偉大なる冒険譚。時に人生を犠牲にした無謀な挑戦が、人類の未知なる部分を一つ一つ解き明かして行くのだと思い知らされる。
人生において「正しい」流れが美しく、楽しいとは限らない。つまりは時に正しくない事が人生を良き方向に導く事もあるのではないか。
腑に落ちない部分は多々ある。しかし、2人の刑事が事件に没頭していく様の描き方は秀逸。微妙にのるノイズや光の反射が印象的。
アクションやレトロなスパイ映画へのリスペクト感は最高。でも、ストーリーと言うか、倫理観と言うか、個人的には受け入れ難いものだった。
オープニングが見事。細かい点はあまり考えてはいけないのだと思う。
人生ってうまく行かない事の連続だ。でも、家族とだったら成功とまではいかなくても、乗り切る事は出来るはず。クラッチの壊れたバスのように。
どこをとっても素晴らしい。ビリーを送り出す時に兄貴がバスに向かって「Billy I miss you!」と叫ぶシーンには胸を打つ物があった。
この物語が持つ陰鬱さとドロっとしたエネルギーがオープニングで頭にこびりつく。レザージャケットを捨てるルーニーマーラの姿に身悶える。
どんな出発点であれ、人との繋がりを作るツールを作った人物が円滑な人間関係を構築できないという現実と寂しさ。
フィンチャーの描き方はリズミカルでスタイリッシュながらも、そこに浮かび上がる陰影が印象的。
自分を守る事は大切だ。しかし、自分1人では守れない時もある。そんな時に助けてくれる誰かが近くにいる幸せ。
ただ、最後までサンドラブロックがなぜ主人公を保護したのかよくわからない。
いい意味で壊れている。めちゃくちゃに見えても絶妙にバランスが取れているのは、常に一方的ではなく、互いに代償を払っているからだろうか。
様々なデザインが残念。ストーリーも親切にした分、魅力が失われている。
善悪や好奇心に関係なく執着は狂気への出発点である。狂気から来る居心地の悪さは強いが、時に狂気的な執着心をもってあたらなければならない事もあるのだと感じた。
この世の中にあるスタンスに対して、どれが正しいとか明言するでも無く、絶妙なバランスでストーリーを構築している。一見、見る者に丸投げの様に見えるかもしれない。しかし、おそらく1番難しい事をやってのけてい>>続きを読む
大人になってわかった事だが、この映画のローマ帝国に対する描写には偏りが強く問題がある。しかし、掛け値なく壮大で素晴らしい映画である事は確かだと思う。
男がこういう表現を使うのもあれだが、コリンファースがキュート。そこが素晴らしい。
何よりもインドのカオスな感じから来る強いエネルギーを感じた。そして、音楽の選曲が素晴らしい。
高いレベルの演出と技術力を持ってすれば、ここまではストーリーのチープさをごまかせるという、ある意味すごい映画。
欲求と愛情。共に達せられなかったり届かない時はどんな人もつらい。しかし、それらが歪みに変わる人間にはそれなりの理由がある。
ごくありふれた雪降る東京の街角を戦車が行く。その光景を眺める市民も、戦車に乗っている自衛官も何かぼんやりしている。ほんの数カットだが、この映画の趣旨を胸に刻み込むには十分だった。
都市の中にある廃墟の描き方が秀逸。進歩と共に大切な物まで捨ててはいないかと振り返ってしまう。
棺桶に足を突っ込まないと生きている事が感じられない。主人公の正義感や愛情、快楽の複雑な揺れ動きを見事に描いている。
どんな人だって、どんな善意に満ちた組織だって、過ちを犯す。ようはそれを正せるか、どう正すのか、それが問題。
斬新な演出などなくても最後までみせてくれる。歴史を残すタイプの映画。
ハリウッドがB級映画を本気で作るとこうなる、的な映画。普通に面白いし、トカゲの化け物は怖い。
しかし一番の恐怖は、この流れで、ゴジラ、モスラ、キングギドラと制作するフラグが立っている事かもしれない。
常識的で気弱な善人風の男と、本能的で野蛮な風貌の悪人風な隣人。2つが衝突した時、真の悪意はいつ生まれるのか?的な映画、だと感じた。
見て損したとは思わないが、特に面白くもなかった。ただ、隣人の迫力には>>続きを読む
とてもいい話し。だけどその分、苦渋の決断になるとしても、震災の話しは入れるべきではなかった。
構成的に矛盾が出てしまった。残念…
以前、エル・ブリのドキュメンタリーを見たときにも思ったが、洗練されすぎた料理は、洗練されすぎた芸術よろしく、ちょっと美味しそうに見えない事がある。
それはともかく、シェフの目線カメラなど、意外性のある>>続きを読む