Yutakaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

カポーティ(2005年製作の映画)

3.7

「冷血」を書いた作者もまた冷血であった、、、
カポーティの最高傑作にして長編としては最終作となる「冷血」を書き上げた背景の映画化。ノンフィクション小説の金字塔となる傑作の代償として、カポーティは心
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冷血(1967年製作の映画)

4.5

カポーティの原作はオールタイムベスト級に好きな小説なんだけど、かなり忠実に再現されていると思った。昔読んだ時の脳内映像をそのまま見ている感じがした。
それに加えて、クインシージョーンズのジャジーな劇伴
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砂の惑星(1984年製作の映画)

3.6

確かに編集はダイジェストのようなツギハギ感で中々キツいものがあったけど、これに関してはスタジオシステムのせいだからどうしようも無い。だけど、美術や表現はリンチらしさに溢れていて良かった。ヴィルヌーヴ版>>続きを読む

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

5.0

20/8/21
純愛と歪曲したマゾヒズムが入り乱れた混沌をベースに、もう言葉では説明し難い狂気を孕んだ映画。Fuckを連発するデニス・ホッパーが面白かったし、イザベラ・ロッセリーニの体を張った演技は見
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

5.0

21/10/17
難解という域を通り越して一種の満足感を覚えた。理解ではなく不理解によって映画を観ているこちら側がまるで主人公の様な感覚に陥るという奇妙なシンパシー体験。今のところ考察を見ていないから
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バビロン(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

実際、賛否分かれているように評価の難しい映画だった。めちゃくちゃ面白い部分もあるけど、微妙なところもある。
映画全体としてじゃなくて、1つずつのシークエンスで考えるとめちゃくちゃ面白くて、何にもない砂
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2048:ノーウェア・トゥー・ラン(2017年製作の映画)

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サッパーの前日譚。これは良いしめちゃくちゃ切ない。サッパーめちゃくちゃ良い奴じゃん〜

2036:ネクサス・ドーン(2017年製作の映画)

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まあこれはおまけ程度。ウォレスがレプリカント禁止法を撤廃しようとネクサス9型を紹介する話。

ブレードランナー ブラックアウト 2022(2017年製作の映画)

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渡辺信一郎が手がけるブレラン2049前日譚。2049の冒頭で語られるブラックアウトの真相。普通にアニメとしてクオリティ高くてめちゃくちゃカッコいい。何気に青葉市子が声優やってるし音楽フライングロータス>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.4

再鑑賞
ひっさしぶりに見返した。超良質なSF作品であるのは間違いないけど、やっぱり前作と比べると完成しすぎちゃってる。プロットとかも本当にしっかりしてて映画としては完璧に近いと思う。だけど、このレプリ
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ面白い。映画ファン必見のドキュメンタリー。映画における音ってつい劇伴ばかりを想像してしまうけど、色々な音のレイヤーによって映画が成立してる事に気付かせてくれるし、そこには膨大な時間とスタッ>>続きを読む

ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)

3.8

悪趣味映画の金字塔。遂に見た。『マルチプルマニアックス』で炸裂した狂気の悪趣味はアート的に着地したけど、これは悪趣味のまま終わるという極致。滅茶苦茶だけど割と見やすくてエンタメ性もあるし良かった。ただ>>続きを読む

トリコロール/白の愛(1994年製作の映画)

4.3

青の愛より幾分か好きだった。それはこれが男性目線から描かれてるからなのかもしれないけど。青の愛は結構アート系で抽象的な恋愛映画だったけど、今作はもっと分かりやすくコメディ要素が強くて個人的には結構楽し>>続きを読む

お早よう(1959年製作の映画)

3.7

高度経済成長期の新興住宅地を舞台にした子どもの反乱劇。テレビを買って貰えない子供たちの些細な反抗が、日本語の持つ本音と建前を浮き彫りにする。
小津調のローアングルが今作では子供目線でバチッとハマってい
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

3.8

ラストで持ってかれた。2人の聾唖者のカップルを中心に据えたラブストーリーとはいえ、近年のこういった作品にありがちな湿っぽさは一切ないのが良かった。それまでの北野作品同様、どこか達観したような覚めた目線>>続きを読む

みんな〜やってるか!(1994年製作の映画)

3.3

たけしが"ビートたけし"として初めて撮った映画だけど、明らかに"北野武"が垣間見える瞬間も多々あった。別に2時間のコント特番では無いわけで。
基本的にはナンセンスなギャグの連続で、今ではコンプラ的にち
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座頭市(2003年製作の映画)

3.7

自分が持っていた時代劇の概念を覆された。たけし扮する座頭市は金髪だし、道具を使ったトライバルな演奏とタップダンス。セルアウトしたって言われてるけどかなりアヴァンギャルド味を感じさせるような演出やアイデ>>続きを読む

3-4x10月(1990年製作の映画)

4.3

監督2作目でこんなん作るのやばすぎる。松っちゃんがシュール路線で映画撮って失敗したけど、これはその成功路線っぽい。笑いも主演の柳ユーレイの飄々とした演技を軸としたシュールな笑い。ベタで可愛げのある笑い>>続きを読む

ビバリーヒルズ・コップ2(1987年製作の映画)

3.9

再鑑賞
1より面白い。監督がトニースコットになって明らかに画作りが上手くなった。照り返すようなメラメラとした夕焼けをバックにしてアクションも前作より進化。敵の規模感が大きくなってロケランも出てくる始末
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Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.5

やっぱたけし天才だな〜。
あらすじだけ見ると、くっさい青春映画で終わってもおかしくないんだけどこの哀愁が他では味わえないんだよなあ。全てに哀愁が漂っている。もちろんギャグにもどこか寂しさがあって、その
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ビバリーヒルズ・コップ(1984年製作の映画)

3.8

再鑑賞
小学生位の頃エディ・マーフィ好きでよく見てたけどさすがに期間空いたから新鮮に見れた。でも内容覚えててもそんなに面白さは変わらなかったと思う笑。結局はエディ・マーフィの会話とジェスチャー。今でも
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.7

ワンシチュエーションパニック映画としてはクオリティ高すぎで、『海底47m』を彷彿とさせるようなつくりでそれを凌駕する完成度。
高さを感じさせる演出が上手すぎてずっと怖いしちんさぶも止まらない。2人のキ
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コマンドー(1985年製作の映画)

3.6

結局こういう猿でもわかる脳筋アクション映画が1番面白いのかも。80年代を感じさせる大味プロットと爆破の連続でお気楽で楽しい。時間も90分でサラッと見れるしメロドラマ要素も無くて本当にアクション全振りで>>続きを読む

スターシップ・トゥルーパーズ(1997年製作の映画)

4.6

面白すぎるし斬新。映画1本まるまる第二次大戦時のプロパガンダ映画をオマージュしたような軍国主義を風刺した映画になっていて、しかもそれを逆手にとってそのマッチョイズムな社会でしか形成されない友情の美徳を>>続きを読む

トータル・リコール(1990年製作の映画)

4.0

再鑑賞
フィリップ・K・ディック原作だし、『ブレードランナー』みたいに哲学的で深淵なテーマを持つ繊細な実存を問う系のSFになってもおかしくないのに、敢えてシュワちゃんを起用して脳筋ゴリゴリアクションS
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

映画界だけではなくて社会にも大きな影響を与えた#MeTooムーブメントの発端となったワインスタインに対する告発。もちろんこの事は知ってたけど、ここまでクソだとは。まじでバケモンすぎる。会社のトップに座>>続きを読む

氷の微笑(1992年製作の映画)

3.8

シャロン・ストーン魔性の女すぎた。あんな美貌もってたら誰でもハニトラ引っ掛かるって。ヒッチコックの『めまい』同様、サンフランシスコを舞台に男が女に狂わされていく。やっぱりサンフランシスコがロケ地の映画>>続きを読む

ショーガール(1995年製作の映画)

5.0

当時はラジー賞も総ナメにしたほど評価が低かったらしいけど、なんで?めちゃくちゃ良い映画だし超面白いやん。最近は再評価されてきてるっぽいけど。
多分色々言われてたのはほぼポルノといっても良いほどトップレ
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捜索者(1956年製作の映画)

2.7

うーん、あんまりというか全然好きじゃなかった。いまやジョン・フォードの最高傑作とも呼ばれている本作だけどそれはどうかと思う。
モニュメントバレーでの撮影は圧倒的に美しくて、OPとラストの対比的なショッ
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駅馬車(1939年製作の映画)

4.3

映画の教科書のような名作として名高い本作。ジョン・フォードもジョン・ウェインも初めてみた。クローズアップで寄っていって登場するジョン・ウェインのオーラえぐかった。暫くは幌馬車内の人間模様を中心に描かれ>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.6

ずっと後回しにしてて漸く見ることが出来た。最近自伝的な映画を撮る監督が増えてるけどそれの走りみたいな作品だし、圧倒的な完成度だった。去年も『ベルファスト』とかあったけど正直レベルが違う。
オープニング
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.6

めちゃくちゃファンタジー。どちらかというと苦手な部類の映画ではあるけど、それを超越する編集とかカメラワークだった。
デヴィッド・ロウリーお得意の長回しがちゃんと利いていて良かった。彷徨い自己探求する内
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拷問男(2012年製作の映画)

3.2

タイトルから予想してアホなスプラッター映画を想像してたら案外そうでもなかった。原題がDaddy's little girlだからまあそういう話。スプラッター映画って基本的には不条理でとてつもない暴力で>>続きを読む

セルピコ(1973年製作の映画)

4.0

やっとみれた。やっぱりシドニー・ルメット×アル・パチーノは外さないし、個人的には『狼たちの午後』より好きだった。
汚職に立ち向かう警官の話だからちょっと説教臭いと思ってて見るの嫌だったんだけど、この時
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.1

もちろん『スリービルボード』の方が分かりやすくて面白かったけど今作は作家として本領発揮されてる感ある。
2人の親友のいざこざを見ているだけで普通に面白いんだけど、閉鎖的な島というコミュニティで描かれる
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

3.5

久々に脳死で楽しめるアメコミ映画の新作見た気がする。最近のMCUはマルチバースだ葬式だの何だか辛気臭いんだけど、DCEUはただただ楽しいヒーロー映画を作ってくれてるから信頼出来る。今回も勿論面白かった>>続きを読む