TOTさんの映画レビュー・感想・評価

TOT

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2015年からの鑑賞記録。スコア5.0:オールタイムベスト/4.5:大好き/4.0:好きor良い/3.5:面白いor友達におススメ/3.0:そこそこ/2.5:まぁ…/2.0:だ…

セザール・チャベス(2013年製作の映画)

3.5

60年代アメリカで農業労働者の権利を求めて闘ったメキシコ系移民チャベス。
ボイコット運動、デモ行進、ハンスト。
歴史映像も交えて描かれる不屈の闘志。
初めて彼の映画化に挑んだ、端正でストレートな作りで
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家族のように(2017年製作の映画)

3.5

子供が欲しいブエノスアイレスの女性医師と、アルゼンチン北部の貧しい山村で暮らす妊婦。
狂気的エゴと金銭の取引でぼやけそうになる命の輪郭を、ギリギリのところで留め置く母性と道徳。
外界から実りを食い尽く
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アンダーグラウンド 完全版(1995年製作の映画)

4.5

未公開シーンを加えたTVドラマ6話を前後編にして、長大な大河ロマンに(もともと長いけど)。
前編はクロとマルコの青春と闘争(マルコの花嫁姿!)、後編は地下生活の詳細が追加され。
毎エピソード冒頭で「む
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ナショナル・シアター・ライヴ 2017 「お気に召すまま」(2016年製作の映画)

3.7

面白かった〜。
2015年のNTLive『宝島』に続いてポリー・フィンドレイ演出たっぷり楽しい。
賑やかなコーラス、ワクワクする舞台美術。
前半のカラフルな町から、後半の陰影豊かな森へのセット転換が目
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エルネスト(2017年製作の映画)

2.6

裕福な家庭に生まれ、医学を学びながら革命に身を投じたチェ・ゲバラと、彼とよく似た境遇で、彼に憧れるボリビアの日系2世フレディ前村ウルタード、2人のエルネスト。
チェが広島を訪れる冒頭は引き込まれるが、
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愛を綴る女(2016年製作の映画)

3.7

愛を渇望した女と、彼女を愛した男たち。
母娘の不和、文学を媒介にして募る恋情。
フランス映画らしい濃密で官能的な愛の物語と思いきや、その認識を揺らす瞬間があり、見てた景色が変わる。
主人公ガブリエルき
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.9

人種をテーマにして見てるこちらも無傷ではいられないブラックホラー。
笑いと叫びはよく似ていて、じわじわとヤダみが押し寄せる。
畏怖と羨望に混ざる蔑視、憧れとヘイトは表裏一体まだら色だ。
典型的な人種差
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ポルト(2016年製作の映画)

3.3

行き来する時間の中、始まり終わり、彼女から、彼から、省略し反復し繰り返される一夜限りの恋。
その一瞬は戻らないのに、美化か後悔か感傷か、思い思いの角度で何度も蘇ってしまう記憶と映画の残酷。
演じた彼も
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ブラッド・スローン(2016年製作の映画)

3.8

血を守るため血に染まるニコライ・コスター=ワルドー!
監獄モノの様式美あるセオリーに、集団坊や独居坊、屋外檻等たっぷりのビジュアルと細部、役者たち。
一瞬の過ちで戻ることのできない深みにはまっていく主
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ドリーム(2016年製作の映画)

3.8

二重の差別を越えて生きたNASAの黒人女性3人と、アメリカ初の地球周回軌道飛行。
実際の当時のNASAではキャサリンさんは差別を気にすることは無かったと言ってたけど、そこんとこ色を強めてエンターテイメ
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マッドタウン(2016年製作の映画)

2.7

前作『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』の変奏。
男女の捕食と愛情の相関、家族、コミュニティからの脱出。
砂漠の人食いとヤク漬けマッド集団という強烈な設定で、前作より筋があるのに話が死ぬほど飛躍し
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ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女(2014年製作の映画)

3.6

チャドルを纏いスケボーに乗り獲物を求めて街をさまようヴァンパイア。
弛緩して宙ぶらりんな、長い長い夜の旅。
男を食らい奪うヴァンパイアに見るイラン女性の抑圧と衝動、それを躊躇させる恋。
ボーダーシャツ
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経度への挑戦(2000年製作の映画)

3.5

18世紀、経度測定のために時計を作る時計職人マイケル・ガンボン。
20世紀にその時計を修復する退役軍人ジェレミー・アイアンズ。
時計に恋する2人の物語をパラレルに展開する歴史科学ドラマは、帆船での実験
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浮気なシナリオ(1990年製作の映画)

3.0

アンソニー・ホプキンスとジェレミー・アイアンズのコメディ演技に目を見張る、ちょっとビターな喜劇。
妻に先立たれ港町スカボローに転勤してきた社員ガイ(ジェレミー・アイアンズ)は演劇の腕に覚えあり、広告を
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わたしたち(2016年製作の映画)

3.7

叩かれて叩き返して、じゃあ、いつ遊ぶの?
家族とは別に初めてできた大切な、あなたと私の“わたしたち”。
些細なことで行き違い、なんとなく和解して、また離れてを繰り返す、ぎこちない友達関係。
小さな世界
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ジュリーと恋と靴工場(2016年製作の映画)

2.0

ああ正社員、正社員、正社員。
国は変われど就活の厳しさは同じ。
歌って踊って権利を勝ち取るフレンチミュージカルコメディ。
“戦う女”の赤い靴はもっとシンボリックに前半から使えば良いのになと思ったけど、
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プラネタリウム(2016年製作の映画)

3.4

見える者は先に行き、見えない者は残される。
霊感のある妹と無い姉、複雑な影を滲ませる映画プロデューサー。
美しさに拘ったろう演出と可憐な衣装、キャスティングの妙(主演2人もだけどエマニュエル・サランジ
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.7

君は僕の友達、ただの死体じゃない、僕の友達。
君は君だけど同時に君は僕。
イマジナリーじゃないアメイジングで万能な友達ラドクリフとの旅。
上映館多くはないけど、こんな奇天烈な映画を満席のお客さんと笑い
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ナショナル・シアター・ライヴ 2017 「誰もいない国」(2016年製作の映画)

3.7

出て行こうと思えば出ていけるのに誰も出て行かない。
閉ざされた深い森みたいな空間で、虚実わからぬ会話を交わしながら、たまに奇妙な符号を見せる。
ピンター脚本おもろいねー!
男たちの秘められた背景を感じ
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50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

3.6

はみだしっ子の2人が渚のアデリーヌをBGMにどこまでもはみ出していくロードムービー。
選曲やエンドロール、サブエピソードに、肩の力がふっと抜けるようなユニークさ繊細さ。
友達に秘密を打ち明けられ、そん
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あさがくるまえに(2016年製作の映画)

4.2

心臓が繋ぐ命と希望のリレー。
脳死による臓器移植の24時間を、悲しみに耽溺することなく、叙情をたたえ精緻に描く脚本。
愛しい彼女との夜に別れを告げ、窓から未だ暗い街に自転車で駆け出す、物語の始まりを捉
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ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.2

肉欲と肉食、恋愛と孤独、アンデルセン童話の人魚を姉妹に役割分担して現代化するエログロナンセンスな80'sポップロックごった煮ホラーミュージカル。
そうだ、脚を得ることは性器を得ることだった。そしてその
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シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

3.1

‪めちゃだらしなくラブも嫉妬も説教もされるけどタフな主人公アン・ハサウェイのThis is My Way。
都市に大怪獣が現れる大きな物語と田舎町の小さな物語が同居するSFに、登場男性がストーカーサス
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汚れたダイヤモンド(2016年製作の映画)

4.0

面白かった!
往年の犯罪もの青春ものに現代的な軽さが加わって多面的に輝く、まさにダイヤモンド・ノワール!(原題)。
開始早々に、あ!これは好きだ!と思える作品に出会えた時の興奮よ!
禍々しく血塗られた
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サーミの血(2016年製作の映画)

3.7

老女の回想から少女時代へ。
主人公の顔に刻まれた皺が、描かれなかった年月を考えろと促すよう。
血を嫌い、家族と土地から離れ、好奇と差別に晒されながら得たものは本当に望んだものだったんだろうか。
何にも
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.6

クストリッツァらしいラブストーリー。
音楽や踊り、動物の躍動、火薬と銃声など監督作品を象徴するモチーフの数々が時折パワフルながら、奇蹟の暗喩や寓話的な曖昧さが物語を弱め、少し寂しい余韻が残った。
初の
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トレーダーズ(2015年製作の映画)

3.0

バリー・コーガン目当てで鑑賞。
ほどよく楽し。
会社を解雇された主人公の金融マンが、友人が発案した命を賭けて殺しあう対マンゲームに没頭していく。
友人役ジョン・ブラッドリーが、勝負弱く女運も無く。
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.9

実体なき寄生獣、散歩する侵略者。
ラフな顔して狂いなくエンターテイメントに描き出す非日常、1組の男女が辿り着く世界の終わりの風景。
イキウメ前川さんの原作に、CUREとかカリスマとか、過去作のエッセン
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

2.7

挑戦?新境地?試行錯誤?失敗?
司法制度への批判を盛り込んで真摯なタイトルながら、これまでの是枝監督作品より、かなり観念的。
台詞も役者も熱演も、ドローンはたまた矢鱈アップのカメラ、カット割りも編集も
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.8

デジタルIMAXで鑑賞。
画、編集もさることながら何より音の臨場感。
そしてムーンストーン号とセーターとジョージの。
メメントの頃からノーランが苦手だけど、冒頭数分でそれも吹っ飛ぶ。
けど終盤数分の外
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.8

生きて、守る。
後戻り不可の疾走する密室で露わになる人間の本質、韓国の政治・歴史的な暗喩も感じる展開。
ゾンビのチャームポイント少なめなので(雪崩は楽しい)ホラーNGな人でも見やすそう。
でも何よりコ
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ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

3.3

ボブ!ボブ!ボブ!
ボブの画面支配力の高さ…!
ゴロゴロ鳴くだけで客席から幸せな笑いが漏れておりました。
彼と人生のリスタートを切るルーク・トレッダウェイのなさけないかっこよさも良きね(それに良い声)
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春なれや(2016年製作の映画)

2.1

役者とロケーションが魅力。
他の2本に比べると対象の、役者さん自身の演技と桜景色への依存度が高いというか、脚本もおぼつかず、あまり演出が効いてるように思えなかった。
Coccoの主題歌「Time」はと
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わさび(2016年製作の映画)

2.3

飛騨高山の冬景色と芳根京子の存在感。
『べっぴんさん』出演決定前だったという芳根京子。
鬱病の父に代わり家業の寿司屋を継がねばと自分を押し殺して苦しむ高校生を演じ、どの角度どのシーンでも惹きつけられる
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此の岸のこと(2010年製作の映画)

2.2

台詞無く語られる老老介護の苦しみと、救済となる夢幻の甘さ。
さいたまゴールドシアターのおふたりによる老夫婦の演技は、職業俳優とは違う味わいがあって目を引きました。

『映画監督外山文治短編作品集』「此
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パターソン(2016年製作の映画)

4.0

いつもと同じ繰り返しのようで、少しずつ違う、確実に変わる毎日。
創作すること愛することの礼賛、新しく始めることの肯定。
いいな〜。とてもいいと思う。
そしてかわいい犬にはいつだって負ける。
ジャームッ
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