ナガエさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ナガエ

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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

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これは面白い映画だったなぁ。しかも、映画の結末まで含めて、これが「実話を基にしている」ってのが凄い。「良い話」という括り方で簡単にまとめられない物語ではあるが、「良い話」と受け取りたくなってしまう物語>>続きを読む

パレスチナのピアニスト(2020年製作の映画)

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メインで描かれる、プロピアニストを目指すミシャは、なかなか凄いと感じる。ピアノの素養がないので分からないが、彼は10歳からピアノを始め(プロを目指すような人がピアノを始める年齢としてはかなり遅いのでは>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

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凄かった。


映画を観ながら、何度か混乱した。フィクションなのか、ドキュメンタリーなのか、分からなかったからだ。

映画を観る前、僕はこの映画のことを「フィクション」だと思っていた。その理由は、プロ
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こどもかいぎ(2022年製作の映画)

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これはなかなか面白い映画だった。マジで子育てしている人はみんな観た方がいいんじゃないかと思う。

【ぼく、人類を増やしたいと思って生まれてきたんだ】
【東京ドームシティから生まれた】

自分が生まれた
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猫と塩、または砂糖(2020年製作の映画)

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なかなか変な作品だった。面白かったのかと言われるとなかなか答えにくいところはあるが、嫌いじゃない。

なかなか興味深いポイントは、「どれだけ奇妙な鍵でも、それが入る鍵穴があれば問題ない」という点だと思
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戦争と女の顔(2019年製作の映画)

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僕はそもそもこの映画を「ドキュメンタリー」だと勘違いしていて、どうしてそう思っていたのかというと、この映画に関する情報をチラッと目にした時に、『戦争は女の顔をしていない』という証言集が基になっていると>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

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この映画について知っていた情報は、「90分間、正真正銘のワンカット」であるということ。映画を観た後、公式HPを見てみると、編集を一切せず、CGもまったく使っていないそうだ。本当に、ヨーイドンでカメラを>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

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何が良かったのかとても説明は難しいのだけど、なんだかとても良い映画だった。50年以上前の映画とは思えない、「50年以上前を舞台に、50年以上前の映像の質感を再現して現代で撮られた映画」と感じてしまうほ>>続きを読む

神々の山嶺(2021年製作の映画)

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どうもこの物語、どこかで見覚えがあるなぁと思ったら、同じ夢枕獏の原作を阿部寛・岡田准一主演で実写映画化した『エヴェレスト 神々の山嶺』を観ていたようだ。そりゃあ知ってるわけだ。

昔自分が書いた感想を
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Blue Island 憂鬱之島(2022年製作の映画)

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とても変わったドキュメンタリー映画だった。元から構想されていた部分に、現実の激変が加わって、このような構成になっていったそうだ。

映画後に、香港にいる監督とZoomで繋いで行われたトークイベントで監
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ポーランドへ行った子どもたち(2018年製作の映画)

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ちょっと思ってる漢字の映画じゃなかったかなぁ、という感じだった。別に、「どういう映画であってほしい」という期待をそこまで持っているわけではないのだけど、ちょっとなんだかなあ、という感じではあった。>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

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今村夏子の原作を読んだとき、衝撃を受けたことを覚えている。大分昔に読んだので既に、内容も読後感も忘れてしまっているのだが、「とんでもない作品だった」という記憶だけは強烈に残っている。

映画も、とても
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

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すげぇ。
マジですげぇ。
「ロシアの暗部を暴く」ってドキュメンタリー映画で、まさかこんなに「ワクワク」すると思わなかった。
もちろん、「ワクワク」って表現は不謹慎極まりないが、ただ、「暗殺されかけた当
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アルピニスト(2021年製作の映画)

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凄い人間がいるものだ。そして映画を観ながら、「彼のように生きられたらいいだろうな」と感じた。恐らくその感覚は、現代を生きる多くの人が本質的に抱くものではないかとも思う。

別に、彼のように岩壁を登りた
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犬王(2021年製作の映画)

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変な話!(天才!)変な話!(天才!)変な話!(天才!)変な話!天才!

って感じの作品だった。なにこれまじ天才なんですけど。いや、正直、全然理解は出来ませんでしたけど。でも、極大の天才だった。

って
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スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

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冒頭から、「監督の母」が画面に映し出される。大動脈瘤の手術をした直後から、これまで聞いたことのなかった「済州4.3事件」の記憶を語りだした、という場面だ。

そんな始まり方をする映画なので、僕は当初、
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

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こりゃあ凄い話だったなぁ。

設定をほぼ何も知らずに観に行ったのだけど、とりあえず観ていく内に、「ソマリアから脱出する話だ」ということは理解できた。内戦がまさに始まったソマリアで、反乱軍が暴れまわり、
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

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いやー、なるほど、これは色々考えさせる良い映画だったなぁ。フィクションだと分かってても、「実際にどこかで起こっててもおかしくない」と思わせる物語だった。

まず物語の設定をざっと書いておこう。

イベ
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アトランティス(2019年製作の映画)

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『アトランティス』という映画がいつ完成したのかわからないが、少なくとも、2019年に第76回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞、東京国際映画祭審査委員特別賞を受賞している。

その事実を知ると
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

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「これが『正義』です」という押し付けが、僕はとにかく嫌いだ。

まさに昨日だが、アメリカの最高裁が「憲法は中絶の権利を与えていない」と、それまでの判例を覆す判断をした。キリスト教の国であり、宗教も絡ん
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PLAN 75(2022年製作の映画)

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フワッとした感想になるが、ピリッとしたものが足りなかったと感じてしまった。

設定は好きだし、役者の演技も良かったと思う。ただ、ストーリー全体が、「予告編を観て想像した範囲に留まる」という印象で終わっ
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マタインディオス、聖なる村(2018年製作の映画)

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映画としては、ちょっとなんともよく分からなかった。そもそも「ドキュメンタリー」だと思って観に行って、最後の最後まで「ドキュメンタリー映画なんじゃないか」と思っていた(まあ、冒頭のシーンから、明らかにド>>続きを読む

ショーシャンクの空に 4Kデジタルリマスター版(1994年製作の映画)

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もちろん良い映画だった。さすが名作と言われるだけのことはある。

ただ、どうしてもこうも考えてしまう。どうにかしてこの「ショーシャンクの空に」と、「名作である」という事実を知らずに出会う方法はないもの
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オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

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オードリー・ヘプバーンの孫が、こんな風に言う場面がある。

【世界一愛された人が、愛に飢えていたなんて悲しい】

同じ人物が、こんな風にも言っていた。

【父が、「オードリー最大の秘密を教えてあげよう
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ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行(2021年製作の映画)

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うーむ、という映画だった。あまり面白いとは感じられなかったのだが、その理由が僕の方にあるかもしれないのでなんとも言えない。

この映画では、「新しい映画言語を生み出したか否か」という「革新」に焦点が当
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

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正直に言うと、あまり面白くなかった。
そして、その感想は「良くない」と感じる。
この映画を観て、「自分の『世界の捉え方』」について色々と考えさせられた。

映画の冒頭で、

【これは実話である。(Th
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

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相当イカれた映画だったな。どう評価すべきか悩む。


内容に入ろうと思います。
結婚式という晴れの舞台を迎えた新婦のマリアンは、父が知られた実業家であることもあり、多数の来賓客を呼んだ盛大なパーティー
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夜を走る(2021年製作の映画)

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内容に入ろうと思います。
銅や鉄のスクラップを生業とする武蔵野金属で働く秋本と谷口。秋本は、真面目で実直な正確ながら、仕事で成果を上げられるタイプではなく、上司の本郷からいつも嫌味ばかり言われている。
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ドンバス(2018年製作の映画)

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なかなかよく分からない映画だった。


ロシアによるウクライナ侵攻のニュースを見ていたから、「ドネツク人民共和国」という名前に聞き覚えはあったし、ウクライナ東部である親ロシア地域でウクライナからの独立
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ゴースト・フリート 知られざるシーフード産業の闇(2018年製作の映画)

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予告でこの映画の存在を知って、「絶対に観る」と決めていた。予告で流れる情報でも既に、そのあまりの衝撃的な事実に驚愕させられるほどの内容だ。

決して他人事じゃない。何故なら、映画のラストに、こんな表記
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私だけ聴こえる(2022年製作の映画)

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なるほど、ホントに、まだまだ全然知らない世界があるものだ。観て良かった。

【私たちは聴者でもろう者でもない。コーダという種族だ。私たちにしか経験できないことがある】

登場人物の1人がこんなことを言
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息子の面影(2020年製作の映画)

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内容に入ろうと思います。

息子の消息が分からない。友人と国境を越えると告げたきり、連絡がないのだ。メキシコでは、若者が国境を越えようとして命を失うことが多い。母マグダレーナは、警察に相談するが、まと
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流浪の月(2022年製作の映画)

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僕は、「目で見て分かること」に”しか”反応できない世界を日々軽蔑している。

「目に映ること」で”しか”語れない人に対して日々苛立ちを覚えている。

だから、毎日イライラしている。

【なんだか生き返
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私のはなし 部落のはなし(2022年製作の映画)

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面白かった。「面白い」という表現は不適切かもだけど、シンプルに面白い映画だった。205分という上映時間にはちょっと躊躇したけど、観て良かったと思う。

「部落差別」とか「被差別部落」という言葉をいつ知
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クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち(2015年製作の映画)

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あまり賛同してもらえないが、どんな場合でも僕は「ある程度制約がある状況」の方が好きだ。「便利さ」にあまり飛びつくことはない。考え方が古いから新しいものに手を出さない、というわけではないつもりだ。そうで>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

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さて、なかなか評価の難しい作品だ。

僕の率直な感想は、「面白かったけど、人に勧めるのは躊躇するなぁ」という感じである。

まずは「躊躇する理由」から書いていこう。それはシンプルに、「そこはかとなくダ
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