TOTさんの映画レビュー・感想・評価

TOT

TOT

2015年からの鑑賞記録。スコア5.0:オールタイムベスト/4.5:大好き/4.0:好きor良い/3.5:面白いor友達におススメ/3.0:そこそこ/2.5:まぁ…/2.0:だ…

映画(922)
ドラマ(41)

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

4.1

‪道端で力なく崩折れるキム・ミニの体、くだをまいてはクルクルと変わる表情、浜辺に横たわるライン。
キム・ミニ。キム・ミニ。キム・ミニ。
近づき、また遠ざかるカメラの中で揺蕩う彼女がただただ力強く美しく
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ゲッベルスと私(2016年製作の映画)

3.9

「なにも知らなかった、私に罪はない」
「ドイツ国民全体に罪があるなら私にも罪がある」
「神様はいないが悪魔はいる、この世に正義はない」
ゲッベルスの秘書だった103歳の女性が朗々と語り、肯定し、時に口
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ALONE/アローン(2016年製作の映画)

3.4

MINE(地雷)に囚われてMINE(自分)を見つめる。
砂上のサヴァイバルと哲学的な会話、幻視/心象が浮き彫りにする米国の戦争介入、軍国主義、血縁のトラウマ、そこから動けずにいる自分の弱さ。
演出と脚
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V.I.P. 修羅の獣たち(2017年製作の映画)

3.2

‪韓国を揺るがす連続殺人鬼、国家情報院、北の保安省、CIAの四つ巴。
女性への残虐シーンをこの尺と丁寧さにするなら、彼を追う三人の交流描写を厚くして〜って気持ち。
ホラー?ってくらいの鬼畜さが露悪的な
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メイズ・ランナー:最期の迷宮(2018年製作の映画)

3.5

救いたい仲間、肩にかかる重圧。
訳もわからず必死に迷路に挑戦したあの頃が懐かしい。
複雑に派手に破びる物語を逆行して一作目へ、青年期から少年期へ戻りたいと願ってしまう、逆説的に正しいジュブナイルの終わ
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.3

再見。いやぁ面白いねぇ。久しぶりに観ても面白い。
ザッカーバーグの最高の成功者たる所以を照らさず、お世辞にも最高とは言えない対人能力が原因のトラブルがまるでアクションみたいに展開する。
超速の台詞量と
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クーパー家の晩餐会(2015年製作の映画)

3.6

クリスマスどたばたコメディ群像劇。だ、大丈夫?って心配になるくらい誇張されたユーモアはそこまで笑えないけど、今とは違う生き方を模索して別々の方向を見る人たちに涙がホロリ。
アンソニー・マッキー&マリサ
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それから(2017年製作の映画)

4.0

‪漱石に着想を得て、1対2の男女劇が狭い空間で反復する。
ニヤリとする面白さ。洒脱さ。
フランス映画気質が透ける韓国の不倫模様を、主要人物と背景以外いりませんとばかりに堂々と削ぎ落としてミニマルな展開
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スワッガー(2016年製作の映画)

3.5

‪パリ郊外の中学生、生粋のフランス人じゃないって言うアフリカ系アラブ系の彼らの言葉と言葉、カウリマスキでお馴染みサルミネンの撮影、多種多様な音楽が紡ぐヒップホップみたいなドキュメンタリー。
窓の外に犯
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緑の丘のミステリー(2017年製作の映画)

3.0

‪村を揺るがす連続窃盗事件、犯人を追う少年少女の冒険譚。
脚本は『私に構わないで』のハナ・ユシッチ。
大人の事情なんて少しもわからない季節の、ビターだけどゆるっと着地する一夏の物語。
男の子たちの連帯
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30年後の同窓会(2017年製作の映画)

3.9

帰還兵の再会のロードムービーは、30年消えることのなかった痛みに向き合う旅。
ベトナム戦争とイラク戦争が重なり合い、個人と国家の現実と嘘を浮き彫りにする。
旗の下で傷つきながら生き永らえた男たちの苦し
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美しき仕事(1999年製作の映画)

5.0

ジブチの無機的なまでに清潔な土地の上で生々しく舞踏のように美しく躍動する兵士たち。
肉体のぶつかり合い、砂を蹴る音、海のさざなみに音楽がブリッジして、鮮やかに高温のグルーヴを生み出す。
それら完璧な身
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ブルックリンの片隅で(2017年製作の映画)

3.9

鬱憤をハッパで紛らわし、昼はビーチで仲間や彼女と遊び、夜はネットで知り合った男と寝て、毎週の花火を“いつも同じ”と言う19歳のフランキー。
抑圧を抉るような鋭い台詞、乾いて抒情的な映像、フランキーを演
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最初で最後のキス(2016年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

SNS利用や同意の無い性的接触、いじめ、フェミニズムなど、以前からあり今も続く問題に青春の拙さ。
メッセージはわかりやすく一部良いなと思う台詞はあれど、三人の反撃や、いじめに何も対処しない教師、理解あ
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シェルタリング・スカイ(1990年製作の映画)

4.3

有限の時間を無限と思い込み、いつだって戻ることができると進んだ先で、もう戻れないことを知る。
「自分の人生を左右したと思えるほど大切な子供の頃の思い出さえ、思い出すのはせいぜい4~5回、あと何回満月を
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ホース・マネー(2014年製作の映画)

3.0

‪初ペドロ・コスタ。
レンブラントか!ってくらいバッキバキに決まってる絵の連続の中、リスボンのスラムに暮らすアフリカ移民の影深き苦悩、女の小さな声、男の彷徨う声が画面に定着せず流れて行く悲哀。
カーネ
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.8

東京の片隅、忘れられかけたような古い平屋。軋む床、盗みと嘘の上で不安定に揺れる「家族」。
「機能不全に陥りかけた家族」「血縁に依らぬ共同体(家族)」を撮り続けた是枝監督が、過去作での演出と表象を束ね、
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

4.3

トラウマを超えて少女を救おうとする男。
フラッシュバックと強迫観念で自分を殺し、数を数えて嫌なことの終わりを待つのなら、奴らを殺して逃げればいい。
陰惨な出来事の全てを見せず伺わせる映像、心の叫びみた
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.7

自称を捨てて生来の名前を受け入れるまでの17歳の1年は、背格好も趣味も似て一番近いのに遠い女性同士であった母と娘の距離がほんの少し近づく1年。
人生の起点と思える駆け足の季節を描いて正しく痛い。
‪作
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デッドプール2(2018年製作の映画)

3.6

自らの過去を乗り越えて前に進み続ける俺ちゃんによる俺ちゃんの記録更新!!!
お行儀悪くてもギャグもポリコレも俺ちゃん流なんでもアリの「ファミリー映画」。

ミラノ、愛に生きる(2009年製作の映画)

3.9

ミラノの富豪一族に嫁いだロシア人女性、子供たちとのささやかな連帯、籠の鳥だった彼女の自立と悲劇。
メロドラマ的に加速する物語で印象的な娘との関係、華美な世界を描いて耽美に振りきらない演出が良い。
ティ
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マルクス・エンゲルス(2017年製作の映画)

3.8

マルクスとエンゲルスが出会い、共著「共産党宣言」を書き上げるまでの激しい青春の日々。
周辺人物と歴史を総ざらえて尚バディものとしても面白い。
エンドロールはやや唐突に感じるけど、同じラウル・ペック監督
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ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

3.7

ゲティといえば、よく拝見してますゲティイメージ。
そんな大富豪一族の孫の誘拐を巡るスリラーで誘拐犯より恐いのは、金の亡者の底なしの強欲だった。
怪演クリストファー・プラマーもさることながら、孫と誘拐犯
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.4

美しい衣装と映像と音楽……え?え?これはファッション界を舞台にしたロマンチックラブストーリーなの??PTAなのに???なんか音楽ずっと鳴ってて怖いけど???!!って訝しんでたら、最後は天国か地獄か大真>>続きを読む

ルイ14世の死(2016年製作の映画)

3.2

‪無能な取り巻きと飛び回る蝿に囲まれて、暗い室内で弱りゆくルイ14世の滑稽で緩慢な死。
カメラをじっと見つめるルイや、取り巻きの最後の行動とか面白いショットはあれど、いかんせん絵が単調。
もっと尺を短
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.6

日本へのラブレターが無邪気さか意図か風刺や毒になる。
ゴミ、ヤクザ、対外排除。
黒澤や宮崎作品(ほかアニメ作品も?)だけでなく、楢山節考あたりも参照してそう。
ウェスの狂信的なまでのシンメや一点透視絵
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ナショナル・シアター・ライヴ 2018 「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」(2017年製作の映画)

3.9

世界一有名な端役の不条理劇。
コインの表ばかり出る非現実、細かな設定など要らぬとばかりに生かされて、記憶も飛ぶような曖昧な存在理由。
状況に巻き込まれて彼らはどこへ行くの。
名前を錯誤するほど半身のよ
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狂乱の大地(1967年製作の映画)

4.4

架空の国の偉大な寓話。
高邁な理想の堕落、希望を託しても代わり映えしない指導者、地べたを転がる民衆の言葉。
無為。無為。無為。
広がる絶望感、音楽と銃撃の狂騒の果て、勝者は雷に打たれたように笑い、敗者
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キューバ・リブレ(2013年製作の映画)

3.5

‪これは好き。
バー、カラオケ、ねっとりした視線。
オートマティックに寄って寄って上がる熱っぽさが肉感的で良い。
三本観て尚得体が知れず、それでいい気がする監督‬。

鳥の歌(2008年製作の映画)

3.2

瞬きしても動かぬ画面。
寄れば個性が見える東方三賢人が荒野で塵のように彷徨い、イエスと会えた時だけ、ググッと画面の温度が上がる。僥倖。

騎士の名誉(2006年製作の映画)

3.4

ドン・キホーテとサンチョの昼夜をデジタルカメラで追う2人芝居、はたまたドキュメンタリーのような。
意味をなしそうで乱れるシーンの連なり、狂気を滲ませて空を切るキホーテの叫び、即興的演技で、古典が現代に
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ピーターラビット(2018年製作の映画)

3.3

兎と人の仁義なき闘い。
兎に調子狂わされるドーナルくんのかわいそうな魅力爆発。
暴れて歌うジェームズ・コーデンのピーターも良かったけど、マーゴット・ロビーのフロプシーとナレーションが良かった。
マイ兎
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.8

フロリダのモーテルを野山のように駆け回る悪ガキの颯爽、大人の辛さ、管理人ウィレム・デフォーの侘び寂び。
子供の視点に構えたカメラが写す世界の豊かさ。
また、デフォーがさぁ、子供を叱りつつ心配で見守って
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私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

4.1

没後30年経てなお預言者のように刺さるボールドウィンの言葉、証左となる過去と現代の映像と語りの熱量と衝撃。
「I AM NOT YOUR ○○○/ 私はあなたの○○○ではない」。
あなたが怒りを表明し
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.7

現代美術の欺瞞と格差社会の差別意識への皮肉が効いたカタルシス無き風刺劇。
財布盗難事件と美術館広告の炎上を軸に、主人公がどういう人間でどう変化するか見せて、観客に他人事にさせない。
笑いと不快を同居さ
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モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

3.2

‪長尺を感じさせない構成と台詞運び。
うまいなぁアーロン・ソーキン。
『アイ,トーニャ』と同じ実話モノで主人公はスポーツ選手という共通点を持ちながら描き方は対極で、両者のフィクションの混ぜ方、フォーカ
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