ニューヨークの街中ではしゃぎ回るダリル・ハンナが素晴らしい。捕らえられた彼女を奪還するために研究所に浸入する場面のバカバカしさも最高。
階段で遊ぶ子供の後ろで扉がひとりでに開くところでわざわざカットを割っていることに驚く。画角をいじってドンと不気味な表情を浮かべた人物のクローズアップを挟んでも怖くはない。部屋の隅に誰かが立っている描写>>続きを読む
ジャン=ピエール・レオーが殺し屋にビビって自宅から逃げる場面での夜のロンドンの艶っぽさなど撮影が光る。カウリスマキの映画では酒場とかレストランが出会いの場となる。ガス会社のストを知らせる新聞の使い方は>>続きを読む
その後の黒沢映画に通底する物語。ラストの洞口依子のショットに漂う『叫』のような終末感。前田耕陽が町を出ていく時にデモとぶつかる所から始まる長回しには否が応でもノセられる。
冒頭の帽子の落下から、転落の一途をたどる犯罪活劇。足元を捕らえたショットや大胆な横移動、アクション繋ぎなどどれもが素晴らしい。田中絹代が水久保澄子を外に呼び出すシークエンスでの二人の切り返しもスリリン>>続きを読む
ジャン=ピエール・レオーの訪問、国外追放を喰らったマッティ・ペロンパーの帰還などいい加減な話運びが痛快。入院費用を集める場面や、ピクニックでの数ショットも堪らない。イヴリヌ・ディディとの出会いは橋など>>続きを読む
それがこの映画の規則であるかのように人物が無意味な振る舞いを起こす。
驚異的な映画。セラドンが自殺を図るまでの簡素なショットの連鎖や運動観が素晴らしい。窃視、布が擦れる音、キスをしようと迫る様子など尽くスリリング。ラストは間抜けだけれども、抱き合ってから真相に気付くって>>続きを読む
徹底的にプロフェッショナルとして任務を遂行する役はミッキー・ロークには荷が重かったのでは。クラブでの襲撃シーンや、スパイがばれる中華料理屋の場面なんかはちょっと変というか強引だけど、クレーンショットが>>続きを読む
ホスト編が辛気臭くて退屈。窪田正孝が焼鳥屋で涙するところで、曇りガラス越しのショットの後にわざわざ店内に入って表情を捕らえる感覚が下品。
視線はもちろんのこと、手も徹底して撮られている。ブレッソンほどの凄みはないけれど、演出は厳格に統制されている。
岡田嘉子が夜の仕事から帰ってくるのをドアを少し開けて佇むように待ち受けている江川宇礼雄のショットが不気味。アクション繋ぎや内側からの切り返しがキレキレ。この映画に出てくる平手打ちも咄嗟の行動で速いけれ>>続きを読む
面白い。大島優子がデートクラブから出てきて偶然友人と出会う場面など、寄らずに撮ってしまう感覚に好感。ガサ入れとか、イベントに肉蝮が来てしまう辺りの画面処理はイマイチ。照明はヤバめだけど、ラストの樹海と>>続きを読む
カメラを道に据えて、歩く人々や走る車を捕らえるだけで画面が引き締まる。踊りながら歩いてくる一木双葉と、大沢健三郎が橋の上ですれ違い視線を交えるだけでサスペンスフル。どこか遠くに行きたいと渇望する感覚に>>続きを読む
不気味な風、光と影がくっきりした照明、大胆な切り返しによって盛り上がる第一の殺人場面が白眉。ラテン女を追っていく夜道の移動撮影によって、焦点が当てられる人物が変わり、映画のための駒のように人物を切り捨>>続きを読む
傑作。寝ている男が足音に気付いて目を覚ます、訳も分からずラッパを吹きまくる、銃弾が当たり鐘が鳴るといったように遊び心のある音の演出が楽しい。
ジェームズ・カーンが酒場に現れ撃ち合いが始まるシークエン>>続きを読む
被写体への近さが全体像のぼかしを意図してるのなら安直で、アクションも機能していない。
カーテン越しに揺れる女優の髪や、最後のスローモーションなんかはただただ映画が死んでいくばかり。
ドゥニ・ヴィル>>続きを読む
事件が起きるのが中盤以降だからそれまでが退屈だし、必要以上に割りたがる癖みたいなのにもイマイチノレず。
公園でいきなり女の子の視点になる場面の意味のなさだったり、わざわざ雪を降らせてるのは血を跳ね返>>続きを読む
中盤、終盤に2台のビデオカメラでクロス・カッティングをしてくれるけど、個々の場面が一々止められて盛り上がりに欠ける。インタビュー中に起こる謎のズームもダルい。
いくらなんでも空ショットや、人物の配置>>続きを読む
閉ざされた空間での男女の話だけあって、外からの視線がより際立つ。あの隣の医者が車で待ち伏せしていたり、風呂場を覗いてたり、挙句の果てに家の中に侵入してきたりと物凄い動きを見せる。岩場から男女の肌が見え>>続きを読む
ラオール・ウォルシュ『栄光』に負けず劣らずの傑作。
酒場での乱痴気騒ぎ、殴り合い、列を成す人々などフォードらしさが満載。
若い女学生が川辺で歌う場面での彼女を真正面から捕らえたショットや、戦争に向>>続きを読む
ジャングルの中で身を潜めて敵に近付いたり、逆にどこに敵がいるかわからないシンプルなサスペンスが堪らなく面白い。ラストの野原を二人がジグザグに疾走するくだりも活劇的。あの大量のイギリス軍と、たった二人と>>続きを読む