onoさんの映画レビュー・感想・評価

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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.1

包帯越しに、差し出されたオレンジジュースを眺めるカットで泣いた

自分は「アメリカの片田舎」「群像劇」のコラボに弱いことを知る

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.8

「パシフィックリムで貯まったカネでフルパワーの趣味映画つくってやったぜ!!そろそろ認めざるを得ないだろ世界!!」という心意気を感じた…

一貫して“異形の者”をモチーフにするデルトロおじさんのフェティ
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.7

弟が5歳くらいのころ、水を張ったプラスチックの容器の中に蜘蛛を沈めて、死んでいく様子をジッと見ていたのを、洗面所の扉越しにジッと見ていた夏の日の午後を思い出す……

技法的には、人称の切り替えをスマホ
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.7

『ライオンキング』と似た構造だったけど、正義側のグレーを濁さず描いてる点が、単調なマッチョ・ヒーローものと一線を画してる感じで良かった。

あと純粋に、各部族やブラックパンサーの「衣装」のデザインが素
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.9

事前情報なしに観に行ったら、最後の最後に主役3人とも本人たちだったことを知って度肝を抜かれた……

良いこと積み重ねるといつか功を奏す、という、単純でありながら強い救いを与えてくれる映画。

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.8

ソフィア・コッポラって女子校出身なのかな……とアホな感想を抱いた。

あの、徐々に溜まってゆくムラムラ感は男性監督には描きがたい。

キルスティン・ダンストもエル・ファニングも、監督の意図するキャラク
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.3

当たり前かもしれないけど、ミュージカル映画って、曲の良し悪しが作品の良し悪しに直結するのだなぁ〜〜、と切に感じた。

実業家なのに成功を手にするのが早すぎるうえ、没落後の苦悩もそれほど心に沁みず、うー
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マグノリア(1999年製作の映画)

4.6

これは超傑作。
村上春樹『海辺のカフカ』もこの映画にインスパイアされて書かれたってくらい、スリップストリームの群像劇が好きな人間にはたまらない。

同じPTアンダーソンの『ブギーナイツ』が“男根”の映
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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

3.6

「チンコーーーーー」って映画。アングラ産業に携わってる人たちは、世の偏見を自覚しながらも、ドロップアウトした仲間たちと慰め合って彼らなりに居心地のいいファミリーを形成してゆくのだなぁ、、みたいな話。『>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.1

「恋する男は12000個のプリンを買う」ってコピーと、「PTアンダーソンのラブコメとか絶対おもろいよ〜〜」という淡い期待に任せて観てみたけどクソつまんない。

主人公が情緒不安定すぎて見てらんない。こ
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コード・アンノウン(2000年製作の映画)

3.8

「ディスコミュニケーション」を題材にした群像劇。ジュリエット・ビノシュの表情がシチュエーションごとにコロコロ変化して、これが名女優たる所以か〜〜としみじみ。

電車内でチンピラに絡まれてるとき、脇で連
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.9

人間には、「神に従う人間」と「神を従える人間」の2種類がいると思うのだけど、沈黙をつづけていたイエスの塑像に“Step on me.”という声を見出して形式上の棄教を正当化したロドリゴは、精神的には「>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.2

『ゴッドファーザー I』のクライマックスの男女の動線って〈→ ←〉⇒〈← →〉⇒〈→ | →〉じゃん??
対して『ララランド』は〈→ ←〉⇒〈← →〉⇒〈→ ←〉⇒〈← ↓〉⇒〈← | →
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スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

4.5

端的に言って最高すぎた。

スカイウォーカーたちの物語が〈神話〉として語られ、不在のルークが異彩の存在感を放ち(『桐島』的な)、そして〈神話〉と〈現実〉の中継点にいるハン・ソロが老いた姿でミレニアム・
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パレード(2010年製作の映画)

3.5

吉田修一原作、シェアハウスを舞台にした群像劇。ラストの住人たちの眼差しは鳥肌ものだけど、快楽殺人でオチもってくのはズルくね?、って思う。

中村ゆりは美人。

紅いコーリャン(1987年製作の映画)

3.5

「紅」の使い方が綺麗で、ラストの月蝕のシーンには胸がざわめいたけど、終始モワ〜ッとした熱気のなかで話が進んでいくのが重々しい。

莫言流のマジック・リアリズムを忠実に映像に落とし込もうとした努力がひし
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ドキュメンタリー:映画監督ミヒャエル・ハネケ(2013年製作の映画)

3.8

吐瀉物も血飛沫も、ハネケが撮るとあまりキモく見えないのはなぜだろう。

いや、キモいんだけど、それはスプラッター的な肉肉しいキモさではなくて、“拒絶”と“死”のアレゴリーが放つ、記号的で無臭のキモさ、
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恐怖分子(1986年製作の映画)

3.9

自殺と他殺は紙一重。

寺山修司の、「自殺は美しいが、理由ある自殺は他殺と同じで、美しくない」という言葉を思い出した。

自殺とは、人生を虚構化する儀式であり、ドラマツルギーに支えられた祭りであり、自
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

3.8

“微笑みデブ”の圧倒的存在感。実弾が装填されてるか聞かれ、「7.62ミリ弾……フルメタル・ジャケット(完全被甲弾)だ」って決め台詞とともに便座から立ち上がるデブがカッコよすぎた。

他にも「アカの手先
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.4

コーエン兄弟、いまいちピンと来ない。プロットがカチッとしすぎてて、鑑賞者側に解釈の余地を残さない感じがすごく窮屈。
家庭内の空気感とか、もっと気を配って描いてもよかったのでは…。誘拐犯も、中途半端にマ
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

3.4

コーエン兄弟。夜中になんも考えず、冷えたコーラ飲みながら暇つぶしに観るタイプの映画。

観終わったあと、「はなから伏線回収する気なんてないんだろうな…クソ……寝よ…」って気持ちになれる。

ストーリー
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シャイニング(1980年製作の映画)

3.8

『花とアリス』に「ゾンビみたいのとか幽霊とかよりさ、人間のコワイ方が・・・怖くない?」ってセリフがあったけど、ホントそう思う。

特に家族や恋人みたいな、「信頼」を前提にした存在との補完的な関係が破綻
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愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)

3.4

長すぎ。

親子2世代にわたる4家族の群像劇を3時間の尺で描き切ろうというのがまず強引だし、核となる人物を据えてないおかげで話の軸がブレまくって、「いまどの家族のはなしをしてるの??」って疑問が泡のよ
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