poemさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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レオン 完全版(1994年製作の映画)

4.2

美しく面白い作品だと思った。
特徴的なサングラスのみ映すことで、顔もわからず現れぬレオンに、冒頭は誰しもが恐怖を覚えただろう。
しかし、蓋をあけてみれば、観葉植物にこまめに水をやり、牛乳を好み、大人で
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

3.8

こういう人間らしい、人間の作品、好き。
鑑賞者に、主人公を、周囲の視線と全く同じく「なんなんだコイツ…」という印象を抱かせて、徐々に、過去が明らかにされていく脚本も、綿密に練られていたと思う。
それで
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.1

ミュージカル映画というより、ミュージカルであった。
歌も踊りも壮大で素敵だが、映画において最重要なストーリーが個人的には好きではなかった。

名探偵コナン ゼロの執行人(2018年製作の映画)

3.6

原作コナンファン必見。
相棒かつコナンが大好きな私にとって、今作は完全にヒットした。
ミステリーとして、無理矢理すぎる伏線が多くあるのが残念だが、ストーリー構成も昨今の作品に比べて乱雑ではないし、とに
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.4

ストーリーの起承転結がしっかりしていて、スムーズに進んで行くわけでもなく、全年代誰でも楽しめる映画だと思う。
ピクサーらしいワクワクする世界観やキャラクターだけども、一方伏線的シーンも多々あることに驚
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

4.4

岩井俊二の作品は、どこか不思議で奇妙であるにも関わらず、ドキュメンタリーのような印象を受ける。私は無知識なために理由はわからないが、それがまた物語に不思議な力を働かせている気がする。
うまく言葉で表現
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ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.4

人魚に妖艶なナイトクラブや不思議な曲調など、ファンタジーな世界観ながらも、家族愛に恋愛などがリアルに描かれている作品だった。
人間を捕食するか、人魚としてどう生き抜くか、など、生態系の弱肉強食を思い出
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戦場にかける橋(1957年製作の映画)

4.3

所謂〝戦争〟らしい戦争の描写はない。捕虜収容所が舞台で、女性の出演が過小なことなど、『戦場のメリークリスマス』に影響を与えたのではないかと思った。
日本人(東洋)の武士道やハラキリなどの古臭いステレオ
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ソウル・キッチン(2009年製作の映画)

3.7

いい意味でごちゃごちゃとした混沌たる設定だった。その構成がまさにソウルフルで、人間同士の本能、欲望、野望などの魂がぶつかりあうような印象を受けた。
ファティ・アキン監督の作品は、比較的短時間で表現した
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アウトレイジ(2010年製作の映画)

3.5

それぞれのキャラクターの個性が立っていて、騙し騙されの絶対悪が見てて気持ちが良い。
上から俯瞰して撮る画やガラス越しに撮った画がユニークで、脚本だけでなく、監督北野武の技術が光っているように感じた。
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.6

スリービルボードに端を発する人々の物語。被害者側も、警察側も、各々の感情全てが良く伝わってきて、人間らしい人間が描かれているように思えた。
頻出する暴行シーンは人間の抑圧できぬ衝動、憎悪、悲哀といった
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名探偵コナン ベイカー街の亡霊(2002年製作の映画)

4.2

本当に何度見ても劇場版のコナン史上最も面白いと思う。何より脚本がいい!人工知能という未来に先駆けるテーマを以って過去に触れ行く少年少女達。また、ゲーム内と現実が交錯するミステリー仕様も兎に角面白い。愛>>続きを読む

セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

3.7

アルパチーノの演技にただひたすら脱帽。彼の光り輝く演技力が作品を大いに補強していると思う。
年齢を超越した友情物語の構造は、マーティン・ブレスト監督の十八番に違いない。フェラーリに試乗するシーンや、兄
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麗しのサブリナ(1954年製作の映画)

3.7

サブリナが自殺しようとしてエンジンを入れた時にガスが環状にぽこぽこ音を立てて噴出されるとか、面白おかしいシーンも多くありながら、少女漫画のようなラブコメディ要素をふんだんに含んでおり、見るに飽きない内>>続きを読む

波止場(1954年製作の映画)

3.9

元プロボクサーで兄はマフィアのボスの側近、自身も活動に多少関与するも、港湾労働者として毎日を過ごす男。
これだけで魅せられる設定なのだが、マーロン・ブランドの過去や兄との関係などが、物語が進むにつれ徐
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ピッチ・パーフェクト(2012年製作の映画)

3.6

最近重々しい映画を続けて見ていたので気分爽快。キャラクターも個性的だし何よりみんな"自分"を持っていて素敵だった。リフ・オフが格好良くて鳥肌もの。
しかし、展開が何においても急すぎる気がした。限られた
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

うまく言葉にできないふわふわとした感覚に陥った。
戦争映画ながら、爆撃シーンなどは一切無い。また、和洋の様々な事項が対立し衝突するが、最終的には国、かつ敵国を超越した友情と愛情が芽生える作品。自論だが
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.7

既に何回も鑑賞しているものの、見るたびに新たな発見がある。戦争とは何か?生きることの意味とは?後半は反戦を物語る強いメッセージ性を感じるが、この映画の醍醐味は戦争だけではないと思う。愛情に人情、広島と>>続きを読む

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.7

まず、画の撮り方が凄く格好いいと思った。鑑賞者の心理をも揺るがすためにレクター博士を正面から撮る画を多く用いたり、ビルの家を訪ねた時の同時進行の描写、ラストシーンでは犯人側の目線でクラリスを捉えるなど>>続きを読む

スコア(2001年製作の映画)

3.4

普通に面白いし、強盗シーンはハラハラドキドキして、キャラクターの設定も自然で入りやすく、何より豪華キャストの演技力には見入ってしまう。
しかし、途中から強盗手順のハウツーを見ているような気がしてしまっ
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サウンド・オブ・ミュージック(1964年製作の映画)

4.6

ポップなミュージカル性が、第二次世界大戦開幕間近の暗澹たる情勢にある舞台背景と対比されてより一層引き立っている。終盤の亡命シーンのようなハラハラドキドキするシーンもあるので、ストーリーにメリハリもあり>>続きを読む

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.6

幼い頃から数えれば既に30回以上は見てる作品だが、何度見ても色褪せない作品。国連加盟の独立国が偽札を横行させているという社会的タブー問題を取り上げながらも、コミカルでバカバカしいシーン満載で、追い追わ>>続きを読む

そして、私たちは愛に帰る(2007年製作の映画)

3.8

様々な倫理的問題がテーマとして自然に織り込まれており、見ごたえ抜群であった。
国境を越えた六人の人生が巧妙に交錯してるわけだが、最終的に彼らは一点に交わるのか、ねじれの関係にあるままなのかわからぬまま
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

直接的言語を以って表現しなくとも、戦争に行った過去が、よく浮き彫りになっていたと思う。勝手な憶測に過ぎないが、戦争から帰還したヒーローのはずが、母国には居場所が無くなっており、戦争とは違う倫理的な悪が>>続きを読む

最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

3.5

2018年一本目。余命を間近にした老人二人だからこそリアリティがある映画だった。しかし、人間誰しもいつ死ぬかわからない。作中に、“自分がいつ死ぬか知りたいか?”という問いに対する言及があったが、わから>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.2

ザ・ヒューマンコメディー映画という内容だが、反面道徳的、宗教的、政治的問題を常時提示してくる。運命はあるのか?神は存在する?死とは何か?人生とは一体?戦争をする意味は?人種の相違とは?
フォレスト・ガ
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追憶と、踊りながら(2014年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

賛否両論わかれるかもしれないが、私はいたく面白いと感じた。
異国での生活、LGBDなど深いテーマを扱っているものの、繊細で優しい作品となっている。カイの生前の現実と、カイの死後の現実をシームレスに描写
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.6

恥ずかしながらダンケルクの戦いやダイナモ作戦について当作を契機に知った。陸、海、空で交錯する空間的な戦闘は臨場感があり、緊張感を常に持ちながら鑑賞していた。他国に逃げ込む兵士や他国の兵士を守る兵士など>>続きを読む

アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

3.9

コメディ要素をふんだんに含みながらも、不倫や自殺など道徳的に重いテーマを取り扱い、メリハリのあるストーリーであった。
何もかも報われないバクスターに、あのラストシーンを自然な流れで与える点にビリー・ワ
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情婦(1957年製作の映画)

4.6

最高のミステリー。ストーリーの面白さは無論、台詞の一つ一つに伏線やら仕掛けが組み込まれており見応え抜群。白黒映画だから成せる陰影の使い方、特にこの映画の場合は片眼鏡、が美しい。ココアをブランデーに変え>>続きを読む

恋する惑星(1994年製作の映画)

3.7

何といっても独特なカメラワークと色彩が印象深い。東洋と西洋が折衷された混沌の街、香港によく合うものだったと思った。
登場人物もみなそれぞれ個性を放っており可愛い。愛情表現も人それぞれ。石鹸にヤケになっ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.7

名作としか言いようがない。陽炎の立つ線路沿いを4人横並びに歩く画が兎に角好き。道中の喜怒哀楽の描き方も最高。
人間は常に悩みを抱えながら成長していく生き物なのだと改めて実感した。

黄金のアデーレ 名画の帰還(2015年製作の映画)

3.6

想像以上に良かった。回想に多くの時間を割くことに勇気を有しただろうが、この作品の場合正解だと思う。マリアの心情を言語を以って直接的に表現せずとも、シーンから自ずと伝わる脚本や演出も素晴らしい。ナチスの>>続きを読む

ホーム・アローン(1990年製作の映画)

3.7

もうすぐクリスマスということで鑑賞。ケビンのずる賢さには脱帽!泥棒を追い払うシーンは最高。数日の一人暮らしを経て、暮らしの苦労、寂寞感を知り人間として成長するストーリーも非常に見やすい。
泥棒の片方が
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

2.8

原作も読み、他作品も種々見ているとせっかくの推理シーンと人物描写の浅さが気になった。
しかしそれを補う豪華なキャスト陣による演技力、舞台背景のリアリティに映像の美しさは見応え満載。
ラストシーンにポア
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プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.1

冒頭のオマハビーチの戦闘シーンが最も印象的だった。三脚を使わない臨場感のあるカメラワーク。水中と地上を交互に写したシーンに特に感動した。爆撃音の聞こえない水中に何処か安息感を覚えてしまう。地獄の如き状>>続きを読む