アノさんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

美しき被告(1949年製作の映画)

3.6

冒頭のロレッタ・ヤングが犯行現場から逃げるくだりが最もサスペンスフル。
時系列シャッフルして行われる犯行シーンはダグラス・ディックのガチ性犯罪者な迫り方の気持ち悪さが圧巻。これは殺す。

ウェンデル・
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血ぬられた情事(1949年製作の映画)

3.5

愛に打たれるファム・ファタール、泣ける。
オープニングで泥酔しているウェンデル・コーリーのへべれけ演技が地味に怖い。

テレグラフ・ヒルの家(1951年製作の映画)

2.0

ヴァレンティナ・コルテーゼが身分を偽装している設定が、サスペンスに全く貢献していない。シナリオ段階でもう失敗している。

結婚(1947年製作の映画)

3.0

上原謙と田中絹代がデートで酒を飲み交わすくだりが可愛らしい。
改心した東野英治郎がまだ誰もいない食卓に座ってカハハと笑う正面ショットが異様な怖さ。この直後に家族が空席にぞろぞろと座ってくるので作劇上狙
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関東破門状(1971年製作の映画)

3.4

こんなに妊婦を惨い目にあわせるヤクザ映画もそう無かろう。ダイナマイトで爆殺される丘みつ子の呆気なさも相当。
渡哲也が常にゾンビのような顔色でなんだか恐ろしい。ラスト、白昼の路上でクソ長いドスをぶん回し
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クレイグの妻(1936年製作の映画)

3.8

「己の欲のままに進んでいたら周囲からは見放される女の物語」というルピノ『強く、速く、美しい』と同構造の映画。
オチの突き放し方(競技場で一人取り残されるサリー・フォレストvs声が間に合わず扉が閉まるロ
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アネット(2021年製作の映画)

3.9

『シェルブールの雨傘』のようにセリフ全部歌にするとメリハリが無くてアガらない(刑務所での父娘の歌でのぶつかり合いをクライマックスにするなら尚更良くない)し、前半の殆どを占めるアダム・ドライバーのトーク>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.0

見てる間はスゲースゲーと思ったが終わってみると爆音しか覚えていない。
宇宙船にはマジで笑った。でも流石にちょっとカットが長すぎると思うぜ。川辺に住んでるおっさんが寝転がって微動だにしない長回し、死んで
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

3.3

『バブル』より遥かに凄いことしてる。そりゃ無茶だろ〜なジャンプアクションを何度もやりながら飽食感がなく良かった。
推理モノの宿命たる段取り臭さと台詞回しの恥ずかしさが無けりゃなあ。しかしこれが味なんだ
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暴行(1950年製作の映画)

3.9

前半の犯行パートが信じがたい恐ろしさ。逃げ惑うときに現れる巨大なピエロの絵、車のクラクションや口笛等のバカでかい音、追うもの追われるものの距離の詰め方、圧倒的!
マーラ・パワードを救う牧師役にはトッド
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砂に咲くバラ/強く、速く、美しい(1951年製作の映画)

3.8

クレア・トレヴァーとサリー・フォレストの関係性が逆転するのがスリリング。
ラストショットの突き放しも相当だが、サリー・フォレストとロバート・クラークが婚約するくだりのロマンスの撮り方も素晴らしい。

我等は楽しく地獄へ行く(1932年製作の映画)

3.5

不幸な女を演じさせたら屈指のシルヴィア・シドニーを負けじと蹂躙していくフレデリック・マーチ圧巻のアル中演技。へべれけになって暴言を吐くといったテンプレートなそれではなく、明後日の方向を見て硬直する、も>>続きを読む

レディース・オブ・ザ・コーラス(1948年製作の映画)

2.8

フィル・カールソンのデビュー中編。
マリリン・モンローの初期作ということ以外どーってことない、甘ったるい一本。ラストはWキスでなくWダンスにしてほしかったところ(レビューシーン少ないって)

皇帝円舞曲(1948年製作の映画)

3.1

ビング・クロスビーが割と動き回ってくれるので中々楽しめる。少し長いがダンスシーンもきれいに撮れてるし悪くない。

処女散歩(1936年製作の映画)

3.0

可もなく不可もなくといったところだが、キャロル・ロンバードは本当にチャーミングで素晴らしい。

茶碗の中の嵐(1937年製作の映画)

2.1

ラスト3分くらいで脚本が完全にぶっ壊れて途端にアホくさく…。犬が暴れまわるシーンは犬種様様なのが少し良かった。

僕は戦争花嫁(1949年製作の映画)

3.5

あまりメチャクチャやってない(船に上がったら海兵隊と乱闘するくらいは必要ではないか)のでホークスにしては落ちる方と思うが、及第点の面白さは余裕で超えている。踏切を越えようとしたら持ち上げられるギャグが>>続きを読む

マカオの竜(1965年製作の映画)

2.8

火力の高すぎるライター。
凶暴な小道具として改造されてるのかと思っていたが、先日『小早川家の秋』を再見したらこちらでもやけにライターの火がデカかったので、昔はそういうものだったのかもしれない。

魔女の宅急便(1989年製作の映画)

4.7

何度見ても初めて街に入ったときの空撮で泣く。

暴れん坊街道(1957年製作の映画)

3.0

千原しのぶの圧勝かと思いきや息子との再会場面では流石の気迫を見せる山田五十鈴。佐野周二が時代劇出てるのは初めて見たが中々悪くない。
移動カメラは内田吐夢らしく良い感じだかあまりにも辛気臭いシナリオでダ
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キートンの隣同士(1920年製作の映画)

3.8

再見。
塀に仕掛けた回転板でお巡りが飛んでいくのマジでワロタ。ワンカットで撮られるアクションギャグはつぐつぐ無敵だな。
3段肩車で隣家を往復→逃げるとドンドン減っていくくだりもクソ面白い。天才。

チャップリンの放浪者(1916年製作の映画)

3.4

縦構図での追いかけっ子。
エリック・キャンベルがエドナ・パーヴィアンスを躾る暴虐性も◎。

月蝕(1956年製作の映画)

2.6

井上梅次は頑張って演出していると思うが、いかんせん三橋達也が主演のメロドラマって華がなさすぎる。

二人で愛を(1941年製作の映画)

3.6

『邂逅』同様、この時期のロマコメは老婆(これではアデライン・ド・ウォルト・レイノルズ)の役回りがとても良い。庭先のブランコに腰掛けたヘディ・ラマーとの会話の情感が染みる。
ラストの鏡とライトの導線から
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マネー・ピット(1986年製作の映画)

3.5

キートン的ギミックマシマシの館アクションコメディ。トム・ハンクスのリアクションがクドくて勢いが削がれていると思うが、面白い。
ぶっ壊れたオーブンから七面鳥が発射されるとこでワロタ。

極楽特急(1932年製作の映画)

3.5

ケイ・フランシスの切符の良さ!ハーバート・マーシャルとのキス→鏡→影の連カットに痺れる。

バブル(2022年製作の映画)

2.5

すべてが脱臭されたような丸いアニメだった。
パルクールをアニメでやるとかえって地味になってしまうのか…。

ヒロインがへそ出しセーラー服風の恰好なのは◎。

御法度(1999年製作の映画)

2.1

セリフのリズム感が最低。こんなに会話が聞き苦しい映画初めて。

ろくでなし野郎(1961年製作の映画)

3.4

日活和製ウエスタン。
とにかく二谷英明の飄々とした風情が良い。対する安部徹の悪役造形も中々。不肖の息子郷えい治を叱咤するシーンがいかにも西部劇のあくどい金持ち。

朝霧街道(1961年製作の映画)

3.7

良くあるシナリオに覆い被さるような、上手さが歪にも思える加藤泰節。
特に木暮実千代が本格的に絡んでからのボルテージの高さは特筆に値する。チンピラと乱闘騒ぎを起こす高田浩吉を背景に呑む木暮実千代を捉える
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無頼無法の徒 さぶ(1964年製作の映画)

4.4

これは正に傑作。小林旭ベスト。
小林旭が濡れ衣を着せられてからのノワールぶりは日本映画屈指。路上で警官にぶちのめされて運ばれていく俯瞰を筆頭に、セットとカメラが生む充実した構図で満たされている。小林旭
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曳き船(1941年製作の映画)

3.8

再見。沈没寸前の船内で罵りあう船員たちを追ったカメラが物凄い臨場感。

底知れぬ愛の闇(2022年製作の映画)

3.3

殺人にまつわるサスペンス皆無だが、浮気相手も逃げようとする妻の荷物もムカつく隣人もまとめて水底にドーン!後は娘が歌ってハッピー!なオチが大変良かった。
終盤のチェイスで突然作家が三下セリフを吐きまくる
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すべてが狂ってる(1960年製作の映画)

2.8

こういう社会への青い反発モノはいかに若者の哀れさに乗れるが肝になると思うが、長門裕之の負傷の甥っ子って感じの川地民夫ではちょっとね。
ドライブシーンのカメラは良いと思います。

ハード・ウェイ(1991年製作の映画)

3.1

凸凹バディモノ…のわりにマイケル・J・フォックスがおとなしめなのがやや物足りない。
クライマックスの人形看板上での戦いは見もの。

海底から来た女(1959年製作の映画)

2.0

いかにも文芸映画な心理の野暮ったさで怪奇性ゼロ。