鳥羽さんの映画レビュー・感想・評価

鳥羽

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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

5.0

IMAX上映だと朝早い時間からしかやってなかったので(いくらアップテンポなコンサート映画とはいえ)正直睡魔に負けないか不安だったのだが、結果IMAXで大正解!抗いようのないグルーヴの激流に眠気は一瞬に>>続きを読む

スーパーバッド 童貞ウォーズ(2007年製作の映画)

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永遠の名作。くだらなさすぎるネタと青春が限りなく愛おしい。

AIR/エア(2023年製作の映画)

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全編を通してセリフの応酬を飽きさせないカメラアングルと編集でソリッドに仕上げ、終始画面が充実したアンサンブルに溢れている。さらに、敢えてジョーダンを映さず、回想シーンも極限まで削ぎ落とすことで観客の注>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.6

傑作。試合パートも回想パートも素晴らしい。
モーションキャプチャを用いてリアリティを追求しつつ、加筆により細部の動きまで丁寧に表現された試合パートは、3DCG特有の違和感を感じさせないどころか他の表現
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HUSTLE ハッスル(2022年製作の映画)

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展開は王道なサクセスストーリーだが、出てくる人物がとにかく豪華。現役選手からコーチ陣まで、NBAが好きな人間からすれば登場人物だけで満足できてしまいそうな充実度だった(とはいえ一番贅沢だったのはロバー>>続きを読む

アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー(2022年製作の映画)

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アポロ計画で盛り上がる60年代末のヒューストンのカルチャーと家族の日常、そして少年の空想を、ロトスコープを用い写実的に描く。当時の生活風俗をビビットな色彩で映し出しつつ、モノローグを多用し懐古に浸りす>>続きを読む

真夏の夜のジャズ 4K(1959年製作の映画)

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最高すぎる。とにかく全編どこをとってもフォトジェニックで、ジャズ・フェスティバルのドキュメンタリーという範疇を超え、美しく豊かなアメリカが堪能できる。水面の揺らぎからビビットなファッション、熱い演奏を>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

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監督がファッション史的な観点に興味がないのかそういった部分がバッサリ省略されており、ファミリー内外のドロドロとした関係が冷淡に描かれる。煌びやかなファッションや舞台を軸にしながらもマフィア映画並に生々>>続きを読む

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

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ペキンパーによる、独特な緊張感を持続させる編集技術とちょっとしたシーンをしっかり物語に絡ませて説得力を増していく撮り方が絶妙にハマった快作。
とにかくスーツ姿でマシンガンをぶっ放すスティーブ・マックイ
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

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変化を信じる者たちが集い、声を枯らす。スティーヴィーのドラミングやデヴィッド・ラフィンのホイッスルボイス、そしてニーナ・シモンのパフォーマンス(彼女のミュージシャンが持つ責任についてのメッセージは多く>>続きを読む

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

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5部作の中でも熱量は屈指のもの。千葉真一演じる大友勝利と北大路欣也演じる山中正治のそれぞれの生き様はあまりの暴走ぶりにただただ圧倒されるし、ラストシーンの極限状態の山中は歴史に残る名演だろう。役を入れ>>続きを読む

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

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義理と人情をモチーフとするこれまでの「任侠ヤクザ」の虚構の美学を削り取り、シノギと面子の中で数多の醜い欲望が渦巻くリアルを描いた傑作。ほとばしるエネルギーを纏って次々と画面に現れる人々がドス黒い争いに>>続きを読む

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

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やっぱりエドガー・ライトはこういうコメディが最高。カット割りといいテンポといいパロディの使い方といい、彼の技術は笑いと相性が良すぎる。村社会の狂気に堅物(だったが大分柔軟になった)警官が立ち向かうとい>>続きを読む

レディ・イヴ(1941年製作の映画)

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アダムとイブをモチーフにしつつ、御曹司と詐欺師の恋の駆け引きがダブルミーニング的に展開するスクリューボール・コメディ。後半に描かれるアメリカ人富豪とイギリス人富豪(ただし、イギリス人富豪の正体はアメリ>>続きを読む

暴走パニック 大激突(1976年製作の映画)

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全編通して画面が静まる瞬間が一瞬もない。ミニマルな群像劇が終盤のカオスへ向かう様を、激しいアクションとグワングワン揺れるカメラが引っ張る。スピーディーな展開は勿論、マネキンだらけの部屋でのサイケデリッ>>続きを読む

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

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極上のクライム・ムービー。ちょっとした日常の会話の延長に乾いたバイオレンスが広がることで独特のメリハリを生み出し、常に張り詰めた緊迫感が漂う。ショットから小道具からひたすら不穏で、徹底されている。

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

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少々下品だが王道な展開のラブコメに時事性のあるトピックをふんだんに盛り込みながら、破綻するどころか最高の作品にまで昇華させる手腕に驚く。人々が直面する様々な問題についてはしっかりと本質をつき押し付けが>>続きを読む

コラテラル(2004年製作の映画)

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夜の街を魅力的に切り取ることに異常なこだわりを見せるマイケル・マンが一夜の物語を描くのだから、その時点で傑作間違いなし。車内でのスマートな会話と登場人物が交わる引き締まったアクション、そしてあくまで動>>続きを読む

(1949年製作の映画)

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これは素晴らしい。リアルタイム劇ながら良い意味で忙しない感じがなく、ひたすら濃厚なショットと名演に溢れている。
試合前の、不安を抱えつつも情熱を持ちリングへ向かう主人公と彼の身の危険を心配するあまり直
>>続きを読む

サリヴァンの旅(1941年製作の映画)

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心の底から映画の力を信じているからこそできた最高のエンターテイメント。幕を開けて早々映画内映画の強烈な列車アクションに引きずり込まれる。その後のカーチェイスにも勢いに圧倒されるし、とにかく映画がもの凄>>続きを読む

ジャズ・シンガー(1980年製作の映画)

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確かにやや疑問の残る部分もあるが(前妻の扱いが酷いのには同意)、夜景から荒野まで様々な顔を見せるアメリカの風景、煌びやかな演奏シーンとその最中で交差する視線、ローレンス・オリヴィエによる名演など、映画>>続きを読む

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

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『C.R.A.Z.Y.』鑑賞を経て再見。社会と自分の距離感から自分が何者なのかを考え行動していく姿勢は変わらぬものがあるし、その壮大な冒険を美しくもトリッキーに映す演出やクラシックロックへの愛には、キ>>続きを読む

大頭脳(1968年製作の映画)

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ルパン三世のモデルになった男がルパン三世みたいなことをやっているので、ほぼルパン。ただアクションのキレ味は一級品だし、ドタバタのギャグや仕掛けが満載で笑える。

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

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悲劇と喜劇をごちゃ混ぜにしてシュールな世界観を作りあげるコーエン兄弟が送る、めちゃくちゃなおっさん達の不条理奇譚。3人(というかほとんど2人)のやり取りはずっと面白いし(あのエンディング!)、話の筋が>>続きを読む

上海から来た女(1947年製作の映画)

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ただでさえ錯綜したストーリーなのに、ズタズタに編集されて必要なカットすら切り取られてしまった結果かなり流れを掴むのが難しくなっている。しかし、人物の不気味なアップ、目まぐるしく動く視点、鮮やかな風景、>>続きを読む

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年製作の映画)

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自身に潜む悪魔、父との確執、ドラッグと精神科医の魔の手、最愛の家族の死など、数々の困難に直面しても愛を歌い続けるタフな姿勢に胸がいっぱいに。“神のみぞ知る”のコーラスやストリングスは何度聴いても言葉を>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

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空虚感や懐疑心に包まれた潜在的自意識から芽生えた物質主義へのアンチテーゼと自己破壊の礼賛、そしてその極致としてのテロリズムが花開き自己対話へ向かう様を、サブリミナルやCGなどを用いて鮮烈に表現した傑作>>続きを読む

座頭市物語(1962年製作の映画)

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世間に侮られ育まれた反骨精神と剣術を併せ持つ市という強烈なキャラクターを軸に、ふとした出会いによって友情を交わした剣豪2人が運命に導かれ対決に向かうという儚さを描いた傑作。出会いの場面から静かに殺気を>>続きを読む

麻雀放浪記(1984年製作の映画)

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瓦礫が一面に広がる戦後の東京で、時代にしがみつくように生きる男たち。プライドに満ちた熱くも儚い博打打ちの生き様をドライかつスピード感溢れるカメラワークで繋ぐことで、青春映画の面影を残しつつ余韻を許さな>>続きを読む

C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

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素晴らしかった。父と子、兄と弟、性自認、信仰……ひたすら衝突し分かりあえず、でも愛はあるという複雑な関係が、軽快かつ斬新なリズムと時代を彩った音楽を絡めた編集によってポップで美しい物語に昇華されていた>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

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ほぼ全編を極端なクローズアップで映し出し、傲慢・残虐・希望と絶望、そして極限状態といった「顔」が持つ威力を精神がキリキリと擦り切れるような痛さを伴ってこちらに訴えかけてくる。
グロテスクなカメラワーク
>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

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『裁かるゝジャンヌ』でもそうだったが(といってもかの映画は飛び抜けていると思う)、自然主義的というか、とにかく残虐描写に容赦がないのでまずそのスリルに圧倒される。また、濃い陰影に包まれた禁欲的な司祭感>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

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(観た中では)ドライヤー作品で一番好き。ルター派の家父長と対立する反ルター派の家父長、無神論者の長男、子を宿し母性の象徴的立場にある長男の妻、神学を学ぶうちに自らをキリストと信じ込み正気を失った次男、>>続きを読む