Yutakaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ストーカー(1979年製作の映画)

3.8

『ノスタルジア』ぶりにタルコフスキーにチャレンジしたけど、まだ自分にはバチッと来なかった。彷徨って内省して、やっている事はあまり『ノスタルジア』と変わらない。そして、自然と調和して引き起こされる映画を>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.4

予想以上に良くて驚いた。これは去年劇場でIMAXで観るべきだったかも。決して新しいオリジナルな作品ではないんだけど、過去の様々なSF作品を参照して作られているのが分かる。もちろん、『ブレードランナー』>>続きを読む

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

5.0

家の外に全く出ない室内劇で、基本的には会話劇ベースであるにも関わらず画面に釘付けになった。ファスビンダーとバルハウスが天才すぎる。計算された画面の構図、セットの配置。ペトラはファッションデザイナーであ>>続きを読む

メトロポリス(1927年製作の映画)

4.5

古典中の古典。凡そ100年前とは思えない完成されたディストピア観。自分が崇拝する『ブレードランナー』も本作がなかったら存在していないだろう事を踏まえると、あまりにも偉大な作品。
その凄さは、単に設定を
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.3

再鑑賞
5年ぶりくらいに見返した。ヴィルヌーヴは本作からSF作家になっていく。大抵のファンの声と同じく、自分もSFじゃない路線の方が好きだけど、彼の撮るSFは彼独自の語り口があるからめっちゃ好き。
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運び屋(2018年製作の映画)

4.3

『グラン・トリノ』はイーストウッドによる次世代に向けた遺言のような作品だったけど、本作はそこから結局現役で映画も撮り続けて88歳にまでなったイーストウッドが撮った、再び自分の人生と照らし合わせた様な作>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.4

傑作。近年のマッチョイズムに対する異常な程強い風当たり。まるで男らしい事が罪であるかのように責め立てる論調が一般的だけど、今作くらいのバランスが1番いいと思う。イーストウッドによる自省的な、オールドス>>続きを読む

プリズナーズ(2013年製作の映画)

4.7

凄すぎた。。。これでドゥニの作品は粗方見たけど全部が全部凄い。今作も例に漏れずヤバすぎ。このサスペンスの持続力、フィンチャーとヴィルヌーヴ以外で感じたことないよ。或いはイーストウッド。本作を見て連想さ>>続きを読む

THX-1138(1971年製作の映画)

3.2

ルーカスの処女作にして、ディストピアSFの金字塔だと思うけど、今見ると流石に落ちちゃう。前半後半結構面白くて、フォーディズム感じる機械工場の前半やラストのカーチェイスとか良かったけど、中盤の『しんぼる>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.5

去年見に行けなくて年ベス入れれなかったけどこれは余裕で入る。クローネンバーグの久々のボディホラーは集大成と言っても過言では無い作品だった。まず設定で感染症と痛みが無い世界って身体イジりまくる気満々で笑>>続きを読む

クリムゾン・タイド(1995年製作の映画)

4.4

面白すぎ。あの頃のハリウッド映画を観たかったらとりあえずトニー・スコットっていうくらい信頼と実績あるな。トニスコ印の大仰さは雨降る中の出港シーンや、忙しない艦内の演出からコッテコッテに出てるけど、彼が>>続きを読む

スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)

3.6

ただただ楽しかったけど、前半はちょっとだれてたし、前2作に比べるとクオリティは落ちた感じ。エイブラムスのつくる壮大なスペースオペラ感は無くなって、TVシリーズ的な小手先の演出が増えた気がした。でも、そ>>続きを読む

スター・トレック イントゥ・ダークネス(2013年製作の映画)

4.0

2作目でちゃんと進化してる。規模もより大きくなってアヴァンタイトルの惑星救出シーンから面白い。前作ではまだ見えてこなかったスポックの魅力も今作では爆発。スポックが感情を手にしていく物語でもある。カーク>>続きを読む

スター・トレック(2009年製作の映画)

3.7

SFファンとしてリブートくらいは見といた方がいいと思って見始めたら、予想以上に面白くてビビった。それも、何かとトレッキーってコメディ映画とかでネタにされがちだからちょっとバカにしてた部分もあったけど、>>続きを読む

リベリオン(2002年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ典型的な管理社会ディストピア映画で、「1984年」や「華氏451度」のハイブリッドのような設定でオリジナリティは一切無いけど、そんな型にハマった主人公が自我を取り戻していく系のストーリーだ>>続きを読む

エボリューション(2001年製作の映画)

3.0

ちゃんとめちゃくちゃB級のSFコメディだった(笑)。緩いオフビートな感じが面白い、とまでは行かず、消防士ともう1人の黒人教授のキャラが滑りすぎてた。ジュリアン・ムーアがコケるキャラなのも浮いてて変だっ>>続きを読む

サイン(2002年製作の映画)

4.1

今まで見てきたシャマランの中で1番好きだったかも。シャマランのメンター、スピルバーグに準えるなら、本作はシャマランにおける『未知との遭遇』。
『シックス・センス』や『アンブレイカブル』はシャマラン独自
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

2.9

2023年を持ってサブスクに来なくなるって言うんで満を持して年内最後の1本に選んだのに全然ハマらなかった。もっと深い人間模様を見られると思ったのに、ただジャスミンがハッピーぽい事してハッピーぽくなるだ>>続きを読む

Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

5.0

えぐすぎ。エンターテインメントの最高峰を観た。近年、ライブのチケットはどんどん高騰していってるけど、これだけのモノを見せられたら何も文句は言えない。
「Lemonade」では黒人女性をエンパワメントし
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ニューヨーク1997(1981年製作の映画)

3.2

マンハッタンを丸ごと刑務所にするという設定は面白いけど、全体的に緊張感が無くて金足りなかったんだなぁ〜っていう箇所が幾つもあるけど、そんなチープな所も愛しましょう。しかしディストピアは『ブレードランナ>>続きを読む

A KITE~INTERNATIONALバージョン~(2000年製作の映画)

3.8

容赦のないゴア描写。18禁バージョンは見れてないけど、エロアニメのそれとは思えない行き過ぎたアクションはヤバい。銃弾が体内に入って破裂するアクションがゴアを天才的に加速させる。
1時間もないけどストー
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

-

画面がヨボヨボすぎて前半ずっとウトウトしてしまったので、また見返したい。それでも、後半の容赦無い展開はやはりノエらしく見応えがあった。老夫婦の死にゆく様を冷徹に描写したノエは、『エンターザボイド』を撮>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

4.3

これランティモス自身が相当恋愛コンプレックス無いとこんな映画作れないよな。自分も多分相当冷めた恋愛観を持っているので、この映画が描く恋愛の虚構性には激しく共感出来た。しかも、それをこんな独特の世界観で>>続きを読む

エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ち(1997年製作の映画)

3.3

普段なら見ないタイプのクライム系ラブコメ映画だったけど、全盛期のアリシア・シルヴァーストーンとベニチオ・デル・トロに惹かれて見た。そしたら、めちゃくちゃ好きなRed House Paintersの「A>>続きを読む

マンダレイ(2005年製作の映画)

4.3

基本的には前作『ドッグヴィル』と同じ。今作では更にテーマを絞り、黒人奴隷制から教訓なんか無いという教訓を描く。前作のラストで示された赦しの傲慢さ。今作ではその傲慢さにフォーカスが当てられ、まるでジョー>>続きを読む

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.6

『ダンサーインザダーク』に続き、今作もやはり痛烈なアメリカ批判であると同時に、画期的な映画のフォーマットを用いた挑戦的な作品。前作で飛行機恐怖症でアメリカに渡れないにも関わらず、アメリカの精神的暗部を>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

3.0

ひたすら顔のクローズアップをカサヴェテスタッチで撮り続けて、めちゃくちゃ凄くて革新的な映画なのは分かるけど、あまりにも冗長すぎて結構しんどかった。これくらいの中身だったら90分くらいに纏めるべき。『ア>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.2

あんまだったかも。相変わらず撮影とか良すぎて、あまりにも美しいショットだらけだったし、ティモシー・シャラメを撮ることにかけてルカ・グァダニーノに及ぶ人はいないと改めて感じたけど、シナリオがちょっと弱か>>続きを読む

フローラとマックス(2023年製作の映画)

4.6

良すぎた。ジョン・カーニーありがとう。音楽が好き過ぎる自分のために作ってくれたような映画。しかも、最近自分もdtm始めたりとか重なる部分があって激沁み。音楽に宿る普遍的な価値を再確認させてくれた。音楽>>続きを読む

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

5.0

鬱映画、胸糞映画と一括りにされがちだけど、そんな短絡な謳い文句使える奴ちゃんと映画観たのかと疑いたくなる。自分はこの映画の中に奇跡を見ました。
その形式を逆説的に使用するミュージカルシーンが無かったら
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戦慄の絆(1988年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

クローネンバーグといえばボディホラー。今作で扱っているのは一卵性双生児のアイデンティティの同化と崩壊で、結合双生児ならまだしもマインドホラーの話だよなと思いつつ見進めていくとれっきとしたボディホラーだ>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.5

良くも悪くもフランスらしいブラックジョークコメディ。ヴィーガンの矛盾を突く容赦なく一線を越える風刺は笑っちゃうけど、最近アメリカで右翼の白人おっさんが環境活動家を射殺する事件もあって、一方的な風刺もち>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.8

見る時期によってはめちゃくちゃ刺さるやつ。それこそ1年前くらいの超拗らせてる時だったらめっちゃ刺さったかも。拗らせ通り越して達観の域に今はいるので、あんまり感情移入できなかった。今となってはこういう拗>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.0

面白かったけど期待してた程の爆発は無かった。ストーリーは超王道の成り上がり系。実話ベースだからしょうがないけどカタルシスがこれ系にしては若干足りなかった。人間関係も全部しっかり描いていて、若干冗長さも>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.2

ファイナルにして最高更新してきた。マックの執行人ぶりは更に進化。前作は内輪もめだったからあまりスカッとする勧善懲悪が見れなかったけど、今作では初心に帰って自分の周りの人々に降りかかる不条理を取り除き、>>続きを読む