おさるさんの映画レビュー・感想・評価

おさる

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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

何もわかっていませんです。
そんな、私が観ただけの感想です。
という、慇懃無礼に振る舞うならば、ゴジラ退治は、大変面白かったです。
人間模様に、ご都合主義も感じ、時代設定からくる不可思議さもありました
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Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)

4.0

性的同意という概念が、いかに複雑で一筋縄でいかないものかということを、素晴らしく示唆してくれる作品。
同意の有無がスパッときれるという前提で、物事を云々している日本の昨今を、開眼させるに良い映画です。

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

3.9

ソマリア内戦のこと、その中で外交官がどうたち振る舞ったか、考えたこともない世界の話だったが、非常に興味深く、一方でエンタメ要素も満載だった。
しかし、やはり、朝鮮半島の北と南、両者のつながりと、葛藤が
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

シネ·ヌーヴォーx で鑑賞。
事件までの道のりが長い印象はあるが、最後の盛り上がりのため、人物や村の背景を丁寧に描くことが必要だったのかな、とも思う。
行商の親方演じる永山瑛太が、朝鮮人と疑われた時に
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破壊の自然史(2022年製作の映画)

3.3

淡々と大量の爆弾と爆撃機を市民が生産し、淡々と都市を破壊していく。
昨今の戦争が遠隔地からゲームのようにボタンを押すだけで、遥か彼方の国の人々を攻撃でき、破壊への痛みがなくなっていると聞くが、すでに第
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

特にジブリファンでなく、その世界観も理解していないせいか、、とは思うが、端的に言うとよくわからなかった。
悪意のない理想を追い求めて引きこもった世界を引き継ぐのではなく、自分にだって悪意があることを認
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怪物(2023年製作の映画)

3.5

誰かは誰かにとっての怪物になる。
悪気がなくとも、物事は転び、人を傷つけ、人生の暗部に陥れる。誤解によるもつれと言えばそれまでかもしれないが、人は性善とのみ生きられないことを、恐ろしいまで直面させられ
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.9

配達ドライバーの労働環境については、数年前メディアでよく問題になったが、最近はあまり言われない。が、もちろん改善はされていないだろう。

富裕層と貧困層、どの社会にもどの時代にも、多かれ少なかれあるの
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はりぼて(2020年製作の映画)

4.2

呆れるような市議会議員たちと、すべてにおいてテクニカルに責任を負わない市長、それらの滑稽さは笑えるものだが、こんなにうまく編集できるとは、作り手による一流の皮肉的センス良さを感じる。

そして、この映
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日本独立(2020年製作の映画)

3.0

日本国憲法草案過程にフォーカスして戦後の様子が見られるのは、それなりに見ごたえはあった。
映画全体としての製作者の意図としては、おそらく押し付け憲法・性急な憲法に対しての疑義を提起したいものなのだろう
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提報者 ES細胞捏造事件(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジャーナリスト魂を描いたものであると同時に、うつろいやすい民衆の機運も、この映画のテーマの一つだろう。
一方の側に正義があると決めつけると、それに引っ張られる人々の暴力性も描かれている。そしてまた、E
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.2

人間が良く分からなくなったこの世界で、とてつもなく人間を描き切っている映画。
最高と最低の狭間に人間関係と人生があり、それを人は生きるのだし、生きざるをえないのだということをわからせてくれる。
フラン
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私は貝になりたい(2008年製作の映画)

2.8

どうしてもやはりフランキー堺バージョンと比較してしまう。
過剰なBGM、綺麗な紅葉や雪景色と仲間ゆきえの苦労シーンを見せたかったのかもしれないが、嘆願書集めを長々と映し出すのは冗長に感じてしまうし、不
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おとなの事情 スマホをのぞいたら(2021年製作の映画)

2.0

こわいもの見たさでみてみたが、演出はダサく、食事中の会話におしゃれはなく、付け足された感動設定は、本家映画のエッセンスを台無しにした。
韓国バージョンと同じく、工夫はなくともオリジナルを完全トレースし
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完璧な他人(2018年製作の映画)

3.3

妙なことをせずに、忠実に本家イタリアバージョンをリメイクしているのが、むしろ良かった。

ミュンヘン(2005年製作の映画)

3.3

民族や国という単位は、世界共通のものではない。
ユダヤ人という民族は法も暴力も、ものともしない団結性がある。その良し悪しは別として。
自分にはどのようにしても理解が困難な何かではある。

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.5

キアーには幸せな今後を願ずにはいられず、
ザックには、申し訳ないが、あまり同情できず、
ビンは心配せずとも成功がある。

若き日の三人は同等にスケボーを通した将来への可能性をもち、
同等にそれぞれに家
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.5

FBI職員が、序盤はまるで大陸発見時からの横暴で傲慢な存在と映るが、翻って日本人も、同じようにアイヌ民族を肥沃な土地から強制移住させて、同質化しようとしてきた歴史がある。
違いはアイヌ人は残念ながら、
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いつだってやめられる 7人の危ない教授たち(2014年製作の映画)

3.1

かなりバカバカしいが、ポスドク問題が我が国だけでのことでないのが、皮肉られているのは、まあ面白い。

スティルウォーター(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

マットデイモン演じる白人男性は、これまでの世の中で一番強い存在だったが、この映画では最も弱く阻害的な存在に映っている。
マルセイユの街の人口構成の実際は知らないものの、映画では白人よりもそうでない肌の
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ドンバス(2018年製作の映画)

3.5

大阪 第七藝術劇場にて鑑賞。
当日は、アフタートークにて専門家の解説を多少聞くことができ、理解できた箇所が増えたが、読解は一般人には難しい映画。
彼の地の酷なる戦場での人々の暮らしに胸を痛めるというよ
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バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.4

面白い、んだけれど、トムクルーズが演じると滑稽な役柄も、何となくええかっこになりすぎる感じがしてしまい、、、。ディカプリオあたりにやって欲しかったような気もするが、それだどはまり役すぎなのかな。

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クナシリ(2019年製作の映画)

3.5

日本人が映画を撮ることは、ままならない場所の情景を見ることができる貴重な映画。

現地の人も、日本人が来られたらたまらない、という思いをもったり、埋もれた日本統治の過去を掘り起こす責務を感じたり、辺境
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.3

家族や地域がすでに崩壊してはいるものの、
ネットで繋がる疑似コミュニティーはまだ誕生していない、
そんな期間の話に思える。

今なら、クリスティアンは仕事後帰ってネットしまくりで、ブルーノとの交流も、
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決算!忠臣蔵(2019年製作の映画)

3.5

歴史的な出来事は、時を経て物語化する中で、ある者は美化され、ある者は貶められ、事実だったこととは離れていくのだろうと思う。が、人間自体が飛躍的に賢くなったり馬鹿になったりするわけでないので、数百年昔も>>続きを読む

みかんの丘(2013年製作の映画)

3.5

ウクライナでの戦争のただ中である2022年3月現在、メディアには出現しないが、同じような構図の出来事は起こっているのだろうなと想像する。
敵味方に分かれて戦い、どっち陣営に入るのかが問われるが、現場に
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とうもろこしの島(2014年製作の映画)

3.6

老人の哀愁ある独立独歩の姿勢には引き込まれる。
孫の親は戦争で亡くなったのだろうな、と想像でき、人間としてジョージア人の戦闘員を助けるものの、孫と仲良くするのは許せない、という複雑な心境を垣間見る。
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.5

トレインスポッティングを20
代で見た自分としては、20年後の彼らの心境と境遇を、イタく分かってしまう時点で、この映画は単なるパート2映画ではない。
この2作はやはり、薬物をモチーフにしているものの、
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バンデラス ウクライナの英雄(2018年製作の映画)

3.3

映画としてはクサいメロドラマだが、
彼の地の複雑な実態を触れるには、今見るのはありな映画。

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い(2015年製作の映画)

3.4

ウクライナの人々に、武器を手に抵抗を、
と呼びかけたゼレンスキー大統領、
市民が抗戦など無理だろう、と思っていたが
この映画を見ると、外国勢力にも市民は戦うのかもしれない、
という迫力を感じる。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人生は楽しかろうが、辛かろうが、生きていかなければならないものなのだ。

という、ごく当たり前のことを、深い感動をもってじっくり染みわたらせてくれる映画。

サーブに乗り、カセットテープを聞き、紙の辞
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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

3.0

よくここまで荒唐無稽な映画が作れるものだ。。。
いくら何でもあほすぎる映画だが、イギリスの田舎町感は面白い。

再会の奈良(2020年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

何となく北野武っぽい部分があるなー、と思っていたら、音楽は北野作品をたくさん手がけた方らしく、
最後に突如流れるテルサテンは、突然日本歌謡を挿入してくるアキ・カウリスマキを想起させたり、
素人さんと覚
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パイプライン(2021年製作の映画)

2.8

ドライブマイカーを観に行ったら、満席で観れず、同時刻にやってたこれを観たものの、、、、
韓国映画の隆盛は喧伝されているが、やはり当然、中には駄作もあることを認識するには良い。

香川1区(2021年製作の映画)

3.6

小川淳也氏を見ると、素直に、総理大臣になって欲しいと思うのだけれど、
一方で、世の中が平井氏的なものを選び続ける不気味さのリアリティも深く感じる。
今回は小川氏へ追い風が吹き続け勝利したが、明るい事務
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

3.5

小津安二郎は本当に赤が好きなのだな、と強く認識。

飲酒状態で見たからか、都度都度で大爆笑してしまった。滑稽なほど演技くささがありながら、どこまでも人間くさい登場人物たちに、それぞれ好感をもたざるをえ
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