ナイトクラビングの核心に社会史とラヴ・ロマンスというマクロ/ミクロの両面から迫る良作。派手さはないがアイディアが斬新。ヘンリー・ジェイムズの作品に範を取っているというが、クラブという閉鎖空間を効果的に>>続きを読む
うつくしい活動写真。江角マキコの話す関西弁の台詞が彼女の表情や動作にフィットし、いきいきとしていた。
このレビューはネタバレを含みます
2000年代の郊外(「うみべ」の町)で思春期を過ごしたわたしたちの物語が現代を舞台に展開される。大人に聞かれれば「なんでもない」としか答えようのない地方の複雑さが丁寧に切り取られていた。「風をあつめて>>続きを読む
原題は”Ground Jete”。”jete”はバレエの技術で「跳躍」を意味するらしい。その言葉が「地上」を表す”ground”と組み合わされているところにおそらく、本作のコンセプトはある。
面白すぎて2回死んだ。低予算でも本当に面白い映画って作れるんだな。
ドゥルーズ=ガタリの言う「顔貌性」(ホワイトウォール/ブラックホール、点と線)を想起した。ストーリーはいわゆる「胸糞」でも、すべての「教師」がみておくべきだと思わせられるくらい、聖域ではなく地獄(生徒>>続きを読む
私たちが真に「私たちの音楽」と呼びうるものは何か、という問いに興味があるならぜったいに観ておいた方がいい、今しかない。
70年代のウエストコーストをこだわり抜いたセットで再現し、女性本位の恋愛をあざやかな映像で瑞々しく描いたという点は良かった。が、ひっかかるところがあまりに多すぎるうえに、あまりに冗長ではないか? おじ>>続きを読む
「右」と「左」の歴史に残る名勝負(プロ・レスリングとして)。ジャーゴンと政治論争がエンターテイメントとして成立し得た時代のおじさんたちによる、青春のメモワール。いい時代だったんだなと思い、羨望の念を抱>>続きを読む
「今時ダブルワークは普通だよ」、「客に墨見せんじゃねーぞ」、この冒頭の二言で物語は完成。永瀬正敏が出れば、どんな映画もブルースになる——すなわち、三行目の余韻でカタがつく。
飛べもしなければ泳げもしな>>続きを読む
敗戦直後の日本の風景を再現することへの執念を感じた。音楽モノとしても優れている。とても愉快で楽しい映画。