時計仕掛けのソガワさんの映画レビュー・感想・評価

時計仕掛けのソガワ

時計仕掛けのソガワ

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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.1

ストレートにいい映画
演習が上手いところがあったし、誰にでも伝わる作品だと思う

千年女優(2001年製作の映画)

3.9

最後の畳み掛けがよかった
場面、演出もいいが、ちょっと説明的すぎるきらいがあるかもしれない

ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)

3.6

イランやアメリカも出てきて、想定外に社会派なのが意外だった

炎628(1985年製作の映画)

4.3

怒涛の不条理と淡々とした描写。序盤の画面的な美しさから、付加されている惨たらしさと暴力。
息もつかせぬ展開。わかりやすすぎる、狙いすぎる嫌いもありながら、徹底的に叩き込まれるシリアスさ。面白い

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.3

傑作。
虚実の入り混じらせ方、演出の大胆さ、風景、事物の美しさ、シティポップ的なメロウな街並み
敢えて解釈を劇中劇に寄せたくなるような虚実の入り混じり方。
この作品を知らなかったのが悔しい

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.1

付かず離れずの独特の距離感、過剰さはないがよく効いているメタファー。
序盤は少し退屈ながらうまく違和感の残るラストが快い。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.1

岡田将生の怪演が良かった。1番跳ねていたように感じる。
相変わらずの意味がよく伝わる会話。ラストシーンだけが猛烈に惜しい、、、

お嬢さん(2016年製作の映画)

4.0

筋が面白いし、ところどころ構図が絵画的で美しい。

ランボー3/怒りのアフガン(1988年製作の映画)

3.8

ひたすらご都合主義的に人を殺しすぎて、かえってスッキリする怪作。
半ばツッコミを入れつつ、どこか惹かれてしまう怖さがある。

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.0

人の描き方がよく、キューブリック独特のひねた台詞回しが爆発。
エンディングも最高。
ただ一方で、キューブリックは色があってこそ、という感じもした。気を配るべきファクターが一つ増えることで、彼の病的なこ
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.1

イマジネーションの限界は、いつもすれすれを渡っていく。語ることのすれすれ、捉えることのすれすれ、分かることのすれすれを舐めていく。決して届くことはない。
いい夢は必ず覚める。だからこそ本物の夢はもう一
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菊次郎の夏(1999年製作の映画)

4.1

人を意図的に笑わせることは難しい。その難しさを軽やかに乗り越える作品。
子分がいて、自由で、あっけないのは他作品と同じ。象徴的な表現や、間の抜けたカットも健在。多くは語られないながらも、登場人物のさり
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.3

人間の心理の何気ない跳躍。その跳躍は往々にして暴力をもって立ち現れるが、本作ほど温かみがあるのも珍しい。
「夫婦ってのは、このお茶漬けの味なんだよ」
主演女優の笑顔が、一度も見せたことのないそれになる
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うなぎ(1997年製作の映画)

4.3

言語化し得ない傷を前にして、それといかに向き合うのか。
飄々とした展開ながら、あるべきものがあり、跳躍もある。狂気や恐怖といった手に負えないものが、幻想的かつこじんまりと描かれ、フィクションに求められ
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

ツイストを踊るところが最高。タランティーノの好きな女もなんとなく伝わってきて、良い。
あっけなさ、シンプルさ。
「俺だって努力してる」
たしかにそうだ。俺だって努力してる。
聖書の味わいもまた深い。

海街diary(2015年製作の映画)

4.0

美しい女を素っ気なく撮る。すると画面が映える。地の美しさが浮いてくる。余剰を除けることで目は美しいものを追う。

原作がある分、要素の掬い上げのためやや冗長だったか。ここで終われば、と思う瞬間が何度か
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Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.2

シブい印象の作品。
淡々として美しいが、カミソリで皮膚でなくダンボールを切った感じの作品。
監督のデッサン力、バランス感がよく現れており、非常に共感しやすいが、少し抑えすぎたか。
暴れた部分が欲しかっ
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ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

4.0

面白い。筋が追いやすくて見ていて辛くなることがない。何気なく映される風物、雲や田園も小津を思わせる美しさがある。
ただ、なんといっても松岡茉優につきる。
この人は今日本で一番魅力的な女性なんじゃないか
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.1

未完成ながら既に鋭く、根底に流れる和音は同じ。
歩くカットが多く、ユーモアもまだ少ない分、のちの作品の方が全体としての味が出やすい印象。その分本作の方が黙して語らない一種の緊張感がある。
暴力の描写が
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ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

3.8

もし自分に息子がいたら…と考えると悔しくなる。
一方で、これくらいはできる!という謎の自信もある。

家族ゲーム(1983年製作の映画)

3.9

常になにかが異常。
異常なので目が離せず、結果的に面白かったな。となる。
二次元的な空間に人間を配置し、そこで複数の出来事を起こすことで的を絞らせない。その画面のさまが妙に頭に焼き付いて離れない。
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

3.9

濱口竜介の根幹は先鋭な捨象にあるのだと思った。
男女が交際するまでの手順を運命的な出会いとキスだけで済ます。ただし、名を呼び気にいる、という本質だけは必ず残す。演出も爆竹を鳴らすというある種の高揚を示
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川の底からこんにちは(2009年製作の映画)

4.1

でもさ、頑張んなきゃいけないんだよ!
というメッセージに共感した。
歌を歌うシーンも最高。
カットも独特で、あけっぴろげさが「今風」というものをうまくえぐり出しているのだと思う。
デフォルメもよく伝わ
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

3.8

演技をどこか平準化することで、出来事自体を浮かび上がらせ、提示させる作品。
冗長な印象だったが、率直さも感じて面白かった。

熟れすぎた乳房 人妻(1973年製作の映画)

3.8

水が垂れるカットや、背景でものが動くカットが、無造作風に計算された美を感じる。
ものの陰に人を置いたり、そういった視覚的な工夫が面白い。

日の名残り(1993年製作の映画)

3.7

原作を読んでいたので、個人の主観が強い原作の描写の特徴と、実際に起きていることの乖離を映画に見た気がした。
その点で非常に面白かった。

007 スペクター(2015年製作の映画)

3.8

ジェームズ・ボンドのダンディさと、画面の派手さと、その現実離れ感との組み合わせがどこか間抜けなような雰囲気を醸している気がして、はすに見る自分を恥じつつもどこか惹かれる悔しさを感じる。

上海から来た女(1947年製作の映画)

3.7

ややわかりづらいく冗長だが、ラストシーンの鏡のシーンは最高。幻想的で惹きつけられる。

めまい(1958年製作の映画)

3.7

筋が面白い。
後世の映画でも似た構図を見たことがある気がするな、というシーンも散見された。

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.2

登場人物の多さに比して、描写のバランスが上手いのか、散らかった印象がない。
死に様が端的かつ美的であり、暴力から目を逸らさずデフォルメもせず、あっけなく率直に描いている。展開が早く飽きない点も良い。

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

4.0

端的に面白い。
人の量、心の動きの描き方、主題、各シーンのウェイト、アングルの新しさ、そういったもののバランス感が良いのだと思った。
途中、月を映すシーンが美しかった。

ノスタルジア(1983年製作の映画)

3.9

絵画的なもの、隠喩的なものの追求が鋭い。
筋も難解ながらギリギリのところで共感力を保っており、画面の中を伝う水や火が花開いている。
水の音、火の揺らめき、語られる言葉のそっけなさ。そしてそれ以上に清新
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.0

荒野の美しさにまず打たれる。その物言わぬ背景のなかで男の傷が鮮明に描かれる。
刻まれた傷の言語化不可能性に、これほどまで率直で的確な表現はなかったように思う。
乾いた地でただ黙り、歩き、遠くを見る。そ
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地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)

3.9

少々長いが、規模の大きさから出る未視の映像の迫力は群を抜いている。
大きいものが傷められ、軋み、ある時には焼かれる。損壊の美や崇高さが画面を覆い、観客は口を塞がれる。
水牛を生きたまま叩き斬るシーンの
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