酉革多郎さんの映画レビュー・感想・評価

酉革多郎

酉革多郎

処刑人(1999年製作の映画)

3.7

ウィレムデフォーの独壇場。圧倒的存在感に突飛な行動の似合う風貌は唯一無二である。
主人公たちは街のダニを殺す能天気な一般人であるところがさいこうだが、足りなくなってくる苦悩や頭脳、コメディまでを1人で
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

ほとんど自分感情を吐露しないオッペンハイマーの姿を画面の情報のみで伝えられる監督の力。大袈裟な演技ひとつもなく真摯に彼の感情を表現し切ったキリアンマーフィー。
感情を爆発させ、仇を忘れず復讐のために執
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ラバーボーイ(2014年製作の映画)

3.5

驚くべきジャケット詐欺
全く進まない序盤。だからといって他に見せ場があるわけでもない。エロ売りでエロくないとはこれいかに。
ラバーボーイが動き出した後はほんのり面白くなってくるが、殺人のテンポが悪く、
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キック・アス ジャスティス・フォーエバー(2013年製作の映画)

3.7

前作と打って変わって内的で、少し陰鬱なストーリーの映画

前作で感じた醍醐味は、可憐な少女が罵詈雑言を浴びせながら犯罪者たちをぶっ飛ばす様というミスマッチさであったが、そこはかなり抑えめになった。クロ
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見えざる手のある風景(2023年製作の映画)

3.6

強烈なビジュアルの宇宙人の登場する、SF映画。
近未来、宇宙人によって地球は経済的な侵略を受けていた。
徐々に変わっていく生活と身辺、それでも強かに成長を続ける主人公の姿が、淡々と描かれる。
貧富の差
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バンパイアハンターD(2000年製作の映画)

4.0

耽美な映像が織りなす、恐ろしく切ない物語。

リアル寄りの描写に天野喜孝の美しきキャラデザが合わさり、セル画の頂点のような作画の美しさに息を呑む。

レトロフューチャーな世界観とイカついマシンの数々。
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(2023年製作の映画)

3.9

名優の共演として安心して見れる出来。
一方で展開は散漫な印象。エピソード同士のつながりが薄い印象であった。

首が飛びまくり、どいつもこいつもロクでもないのは最高の一言。

秀長の腰巾着と荒木村重は最
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.9

前作から10年ぶり、女の子から大人の女性に変わったアビゲイル・ブレスリンを除きほとんど変わらない3人組に驚き。結構前作との繋がりも強めだった。特にギャグパートにおいて

前作では圧倒的狂犬だったタラハ
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アイランド(2005年製作の映画)

3.7

マイケルベイの映画といえば漢気だと信じているが、今作でも漢気溢れるいいやつが要所に出てきており、ベタながらも感動した。

特にブシェミ演じる作業員は何一つメリットがないにも関わらず悪態つきながらもあそ
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.8

ランキングで必ず名前の上がる映画。
ガブリエルバーンは色気があるなぁと思いつつ、ケビンスペイシーの独白を堪能していたが、おやおやなんだこれはという展開に引き込まれた。鮮やかな過去の犯罪シーンと現代の密
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

石油利権を手に入れたアメリカ先住民、白人を顎で使い贅のかぎりを尽くす彼らに、その白人の魔の手が迫るというのが大まかなあらすじの中で、これが実話であったことに驚き。あらすじは理解していたが、彼らの様は映>>続きを読む

スナッチ(2000年製作の映画)

4.0

ガイリッチーの出世作。センス迸るOPには何度見ても痺れる。デュラララ!!などのアニメでもパロディされていた。

イギリスらしさ全開のオサレハイテンポ映画。ストーリーよりもビジュアル優先なのは確かだが、
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スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい(2007年製作の映画)

4.0

マフィアを裏切ったマジシャンに100万ドルの賞金を掛けられる。集まったのは世紀末兄弟、女スナイパーetcの7人の殺し屋。証人保護に動くFBIも巻き込む激闘が始まる!

出演者もアクション映画とは思えな
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ロンドンゾンビ紀行(2012年製作の映画)

3.8

愛するロンドンを守るのは若者だけには任せられん、と爺さん婆さんが老人ホームから立ち上がるゾンビコメディ
史上最遅のゾンビと老人のチェイス、武器持ってわらわら出てくる爺さん婆さんの姿に、老人vsゾンビと
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.7

風呂敷を広げまくった感のあった3作目から、締めに入った4作目

 正直、ドニーイェンの映画と言っても過言ではなかった。盲目の剣士という使い古されたものが、ファイトスタイルの現代化によってかなり見栄えが
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カルト(2012年製作の映画)

3.7

家の悪霊を祓う様子を撮影しに行ったら、霊が強すぎて…というのが前半。胡散臭い霊能者が霊と戦うものの…というまぁよくある展開だったが、
後半、最強の男NEOが出てきてからはもはや別映画へと変貌、この変化
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ノロイ(2005年製作の映画)

3.6

ホラー作家が送られてきた投稿を元に事件を追うが、それはどでかい呪いの一端だった…というモキュメンタリー。
作りが巧妙で、マジであったのでは?と感じさせられる。特にアンガールズ。コンビ時代の島田秀平が出
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オカルト(2008年製作の映画)

3.5

ノロイの系譜を受け継ぐ映画だが、ホラーというよりも社会派ルポみたいなテンション。
ホラーモキュメンタリーにもいろんな幅があるなと感じさせられた。
江野君と白石を眺めてたら、なんか終わった印象。
個人的
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N号棟(2021年製作の映画)

2.9

異常な主人公が異常な行動を繰り返したせいで、異常な住民と異常現象に巻き込まれて異常事態に陥る映画。

「考察型体験ホラー」というキャッチコピーだが、考察ってのは自発的にする物であって、考察しろって向こ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

宮崎駿の宮崎駿らしさを全身に受け止めた。
十八番のスピード描写、群れる様、翼やソファのツヤ、可愛いヒロイン、月、星空、植物、内装、丸みを帯びた息を呑むような美しい景色…etc
10年間見たくて仕方な
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.6

映像は圧巻の一言。前作上回る映像表現のレパートリーの多さが、劇中曲、展開と合わさり最高の迫力、オシャレさ。映像の魅せ方も素晴らしく、説得力が非常にあった。瞬間瞬間が作品となっていた。

一方で、ストー
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.5

前作プロメテウスとは変わりエイリアンを名に冠した作品。
しかし、今作はプロメテウスより増してエイリアンは単なる舞台装置でしかない。
エイリアン映画だと思って期待すると肩透かしを喰らう。
登場人物が少し
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フレーム 危険動画サイト(2017年製作の映画)

3.5

過激動画サイトで猟奇殺人しまくるグループに目をつけられた主人公一行がどかどか殺される。
猛烈なスプラッターと不条理さをsns問題と絡めて描いてるいるけど、そんなもんは関係ねぇこれを見ろっていう監督に気
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スガラムルディの魔女(2013年製作の映画)

3.8

銀行強盗したのはいいものも、派手なドンぱちで逃亡、逃げ込んだ先の村は実は魔女たちの溜まり場だった。

序盤、主人公たちはアニメキャラクターに扮して銀行強盗。スポンジボブが撃たれるこのデタラメさ加減。そ
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