グリーンブック、観賞。
人はいくつになっても善なる方向へ成長してゆけるのだということ、そしてそのために必要なことを8週間の旅路を通じて教えてくれる。
1960年代、アメリカ南部でスタンダードだった>>続きを読む
ギルティ、観賞。
映像として提示されるのは緊急通報指令室の1室(厳密には2室)、そしてそこで働くオペレーターとその同僚たちのみだ。それ以外は全て音声、つまり電話口の向こうにある。
タイトなコンセプト>>続きを読む
アリータ:バトル・エンジェル、観賞。
映像もストーリーも先進的というよりは堅調な表現。キャメロンの狙いはやはり言葉そのままのジャパニメーションのハリウッド実写化で、そのノイズになるものには挑戦してい>>続きを読む
バジュランギおじさんと、小さな迷子 観賞。
「迷子」というフォーマットを借りたハートウォーミングな凸凹バディムービー。
と言いたいところだが、それは主に俳優陣の陽性な資質とシンプルなプロットに由来し>>続きを読む
ファースト・マン、dtsX観賞。
冒頭からデイミアン・チャゼル監督の前2作、「セッション」とも「ラ・ラ・ランド」とも異質な手ざわりのアプローチ。普通の映画を構成する要素のうちいくつかを意識的に引っこ>>続きを読む
アクアマン、観賞。
ブロックバスターかくあるべし、といったところか。興行・内容共にマーヴェルに大きく水を開けられたDC、ワンダーウーマンに続く起死回生の一撃は、ジェームズ・ワン監督が古今東西のエンタ>>続きを読む
女王陛下のお気に入り、観賞。
ゴールデングローブ賞、アカデミー賞のいずれも主演/助演女優賞に3人がノミネートされている本作。オリビア・コールマンが主演、エマ・ストーンとレイチェル・ワイズが助演枠だが>>続きを読む
サスペリア、観賞。
ルカ・グァダニーノ監督による見事な再構築。その指針としては「コントラスト」か。
フィルターをかけることなく人間の、女性の肉体を捉えることで、蠱惑的な表現のオリジナルとは異なるエン>>続きを読む
ミスター・ガラス、観賞。
邦題なんでミスターつけちゃったんだろう。アンブレイカブル、スプリットの正統続編。この流れに乗せると、オチでひっくり返すだけではない映像作家としてのシャマランの本質が浮かび上>>続きを読む
クリードⅡ、観賞。
クリードⅠもそうだが、実はロッキーシリーズ初観賞。予備知識の寡多で満足度が変わるのはやむを得ないが、本作は多重に続編であるにもかかわらず、予備知識なしの満足度のラインが極めて高い>>続きを読む
蜘蛛の巣を払う女、観賞。
前作未見なのでフィンチャー×ルーニー・マーラと比べることはできないが、アバンタイトルで描かれるリスベットの幼少期のエピソードで感じた、あと一歩の踏み込みが甘いという印象を終>>続きを読む
ホイットニー、観賞。
有名曲を散りばめたアゲアゲの作りでないことは冒頭、ノイズとザッピングでかき消される歌声から明らか。事前情報より数段シビア、綺麗事なしで歌姫ホイットニー・ヒューストンの栄光と挫折>>続きを読む
パッドマン、観賞。
2018年のラスト観賞作品。第1部、因習の連鎖やムラ社会における同調圧力、もっさりした20世紀テレビドラマ的演出とテンポで描かれるそれらは、意外なほどの苛烈さをもって迫ってくる。>>続きを読む
ゴッズ・オウン・カントリー、観賞。
世界の片隅で、何処にも行けずに迷子のように生きるひとびと。そこに訪れた、人生の救いになるような運命の出会い。羊飼いの物語だ。
LGBT作品に触れると、ラブストー>>続きを読む
シシリアン・ゴースト・ストーリー、観賞。
冒頭から風景や音のかたちを借りて重ねられた、叙情と酷薄のレイヤーのずれが焦点を結んだ時に訪れる圧倒的なカタルシス。
未来ある現在とそうでない現在が交差する>>続きを読む
ア・ゴースト・ストーリー、観賞。
時間と視点に対するフェティシズムと、幽霊版ナショナルジオグラフィック的な切り口が交わる地点にほのかに立ちのぼる、愛に似た何か。ラブストーリーだと思ってみると肩透かし>>続きを読む
死体が消えた夜、観賞。
ネタバレになるかもなのでタイトルは書かないけれどリメイク。韓国映画がリメイクに選びそうな内容だ。ホラーなのか推理ものなのかノワールなのかジャンルを特定させない展開が続き、観る>>続きを読む
シュガーラッシュ・オンライン、観賞。
レトロゲームへの郷愁をフックに、設定や出自の異なるゲーム内キャラクターたちの友情の在り方を描いた前作から6年後の続編。
親友となったラルフとヴァネロペがゲーム>>続きを読む
アリー スター誕生、観賞。
4度目のリメイクは当初のビヨンセ主演&イーストウッド監督コンビから紆余曲折を経て、レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパーの初主演・初監督コンビで実現。
フレッシュな顔>>続きを読む
来る、観賞。
原作小説のタイトルから主語を取り去って「来る」。何が来るか、よりも何時何処に来るかにフォーカスをずらすことで映像化のアドバンテージ、中島哲也監督の得意な領域に引き寄せることに成功してい>>続きを読む
ヘレディタリー 継承、観賞。
ホラー要素はむしろエンタメ側からのリスクヘッジ、本質は最凶最悪の家族映画だ。
ここで描かれる絶望感は、極限状況下での家族の絆や人間の尊厳を掲げたクワイエット・プレイス>>続きを読む
ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生、観賞。
本作の特徴がほぼ出ている、という意味でお手本のようなアバンタイトルだ。ダークで社会的なテーマに野心的に切り込む姿勢と、均質で緩急のない脚本と>>続きを読む
ボヘミアン・ラプソディ、観賞。
フレディ・マーキュリーという不世出の天才と、クイーンの代表曲ボヘミアン・ラプソディを重ねた作り、その語り口で怒涛のライブエイド完コピの終盤につなげる展開、いずれも上手>>続きを読む
ヴェノム、観賞。
マーヴェル史上最凶最悪でもなんでもないけれど、そもそもPG-13、ゾンビランドのルーベン・フライシャーにそんなものが撮れるわけないので、このトム・ハーディとごはんですよの異種間ブロ>>続きを読む
サーチ、観賞。
アバンタイトルから特徴的だが、全編PCの画面で構成することで時間経過と空間を圧縮し、情報の提示の仕方にひとひねり加えることで、フェアで堅調なスタイルのミステリの鮮度を保ったまま着地さ>>続きを読む
バーバラと心の巨人、観賞。
原題はI Kill Giants。解釈の幅を大きく狭めるような邦題に、公開決定時に賛否が分かれたが、観賞後の率直な感想としてはまあ、この邦題でも別にいいかな...という感>>続きを読む
アンダー・ザ・シルバーレイク、観賞。
膨大なオマージュとコラージュの照り返しの中から浮かび上がる夢と挫折の記憶と現在進行形の敗北と。悪夢版ララランドと称される本作、煌びやかさの代わりにモンドなムード>>続きを読む
若おかみは小学生!、観賞。
マジックリアリズムを民俗学よりもジュブナイルの領域に引き寄せ、少女の成長とビターに絡めるストーリー運びが堅実ながら素晴らしい。バディもの、ライバルものとしての転がし方も気>>続きを読む
運命は踊る、観賞。
ギリシャ悲劇の3部構成を採用した、戦地に赴任した息子と、彼の戦死の報を受け取った父と母の物語。父と母それぞれのパートの緻密な画面設定と重厚な演技も素晴らしいのだけれど、何より息子>>続きを読む
クワイエット・プレイス、観賞。
結末が指し示す方向と人間性の掘り下げ方、その2点をもってして、ホラーというよりは激スリリングなソリッドシチュエーションSFと言うべきか。音を立てたらアウト、という設定>>続きを読む
バッド・ジーニアス、観賞。
カンニングを主軸にした青春群像劇、の裏地に少年少女たちが置かれたタイ社会の正と負の連鎖が縫い合わされている。
前者をオーシャンズやミッションインポッシブルシリーズのよう>>続きを読む
スカイスクレイパー、観賞。
この夏の3大俺たちの日曜洋画劇場枠(残りはMEG、プレデター)の中ではいちばん真っ当、ロック様主演作あるあるだが、予想を上回って面白い。B級コンテンツとしてハードルを下げ>>続きを読む