つのつのさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

つのつの

つのつの

映画(997)
ドラマ(23)
アニメ(0)

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.9

バッファロー66みたいな地元地獄巡り映画。あっちより好きかも。
開始数秒後で映画の呼吸に吸い込まれていった。
カメラが横移動で街を見せていっても結局行く当てはないし破滅に突き進むわけでもない。
だから
>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.3

地方の若者がバスに乗ってニューヨークに行くが、一晩ホテルに泊まるだけの余裕すらない。見ている間、これは『真夜中のカーボーイ』なんだなと思ったりもしたが、カウンターカルチャー世代が作り出したアメリカンニ>>続きを読む

(1974年製作の映画)

3.8

広大な野原をゆっくりと人物がこちらに向かって歩いてくる序盤と、近くにいる人物から離れていく終盤の対置。
白黒とカラーで過去と現在を分けているのかと思ったがそういうわけでもない。
まだ主人公が少年だった
>>続きを読む

モキシー ~私たちのムーブメント~(2021年製作の映画)

4.1

Why are we still reading this book?
というセリフを今でも時折思い出す。
特に、過去に巨匠だの、天才だのと崇め奉られた作家達の行いを業界がきちんと批判できず、軽々しく
>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.7

夏休み映画としてのパッケージングはうまく言ってると思う。内容を考え直すとガバすぎるし、思想的にも引っかかる点は多いが。

Curve(原題)(2016年製作の映画)

-

10分しかないのにちょっと飽きる。上がる動作の繰り返しがくどい。
途中からスリルは感じず、早くオチだけ教えて欲しくなった。
こんな映画に「考察」なんてする意味あるのか。

ジュニア(2011年製作の映画)

4.1

成長=垢抜ける=美人っていう構図は少しルッキズムを感じてしまうんだけど、そもそも男性から一方的に値踏みされていた女性が自分の成長を受け入れることで心身共に自己を手にしたと考えれば後半の展開も納得できる>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.9

不毛の大地をひたすらに、本当にひたすらに「歩む」しかない時間の中、迫られる選択は膨大でもそれに対する結果はどこまでも宙吊り。「視線の演出」とかいう映画の醍醐味でさえも、この荒涼とした物語の中では信頼で>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

-

今のモードじゃなかっただけで、多分傑作だと思う。

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

-

写真=静止画だからこそ、「あの日、あの時、あの場所」という感覚が強まる。空港、廃墟、地下都市、博物館、パリ、墓地。ナレーションでいくら壮大なスペクタクルを語られても、全てはカメラが切り取った定点でしか>>続きを読む

ソク・ソク(2019年製作の映画)

-

同性愛を扱う作品は多いけれど、エイジングや伝統的な家族制度への問いかけも含めているのは珍しいと思う。
しかもちゃんとロマンチックなのが良いし、ラストのやるせなさには映画を消費の対象で終わらせない作り手
>>続きを読む

RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.8

ジャンクスリラーとしては文句なく楽しい。あくまでジャンクな領域に止まってるとは思うけど。

滝を見にいく(2014年製作の映画)

3.8

老人版『ワイルドツアー』
森の中で人間関係が育まれる様をどう撮るのか。

否定と肯定(2016年製作の映画)

4.2

陰謀論 ホロコースト否定論は、緻密かつ客観的な資料分析に基づいた歴史研究の一つではなくて、民族主義に基づいた恣意的な資料解釈によって生まれるデマである。
判決の後に、アーヴィングに握手をしないというの
>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.5

トキシック・マスキュリニティ・ポルノ
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』から批評性を全部剥ぎ取るとこうなる

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.8

お母さんの言葉の一つ一つに知性が感じられるからこそ居た堪れなくなる展開。
テレビ、宇宙に希望を感じていた人々。
競争社会からドロップアウトして東ドイツに来たという幻想も今にしてみると切実な展開に見える
>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.1

これとクリーピーと予兆で、全盛期の作風を再解釈し尽くした感じはあって、黒沢清がネクストステージ目指すのもわかる。正しくjホラーしつつ、ポスト311映画としても成立してる。いつ消えてしまってもおかしくな>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

-

後で色々考えるけど、とりあえず
『This must be the place』は、ストップ・メイキング・センスの時より好きだ。

逃げた女(2019年製作の映画)

4.0

『ブロークン・フラワーズ』という映画がある。ビル・マーレイ扮する、かつてプレイボーイだった初老男性が元カノ達の元を訪れる物語だ。映画が進むにつれて、この男は人との関係をしっかり築けないままこんな歳にな>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.5

ちょうどいい
ただ、この映画の中で「ジェントルメン」としての魅力を持ってるのが白人男性しかいないってのは、なんというか単純に「気になった」。別に娯楽映画としては及第点だと思うし、スラム街のアフリカ系移
>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 脱出計画(1995年製作の映画)

3.9

ふざけの中にある品の良さ。ジャンル映画のお手本。向こう側としての、オーストラリアや海という概念は確かに黒沢映画に頻出するし、それ以外にもダンボールやビニール袋なんかは、アメリカ製フィルムノワールにおけ>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

4.5

至近距離かつ真正面からカメラを向けられた時、人間は多分動揺する。
「被写体」になる経験を幾ら繰り返したとしても、カメラやその背後のカメラマン、映画監督の姿と対峙することを迫られると、俳優の表情にはほん
>>続きを読む

勝手にしやがれ!! 強奪計画(1995年製作の映画)

4.0

可愛い。哀川翔も前田耕陽も菅田俊も洞口依子も國村隼も七瀬なつみもみんな可愛い。効率のいい長回しも決まってる。『蛇の道』あたりの超絶陰惨なノワールは、こういうひたすら楽しいエンタメの脱構築だったってのも>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

5.0

ウルトラやべえ
可能な限り最高の鑑賞状態だった!
1984『ストップメイキングセンス』
1985『the perfect kiss mv』
1986『サムシング・ワイルド』
毎年こんなに素晴らしい仕事
>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.7

思えば、フランシス・マクドーマンドって、いつもアメリカの荒野に佇んでいた。回想の代わりに断片が語る不可逆な時間の堆積。シネコンのスクリーンに不釣り合いな静かで暗い映像。物悲しい空気に、時折漂う伝統的ア>>続きを読む

その女を殺せ(1952年製作の映画)

4.5

タクシーで説明される状況、首飾りが落ちた先に見える暗殺者、列車と並走する車と、全編「移動」が映画を進める。文字通り「narrow margin」な列車内を行き来して出会った人物は本当に探し求めた対象な>>続きを読む