joyさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ストレンジ・アフェア(2019年製作の映画)

3.7

導き方としてはとてもうまく作られていると思う。

興味の持続も物語としての推進力も、全体を通して安定している。

しかし、中身が充実しているかといえばそうでもない。

それでもある程度観れてしまう所は
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ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

3.8

グラスゴーとナッシュビル、その土地勘が己に全く無いのが残念。

もちろん映画内の対比からある程度は想像できるが。

カントリーの知識があれば、もっと共感できたろう。

ドラマに目を向けると、同じ境遇に
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ハミングバード・プロジェクト 0.001 秒の男たち(2018年製作の映画)

3.4

なかなか興味深い題材で、登場するキャラクターも悪くない。

最初のスタートを考えると、最後に映画が到達したポイントには、意外な感じを覚える。

急に進路を変更した感じが。

内容ともリンクしている?
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囚われた国家(2019年製作の映画)

4.2

近未来の物語でありながら、過去の時代を連想させる、不思議な魅力がある。

ジャンルがいくつも組み合わさっていて、あまり見たことがないテイストに仕上がっている。

完成度が高く、二度観ても楽しめる。
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.7

大衆的名作といっていいような作品。

躊躇なく誰にでもすすめられる。

女性はもちろんのこと男性にも、年を重ねた人でも若い人でも。

多かれ少なかれ、誰もが経験する共通体験。

そういうテーマが、一番
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

2.7

大分ふざけている。

本当に好きなように作ったんだろうなと。

根本的には真面目なんだろうが。

そのバランス、良いとは思えなかった。

ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

3.3

俳優が俳優の役をやり、子役が子役の役をやる、というのは演じる側にとってはかなり高度なことではないか。

自分と同じであるようで、同じではない何か、になることをを要求される。

しかし、二人は見事にそれ
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.3

花舞う美しい映像とともに、古来からの習わしを受け継ぐ人々を描いた、とても平和的な映画。

などという言葉を信じると、映画内の若者たちと同じ目に合う。

人が精神的に弱っていると何かに頼りたくなる、何か
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

3.6

時に核心を突くようなセリフに出くわす。

ゆったりとした川の流れを見るような中で、その中でも時々目を見張るようなものが通り過ぎてゆく。

ガス・ヴァン・サントの「エレファント」を思い出させる。

タイ
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ウルフ・アワー(2019年製作の映画)

3.4

物語としての面白さよりも、メッセージ性が先に立っているような部分がある。

あれは何だったのか、あれはどうなったのか、という疑問は残したまま、しかしこの映画にとっては一つの答えにたどり着いているのだろ
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.7

話が二転三転していくところがこの作品の醍醐味かもしれないが、個人的にはそれらの作品の多くがそうであるように、用意周到に用意されればされるほど、現実感が薄らいでいく。

物語の必然性に疑問の余地が出てく
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

3.6

きらびやかな世界のスター、その裏側にいる一人の人間。

どちら側が本物なのか。

知らない世界の知らない人物だったが、感性で生きて上り詰めた人の中の一人だった。

幸福というべきか、不幸というべきか、
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シー・フィーバー 深海の怪物(2019年製作の映画)

3.3

海洋パニックスリラーというにはかなりマイルドな作り。

暴れる怪物を期待すると物足りなく感じるかもしれない。

しかしその過剰ではない感じが、今の世界の状態と相まって、より現実に寄った生々しさがある。
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グレタ GRETA(2018年製作の映画)

4.2

一つのバッグから始まる秀逸なスリラー。

特に構成、音楽、配役に魅力を感じる。

一つ気になるとすれば、クロエ・グレース・モレッツは優しくか弱いイメージの女性の役だったが、体格はがっちりしている。
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ムルゲ 王朝の怪物(2018年製作の映画)

3.3

この作品の主役といったらやはりムルゲになるだろうか。

なかなか愛嬌のあるやつで、ただの残忍なモンスターというわけではない。

王道のエンタテイメントという感じで、結構バランスよく作られている。

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ウォール 絶体絶命(2019年製作の映画)

2.5

これは娯楽作品ではない。

観て楽しむ映画ではない。

観て何を思うか問いかけるタイプの映画。

淡々としている。

パッケージの雰囲気に騙されてはいけない。

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.8

この映画の魅力を引き上げているのは、その画力によるところが大きいように思う。

一つの物語を、映画として成立させるためドラマティックに展開されてゆくが、それ自体は特段抜きん出たものではない。

それを
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モルグ 死霊病棟(2019年製作の映画)

2.8

退屈な時間が長い。

前半は丸々カットできる。

後半に厚みを持たせて、全体を再構成して上手くまとめれば、確かに良くなりそうではある。

リメイクの完成を待つ。

あまり期待しすぎずに。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.8

アクの強いというか、クセの強いキャストで、どことなく不快な感じ、それが見事に作品に反映されている。

キーとなる謎やポイントがたくさんあって飽きさせない上、笑わせにもくる。

ただ、あまりに上手く作り
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.8

自国で起きた出来事と、そこから海を隔てた国から見るのとでは、体感としてリアリティの度合いが違ってくるだろう。

この映画はぜひ当事国の国民となって観てみたい。

どう見えるか。

もちろんどの世界から
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

用意周到にして緻密。

一つのビジョンに向かって余計な情報は排除されていく。

普段は社会の中で、膜のようなもので覆われていてよく見えないものを、剥き出しにして目の前に出してくる。

故にグロテスク。
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野性の呼び声(2020年製作の映画)

2.4

奇妙なバランスの映画。

何も考えずに観たほうがいいのか、考えながら観たほうがいいのか。

いずれにしても作品から感じ取れるメッセージは、薄い。

原作を読むと感想もまた違うのかもしれない。

マー ―サイコパスの狂気の地下室―(2019年製作の映画)

3.6

怖いというより切ないが勝る。

彼女の顔もフォルムも、マスコット的なものがあって、怖さの演出には役立っていない。

むしろ愛くるしささえあって、彼女の行動にもっと積極性を求めたくなる。

そこまでヘヴ
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ナイチンゲール(2019年製作の映画)

3.5

抑圧に屈しない強い意志が、映画を通して一本の線で貫かれている。

弱い者は常に虐げられている厳しい世界、故に映画に理想的な世界を求める人にとっては、耐えがたいかもしれない。

とはいえ全く希望の無い世
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

4.0

映画の中でも、劇薬と呼べそうな内容であることには違いない。

時に不快な、人間の醜い部分を見せつけてくる。

社会的に不遇ではあれど、共感できるようなものではない。

貧困というテーマは通底しているよ
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ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.7

彼らの旅の様子をもう少し長く見ていたかった。

3人の距離が短くなり、一つになるまでの過程を、もう少し長く見ていたかった。

かつて見たあの映画を思い出し、懐かしくなる。

「マイ・フレンド・フォーエ
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私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

文章で読む分には想像で完結するが、映像で成立させるためには、人物を指定しなければならず、自分の容姿や年齢にコンプレックスを持つ主人公は、しかし非常に魅力的なキャスティングであるため、皮肉にも説得力の面>>続きを読む

グリンゴ 最強の悪運男(2018年製作の映画)

3.4

登場人物のキャラが立っていて、それは良かった。

話の展開もめまぐるしく、テンポもいいのだが、正直途中で飽きてしまった。

風呂敷を広げすぎてしまったのか・・。

素早く折り畳むところは良かったのだが
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荒野の誓い(2017年製作の映画)

4.6

特に気付いたことは、バランス感覚の良さ。

どちら側に立つでもなく、それぞれの感情に寄り添っている。

キャラクターに対しては冷たいというか、冷徹な部分がある。

観る側もそれに打ちのめされる。

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家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.8

生きた人間のドラマを見せることに長けた監督。

すっきりした気持ちでは終わらせてはくれない。

重く響くメッセージ、「どうしてこうなった」と本当に思う。

娘、いい子だ。

マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)

3.6

ムード豊かな映画。

配役が良い。

派手に展開されるわけではないが、飽きずに最後まで見ていられる。

悪く言えば地味、よく言えば粋、何より優しい映画だった。

テッド・バンディ(2019年製作の映画)

3.8

作りが上手い、というかいやらしい。

見方によっていろんな考えが浮かぶ。

多面的な映画は、良い映画の一つの条件だと思っているので、この映画もその意味では、深掘りできるいい映画だと思う。

ゲーテの言
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ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

3.6

実にばかばかしい、それは良いのだが映画としてもう少し引き締まったものだったらさらに良かった。

と思ったのだが、そうなってしまうとこの映画のらしさが無くなってしまうかもしれない。

B級映画を観る準備
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

一つ一つのピースは面白く、興味深いのだが、すべて一つにまとまってみると、バランスに歪さを感じる。

やろうとしている事と、出来ていることに差があるのかもしれない。

しかし、後味の良い余韻を残してくれ
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グッドライアー 偽りのゲーム(2019年製作の映画)

4.1

終わってみればストーリーよりも、この2人の俳優が醸し出す魅力のほうがより印象に残る。

ストーリーもそれなりに楽しめるが、それはこの2人の為に用意された舞台にすぎないように思える。

円熟味を増したと
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.9

メディアや国家権力が暴走することがあるのは事実として、映画的なものと現実をどこまでつなげてみるかは難しい所。

登場するキャラクターが立っている分、映画としては面白く、しかし現実からは一歩引いているよ
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