道士・安野さんの映画レビュー・感想・評価

道士・安野

道士・安野

シネフィルになりたい

一心太助 男の中の男一匹(1959年製作の映画)

3.5

俯瞰で映された魚市がことごとく素晴らしい。
特に夜の月明かりに濡れた道がてらされたときの美しさには痺れた。

大河内傳次郎が薄いメイクで出ていてちょっと驚いた。
喋るといつもの大河内傳次郎なんだけど。

自由を我等に(1931年製作の映画)

4.0

モダン・タイムスの100倍面白い。
社長室で握手するシーンの温かさは『巴里祭』に通じる。

過去を逃れて(1947年製作の映画)

4.0

これぞハードボイルド、これぞフィルム・ノワール。
ラスト、町を去るヴァージニア・ヒューストンの先にある建物の白さ!
これで彼女には幸福が約束されているのだと思い涙した。

ワイルド・アパッチ(1972年製作の映画)

4.7

再見。
アルドリッチの、時にはむな焼けすら起きる過剰な演出がここでは人間の残虐性にだけ絞っておこなわれている。
そこ以外は静かに淡々とした描写の積み重ねで、これだけ社会派のテーマを掲げながら全く押し付
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プレイタイム(1967年製作の映画)

5.0

人生ベスト級。
マジモンの狂気。
冒頭数分のカットが何を語ろうとしてるのか全然分かんないのに異常な完成度の構図。
この調子で二時間だったら発狂するとこだったけどユロ氏が出てからは落ち着くので安心する。
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捨身の一撃(1955年製作の映画)

4.0

ランドルフ・スコットが悪漢と対決するシーンが出色。
悪漢は背中しか映さずスコットのリアクションのみを見せる!

町のボスが自警団に囲まれるときの颯爽とした流れも素晴らしい。

血文字屋敷(1962年製作の映画)

3.6

『十三人の刺客』より面白いんじゃなかろうか。
殺しの演出がアルジェント並に凝ってて良い。
闇討ちした番士の首をはねる→首なし死体が川に浸かる→水面が血に染まったところで首がポコンと浮かぶ、
この流れが
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スタア誕生(1954年製作の映画)

4.5

ウェルマン版も傑作なのだが、こっちも負けてない。
ガーランドの歌声は圧巻の素晴らしさで、バーでthe man that got awayを歌うシーンは鳥肌モノ。
何より緩やかに迫るカメラで捉えられたキ
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生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

4.9

二年前にヴェーラで見たがその時はあんまり乗れなかったので再見。

なんで当時は微妙に感じたのか…。いやこれはちょっと凄すぎる。
ルビッチの気力が破裂しそうなくらい満ち満ちた超傑作。
完璧な省略によって
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レオパルドマン 豹男(1943年製作の映画)

4.0

恐怖を煽りに煽ってから、ヒョイッと画面に映される豹がめちゃくちゃ怖い。
完璧なリズム。

私はゾンビと歩いた!(1943年製作の映画)

3.7

ターナーはメロドラマも上手い。
ブードゥーの魔女として医者のおばさんが出てくるショットの気合が素晴らしい。
ブードゥーの村に行くまでの移動撮影もグッド。

キャット・ピープル(1942年製作の映画)

4.0

傑作!
怪奇サスペンスだと思っていたら己の運命に悩む女の悲痛な物語だった。
路上の音と気配に怯えていたら画面に飛び込んでくるバス!

サスペリア PART2/紅い深淵(1975年製作の映画)

3.8

飛んでくる人形が怖すぎ。
アルジェントで恐怖を感じたのは初めてだ…。

栄光何するものぞ(1952年製作の映画)

4.0

戦地の爆撃機のライトが異様な美しさ。
戦場でしか生きられない男たちを存在させるための圧倒的な説得力。

スタア誕生(1937年製作の映画)

4.5

このおばあちゃんの使い方!
ウェルマンの職人芸が輝く。
自殺を決意したノーマン・メインが見る夜明けの赤さ。
宣伝マンとのバーでの殴り合いのカメラ移動にはびっくりした。
完成度ではキューカー版より上。

シナラ(1932年製作の映画)

3.4

不倫相手の友達が家に押しかけてからの問答の、カット割と人物移動が完璧。

アレクサンダー大王(1980年製作の映画)

4.5

全ての銃声に恐ろしいほどの緊張感がある。
コミューン崩壊間近に男が廃屋を逃げまわるシーンが怖すぎ。

悲しみはいつも母に(1962年製作の映画)

1.1

ちょっと凝った画があろうがこんな醜悪な話で進められたら、たまったもんじゃない。

お祭り半次郎(1953年製作の映画)

4.0

山田巳之助に北川町子が自分の下駄を渡すシーンの温かさに驚く。
こんなに繊細な演出を稲垣浩がするの、『無法松の一生』以来じゃないか。

山田巳之助が殺されてから抜群に面白い。
町中巻き込んだ長谷川一夫と
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次郎長遊侠伝 天城鴉(1955年製作の映画)

3.8

前半は関所を歌って通り抜ける次郎長一家がすこぶる楽しいが、
北原三枝と次郎長の出会いからがこの映画の本番。
鈴木則文は女に腹を切らせたが、マキノは指を詰めさせる!

(2006年製作の映画)

4.0

どういう脳みそしてたらこんな画を作れるんだ。
驚愕の構図と回転運動。

破滅への歩み(1992年製作の映画)

4.0

流れるような動きの連鎖からラストの集合絵がヤバすぎて笑ってしまった。
こりゃすごいわ。

ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年製作の映画)

3.6

なんだか分からないけど異常なことが起きている…という心理の魅せ方が上手い。
庭に生えたサヤを見つけた時の驚愕の表情のクローズアップ!
逃げ込んだ部屋の窓から外を見ると民衆に包囲されているんだが、この人
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次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り(1955年製作の映画)

3.8

クレジットがちょっと凝っててお洒落。
法印大五郎の田中春男や石松の森繁久彌など東宝次郎長9部作と同キャストがいる中で、
大政だった河津清三郎がこっちでは次郎長やってるが、これはこれであり。
殺陣でき
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隣の女(1981年製作の映画)

2.3

前半のスリルが弱い。
ジェラール・ドパルデューがパーティーで発情して迫ってくるシーンは肝なんだからもっと強烈にやってほしかったし、トリュフォーなら出来たろう。

浮気の関係が公になってからは面白い。
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コルドラへの道(1959年製作の映画)

4.5

傑作!
勲章を授与されることになった五人と囚人のリタ・ヘイワースを連れてゲーリー・クーパーが地獄の行軍をするのだが、
この五人が勲章はたまたま貰っただけで本来は利己的なクズばかりなのが恐ろしい。
そし
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飢ゆるアメリカ(1933年製作の映画)

3.5

金持ちになるアカの発明家が面白い。
『僕の採点表』の双葉先生の寸評と話が全然違った。

月形半平太(1961年製作の映画)

4.5

超面白い。
襖越しに影となって現れる初登場シーンからもうヤバい格好良さ!

この月形半平太は大川橋蔵渾身の演技、ベストアクトと言っても良い熱演!
特に酔って謡いながら暴れる殺陣はマキノの演出と合わさっ
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家なき少年群(1933年製作の映画)

3.5

男装女子、ホーボー、列車での殴り合いと『人生の乞食』のセルフリメイクのよう。
殴り合いの苛烈さは相変わらず見事。
少年が列車に轢かれそうになるシーンのスリルも良い。

生活のために車を売り飛ばした後に
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白子屋駒子(1960年製作の映画)

4.1

溝口と見紛う強烈な純愛劇。
ラストのキリストと重ねられる山本富士子の美しさ。

銭形平次捕物控 美人蜘蛛(1960年製作の映画)

2.5

沢島忠みたいなことやってる。
捕物のときの夜間の町のセットが面白かった記憶あり。

子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎(1974年製作の映画)

3.3

撮影が牧浦に戻ったので橋の上の立ち回りでの水面が美しい(死に風に向かう乳母車でもこれくらいやってほしかった…)。
今度の敵は木村功率いる土蜘蛛軍団、集団戦法だけでなく地の利を活かした罠も仕掛けるのが素
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子連れ狼 冥府魔道(1973年製作の映画)

3.5

拝一刀のドロップキックで死ぬほど笑った。
人体損壊描写をガンガン激化させといてドロップキックって(しかも食らった奴は血反吐はいて死ぬ)。

子連れ狼 親の心子の心(1972年製作の映画)

3.2

撮影が宮川一夫になったがいつもより凄いかと言うと然程だ。
演出というか作風はがらっと変わって、
大五郎が普通のキャラクターとして描写されたり、ターゲットの女の仇討ちが中盤のメインだったりする。
拝一刀
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.9

ベティ・デイビスが完全に怪物。
アルドリッチのむな焼けするような過剰性がこれでは完璧にプラスに働いている。
砂浜での狂気のダンスの悲しい美しさ。

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