がひたすらに下品。

紅顔の密使(1959年製作の映画)

3.7

船上での田崎潤とのやり取りの珍妙さとか故里やよいのキャラとかの軽さが癖になる。