葉鳥てるるさんの映画レビュー・感想・評価

葉鳥てるる

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ジャック・リーチャー NEVER GO BACK(2016年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

※好きな人ごめんなさい。

ノワールのかけらもない!
あの渋かった絵作りと絵的な説明によるテンポのよさ、そして俳優の佇まい一瞬を抜くカメラとじわじわくる笑いのセンスはどこへいってしまったのか?
クリス
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

てっしー可哀想問題

個人的許せなかったポイントから、この作品の印象を記述しようかと。

あの人の名前が思い出せないの!というセリフ。
お祭り会場から偽避難放送で、運命を変えようと仲間達と奔走するあの
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

光とサーモンオレンジの色彩、音楽、
構図とデザインの妙。
世界が意味に満ちる恋愛の綺麗なところを描き出す一方で、
置いて行かれた人を表現するのが上手いなあと思う。
改めてだけど、恋愛自体が持つコミュニ
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アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

5.0

劇場鑑賞でした。容赦ない展開と重いテーマ、怒涛に続く動の緊張と静の緊張に、大変ストレスが溜まり持ち込んだアイスコーヒーのストローを噛んでぺったんこにしてしまった。状況の閉塞感と迫る轟音に、何度も解放を>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

女友達にも勧められる、"静"のウルフオブウォールストリート感、という所見。
(他作品の内容への言及を多分に含みます)

下衆なシンデレラを見るピカレスク的楽しみが、社会への目配せと両立するあたりまさに
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パージ:アナーキー(2014年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

前作は未見です。

ネトゲでいうリアルPKというべきか、GTAの世界のような昏い万能感が限定的に実在したら。
後輩のイチオシから鑑賞。

お互いに気遣いつつ怯え合う世界観への、女性視点の導入はとても良
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バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

長い/どんくさvsぼんくら/悪役の動機もスゴさも伝わらない/シーンと画のために無理に動かされてるように感じられ脚本に粗/マーサ…そうかぁぁ!とはならない/話の腰を折るロマンス

ザックスナイダー監督作
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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

3.2

評判は聞いてたけど、
プライドと現実の折り合いについての話は、
私にとって一番耳が痛い話題なので敬遠していました。
ただ、これだけの賞と評判に、満を持して。

感想としては、テーマはともかくとして、
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イコライザー(2014年製作の映画)

4.0

視聴のきっかけは先輩からの一押し、
サングラスの扱いが面白すぎるから!
という微細が過ぎるリコメンドによるもの。

硬派さの中のチープさが、『映画の夜のシーン』に徹底した作りと相まって脳汁を垂らす2時
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

4.3

この映画が本当に始まるのって、
あの壮大な音楽とともにジムが上告の啖呵を切り、
若きパイロットが国家のために離陸する輝かしいシーンの終わりからですよね。
だから、これは言葉の紡ぐ理想の、責任を描く物語
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ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

3.9

これは高所スリラーではなく、1から10までカッコイイヒューマン系スパイもの。しかも実話。その楽しさたるや、おそらく軽度以上には高所恐怖症である私の感想も踊るところです。

本国試写会で吐いた人や、
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.6

フォレスト・ガンプが人生の賛歌だというなら、バトンはペシミストへの共感と挑戦の物語。
一瞬の美しさだけを胸に、人は生きていけないのかもしれない。
それでも、移ろいの中にも美は絶えず偏在する。時の裏側を
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クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

1.6

このレビューはネタバレを含みます

ギレルモデルトロ、耽美好きを一本釣りする。

彼は第1関節の長いおばけが好きなのか。
パンズラビリンスと比べてしまうと、
純粋に胸を打つ美しさが減って
メロドラマに振り切れ、
正直私には合いませんでし
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きっと、星のせいじゃない。(2014年製作の映画)

3.5

"癌ジャンルをメタるシニカル女子、恋に落ちるの巻"。
恋愛自体に意外性ある仕掛けはありませんが、絶えないユーモアで淡々と悲観を和らげていく世界に愛着が湧いてきます。

リア充や偽善者に厳しいヘイゼルの
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戦火の馬(2011年製作の映画)

2.5

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馬の絵画的な綺麗さだけでない、人と生きるからこそのたくましさや美しさを感じとれて、監督含めみんな馬大好きなんだなぁ…というのも伝わってくる映画でした。
馬刺し好きで申し訳ない。

相棒を喪い、戦場で恐
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アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

リアル人殺しによる歴史再現映画撮るよ〜、という呼びかけに呼応し、暗鬱な社会構造が浮かび上がるドキュメンタリー。
現インドネシア政府がクーデターの際、赤狩りに委託動員した「プレマン」と呼ばれるヤクザたち
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プロメテウス(2012年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

生物学、宇宙物理学、社会学科学の研究を辿るうち、人類が辿り付かざるをえなかった自らの作り手「エンジニア」の存在。
そのインテリジェンスに憧れと探究心を抑えられない人類は、その会いたかったよパパ!という
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パニック・エレベーター(2007年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

アルビノアリゲーターだとか、フォーンブース的なシチュエーションサスペンスと思っていたら間違いでした。
タイトルから、密室での疑い合いと謎解きを期待していたのですが…
というかそのように書いてあったよう
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

なんだか懐かしい(というよりあんまり認知されてなそうな)吸血鬼の原則をしっかり踏襲した設定が効果的に使われている。日の光に弱い、銀に触れない、流れる水をまたげない、許可をされなければ家には入れない。日>>続きを読む

ハンニバル・ライジング(2007年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

人肉食について、意外としっかりした理由づけがなされてます。奇食の過程の分析研究を踏まえてる。そこが、あのカリスマな怪物の説明としては残念でもあるけど、話としては面白い。
ただ、ショー的な面白さであって
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

4.0

役柄ありきの配役を与えられてなおがっかりだった地球が静止する日以降のキアヌの、しょんぼり顔にこちらもしょんぼりする日々でしたが、帰ってきましたね!
それも最高のキャラクター性で。
終始同じしょんぼり顔
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ムーン・ウォーカーズ(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ヤクい!
そしてかなりグロい!!

この映画アホのバンドメンバーが、やたらクオリティ高いクラゲの衣装でドヤ闊歩してる部分だけで5億点。画面端に映るだけでフフッてなりました。
念に念を入れたラリ描写、ジ
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.4

視聴の動機は、サイエントロジーの手法に興味があったのと、宗教ってこわいよねー、としたいだけの怖いもの見たさでした。
でも、そんな映画じゃなかった。


新興宗教の危うさや、世間からの好奇の目を、信者と
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

た、たのしい…!
なんの気なしに入ったスクリーンだったけど、こんなに振り回されるドキドキを楽しめた映画は初めてで、それ以降かなり映画を見るようになりました。

理想の出会い、理想の生活が崩れていくのは
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マシニスト(2004年製作の映画)

4.6

クリスチャンベイルの役者魂に畏敬の念しかない。一見してわかる入れ込みよう。トマトとツナ缶1日1個の生活で、ノーラン版バットマンのムキムキ撮影スケジュール前に体重を40キロ代まで減らしたという恐ろしい肉>>続きを読む

ウォッチメン(2009年製作の映画)

5.0

やっぱりロールシャッハがとてもかっこいいです。アベンジャーズでMCUが大規模発動するよりもっと前に、この唯一無二の『アメコミ史上最高傑作』の呼び声高い世界観を再現してみせたのは素晴らしい。
高校生のと
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

4.7

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リスベットちゃんかわいい!!!!
話が進んでいくほどに、捨て犬のような、従者のような、弱くて強い危なげな彼女に引き込まれるばかりでした。

なによりこの映画の白眉はクライマックス、ミカエルが袋を被され
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セブン(1995年製作の映画)

4.5

バディものとしても、サスペンスとしてもとても面白く、スリリングかつちょっと社会派という、フィンチャーの好きな要素と、そんなフィンチャーを好きなわたしにどストライクの映画でした。

今回は事件の非現実感
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バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

見るのが辛すぎる名作でした。
この理不尽と遣る瀬無さと毒気が吐き気に変わるまで揺すられ続ける感覚本当に嫌。やってることはファンタジーなのに、目的としての人間が生々しく醜い。この生き地獄感、アラビアのロ
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

可哀想だろ!
主人公がいくら後ろ暗いところのある嫌な奴だったとしても、そんなに身を寄せて変わっていく姿を描かれちゃ同情もする。
一応ミステリーの形を取っている映画なのでどうかと思ったけど、このおしゃれ
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

5.0

冒頭からの露悪的表現に、多くの人のオールタイムベストを疑ったけど最高でした。

過激さに眉を顰めようかと思ったら笑いがそれをさらっていく。ライダーキック!I'm singing in the rai
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