うめさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.8

サーカスで働く母
幼いながら共に働く息子ヨーヨー
富豪の父も没落を機に一緒の生活に

「大恋愛」のシニカルさと比べると
「幸福な結婚記念日」に近い楽しさ
まだ何本かしか見ていないけど
やっぱりエテック
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.0

冷たい水の底に

たった一人で沈んだままの

クジラたち

か細く

今にも消え入りそうな

小さな声だけど

必死に

命を振り絞り

鳴き続ける

その叫びは

遂に届く

でも

それを誰もが認
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

4.0

ゲイの男子高校生

BL好きの女子高生

近いようで遠い2人

急速に訪れる接近が

秘めた願いを

隠してきた思いを

浮き彫りにしていく

そして

周りも無傷ではいられない

自分の立ち位置はど
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ロレンツォのオイル/命の詩(1992年製作の映画)

3.7

可愛い一人息子を蝕む病ALD
何も治療法は確立されておらず
必死に立ち向かう夫婦の奮闘の実話


ジョージ・ミラーの意外な一面
こんなにもシリアスでヘビーな作品も撮っているのですね
そして
父親のニッ
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戦場からのラブレター(2014年製作の映画)

3.9

やっと掴んだ大学への道

共に歩めると思った彼の掌

ずっと側にいてくれた弟

突然にひらかれた戦火は 

私の全てを燃やし始める

それならばと

追いかけた戦場で

ただ繰り広げられる

意義のな
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大恋愛(1969年製作の映画)

3.5

女心は秋の空なんて言うけれど
男心だって愚かしくて落ち着かないもの
それを
色鮮やかに
皮肉たっぷりに
幻想的に
フランスらしいオシャレさで描く
ただ
同性だからか
オジサンの暴走ってのは
見苦しさが
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At the terrace テラスにて(2016年製作の映画)

4.0

ある豪邸で開かれたホームパーティー
お開きの前の軽いテラストークのはずが
仕事への期待
沸き立つ性欲
譲れぬプライド
噴出するエゴ
それは
取引先
夫婦
親子
全ての壁を薙ぎ倒していく
ものすごくブラ
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幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

3.7

料理を用意して帰りを待つ妻と
贈り物を買って帰ろうとする夫
しかし
その道は平坦なものではなかった
夫を待ち受ける試練と
妻のただ待たねばならない時間
13分と短いのに
不思議な微笑ましさがあって
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

病気だとか

健康だとか

そこに境界はなくて

誰もが

闇の中で膝を抱え

痛みに震えている

それでも

世界は回っていく

苦しくても

悲しくても

ゆっくりと

光は射してくる



予告
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

第二次世界大戦末期のフィンランド
撤退中のナチスが見つけたのは
馬に乗り犬とトボトボと歩く老人
彼の持つ金を奪おうと手を出したのが運の尽きだった


容赦のないバイオレンス描写
戦争により失われる人間
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狩人の夜(1955年製作の映画)

4.1

死刑になった父が隠した大金
知るのは幼い2人の子供だけだったが
一人の男の影が忍び寄る

今はサスペンス慣れしているからか
思ったよりも膨らまない伏線にやや驚くけど…
宗教の持つ危うさ
群集心理の恐ろ
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落穂拾い(2000年製作の映画)

3.8

あの有名なミレーの「落穂拾い」
今では誰もしなくなったと言うが
廃棄された食物
打ち捨てられた食材
収穫されず枯れる農作物
ゴミとして捨てられる家具
それを
生活の苦しさから
金銭に変える為に
まだ使
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輝ける人生(2017年製作の映画)

4.0

人生を謳歌する姉

人生を置き忘れた妹

離れていた時間

すれ違ったままの心

でも

愛に苦しんだ痛みが

ダンスと音楽の楽しさが

沸き立つ胸の高鳴りが

2人を再び結びつける

人生は

いつ
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.8

ギャレス・エドワーズらしさは感じられた
ただ
全体のフォーマットに斬新さはないというか…

AIをテーマにすえるならば
映像の美しさだったり
演出の上手さだったり
そういうのではなく新たな何かを見せ
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.7

本当は「犯罪都市」が見たかったのだけど
夕方からしかやっていないということで…
あまり評判が芳しくない最近のマーヴェル
だけどU-NEXTトライアルの際に貰った無料チケットだしいいか〜

う〜ん
悪く
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.0

ずっと気になっていました
音楽好きな人の絶賛の声
知り合いのイギリス人もベタ褒め
となれば
見に行かないてはない
正直いえば
あまり熱心に聞いたことはない“トーキングヘッズ”
とはいえ
「アメリカンユ
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アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

4.0

映画を撮るうえで
彼女が大事にする3つの事
ひらめき
創造
共有

作品を
人を
映画を
語る
あなたの表情が
あなたの言葉が
心にしみる
最高だった
まじで
あなたを尊敬してます

何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.1

元天才子役の妹は身を持ち崩し
元天才女優の姉は事故で車椅子
歪で危うい生活は過去の確執も絡み崩れ始める

怖っ!
一見は単純な虐げられる姉と自分勝手な妹という単純な構図のようだけど
どちらにもある
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バトル・インフェルノ(2019年製作の映画)

3.7

フェイク動画で一攫千金を狙うインチキ神父と仲間達
しかし
いつもの撮影だったはずが…

今までもあった作りではあるんですが
これはなかなかに良く出来てますね〜
少年時代の過去とか
いろんなものが伏線に
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.7

アウトローで
武闘派で
チャーミングな
エクソシスト
上司にも悪態
ヴェスパに跨り
拳を振るう
もうラッセル・クロウしかできないでしょ

話は
スペインの修道院に住み始めた家族を異変が襲う
呼ばれたア
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.5

あやふやなままに

しょうがないと目を背け

置き去りにしていた思い

22年もの間

絶え間なく

寄せては返してきた

さまざまな

心を抉る苦しみ

のしかかる重い悲しみ

抜け落ちた虚しさ
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.2

盲人の鍼灸師ギョンスは腕を買われ宮廷へ
清国から八年ぶりに帰国した皇太子
清と対立した明と親しくしていた王
国は行く末を巡り蠢き出す

歴史物でエンタメさせたら
やっぱり韓国は上手い!
ひりつくような
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金の国 水の国(2023年製作の映画)

3.7

対立する2つの国
約定により
かたや国一番の美しい女を嫁に出し
かたや国一番の賢い男を婿に出す
しかし
裏で蠢くそれぞれの思惑
巡り合った偽りの夫婦が世界を変えていく

ストーリーも単純明快なら
メッ
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誰も助けてくれない(2023年製作の映画)

3.6

街で孤立する1人の女性
異変は突然に訪れる

人々も語らなければ
物語も語らない
想像する余地というか
きちんと映画を見るという気分に浸らせてくれる
まぁ
やってきたのがアレって事で
ちょっと思ったノ
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

4.0

美しく優しい妻と可愛い2人の子供
それなのに
心は一つの場所にはいられない

アニエス・ヴァルダが好きだ
容赦のない描写
目に鮮やかな色合い
センスの良いファッション
そして
何よりも感じられる
愛す
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LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標(2014年製作の映画)

3.7

次元を狙う銃弾

ルパンはルパンでも
「カリオストロの城」とは対極
お色気もバッチリ
男臭さもバッチリ
絵の感じも
主題歌含め音楽も
ハードボイルドな大人の作品
結末がこれまた激しぶで
ロマンだわ〜
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さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

3.7

小さな罪で8年の刑を受けた若い軍人と
それを護送する2人のベテラン軍人
同情からか人情なのか
盛り上がっていく道ゆき

野暮ったさこそあるものの
そこはやはりジャック・ニコルソン
いつもに比べればアク
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

奇妙で

残酷で

非情で

それなのに

感じられるのは

美しさ

幸せを決めるのは自分

それなのに

押し付けずにはいられない人もいる

“哀れなるものたち”が

単に私たち男性を指しているよ
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少女は卒業しない エピソード0(2022年製作の映画)

-

「流浪の月」と同じく
U-NEXTの独占ドキュメンタリー
監督と主演の河合優実の対談
メインの役者さんへのインタビュー
映画とは違うけど
好きな作品となれば
監督さんの言葉や
演者さん達の演技とは違っ
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.8

韓国映画であって韓国でない

アメリカに移住した家族
呼び寄せられた祖母
そんな家族の奮闘記
小さな田舎町の家が舞台だからか
話もコンパクトで
エモーションも控えめ
そこに
A24のカメラワーク
しか
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赤い天使(1966年製作の映画)

3.8

敵も

味方も

兵隊も

看護婦も

民間人も

男も

女も

子供も

ごちゃ混ぜに 

血に塗れ

身も心も吹き飛ばされる

戦場の天使も

赤く染まっていく


過酷な戦場で
こんなドラマテ
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ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)

3.8

馬鹿な男から金を巻き上げ
次から次へと浮き名を流す
豊かな生活の為に相手を探し
過去は無造作に投げ捨てる
ただ男を騙し
そして
何より自分を騙し生きてきた

なかなか共感は得られないだろうし
そこが評
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ねこぢる草(2000年製作の映画)

3.8

湯浅さん
あなたハンパないね
今でこそイマジネーションの暴力も少し洗練されて“インテリヤクザ”風だけど
見る人へ寄り添う姿勢なんて微塵もない
昔のあなたの剥き出しの創造性は容赦がない
完全に“武闘派”
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揺れるとき(2021年製作の映画)

3.7

幼くても

普通とは違っていても

貧しくても

愛することは変わらない

その熱さも

だから

自分の身を灼き

苦しみながら

小さな身体に抑え込む

その痛みが伝わってきて

私達の心も焦げて
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.1

間の悪いタイミング

噛み合わない会話

すれ違う思い

みんなが真っ直ぐなだけに

続く空振り

でも

最後に快音は響き渡る

そんな瞬間が愛おしすぎて

思わず涙がこぼれる
 

こじんまりした
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MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)

3.7

初期の湯浅監督
尖ってるね〜
今でも攻めてるけど
この鋭さは凄いわ
アヴァンギャルドで
シュールで
ミステリアス
内容もあるようでないような
彼の脳内を覗いているような感覚
伝えたいものはいっぱいある
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