順慶さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

順慶

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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

タイトルの「精霊」は、原題では「バンシーズ」で、Wikipediaによると、アイルランド民話に出てく妖精らしい。その妖精は人の死を叫び声で予告する。邦題の精霊とは、イメージとはなんか違う。もっと不気味>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

昨年の見逃し作品。これもよかった。

ろう者のケイコは耳を澄ましても聞こえない。だから目を澄ます。会長はケイコのその目を見ていた。

最初の氷を噛む音から縄跳びの音からサンドバッグの音からミット打ちの
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.4

春節に中国映画。

「12ヶ月のシネマリレー」にて。2度目の鑑賞だけど、映画館は初めて。

溥儀が2歳で清朝の皇帝になってから、亡くなるまでの激動の人生を振り返る163分の作品。

1950年。溥儀の
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カンフースタントマン 龍虎武師(2021年製作の映画)

4.0

春節に中国映画。

私がそもそも映画が好きになったのは、子どものころに見たジャッキーチェンだった。小学生のころは香港映画ばかり見ていた。中学になって、初めてひとりで映画館に行ったのは「霊幻道士」だった
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ある男(2022年製作の映画)

4.2

こちらも昨年の見逃し。レイトショーで鑑賞。

マグリットの絵画から始まる。男性が鏡を見ているようだか、見えているのは姿は自分の後ろ姿という不思議な絵。そしてその絵を見ている人物がいる。

シーンが変わ
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そばかす(2022年製作の映画)

4.1

昨年見逃し作品。

2対2の居酒屋コンパから始まる。固定カメラの長いカット。盛り上げたい男。うまく盛り上がれず、微妙な表情の蘇畑佳純(三浦透子)。カメラが動くとちょっと佳純の気持ちがざわざわしているの
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ようやく。IMAX HFR 3Dで鑑賞。HFRって何かわからないが、とにかくこれは3Dがマストじゃないか。 3Dを活かしたカットが多くて、テレビで見たらどれだけ楽しめるだろうか。

長い上映時間は気に
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

4.0

2023年1本目。昨年の見逃し作品。

時代は1950年代のロンドン。家政婦として働くハリスおばさん。貧しいながらも前向きに暮らしていたある日、夫が戦死していたと連絡を受ける。
気持ちは落ちるが、仕事
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街の灯(1931年製作の映画)

4.0

フォーエバーチャップリンにて。
初チャップリン。没後45周年らしい。
なんとなくずっとチャップリンを避けてきた。でも、今年最後の映画館だし、大野裕之さんの舞台挨拶付きとたまたま知ったので、深夜に座席を
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

「オオカミと7人の不登校」という現代のグリム童話。

現実に居場所がない中1のこころ。光るかがみに入るとそこには、6人の中学生とオオカミさまがいた。そこは海の中にある孤城。6人はこころと同じような不登
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天上の花(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

見ている人が少ないのは、仕方がないか。
古くさい映画のチラシに、三好達治に萩原朔太郎って、誰が興味あんねん。と思っていたが、私は文学部だったんで、多少は興味があった。

原作は読んでいないが、小説も映
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シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

4.1

自分の目指すことには、誰にも邪魔されたくない。自分の価値は自分で決める。そんな意思の強さをもつアンラン。
疎遠になっていた両親が事故で亡くなり、面識のない弟6歳のズーハンの面倒をみることになってしまう
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.0

実話をもとにしたらしいけど、それは無理あるやろという展開。
ユダヤ人のジルはペルシャ人だと偽って、大尉にデタラメペルシャ語を教えて、ナチスの処刑から逃れようとする。

ナチス映画は、ある程度の緊張感は
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.8

おなじみの「ピノッキオ」。デルトロがやったらやっぱり変だった。Netflixは契約してないので、映画館で鑑賞。

とにかくストップモーションアニメでの表現がすごかった。
遠近感も感じるし、大きなセット
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

途中までは「めぞん一刻」を彷彿とさせた。

前科のある山田(松山ケンイチ)は、誰ともかかわらずに生活をしようとしていた。でも、そんなことハイツムコリッタでは無理だった。

風呂を貸してくれという隣人の
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.1

特に何の説明もされない会話だけで143分。
それがずっと聞いてられるというか、見ていられる。それが心地いい。不思議な作品だった。会話をのぞき見している感覚に近かったかも。
で、説明されないので、マサは
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.8

冒頭から家の玄関のカギをかけるシーンや自転車のカギを開けるシーンがアップになっていると思ったら、あの廃墟の扉。タイトル通り、カギの開閉がキーになっている。
岩戸という名前も古事記の天岩戸か。

とにか
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あなたの番です 劇場版(2021年製作の映画)

3.0

金ローの録画鑑賞。ドラマ版は見ていたが、異なる別のストーリー。でも、キャラ設定は同じ。最初に死ぬ人も同じ。

船上の結婚パーティーという密室で起こる殺人事件。一応、手塚翔太(田中圭)が探偵っぽい役を演
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.7

原作はマンガだと思っていたら小説があったんですね。で、その作者砥上裕將は、水墨画家でもあった。

とにかく水墨画を題材にした作品。
霜介(横浜流星)は水墨展設営のアルバイトをしていて、急に湖山(三浦友
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RRR(2022年製作の映画)

4.3

映画を見終わって、帰りの電車の中で、公式サイトを見ようと「RRR」とGoogleで検索。すると、、、。

1920年のインド。イギリスの植民地になっている時代。ビームとラーマは、実在した人物らしいが、
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

カフェのマスターが仕事を終えて、店の上にある自分の部屋へ行くと、部屋のパソコンのモニターに映っている自分に呼び止められる。モニターのマスターは、カフェにいる2分後の自分という設定。ん? 

その2分後
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王立宇宙軍 オネアミスの翼 4Kリマスター版(1987年製作の映画)

4.4

公開当時、中学生のとき友人と映画館で見ている。もちろん監督の山賀も庵野も貞本も樋口も岡田も知らない。音楽の坂本龍一は知っていた。あと、森本レオも知っていた。
実家にパンフがあるはず。あれから35年前か
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.5

予約の取れない孤島のレストラン「ホーソーン」。
映画が始まってすぐに予約した11人は集められ、その島へ船に乗って向かう。適当な人間ドラマもない。

案内するのはアジア系のエルサ。
そしてすぐに建物の中
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

3.8

ちょっと久しぶりの映画館。
水上勉のエッセイが原案らしい。購入した。

最初に激し目のジャズの音楽が流れる。それに似合わないような静かな雪景色。
そこでひとりで暮らす作家のツトム(沢田研二)。
そこへ
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犬と私の10の約束(2008年製作の映画)

3.0

J:COM地上波でたまたま鑑賞。

特に犬派でも猫派でもないし、どっちも飼ってないし、今後も飼う気ないし、そんな私でも、最近ツイッターにかわいい動物動画が流れてくると見てしまう。繰り返し見ながら、疲れ
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ネオ・ヒロイック・ファンタジア アリオン(1986年製作の映画)

4.2

プロフィールでことわっているように、評価が高いとはいえ、ススメているわけではありません。この作品は、子どものころ映画館で見た記憶と、そのあと原作マンガも買って、アニメージュのマンガも買って読んでいた。>>続きを読む

人生は二度とない(2011年製作の映画)

3.8

久しぶりのインド映画。2時間半と長いが、インド映画ならこんなものか。

結婚目前のカビールは、友人3人で3週間のスペイン旅行に出かける。
独身最後の男3人の旅行。
男同士のわちゃわちゃを見ながら、いっ
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メイジーの瞳(2012年製作の映画)

3.8

もっと社会派ドラマだと勝手に思っていたが、ある家族に焦点をあてたエンタメドラマとしても楽しめた。

夫婦の離婚。親権の裁判に翻弄される娘デイジー6歳の視線がとてもよかった。
6歳でも両親に気をつかって
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.8

月曜日のレイトショーで見たのが良かったのか悪かったのか。良かったことにしよう。
TOHOシネマズ梅田で、先行上映らしい。

ある小さな広告代理店。むちゃぶりの仕事を断りきれず徹夜続き。毎日、仕事に追わ
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グッド・ナース(2022年製作の映画)

3.6

Netflix作品。加入してないので映画館で鑑賞。
実話に基づく物語と最初に提示してくれる。フィクションだったら納得でになかったかもしれない。

シングルマザーのエイミー。病院のICUで忙しく働く看護
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.1

日本語字幕付き。これはマストなのかはわからないが、日本語字幕はスクリーンにない音楽も表現してくれていた。
左端の八分音符(♪)は、主人公の内面を表していた。ピアノの音、和音だけだったりすることが多かっ
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ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

3.8

映画館に着いてから、ちょっとスマホで作品のことを調べたら、これが2作目であることを知った。さらにはテレビシリーズがあることも。
しまった。が、すでに席は予約済み。楽しめるか不安のまま、映画が始まった。
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.9

原作マンガは、フィルマークスをやっていた方にコメントで勧められて読んでいた。「プロミシングヤングウーマン」を見て、本作のマンガを思い出したとのこと。そのとき「なるほどなー。シスターフッドか」と感じた。>>続きを読む

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018年製作の映画)

3.7

どこまで実話なのかわからないけれど、筋ジストロフィーを患い、車椅子生活の鹿野(大泉洋)とそのボランティアたちの物語。

鹿野のわがままに対して、みんな必死で応えるが、美咲(高畑充希)は「鹿野さんは何様
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.9

邦題のタイトルの「、」は時間の経過を表しているのだろう。

祖母を亡くした母の悲しみ。喪失感を娘のネリーが癒してくれる。
序盤の病院から母が運転する車の後部座席で、スナック菓子を食べ始めるネリー。その
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

エドワードマイブリッジの「走る馬」。その馬に乗っている黒人の名前は残っていない。

ジュープが子どものころ体験したテレビ番組中の悲惨な事故。見せ物だったはずが、こっちを睨みつけている。震えながらのグー
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